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  • O1-1
    斎藤幹樹 (京都大学大学院博士課程)
    本研究は、下位構文スキーマの定着度が容認性判断に対して与え得る影響を統計的に評価する事を目的とする。下位構文スキーマは「○○先生」のように、部分的にスロットを有するような言語知識である。重回帰分析を主軸とした分析の結果、母語話者に対する容認性判断実験によって得られた各刺激語の評定値の予測に下位構文スキーマの頻度が有意に寄与していた。この事から本論は下位構文スキーマの定着度が容認性判断に影響している可能性があると結論付ける。
  • O1-2
    天谷晴香 (東京大学大学院総合文化研究科)
    メイク動画では、参与者が行う化粧の行程を教示・実演し、また行程に関する雑談を行うというマルチアクティビティーが行われている。発話内容は教示と雑談であり、身体動作としては教示に伴う動作と実演が含まれる。発話を談話セグメント(Grosz & Sidner 1986)で区切り、身体動作をジェスチャー・ユニット(Kendon 2004)を援用しタグ付けした。これらの談話/非談話の単位の重なりとずれから活動の滞りを検知する。
  • O1-3
    布山美慕 (慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科)
    日高昇平 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科)
    諏訪正樹 (慶應義塾大学環境情報学部)
    小説を読む際の読者の認知処理は質的に変化するのだろうか?本研究では,小説を読む間の2ページ単位の読解時間を観測し,この読解時間の統計的な分布を推定して,読者の認知処理内容と処理速度の変化を調べた.その結果,読解時間の分布は2つのガンマ分布の混合分布と推定され,読書中に処理内容・速度の異なる2種類の認知処理が用いられることが示唆された。さらに,この処理の変化は同一作品を読んだ被験者間で類似し,作品の文脈に依存することが示唆された.
  • OS02-1
    日高昇平 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科)
    我々の得る多くの情報は、特定の身体動作と連動しており、逆に、身体動作から動作主に関する多様な情報を得ることができる。本稿では身体動作の潜在的な情報の解読について、計算論的な立場から論じる。具体的に、相互作用のある大自由度である身体運動を,複数のサブシステムの混合とみなし,各サブシステムに固有の力学的な不変量の分析を行った。この分析から、我々が「動作」と自然にみなせる運動系列の分節化が、フラクタル次元の推定により可能であることが示された。
  • OS03-1
    井狩幸男 (大阪市立大学)
    バイリンガルの子供の認知的発達に関する研究紹介を行い、このセッションの基調講演とする。バイリンガル児の認知発達研究についての先行研究を概観後、脳機能イメージングの観点から、関連分野の研究可能性を展望する。
  • OS03-2
    森(三品)聡美 (立教大学)
    日英同時バイリンガル幼児における時制概念の発達について紹介する。言語発達初期の長期的自然発話データにおいて、日本語と英語で時制形態素の出現時期に大きなずれがあることに基づき、概念と形態素発達との関係について考察する。
  • OS03-3
    田浦秀幸 (立命館大学)
    メタ認知能力の獲得に関して日本人モノリンガルと日英バイリンガルの比較研究を紹介する。幼稚園児対象に認知的葛藤をともなうタスクを課し、その行動データ及びタスク遂行時の脳賦活データの分析結果を報告する。
  • OS09-4
    寺井あすか (東京工業大学大学院社会理工学研究科)
    中川正宣 (東京工業大学大学院社会理工学研究科)
    楠見孝 (京都大学)
    坂上雅道 (玉川大学脳科学研究所)
    地村弘二 (慶應義塾大学理工学部)
    「AはBだ」という形式で表現される比喩の解釈として被喩辞(A)、喩辞(B)のどちらにも由来しない創発的解釈が生成される過程の神経回路に関して検討した。実験では、「AはBだ」という形式の文を被験者に提示し、自由に口頭で文の解釈を回答させ、課題遂行中の脳活動を測定した。その結果から、創発的解釈生成は、腹側内側前頭前野を中心とした大域的神経回路によって実装されており、その回路は右半球に側性化していることが示された。
  • OS10-1
    坪田康 (京都工芸繊維大学)
    発表者が受け持つ学部向け英語プレゼンテーションの授業では、口頭発表、ポスター発表、口頭要約などのスピーチを練習させている。練習時には、受講者同士のペアワーク、受講者と社会人が参加したグループワーク、Skype経由で英語話者でつないた状態で全員の前で発表等と、随時、聴き手を変えさせている。それぞれの発表練習においてどのようなインタラクションが行われているか、どのような課題が残っているかについて具体的な事例を交えて発表する。
  • OS10-2
    遠藤智子 (日本学術振興会・筑波大学)
    横森大輔 (九州大学)
    河村まゆみ (言語アノテータ)
    原田康也 (早稲田大学)
    授業内のスピーキング活動は、外国語を話す練習の場であるだけでなく、それ自体がコミュニケーションの場でもある。本発表は比較的自発的で、聞き手に向けての発話である『応答練習』アクティビティをデータとする。英語から日本語へのコードスイッチングに着目することで、学習者がどのようなメタ認知を言語化しているのかを明らかにする。また、それと関連して他のメンバーがどのように応答の産出に参与するのかを分析する。
  • OS10-3
    森下美和 (神戸学院大学)
    原田康也 (早稲田大学)
    著者たちのこれまでの調査で,日本人英語学習者はその習熟度によらず,wh 疑問文の統語構造についての知識が乏しく,また運用に結びつく訓練を受けていてないため,特に音声産出において大きな困難を伴うことが分かっている.本調査では,習熟度の異なる大学生に対して,授業内で平叙文・疑問文の再生または(平叙文からwh 疑問文への)転換を繰り返す練習を行い,その効果を分析・検討した.
  • OS11-5
    助詞の「は」は「主題を表す」とか「関心の対象をピックアップする」と説明されるが,言語の表層情報で言語変換する自然言語処理的には「主語」であったり「目的語」であったりする他に「副詞句」で対応しなければならない場合がある.これを援用して,詩人語を自分語に変換して中原中也の「一つのメルヘン」を勝手読みしてみる.
  • OS12-7
    牧野遼作 (総合研究大学院大学複合科学研究科)
    古山宣洋 (早稲田大学人間科学学術院)
    坊農真弓 (国立情報学研究所コンテンツ科学研究系・総合研究大学院大学複合科学研究科)
    本稿では,実験環境会話データとフィールド環境会話データと分類されうる2種類の会話データの収録冒頭部分の比較検討を行った.参与者たちが自発的に環境を構築し,研究者の介在がなくても会話を行ったのかという観点から,実験/フィールド環境は区別されている.しかし,この環境の差異に関わらず,参与者はそれぞれの環境中で適切な参与者として振る舞うことをしている点では,同様のデータとして扱うことができることを示す
  • P1-12
    伊東朱美 (非常勤講師(東京外国語大学))
    本研究では代名詞などの照応表現を含む文が産出される際「意味役割」の情報が指示内容の決定に大きな影響を及ぼすことを明らかにする。代名詞照応に関しては現在のところ中心化理論による説明が一般的だが、意味役割という概念を導入しての詳細な検討は行われていない。「対象物>到達点>出発点」という意味役割の階層を中心に、従来から代名詞照応に影響するとされる語順や格、時には主題や視点よりも意味役割の情報が照応に大きく作用することを示す。
  • P1-13
    羅希 (神戸大学国際文化学研究科)
    定延利之 (神戸大学)
    従来の研究では「そもそも相づちとは,相手とのコミュニケーションの中で,インタラクティブな状況に埋め込まれた形で発せられるものだ」という認識が十分透徹されているようでいて,実は必ずしもそうではなかったのである.というのは,「相づちが相手の先行発話(速度,内容に対する理解度や態度)にどのように影響されるか」という問題が追求されていないからである.本発表では発表者らの先行研究を発展させることによって,この問題の解決をはかろうとするものである.
  • P1-19
    平知宏 (大阪市立大学大学教育研究センター)
    本研究では,比喩文そのものの要因と比喩文が含まれる文脈の両者が,比喩理解過程そのものに与える影響について検討を行った.その結果 (1) 比喩的な理解を誘導される状況においては,字義通りの理解を誘導される状況よりも,文脈を参照しやすくなること,また,(2) こうした傾向は,比喩文を構成する語の慣習性に影響を受け,比喩的な意味で使用されやすい語が使用されているほど,文脈が参照される傾向は弱くなることが示された.
  • P1-20
    光田基郎 (聖霊女子短期大学)
    協同学習形式の散文理解と内容討議において事前に先行オルグを与えられた閲読内容の説明役と無教示の傾聴・補足役と言う役割の差異と, ウェブ上での内容討議か対面での討議かの差異によって集団内対人態度(課題志向性,親和性とリーダーシップ・フオロワーシップ)の自己評定値が異なる傾向から対面討議での非言語的コミュニケーション効果を指摘した.
  • P1-24
    鈴木陽介 (東京電機大学大学院 理工学研究科 情報学専攻)
    明地洋典 (日本学術振興会 海外特別研究員 (タンペレ大学))
    安田哲也 (十文字学園女子大学 人間生活学部 人間発達心理学科)
    小林春美 (東京電機大学理工学部 情報システムデザイン学系)
    適切かつ効率的で社会的なコミュニケーションの実現には、進行中の指示対象をお互いに確認することが必要であり、指示詞はそれにおいて重要な役割を果たしている。指示詞は全ての言語に存在し、物理的距離はその理解及び使用に関して顕著な特徴を示す。しかし、指示詞の実際的な使用を決定するのは物理的距離ではなく、到達可能性である可能性が考えられる。そこで、我々は対象物から指先までの物理的距離を正確に統制し、到達可能性の指示詞使用への影響を調査した。
  • P1-26
    中村暢佑 (東京工業大学大学院 総合理工学研究科)
    麦谷綾子 (日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所)
    渡邊淳司 (1.東京工業大学大学院 総合理工学研究科 2.日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所)
    私たちは、聴覚的(音声)もしくは視覚的(文字)に言語情報を処理する。このとき、聴覚的な言語処理において音韻処理が行われることは明らかであるが、視覚的な言語処理においても、文字等の形態分析から意味を理解するだけでなく、その文字の音韻処理が半自動的に行われることが示されている。そこで本研究では、聴覚的・視覚的言語情報の音韻処理によって生じるそれぞれの音韻表象が同じ性質を示すものであるのかを検討した。
  • P1-27
    定延利之 (神戸大学)
    杜思宇 (神戸大学院生)
    驚いてつっかえる場合,その形式は「マ、マケドニア」のような途切れ型・語頭戻り方式になりやすい。本発表は,このように話し手の態度を漏らすつっかえ発話の「雄弁」性が,語音やアクセントを正しく実現できるという話し手のスキルを前提としていることを示す.つっかえ発話の意味は話し手の能力を見て解釈される.発話が話し手から独立していない点で,「雄弁」な非流ちょう性は「通常」の文法とは違ったあり方をしている.
  • P2-8
    松井理直 (大阪保健医療大学)
    Dupoux et al. (1999, 2011) は、日本語母語話者や子音連続間に母音を知覚することを報告し、これを知覚的母音挿入と呼んだ。これは借用語音韻論や日本語の母音無声化現象にも示唆を与える重要な研究である。しかし、この研究は音響的に母音が存在しないことが前提となっている。本稿は、日本語に子音に類似した摩擦母音が存在し、日本語母語話者が子音連続間に母音を知覚するのは、この摩擦母音の直接認識であることを論じる。
  • P2-9
    加藤祥 (人間文化研究機構国立国語研究所)
    浅原正幸 (人間文化研究機構国立国語研究所)
    対象物に関する特徴的情報と情報提示順序が読み手の対象物認識に及ぼす影響を,クラウドソーシングを用いた大規模な被験者実験によって調査した.結果,各種の情報を追加することで正答率が単調増加するタイプの対象物と,情報提示順序によって情報が増えても正答率が減少するタイプの対象物が見られた.対象物の認識は,先に提示された情報で想定したカテゴリのメンバー間における差異情報が得られたときに進む傾向が確認された.
  • P2-10
    程莉 (神戸大学大学院)
    この発表では現代日本語共通語における「~NをVtNする」型重複(例:「ノーベル賞を受賞する」)について,その自然さ~不自然さを文法的な観点から検討する。重複が必ずしも不自然なものではなく,VtNが他動詞の場合は「VtNの性質」と「修飾要素の効果」といった要因,また,VtNが自動詞の場合は「動作主性」と「意志性」,「意識の推移」といった要因によって,重複の自然さを変えることを具体的に示す。
  • P2-11
    伊東昌子 (常磐大学)
    文末詞的に使用された顔文字の頻度が,送り手の受け手に対する身体的距離感に与える影響を調べた.独立変数は顔文字の頻度,受け手の性別,送り手が同性か異性かであった.状況設定は,お昼に友人を通して知り合った相手からメールがあり,来週の昼食に誘われるというものである.結果,顔文字が無しと少数使用の場合は,プロクセミックスにおける個体距離・近接相と遠方相の境界内外の距離感が喚起され,顔文字多用の場合は密接距離に近い距離感が喚起された.
  • P2-15
    小島隆次 (滋賀医科大学)
    本研究は、キャラクターの空間位置ステレオタイプに注目し、このステレオタイプが文章読解時のキャラクターの位置関係把握や空間メンタルモデル構築に及ぼす影響について検討した。その結果、文章読解時における空間メンタルモデル構築に対するキャラクターの空間位置ステレオタイプ効果の存在と、キャラクターに関する空間位置ステレオタイプが特に想定されない場合には、文章中におけるキャラクターの登場順が空間メンタルモデル構築に影響を及ぼす可能性が示唆された。
  • P2-20
    川﨑貴子 (法政大学)
    マシューズジョン (中央大学)
    田中邦佳 (法政大学(非常勤))
    本研究では 1)音韻習得が進むと音響手がかりの利用に変化が見られるか, 2) L2音の音素弁別に必要な手がかりに注意を払い, 必要でない手がかりを抑制するようになるのか調査した. 調査の結果, 音韻習得が進んだ群は/s /と/θ/の差をより大きく評価し, /f/を含む同一語の話者間の違いは小さく評価した. JLEにとって習得が容易な/f/では抑制が起こり, /θ/の習得ではカテゴリ形成の音響手がかりを模索している段階だと考えられる.
  • P2-25
    張寓杰 (東邦大学理学部情報科学科)
    孫星越 (東京工業大学大学院社会理工学研究科)
    菊地賢一 (東邦大学理学部情報科学科)
    中川正宣 (東京工業大学大学院社会理工学研究科)
    本研究では、中国語における名詞と動詞の関係に名詞と形容詞(名詞修飾語)の関係を加え、大規模言語データの統計解析に基づき、確率的言語知識構造を再構築して、中国語における帰納的推論の計算モデルを構成し、心理学実験によりモデルの妥当性を検証する。さらに、本研究で構築した新しいモデルと先行研究のモデルを比較し、シミュレーションの結果が改善されていることを検証する。
  • P2-26
    金野武司 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
    記号的なコミュニケーションにおいて,人は字義通りの意味だけではなく言外の意味を伝える.本稿では,これらの意味を伝えるための記号的なコミュニケーションシステムの形成実験を実施し,そこで得られる行動傾向を再現する計算モデルを構築する.この計算モデルを用いて我々は,言外の意味の成立には記号から意味を推定する仕組みだけでなく,その推定に基づく行動のシミュレーションと,先行的な行動価値の修正メカニズムが必要であることを示す.
  • P2-31
    本多明子 (至学館大学 健康科学部)
    言語の有標性に関して,無標形は有標形より構造的かつ認知的に単純で,頻度分布が広いと一般に考えられている(Givon (1991)).そして,このような無標形の特性により,無標形は有標形に比べて獲得され易いと言われている,この点に関して,英語の動詞・不変化詞構文 (Verb-Particle Construction)を取り上げ,当該構文の獲得について探究する.
  • P3-13
    齋藤五大 (東北大学大学院文学研究科)
    Victor Palacios (スタンレー電気株式会社)
    大井京 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    林辰暉 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    山田涼馬 (日本大学大学院文学研究科)
    厳島行雄 (日本大学大学院文学研究科)
    行場次朗 (東北大学大学院文学研究科)
    齋藤洋典 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    いかにして抽象的な心像から具体的なハンドジェスチャーが産出されるのかを検討するために,表音文字である仮名で表記された短文の読了後に,その理解内容を手の動作として遂行する過程の解明を本研究の目的とした。その結果,短文の内容を手の動作として遂行するためには,その短文に対する理解度と心像価が前提であり,実施頻度,観察頻度,犯罪性がそれぞれの動作の産出を規定することを示している。
  • P3-14
    粟津俊二 (実践女子大学 )
    鈴木明夫 (東洋大学)
    赤間啓之 (東京工業大学)
    22人の日本人大学生を対象に、英語文と日本語文とで、行為・文一致効果が見られるか実験した。英語文では、行為・文一致効果が見られ、日本語文でも一部確認された。また、行為・文一致効果による反応時間の促進量は、英語文理解時の方が大きかった。これは、外国語文理解時と母語文理解時とで運動シミュレーションが同様に活性化されること、またシミュレーションが活性化するのは英語文の意味処理過程中であり日本語への変換後ではないことを示唆する。
  • P3-15
    板垣浩正 (大阪大学大学院言語文化研究科)
    本研究の目的は、英語の中間構文と連結的知覚動詞構文の並行性・連続性を、認知的/概念的な観点から批判検討し補強することである。具体的には、先行研究で指摘された両構文の並行的特性が、部分的にしか保障されず、厳密に見れば連続的であることを示す。 また本稿は、構文現象の考察にあたって感性という概念を導入し、概念上の基礎付けと動機づけを与えることで、一貫性のある解決策を講じており、構文の記述に対する新たな手法を探求している。
  • P3-16
    藤田元 (上智大学大学院)
    本発表では日本語の多重主格構文を心理統計学の観点から考察する。先行研究に従い多重主格構文を2つのタイプに分類して、それらが実在するかを2つの方法で検証した。第一に2つのタイプの容認度が、名詞の数が多いときに振る舞いが異なるかを調査した。第二に名詞の数が増えた時に文の容認度に変化があるかを調査した。調査の結果、前者の方法では2つのタイプが実在することを示したのに対し、後者の方法では有意な差がみられなかった。
  • P3-17
    李冠宏 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科)
    金野武司 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
    奥田次郎 (京都産業大学大学院先端情報学研究科)
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
    人はやりとりを繰り返すことで記号コミュニケーションシステムを作り,記号を通じてお互いにコミュニケーションができる.このプロセスを支える神経機構の一つの候補として,ミラーニューロンシステムが考えられる.本研究では,実験記号論を用いた脳波計測実験を行うことで,記号コミュニケーションシステムの形成におけるミラーニューロンシステムの活動を調べた.実験の結果では,ミラーニューロンシステムの活動に基づいたシミュレーションプロセスの存在を示唆する.
  • P3-20
    中村太戯留 (慶應義塾大学)
    松井智子 (東京学芸大学)
    内海彰 (電気通信大学)
    隠喩的表現の面白さには,見劣り効果,すなわち不調和な2つの解釈の同時生起において,初めの解釈よりも、重要性や価値が低下し、見劣りする2つめの解釈が重要な効果を発揮すると考えられている.本研究では,44名の大学生に面白い隠喩的表現の提示前後での使用された語の印象変化を調査した.結果,「価値のある」「神聖な」そして「上品な」の印象低下,特に「神聖な」の低下が認められた.従って,隠喩的表現の面白さには,見劣り効果が関与する可能性が示唆された.
  • P3-31
    山森良枝 (同志社大学)
    ある表現Eの持つ前提(presupposition)は、Eの先行情報に含まれるとされるが、前提の投射は常に左から右に行われるとは限らない。本論では、「Pかもしれない」を対象に、「か」「も」と直近の文脈との意味論的関係に着目して「Pかもしれない」の論理構造を明らかにする。また、その結果から、複文における前提の投射の仕組についても考察する。
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