プログラム順

[P1] ポスターセッション1

9月19日(土) 18:00 - 19:40 会場:大学会館1階 フードコート1・2
  • P1-1
    竹田陽子 (横浜国立大学・環境情報研究院)
    本研究は、事業企画のデジタルストーリーテリングのワークショップを実践し、作品の構造・内容と視聴者の反応・評価(N=74)の関係を見て効果的な方法を探った。各作品には、主人公が困難に遭うことで問題の所在を暗示し、そこからビジネスの成功要因を分析し、方法を提示するという構造が共通して見られ、物語と分析が過不足なく構造的、内容的に接続されていることが視聴者の高評価につながった。また、物語では、聞き手にも共有された経験を示すことが有効であった。
  • P1-2
    森田均 (長崎県立大学国際情報学部)
    本研究では、パッシブからアクティブへの転換を基本コンセプトとした情報社会論を拡張するためのフィージビリティースタディ(FS)の成果について報告する。このFSの目的は、情報社会論に移動や運搬の手段を安全性経済性と環境に配慮した網(ネットワーク)へと変貌させたITS(Intelligent Transport System)の研究・教育と実践の手法を導入する可能性を検討することである。
  • P1-3
    間合いにおける受動と能動
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    園田耕平 (滋賀大学)
    谷伊織 (総合研究大学)
    佐藤亘 (神戸大学)
    郡司幸夫 (早稲田大学)
    我々は、日常生活において”間合い”を日々感じている。本研究は、その間合いとはなにかという疑問を出発点としている。間合いは通常、自然状況に現れる自発的な現象ではあると留意しつつも、本研究では実験的な検証を試みた。実験では、動画から切り出した静止画を使い、被験者がその静止画をめくる時間間隔を間合いであると定義した。その間隔を解析することで、間合いがもつ幾つかの性質の一端を明らかにしていつもりである。
  • P1-4
    正田悠 (同志社大学文化情報学部・日本学術振興会・Centre for Performance Science, Royal College of Music)
    阪田真己子 (同志社大学文化情報学部)
    Aaron Williamon (Centre for Performance Science, Royal College of Music)
    音楽演奏における観客効果を調べるために,10人のバイオリン演奏者に,自身にとって十分に学習された楽曲と挑戦的な楽曲を観客あり条件と観客なし条件で演奏してもらった.その結果,従来の研究と一致して,学習された楽曲では「観客あり」の方が,挑戦的な楽曲では「観客なし」の方が,それぞれよい評価を得ることが示された.実践的には,十分に楽曲を学習することによって人前でのパフォーマンスが向上する可能性が示唆された.
  • P1-5
    市川淳 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    寺井仁 (近畿大学産業理工学部)
    本研究では,3ボールカスケードの習得において,基本動作に従っていないような個人特有の身体動作が観察されるのか,加えて,個人特有の身体動作が観察された際,それは意識的な工夫である着眼点に基づいているのかについて実験的検討を行った.その結果,連続キャッチ数100回以上を達成したジャグラー5名のうち2名で,個人特有の身体動作が観察され,着眼点に基づいていることが確認された.これは,意識的制御が身体動作に作用することを示す.
  • P1-6
    新原将義 (筑波大学大学院博士後期課程)
    近年,教育現場に校外の専門家が出張して行われるワークショップ型の実践が急増している。本研究では,プロの音楽家によって行われた「音楽アウトリーチ」の事例から,参加者間の対話を詳細に分析し,ワークショップにおける教授・学習プロセスを「スキャフォールディング」及び「非スキャフォールディング」の2つの観点から整理すると共に,オーケストラの集団練習過程の相互行為分析(新原・茂呂,2014)との比較から,学校における実践特有の特徴について考察した。
  • P1-7
    岩田眞樹子 (放送大学教養学部(みどり市立笠懸南中学校))
    日々の授業実践において、多くの教師は、生徒の実態に応じて、指導のねらいを達成するために、指導内容を変えずに、より効果的な指導方法を教師が探究的に選択していく。今回、授業において、指導内容をそのままに、指導方法を変えたときに、根拠を適切に用いて課題解決ができる生徒がどのように増えるかを見て取りながら,子供の問題解決を効果的に支える「足場掛け」について考察した.
  • P1-8
    大塚翔 (筑波大学大学院人間総合科学研究科心理学専攻)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    本研究の試みは,従来,認知心理学的に検討されてきた“ぼんやり”を,環境との相互作用の視点から問い直すことである。長時間のビデオデータ記録作業中の行動とインタビュー内容を分析した結果,人が,記録作業を局所的に組織化する中で「この状況では何もイベントが出ないはず」と見通しを立てており,その説明可能性をリソースに,自身の経験を“ぼんやり”と語っていた。本研究の議論は,“ぼんやり”の本質を「状況」に置くための視点を提案する。
  • P1-9
    堀内隆仁 (慶應義塾大学環境情報学部)
    諏訪正樹 (慶應義塾大学環境情報学部)
    スポーツスキル獲得を目指してからだメタ認知を行う学び手は、身体統合モデルの破壊と構築を繰り返す。その過程において、客観的パフォーマンスの低下に加えて学び手自らが身体統合モデルの構築に難航していることを自覚する状態をスランプと定義すると、学び手がスランプを回避するには、異分野で活動する人間を集めて語り合う場を設けることが有効であろう。分野が違うことによる語り方・考え方の根本的な違いをヒントとして新たな着眼点を得ることにつながるからである。
  • P1-10
    吉村直己 (大阪府立大学)
    牧岡省吾 (大阪府立大学)
    これまでの研究では退屈の原因を認知的な要因に絞って考えており感情全体的から退屈を検討した研究は行われていない. そこで本研究は質問紙を使って誘発性と覚醒度の2次元を使って退屈を予測する重回帰モデルを作成することを目的とする. 重回帰モデルの決定係数は.79であり,誘発性より覚醒度が退屈に大きく影響を与えている事が明らかになった.
  • P1-11
    個性ある個体を最大化するための条件探索
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    城真範 (東大・産総研)
    個人を取り巻く環境、個人の考え方によって、個人の特異性を磨くためには何が大事であるかを調べるため、簡略化したモデルでシミュレーションを行った。その結果、広いジャンルに目を向けることが最も重要であり、特に他者との能力差において、自己と近い点に着目して努力する場合には、多くの人と結合することも重要であることが分かった。
  • P1-12
    伊東朱美 (非常勤講師(東京外国語大学))
    本研究では代名詞などの照応表現を含む文が産出される際「意味役割」の情報が指示内容の決定に大きな影響を及ぼすことを明らかにする。代名詞照応に関しては現在のところ中心化理論による説明が一般的だが、意味役割という概念を導入しての詳細な検討は行われていない。「対象物>到達点>出発点」という意味役割の階層を中心に、従来から代名詞照応に影響するとされる語順や格、時には主題や視点よりも意味役割の情報が照応に大きく作用することを示す。
  • P1-13
    羅希 (神戸大学国際文化学研究科)
    定延利之 (神戸大学)
    従来の研究では「そもそも相づちとは,相手とのコミュニケーションの中で,インタラクティブな状況に埋め込まれた形で発せられるものだ」という認識が十分透徹されているようでいて,実は必ずしもそうではなかったのである.というのは,「相づちが相手の先行発話(速度,内容に対する理解度や態度)にどのように影響されるか」という問題が追求されていないからである.本発表では発表者らの先行研究を発展させることによって,この問題の解決をはかろうとするものである.
  • P1-14
    犬塚美輪 (大正大学)
    本研究では,動画にSNSのコメントがテキストで表示されることによって,視聴者の理解と批判的思考がどのような影響を受けるかを検討した。疑似科学に関する討論動画を題材にSNSコメントあり群(n=30)と,コメントなし群(n=31)に分け,視聴後の理解度と疑似科学に関する態度を比較したところ,SNSあり群が,取り上げた疑似科学に対してより懐疑的に判断した。結果をもとに,SNSコメントの影響プロセスについて論じた。
  • P1-15
    岡夏樹 (京都工芸繊維大学 情報工学・人間科学系)
    服部侑介 (京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科)
    深田智 (京都工芸繊維大学 基盤科学系)
    尾関基行 (京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科)
    Okanda & Itakura (2010)は、3歳児は質問に対する答を知っている場合でも「はい-いいえ」質問に対して「はい」と答える傾向があることを示した。我々のロボットは物の名前と「はい-いいえ」質問を含む3種類のモダリティの発話への適切な応答を並行して学習する。このロボットが物の名前を正しく覚えた後でも肯定バイアスを持つことを実験的に示した。本論文では、肯定バイアスの成立メカニズムを計算論的に論じる。
  • P1-16
    谷川由紀子 (NEC 情報・ナレッジ研究所/筑波大学大学院)
    鈴木栄幸 (茨城大学)
    加藤浩 (放送大学)
    福住伸一 (NEC 情報・ナレッジ研究所)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    情報システムの設計開発を担うソフトウェア技術者とユーザビリティ専門家に,仕事の経験や環境,仕事に対する認識をインタビューし,その役割認識と価値観に焦点をあてて分析した.その結果,ソフトウェア技術者とユーザビリティ専門家には,システム視点と利用者視点に基づく役割認識の違いや,制御焦点理論(Higgins, 1997)における予防焦点と促進焦点に類似する価値観の違いがあること,それが協業時の齟齬を誘発していることが示唆された.
  • P1-17
    石黒千晶 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    本研究は芸術表現経験が触発体験にどのように影響するかを検討した。その際に、媒介変数として、芸術表現への有能感と芸術鑑賞の態度を仮定し、自分と他者の表現を伴う鑑賞態度が最も触発体験を予測し、芸術表現経験は芸術表現の有能感と自分と他者の表現を伴う鑑賞態度を媒介して触発体験に影響するという仮説を立てた。185名の大学(院)生を対象に仮説を検証する調査を実施した。重回帰分析と構造方程式モデリングの結果、仮説が部分的に支持された。
  • P1-18
    米山佳那 (東京大学)
    石黒千晶 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    私たちは芸術作品を鑑賞しているときに、その作品を作った作者に思いを馳せることがある。本研究は、写真作品の現実性が作者に関する推測に及ぼす影響を検討する実験を行った。20名の実験協力者は、非現実的な写真を鑑賞する条件と、現実的な写真を鑑賞する条件にランダムに割り当てられ、計8枚の写真をそれぞれ5分ずつ鑑賞した。鑑賞中の発話データと鑑賞後の質問項目への回答を分析した結果、現実性の低い写真の方が作者に関する推測を促進することが示された。
  • P1-19
    平知宏 (大阪市立大学大学教育研究センター)
    本研究では,比喩文そのものの要因と比喩文が含まれる文脈の両者が,比喩理解過程そのものに与える影響について検討を行った.その結果 (1) 比喩的な理解を誘導される状況においては,字義通りの理解を誘導される状況よりも,文脈を参照しやすくなること,また,(2) こうした傾向は,比喩文を構成する語の慣習性に影響を受け,比喩的な意味で使用されやすい語が使用されているほど,文脈が参照される傾向は弱くなることが示された.
  • P1-20
    光田基郎 (聖霊女子短期大学)
    協同学習形式の散文理解と内容討議において事前に先行オルグを与えられた閲読内容の説明役と無教示の傾聴・補足役と言う役割の差異と, ウェブ上での内容討議か対面での討議かの差異によって集団内対人態度(課題志向性,親和性とリーダーシップ・フオロワーシップ)の自己評定値が異なる傾向から対面討議での非言語的コミュニケーション効果を指摘した.
  • P1-21
    中村國則 (成城大学社会イノベーション学部)
    本研究の目的は,第2言語の使用が意思決定に対して合理的な反応を促進するとする異言語効果の影響を日本人参加者で検討することである.実験参加者は12種類の道徳のジレンマ課題を日本語か英語のいずれかで判断することを求められた.分析の結果,先行研究の知見は再現されたものの,先行研究の解釈に疑問があることも同時に示された.
  • P1-22
    佐藤有理 (東京大学大学院総合文化研究科)
    杉本雄太郎 (慶應義塾大学 論理と感性のグローバル研究センター)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    図的推論における外的表現として、仮想現実物と現実物を同時に使用する拡張現実ARに着目した。条件文の推論課題と共に、前提文に対応するように物を配置する実験を行った。「もしPなら、Q。かつR。」からの「P」や「Q」の導出は必ず正しいとは言えないが、PとQが仮想現実物として与えられた拡張現実の環境における正答率は、全てが現実物として与えられた場合よりも高かった。拡張現実物の存在の仕方と条件文の連言解釈回避の点から、ARの認知効果の説明を行う。
  • P1-23
    山田雅敏 (静岡大学大学院情報学研究科)
    竹内勇剛 (静岡大学大学院情報学研究科)
    他者とのコミュニケーションにおいて, 重要な魅力として身体美があるが, 人の経験・環境が美意識の認知に影響を及ぼすとされる. 本研究では対象スポーツを砲丸投とし, 「砲丸投への関心により, 砲丸投の身体に対する美意識に変化がある」と仮説を立て, 構成的知覚(諏訪, 2002)により仮説検証を行った. 臨床心理士による半構造化面接結果をKBDeXにより言語化ネットワークを作成したところ, 有効なケースが確認された.
  • P1-24
    鈴木陽介 (東京電機大学大学院 理工学研究科 情報学専攻)
    明地洋典 (日本学術振興会 海外特別研究員 (タンペレ大学))
    安田哲也 (十文字学園女子大学 人間生活学部 人間発達心理学科)
    小林春美 (東京電機大学理工学部 情報システムデザイン学系)
    適切かつ効率的で社会的なコミュニケーションの実現には、進行中の指示対象をお互いに確認することが必要であり、指示詞はそれにおいて重要な役割を果たしている。指示詞は全ての言語に存在し、物理的距離はその理解及び使用に関して顕著な特徴を示す。しかし、指示詞の実際的な使用を決定するのは物理的距離ではなく、到達可能性である可能性が考えられる。そこで、我々は対象物から指先までの物理的距離を正確に統制し、到達可能性の指示詞使用への影響を調査した。
  • P1-25
    速水慎太朗 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    森田純哉 (名古屋大学未来社会創造機構)
    平山高嗣 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    間瀬健二 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    山田和範 (パナソニック株式会社)
    本研究では,なつかしさを感じさせることで活動意欲を引き出させ心理的な健康を促進させることが目的としており,なつかしさを感じさせるために,写真の提示を行う. 本研究ではなつかしさを引き起こす要因に記憶と興味の強さが関係していると仮定し,脳波からこれらの要素の強さを推定するために相関を調べた.結果として,興味の強さではβ波との関係性の強さが確認でき,記憶の強さではγ波との関係性の強さが確認できた.
  • P1-26
    中村暢佑 (東京工業大学大学院 総合理工学研究科)
    麦谷綾子 (日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所)
    渡邊淳司 (1.東京工業大学大学院 総合理工学研究科 2.日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所)
    私たちは、聴覚的(音声)もしくは視覚的(文字)に言語情報を処理する。このとき、聴覚的な言語処理において音韻処理が行われることは明らかであるが、視覚的な言語処理においても、文字等の形態分析から意味を理解するだけでなく、その文字の音韻処理が半自動的に行われることが示されている。そこで本研究では、聴覚的・視覚的言語情報の音韻処理によって生じるそれぞれの音韻表象が同じ性質を示すものであるのかを検討した。
  • P1-27
    定延利之 (神戸大学)
    杜思宇 (神戸大学院生)
    驚いてつっかえる場合,その形式は「マ、マケドニア」のような途切れ型・語頭戻り方式になりやすい。本発表は,このように話し手の態度を漏らすつっかえ発話の「雄弁」性が,語音やアクセントを正しく実現できるという話し手のスキルを前提としていることを示す.つっかえ発話の意味は話し手の能力を見て解釈される.発話が話し手から独立していない点で,「雄弁」な非流ちょう性は「通常」の文法とは違ったあり方をしている.
  • P1-28
    太田垣歩 (神戸大学発達科学部)
    野中哲士 (神戸大学人間発達環境学研究科)
    会話から昼夜のサイクルへの適応にいたるまで,外部イベントのタイミングに対して行動を調整することは,日々の活動において重要な位置を占めている.本研究では,人々がエスカレーターに乗る際に,どのようにタイミング制御を行っているかを理解することを目的としている.エスカレーターに乗る場面における人々の行動を2種類の異なる速さのエスカレーターで観察したところ,着地に至る3歩の滞空時間や,接地タイミングにばらつきが見られた.
  • P1-29
    啓発資料上の表現が読み手の態度に及ぼす影響
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    長岡千賀 (追手門学院大学)
    本研究の目的は,資料上のいかなる表現が読み手の態度に影響するかについて特定を進めることである.発達障害に関わる資料を題材とした.他者の存在の有無,および,文言のネガティブ/ニュートラルを操作した刺激を作成し評価実験に用いた.結果から,他者との関わりについて本来の当惑と,刺激との相互作用,および,他者の存在の有無,および,ネガティブ語の影響について考察した.
  • P1-30
    周期的聴覚刺激の遅延逸脱に伴う事象関連電位成分の検討
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    桃川智行 (明治大学/JST CREST)
    富澤創 (明治大学/JST CREST)
    樋田浩一 (明治大学大学院/JST CREST)
    上野佳奈子 (明治大学/JST CREST)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    外界の事象を知覚処理する上で,事象に伴う感覚刺激の時間的整合性は極めて重要である.そこで,本研究では,周期的に呈示される聴覚刺激列中に遅延を挿入した際の脳波計測から,遅延検出の知覚特性を検討した.実験の結果,挿入する遅延が大きくなるに従い,事象関連電位(N300成分)の振幅が増大し,更に,遅延の検出回数と相関関係がみられた.このことから,N300成分は聴覚刺激列中の遅延を検出する神経活動を反映した成分である可能性が示された.
  • P1-31
    中野優子 (東京大学大学院学際情報学府)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    熟達した振付家・ダンサーの森山開次氏に注目し,コンテンポラリーダンスにおける振付創作過程を,認知プロセスと身体プロセスの関わり合いという観点から検討した.結果,振付創作における認知プロセスは「着想の観点」「具現化の観点」「目的」の観点から捉えられ,これらの内容は,異なる特徴を持つ3つのフェイズを経て移り変わることが明らかになった。更に認知プロセスは,実際の身体運動である身体プロセスと輻輳的に相互作用しながら展開することも明らかになった。
  • P1-32
    清水大地 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    本研究では,熟達者の有する即興的な表現方略について,ブレイクダンスを対象とした長期的なフィールドワークを行った.その際,既に獲得している5つの技術を複数回に渡る実践でどのように使用しているか,その使用方法はどのように変化するのかに着目した.結果として,熟達者は,各技術について3つのレベルから変更を加えつつ状況に適応した表現を行うこと,ある程度基本的なパターンを構築しつつ,状況に応じてそれらを変更して利用することが示唆された.
  • P1-33
    坂本孝丈 (静岡大学創造科学技術大学院)
    竹内勇剛 (静岡大学大学院情報学研究科)
    本研究では,身体的なインタラクションを通して対象が自身と関係を構築し得る他者である可能性に気付く過程を明らかにすることを目指し,抽象的な形状のロボットを介した人同士のインタラクションを観察した.参加者のインタラクション最中の発話からロボットの動作が他者によるものである可能性に気付いた時点を特定し,そのきっかけとなる要因を検証した.結果として,身体動作の同期や交互に行われることが他者性認知のきっかけとして機能していることが示唆された.
  • P1-34
    栗延孟 (東京都健康長寿医療センター,筑波大学)
    富田瑛智 (筑波大学システム情報系)
    須藤智 (静岡大学 大学教育センター)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    本研究では,加齢によりペットボトルキャップが開けにくくなる要因を明らかにするため,アンケート調査と,日常からキャップを開けることが困難な高齢者と容易な高齢者を対象に開栓実験を行った.その結果,両群の間に握力やピンチ力の差はなく,困難な高齢者はキャップの握り方,力のかけ方が多様であった.このことから,経験による「開けにくい」というメタ認知の結果,「より開けにくい」環境を作っている可能性が考えられた.
  • P1-35
    徐貺哲 (千葉大学人文社会科学研究科)
    松香敏彦 (千葉大学文学部)
    本研究で注目したのは対人印象と顔全体かあるいは顔部分(顔のパーツ)との関連性である。特に、顔の印象形成には、目や鼻など、顔を部分的に着目するのか、それとも顔を総合的に観察するのか眼球運動を基に定量的に検証することを本研究の目的とした。
  • P1-36
    広範囲の視線移動は拡散的創造思考を促進しない
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    仲嶺真 (筑波大学大学院人間総合科学研究科)
    山田陽平 (奈良教育大学)
    河原純一郎 (北海道大学大学院文学研究科)
    永井聖剛 (愛知淑徳大学人間情報学部)
    我々は,大きく腕を回すと,小さく腕を回したときに比べ,拡散的思考が促進されることを明らかにした。しかし,大きく腕を回す動作が必須であるのか,広範囲に視線を向けるだけで十分なのかは明らかではなかった。そこで,本研究では,広範囲の視線移動が,拡散的思考を促進するかを検討した。その結果,広範囲の視線移動は,狭範囲の視線移動に比べ,拡散的思考を促進しなかった。この結果から,拡散的思考の促進には,腕を回す動作が必須であることが示唆された。
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