日程

ポスターセッション (P)

会場:大会ポスター発表slackワークスペース
  • P-1
    阿部 慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    本研究では、時間圧による洞察問題解決への影響を検討した。先行研究では、他者の成績情報を提示することで解決方略の見直しを迫り、解決成績の向上の効果が報告された。本研究では解決時間確認用の時計の速度を微調整し、残り時間を誤認させることで、先行研究と同様に解決成績を向上させることができた。
  • P-2
    松林 翔太 (名古屋大学)
    前東 晃礼 (静岡大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    青木 宏文 (名古屋大学)
    山口 拓真 (名古屋大学)
    鈴木 達也 (名古屋大学)
    2種類の先進的運転支援システムに対して,主観的評定のひとつである自動化システムのユーザビリティテストを適用し,本指標の汎用性について検討した。実験の結果,ACC実験と教習支援実験では全く同じように因子が抽出された。すなわち,満足度と違和感がひとつの因子に,効率と意図の理解がひとつの因子にまとまった。本指標を現実的なシステムに適用する際の争点について議論した。
  • P-3
    水野 りか (中部大学)
    松井 孝雄 (中部大学)
    英語の複合語処理には第2形態素の意味的透明性の影響が大きいとされているが大半が第2形態素が主辞のため主辞と意味的透明性の影響が不可分である。日本語には第1形態素が主辞の複合語もあり影響を分離検討できるはずだが,主辞の形態素の意味的透明性が低い複合語が存在するか疑問だった。本研究では主辞の位置の異なる複合語の各形態素の意味的透明性を調査し,主辞の形態素の意味的透明性が低い複合語の存在を確認し,分類検討のための刺激語選定の予備データを得た。
  • P-4
    川端 良子 (国立国語研究所)
    松香 敏彦 (千葉大学)
    会話において特定の対象を参照する際,発話の途中にポーズを入れ,会話相手の対象への知識について反応を伺う方略が使われることがある。Clarkら(1986)は,こうした方略によって,会話における共同のエフォートを最小化すると述べている。しかし,実際の会話データを用いた検証は行なわれていない。そこで,本研究では,日本語地図課題対話コーパスを用いて,分割提示の実際について数量的な調査を行いその効果について検討を行った。
  • P-5
    岡 隆之介 (三菱電機株式会社)
    柳岡 開地 (東京大学大学院教育学研究科)
    楠見 孝 (京都大学大学院教育学研究科)
    本研究では主題に付与された特徴の数が名詞比喩表現の産出に与える影響を検討する。2つの実験で、参加者は呈示される文の言い換え課題に取り組んだ。呈示される文の主題に付与される特徴の数が操作された。結果、2つの実験のどちらでも、主題に付与される特徴の数が増えるにつれて名詞比喩表現の回答割合が増えた。私たちの結果は主題に付与される特徴の数が比喩表現の使用に影響することを示唆した。比喩の産出と選好に関する先行研究に基づいて結果を議論した。
  • P-6
    下條 朝也 (名古屋大学情報学研究科)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    寺井 仁 (近畿大学)
    人間は、ある出来事に直面したときその因果に関する説明を求める。説明は複数考えられることが多く、それらを比較することで最も良い説明を決定する。本研究では、説明を単独で評価したときの満足度と、別の説明と比較しながら評価したときの満足度を比較することで、比較によって説明の満足度がどのように変化するのかを検討する。
  • P-7
    野村 竜也 (龍谷大学理工学部)
    堀井 駿 (龍谷大学理工学部)
    掃除ロボット・人型ロボット・ペット型ロボットについての見聞経験の現状およびそれに影響を与える個人要因の探索を目的として、オンラインでの質問紙調査を行った。結果として、ロボットの見聞経験、見聞経験と年齢の関係、主要な情報源と見聞経験の関係がロボットの種類によって異なることが見いだされた。特に、主要な情報をインターネットとするか否かがペット型ロボットの見聞経験において影響を持つことが示唆された。
  • P-8
    稲葉 みどり (愛知教育大学)
    本研究では、物語文の萌芽期の発達の特徴を内容面に着目して考察した。日本語を母語とする3歳前半と後半の幼児の物語文をKH Coder 3を使用したテキストマイニングの手法により、頻出語、共起ネットワークを検出して分析した。その結果、絵本の各場面における主人公や登場動物の行動の絵描写的な内容から、行動の背景となる場面についても空間的、時間的な視点から言及し、主人公の心情にも触れる発達過程が明らかになった。
  • P-9
    林 美都子 (北海道教育大学)
    一戸 涼史 (北海道教育大学)
    本研究では、時間割引率の視点から、現在あるいは将来の報酬におけるメリットを考えることが先延ばしを防ぐか検討した。報酬メリット考察課題の前後で時間割引率を測定し、分散分析を行ったが変化はなく、報酬メリットを考察することで先延ばしが防げるという本研究の仮説は支持されなかった。しかし即時小報酬群群は遅延大報酬群よりも時間割引率が高く先延ばししやすい可能性が高いことや、変化人数で分析すると、報酬メリットの考察に効果のある可能性が示唆された。
  • P-10
    大澤 壮平 (三菱電機株式会社 情報技術総合研究所)
    森 健太郎 (三菱電機株式会社 情報技術総合研究所)
    Continuous Flash Suppressionを用いた閾下学習が作業手順の記憶効率と記憶定着に及ぼす影響を検討した.具体的には,複雑な系列からなる作業を分割し,1つの手順ごとに閾下呈示することで,①次の正しい作業手順を促すことが可能か,②作業手順全体の記憶定着を促進可能か,を検証した.実験の結果,1つの手順ごとに閾下呈示することで,①次の正しい作業手順を促すことが可能なこと,②作業手続きを記憶できる量が増加することが分かった.
  • P-11
    伊藤 創 (関西国際大学)
    言語獲得初期において,animacyの高い参与者に焦点をあて事態を把握・描写する日英語母語幼児は,成長に伴い,前者はempathyの高い参与者に,後者はaction chainの開始点に焦点をあて,それらを主語として描くという違いを見せるようになる.本研究では,この違いが既に3歳児で現れること,更にempathyの高い参与者を主語とする際に重要な受身表現についても日本語母語幼児は3歳児の時点で一定の使用を見せることが明らかになった.
  • P-12
    鈴木 友美子 (名古屋大学)
    川口 貴子 (名古屋大学)
    齋藤 菜月 (名古屋大学)
    大平 英樹 (名古屋大学)
    月経前症候群(以下、PMS)とは、黄体期特異的に、イライラなどの心身諸症状により、日常生活に影響が及ぶ状態であり、全女性の半数以上が該当する。PMSを有する女性は、認知機能と関連するコルチゾールの応答が鈍化する。これらのことから、ストレス誘導前後とストレス誘導1時間後に認知課題を行うと、PMSを有する女性のストレスによる認知機能への影響が示唆された。これらのことから、PMSは、心身症状だけでなく、認知的な影響も及ぼす可能性がある。
  • P-13
    原田 悦子 (筑波大学)
    鷹阪 龍太 (東洋大学・筑波大学)
    田中 伸之輔 (筑波大学)
    水浪 田鶴 (筑波大学)
    須藤 智 (静岡大学)
    Suzuki(2018)は,投資ゲーム(顔写真に示された人物を信頼して投資を行うかどうかを判断する課題)を繰り返し行う中で,高齢者は若年成人と異なり,信頼性判断の成績が向上しないことを示した.こうした高齢者の判断特性が真であるならば,それをいかに支援するかを検討する必要があり,本研究では若年成人との相互作用,例えば子や各種窓口担当者との相談が高齢者の意思決定過程に対して影響を与えうるか否かを検討するために,実験的検討を行った.
  • P-14
    苗村 伸夫 (株式会社日立製作所)
    長谷部 達也 (株式会社日立製作所)
    本研究では,遠隔地の多数の参加者による大規模オンラインアイデア創造を実現するための手法「アイデア進化」を提案する.アイデア進化では,ユーザがアイデアの提案と同時に他者のアイデアを評価し,進化計算手法がアイデアの評価に基づいて次のユーザがヒントとすべき良案を選択することで,アイデアの質を効率的に高められる.アイデア進化を30人規模でのオンラインアイデア創造に適用した結果,安定してアイデアの質が向上した.
  • P-15
    二宮 由樹 (名古屋大学)
    寺井 仁 (近畿大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    知識や経験の制約から脱却し,新しいアイデアの発見を可能とする創造的認知は,洞察研究を通して検討されてきた.本研究では,次善解によって問題解決が可能な負のフィードバックがない状況で生じる,より良い解への転換について扱う.このような状況では負のフィードバック以外の要因が転換を促進すると考えられる.意思決定研究では判断の流暢性が,回答の変更を促すことが知られている.そこで本研究では,問題解決の流暢性を操作する実験を行う.
  • P-16
    齊藤 有希 (東京都市大学)
    田内 優花 (東京都市大学)
    滝 りりか (東京都市大学)
    関 博紀 (東京都市大学)
    本研究は,ミステリ小説の基本的構造である,トリックとその解明方法との関係を取り上げ,それがどのように考案されているかを,ミステリ小説70作品の作品分析と,作家へのインタビュー調査を通じて確かめた.その結果,トリックやそれを解明する役の設定は様々に試みられているものの,解明手段は限定されていること,トリックと解明方法との間には一定の関係がみられること,が確認された.以上の結果を踏まえて,ミステリ小説における創作上の制約を考察した.
  • P-17
    岩田 知之 (名古屋大学)
    二宮 由樹 (名古屋大学)
    寺井 仁 (近畿大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    次善解から最善解への転換とは,初期表象でも問題解決ができるが更に良い解が存在する場合における,表象の転換である.本研究は,この転換の性質を言語隠蔽効果の有無を元に検討した.その結果,言語隠蔽効果は見られなかった.言語隠蔽効果は問題解決が潜在的処理に依存する場合にみられる効果であると議論されており,この結果は,次善解から最善解への転換が潜在的処理に強く依存しないことを示す.
  • P-19
    本多 明子 (神戸女子大学)
    本研究では,英語の結果構文の獲得について,子どもの発話データベースCHILDESに基づき調査を行い,その結果を踏まえ,形容詞を伴う結果構文(RC-Adj)と前置詞句を伴う結果構文(RC-PP)との関係について明らかにする.言語獲得の初期段階では,RC-Adjに比べるとRC-PPの発話頻度が高い.その理由についても,子どもの発達過程を考慮に入れつつ,構文文法論の観点から両者の構文特性が関係していることを示す.
  • P-20
    打谷 拓巳 (京都工芸繊維大学)
    西崎 友規子 (京都工芸繊維大学)
    AIスピーカーのコミュニケーション相手としての実用化を目指し,外見がインタラクションに与える影響を明らかにするため,AIスピーカーと表情のあるロボットを用いて,共同サイモン効果の生起を比較した. 結果として,意思を持って動いていると教示された場合に共同サイモン効果が有意に大きく生じ,それはAIスピーカーでは顕著な傾向が認められた.これより,AIスピーカーのような無機質な外見でもインタラクションパートナーとして有用な可能性が示唆された.
  • P-21
    野尻 浩 (放送大学)
    高橋 秀明 (放送大学)
    知的障害児4名の学級において,担任2人と第一筆者がものづくり教材を使った協調的な授業を行った.その授業分析と担任インタビューの分析から,知的障害を伴う自閉症児1名の理解過程を明らかにし,活用性のある学びが起こる要因を検討した.その結果,課題遂行とモニタリングが交代して起こる授業デザイン,ルーティーン化と局所的正誤判断がつきにくい工程を含んだ学習活動,新しい学びへの期待,が要因として考察された.
  • P-22
    Yuying CAI (立命館大学総合心理学部)
    下條 志厳 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林 勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    適応的なフィードバックを行う場合に,学習者の状態を検知する必要があるため,協同プロセスを推定できる表情モデルを作ることが重要である.本研究の目的は,学習プロセスごとに関連する表情を検討することである.分析方法として,学習プロセスごとにおける各表情の出現頻度を算出した.結果として,学習プロセスごとに異なる特徴的な表情が生じることが明らかになった.今後の課題として,より詳細に分析し,学習者の表情からICAPを定量的に捉える検討を行う
  • P-23
    河野 拓未 (千葉工業大学大学院)
    山崎 治 (千葉工業大学)
    本研究の目的は,プログラミング学習におけるあきらめやすい場面状況に対してどのような回避行動がとられるのかを整理することである. 調査の結果から因子分析を行い,あきらめることを回避する行動を5つの因子に分けることができ,その中にわりきり行動のような行動がとられる「わりきり的行動」因子が含まれていた. また,各因子に着目してあきらめの場面を分類した.その結果,原因の具体性によって効果的であると考えられている行動が異なることが示された.
  • P-24
    宋 歌 (東北大学)
    時本 真吾 (目白大学外国語学部)
    汪 敏 (東北大学文学研究科)
    宋 凌鋒 (東北大学文学研究科)
    上埜 高志 (東北福祉大学総合福祉学部)
    小泉 政利 (東北大学文学研究科)
    木山 幸子 (東北大学文学研究科)
     日本語の会話で頻繁に使われる「のだ」は、当該の命題を既定とみなす場合に用いられる談話標識である。これは、学習者にとっては習得が難しいと言われている。本研究は、事象関連電位の指標を用い、「のだ」の使用条件と非使用条件に応じて、「のだ」の有無に対する神経活動が母語話者と学習者とでどのように異なるかを比較した。両群で異なる成分が見出され、学習者による「のだ」過剰使用の傾向が非使用条件に対する理解に乏しいことに起因している可能性を示唆した。
  • P-25
    大西 紗瑛 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    飛田 国人 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    牧岡 省吾 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    身体化認知の枠組みに基づいて,意味記憶が運動と処理資源を共有するという考えが提案されてきた.本研究の目的は,手で操作可能な物体の操作的知識に対して運動シミュレーションが与える影響とそのメカニズムを明らかにすることである.本研究では単語刺激を用い,手で操作できる物体の意味処理を行う際に身体拘束がどのような干渉効果を及ぼすのかをNIRS(近赤外分光法)を用いて計測した.
  • P-26
    笹木 海志 (京都工芸繊維大学)
    来田 宣幸 (京都工芸繊維大学)
    深田 智 (京都工芸繊維大学)
    西崎 友規子 (京都工芸繊維大学)
    本研究では,仮想現実における「視点の変換」によって人間の思考や行動が変化する可能性があることに着目した.実験参加者には,「仮想現実内で視点が高くなる」体験をさせ,その際,言語教示として「巨大化」と「浮遊」の二通りの捉え方を与えた.その結果,この2つの言語教示によって行動が異なる可能性があることが示唆された.またこの言語教示の違いによる行動の変化には,実験参加者の想像力の影響があることも分かった.
  • P-27
    田村 昌彦 (立命館大学)
    稲津 康弘 (農研機構)
    江渡 浩一郎 (国立研究開発法人産業技術総合研究所)
    松原 和也 (立命館大学)
    天野 祥吾 (立命館大学)
    野中 朋美 (立命館大学)
    松村 耕平 (立命館大学)
    永井 聖剛 (立命館大学)
    サトウ タツヤ (立命館大学)
    井上 紗奈 (立命館大学)
    堀口 逸子 (東京理科大学)
    和田 有史 (立命館大学)
    本研究では食品安全に関する知識について,食品と添加物,一般的知識と安全性に関する知識に分類し,尺度を作成した.この尺度を用いて高校生とそれより年齢が高い世代の知識量を測定し,両者を比較することで獲得する知識の違いを検討した.その結果,添加物に関する知識が食品に関する知識よりも獲得される知識が少ないことが明らかになった.本研究はその原因を探るための調査研究である.
  • P-28
    得丸 久文 (著述業)
    66千年前に南アフリカで生まれた言語的人類は喉頭降下によって音節を獲得すると,音節の音素性が無限の語彙を,モーラ性がや文法的修飾を可能にした.5千年前に文字が発明されると,知識は時空を超えて共有できるようになり連続的な発展をとげる文明が生まれ,言葉を群として操作する概念が生まれた.今日,言語情報は電子化し,有史以来の人類の知的営為をキーワード検索の対象とするようになった.これから言語的人類の 知能はどのように進化していくのか
  • P-29
    森下 美和 (神戸学院大学)
    有賀 三夏 (東北芸術工科大学)
    阪井 和男 (明治大学)
    富田 英司 (愛媛大学)
    原田 康也 (早稲田大学)
    大学生活における留学,ゼミ,インターンシップ,ボランティアなどの活動は,学習ならびに日常生活における行動変容をもたらすと予想できるが,これらについての調査は発展段階にあり,認知科学的な観点からの検証が必要である(森下・有賀・原田・阪井・富田,2018).本稿では,多重知能理論にもとづく多重知能分析シートならびにTIPI-J(小塩・阿部・カトローニ,2012)を使用したアンケート調査およびそれらの相関分析の結果について報告する.
  • P-30
    光田 基郎 (ノースアジア大学・経済学部)
    概要 大学生に,題材が 誤信念理解 の民 話を画面で読み聞かせ , 2肢 又は 4肢選択の誤信念理解検査成績 ,類推 及び作業記憶 と 絵本の内容理解 を関連付けた 実験 の一環 である。聞き手の作業記憶での 誤信念内容 の 選択 ,聞き手自身の視点又は 真実 の 抑制 と 類推に よる理解促進 を 述べた 。
  • P-31
    後藤 靖宏 (北星学園大学文学部 心理・応用コミュニケーション学科)
    移調楽器奏者としてクラリネットを用い、実音から移調された音階へ,あるいは移調された音階を実音に音高を変換する場合の,移調する方向における難易度の非対称性について検討した.ピアノとクラリネットを用いて,実音楽譜と移調楽譜の2つの楽譜をそれぞれ演奏させた結果,実音楽譜を見て移調楽器を演奏する場合と移調楽譜を見て実音楽器を演奏する場合を比較すると,前者の方が難易度が高くなった.これは,移調の心的処理の非対称性が見られたということを示している.
  • P-32
    横森 大輔 (九州大学)
    本研究は、教育活動において生徒がどのように聞き手行動を用いてその場の相互行為を構築しているかを明らかにすることを目的とし、楽器レッスンにおける生徒の「はい」と「うん」の使い分けを分析する。楽器レッスンの録画データから「はい」と「うん」の事例を収集して分析した結果、「はい」はどのような演奏が望ましいかを述べる発話に対して反応する際に用いられるのに対し、「うん」は、楽曲についての説明に対する反応として用いられていることが明らかになった。
  • P-33
    犬塚 美輪 (東京学芸大学)
    田中 優子 (名古屋工業大学)
    本研究では,差を強調する効果を付けたグラフが量的な差の解釈に与える影響に注目し,批判的思考スキルと態度との交互作用が見られるかを検討した.参加者225名に表・非強調グラフ・強調グラフのいずれかを附置した広告文章を提示し,質問項目で差の解釈を測定した.その結果,強調グラフ提示群の参加者が,表提示群よりも,差をより大きいものと捉えることが示された.重回帰分析では,視覚化の有無とCRT得点,教育レベルの効果が有意であった.
  • P-34
    岩根 榛花 (筑波大学)
    中村 奈良江 (西南学院大学)
    公共施設等で既に明らかになっているサインの有効性が,店舗においても同様に有効かを,店舗を模した状況での探索の行動指標から検証した.サイン無しと通常サイン,強調サインの3群毎の,目的商品の探索動線と時間から,サインがあることで,速く・最短で探索することが出来ることが分かった.また,通常サイン群において,浅いプランニングでの探索が示唆された.
  • P-35
    金野 武司 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    山下 貴之 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    本研究では,記号的なコミュニケーションの成否が,人間の調和的な性格特徴によって影響されるかどうかを調査した.具体的には,既存の心理尺度による調和性指標に基づき実験群を構成し,二者間で人工的な言語を作る課題の成績との関係性を調べた.結果,両者には有意な関係性は確認されなかった.これは,ことばによるコミュニケーションの成否が,単純に性格特徴によって決定されるものではないことを示していると考えられる.
  • P-36
    西村 翔馬 (金沢工業大学 工学部 電子情報通信工学科)
    和泉 圭祐 (金沢工業大学 工学部 電子情報通信工学科)
    金野 武司 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    人は他者とのコミュニケーションにおいて相性を感じることがある.この相性は何に起因しているのだろうか.この問題を解く1つの鍵として,安静時の脳状態に見られる特徴的な活動パターン=デフォルトモードネットワーク(DMN)が注目されている.本研究はこのDMNを脳波測定により抽出し,人が持つ固有の脳活動パターンを情報量的に特定することを目的とした.しかし,結果として今回の実験では人が持つ固有の脳活動状態を情報量的に特定するには至らなかった.
  • P-37
    尾関 智恵 (愛知工科大学)
    寺田 和憲 (岐阜大学)
    人々の投資や寄付などの互助活動について様々な要因が調査されているが,エージェントが介在する研究はまだ少ない.本研究では,エージェントの種類(人・犬・仏像・ロボット)・エージェントのリアリズム(写真・イラスト)・文化(日・米)の違いが人々の寄付行動に影響を与えるかどうかを調査した.その結果,リアリズムの違いは米国の参加者の寄付行動に影響を与えず,仏像と人間の写真は日本の参加者の寄付行動に影響した.
  • P-38
    板垣 寧々 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    谷貝 祐介 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    古山 宣洋 (早稲田大学人間科学学術院)
    本研究では,ヴァイオリン演奏経験者6組12名の頭部動作を用いてグレンジャー因果性分析を行い,演奏中のリード関係の有無と,その決定要因を検討した.その結果,統計的因果性が有意になったデータは,計36データのうち10データであった.また,ペア内のソーシャルスキル得点の高低と関連がみられたデータが7データあった.以上より,同パートの演奏においてもリード関係が存在し,その要因としてソーシャルスキルが影響を及ぼす可能性が示唆された.
  • P-39
    米田 凌 (静岡大学情報学部行動情報学科森田研究室)
    森田 純哉 (静岡大学)
    現代では,場面に応じた適切な感情のコントロールが課題になっている. 本研究では心拍変動からユーザの内部状態を推定し,その感情とは逆の感情に対応する表情をフィードバックすることで,ユーザの感情をニュートラルな状態に近づけるシステムを開発し,その効果を評価する実験を行った.
  • P-40
    大槻 正伸 (福島工業高等専門学校)
    小泉 康一 (福島工業高等専門学校)
    視覚復号型秘密分散暗号は,文字などが描かれた元情報の画像を数枚の画像に分けて暗号化し,そのうち何枚か(または全部)を集めて重ね合わせることにより元の情報が復元できるものである.重ね合わせにより復号化された元情報の文字認識は人間の視覚的な認知能力によりなされる. 本研究では,復元画像に対する認知可能性の条件を定量的に測定し,視覚暗号システムが可能であるための条件について考察した.
  • P-41
    森下 浩平 (大阪経済法科大学)
    新型コロナウイルスの影響で,各教育機関は遠隔授業の実施を求められるようになった.遠隔授業は一般に,LMSによる講義資料・課題の配布・回収や講義の動画配信にもとづく「オンデマンド授業」と,Zoomなどを使用した「リアルタイム授業」に分けられるが,授業の規模や内容によって向き不向きもあると考えられる.そこで,各授業形態のメリット・デメリットを検討するため,2020年前期の授業で,遠隔授業についてのアンケート調査を実施することとした.
  • P-42
    原田 康也 (早稲田大学)
    坪田 康 (早稲田大学情報教育研究所)
    赤塚 祐哉 (早稲田大学情報教育研究所)
    鍋井 理沙 (早稲田大学情報教育研究所)
    森下 美和 (神戸学院大学)
    COVID-19感染拡大のためオンライン・オンデマンド授業で対面授業を代替する動きが盛んであるが、教員と学生・学生同士の対面でのインタラクションと言語的・非言語的コミュニケーションが欠落した場における教育・学習の難しさは教員・学生が実感しているところであろう。オンラインで教員学生間・学生同士間のインタラクションを可能な限り実現する努力をどのように進めるか、課題内容によって全人的な交流を促進するかの方策について多様な観点から検討する。
  • P-43
    児玉 謙太郎 (東京都立大学)
    山際 英男 (東京都立東部療育センター)
    安田 和弘 (早稲田大学)
    本研究はスラックラインのコツについて,初級者と上級者を比較し明らかにすることを目的とする.スラックラインとは,ベルト状の綱の上で全身を協調させてバランスをとるスポーツであり,近年,バランス・トレーニングとしても注目されている.そのコツとして,両手の協調性に着目し,両群を比較した結果,上級者の方が片脚立ちをしている最中の両手が協調していることが示された.今後,熟達のコツや知覚・認知との関係を調べることで,リハビリなどへの応用に繋げたい.
  • P-44
    松井 理直 (大阪保健医療大学)
    左上側頭回における脳出血後に他の言語障害の併発が少なく,外国語様アクセント症候群 (FAS) の症状を呈した対象者のアクセント錯誤を例に,日本語のアクセント情報の符号化過程について議論を行う.特に対象とするのは,いわゆる平板型に属する語におけるアクセントの音韻情報についてで,これは情報として空虚である可能性について論じる.
  • P-45
    向江 理奈 (静岡大学)
    菊地 寛 (浜松市立雄踏小学校)
    遠山 紗矢香 (静岡大学)
    2020年度から小学校でのプログラミング教育の必修化を背景に,本研究では,算数に対する小学校の児童の意識がプログラミングの特徴に影響を与えるか調査した.公立小学校5年生145名にプログラミングを用いた正多角形の性質を学ぶ授業を,図形描画で色が変化するカラフル条件と単色条件に分けて実施した.アンケートの分析及び発話分析の結果から,カラフル条件は,単色条件より児童が工夫してプログラミングに取り組む主体的な問題解決を促す可能性が示された.
  • P-46
    関根 壮汰 (公立はこだて未来大学)
    寺井 あすか (はこだて未来大学)
    2つの概念の組合せによりユーモアが生起される「なぞかけ」を取りあげ,印象変化とユーモアの関連について検討した.本研究では,日本語評価極性辞書を用いることで単語印象を考慮したなぞかけ生成モデルを構築し,シミュレーション結果を用いた心理実験により,オチの提示による先行単語の印象変化と変化とユーモアの関連について明らかにした.その結果,先行単語そのものの印象とオチの提示による変化がユーモアに寄与している可能性が示唆された.
  • P-47
    山本 尚樹 (立教大学 武蔵野美術大学)
    本研究では,ろくろ挽きという同じ木の加工技術を用いつつも,異なる作風をもつ木工作家2名の制作過程について,道具に着目しながら制作の様子を分析した。その結果,制作物に応じて,作家が道具を設えていること,また制作プロセスに質的に異なる変動が見られた。
  • P-48
    佐山 公一 (小樽商科大学)
     学習課題時に中3の教科書ガイドを音読または黙読することで,また,テスト課題時にリーディングスキルテストを音読か黙読することで,読解力が変わるか調べた.103名が6群に分けられた.学習課題は,音読群,黙読群,学習なし群に,リーディングスキルのテスト課題は,音読群と黙読群に分けられた.教科書ガイドの事前の黙読または音読によって,参加者は読解力を向上させた.また,リーディングスキルテストを音読した場合よりも黙読した方が,読解力が高くなった.
  • P-49
    西尾 千尋 (中京大学心理学部)
    1名の乳児の歩行開始前後の行為を縦断的に観察し、日常環境において物と関わる行為と、運搬行動の変化について検討した。歩行開始前に比べるとそれ以降では、複数の物の組み合わせと運搬が増加した。歩行を始めることで自ら物に触る機会が増え、複数の物の組み合わせも増加していくと考えられる。
  • P-50
    宮田 真宏 (玉川大学)
    森下 雄介 (日本電気株式会社 バイオメトリクス研究所)
    山田 徹志 (玉川大学)
    高本 亮 (日本電気株式会社 バイオメトリクス研究所)
    今岡 仁 (日本電気株式会社)
    大森 隆司 (玉川大学)
    心の状態の一つである関心を推定することは,学習者の理解状態の評価指標となりうるため教員の重要な技能である.これまでに我々は人手アノテーションより子どもの関心推定を試み,人の位置・向きから子どもの関心が推定可能となる結果を得てきた.今回,遠隔から人の視線が計測できた為,視線と関心・位置・顔向きなどの関係を示すとともに,教室という広い空間を対象とした人の行動計測の現状について示し,教育実践フィールドにおける認知科学の可能性について議論する.
  • P-51
    中村 國則 (成城大学)
    現実の人間が“大きな見返りを得ることは稀である”,といった確率と効用の間に負の相関を見出して判断に結び付けている可能性がこれまで様々な研究によって明らかにされてきた。しかしながらそれらの先行研究には限定的な値のみを用いてきたという問題点があった。そこで本研究では現実の宝くじで想定されるような極端に低い確率・極端に高い金額を用いて,確率と効用の関係を検討し,そのような場合でも確率と効用の負の相関が見出されることを明らかにした。
  • P-52
    木﨑 圭介 (神戸大学大学院)
    野中 哲士 (神戸大学)
    匠の技において技能を継承することは非常に困難である.また, 匠の技術がどこまで繊細であり, 自然と身につけた技能はどこを意識しているのかを解明することは難しい.今回の研究では, 扇子の骨組みを30年以上製作している匠の視線を計測した.この計測データから, 匠と呼ばれる職人が見せる視線の動きと, 特徴を分析する.
  • P-53
    渡部 悠也 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻)
    阪口 豊 (電気通信大学)
    本研究では,武術的立位「垂直離陸」の機能的意味を理解することを目的とし,重心動揺及び筋活動を解析した.床反力中心(COP)を計測し,時系列解析を行った結果,垂直離陸では静的安定性が低下,動的安定性が向上していることが明らかになった.また,筋活動解析の結果から,膝関節の伸展と屈曲を行う筋の同時活性が確認できた.これらの結果は,垂直離陸が前後方向の身体動揺を抑え左右方向で増やすことで身体動揺パタンを変化させることを示唆する.
  • P-54
    臼田 泰如 (国立国語研究所)
    本研究では,日本語の会話においてしばしば見られる,参与者が日本語標語話者であるにもかかわらず,標準語以外のなんらかの方言,典型的には関西方言に属する語彙や表現を用いて発話するという現象について分析を行う.字義的に提示されている行為とはなる理解を促すためのメタメッセージを発話にもたせることを可能にしており,そのメタメッセージが場合によっては冗談であることの理解や,譴責どの行為の持つリスクへの対処になっていることが明らかになった.
  • P-55
    古藤 陽 (東京大学大学院学際情報学府)
    清水 大地 (東京大学)
    岡田 猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    今日の博物館教育においては,博物館内での体験から得られた学びが来館者の日常へと活かされることは重要な目的の一つである.本研究では,特に美術館教育を念頭に置き,日常的に身の回りにある対象への知覚や理解の変化を促す美術鑑賞のワークショップ実践と,その効果検証を行う.特に効果については,事前・事後調査により測定することに加え,ワークショップ中のプロセスに関しても多様な側面から検討を行う.
  • P-57
    高田 亮介 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    竹内 勇剛 (静岡大学)
    人を含む生命は,個体それぞれが決められたルールに従って行動することで,マクロから見ると協調的に振る舞っていることがある.本研究では,コンピュータシミュレーションにおいてもルールに記述されない戦略がボトムアップに獲得されるのか,という点に注目する.題材として缶蹴りを強化学習させ,集団としての社会性が形成されることを確認した.この成果は,従来のようにトップダウンに関係を記述することなく,ボトムアップに社会性が創発することを示唆している.
  • P-58
    野田 裕太 (青山学院大学社会情報学研究科)
    鈴木 宏昭 (青山学院大学)
    本研究は,理学療法士がその対象である患者を,病期や診療目的に合わせて医学的情報と社会的情報から患者像という表象として生成していることを,一人の理学療法士の診療過程の観察調査から示す.また,他の医療職とのカンファレンスや理学療法士の精粗のむらのついた患者像の生成が,患者の病期に合わせた患者像へ変化する要因となり,理学療法に活かされていることを考察する.
  • P-59
    顧 是凡 (北九州市立大学)
    松田 憲 (北九州市立大学)
    有賀 敦紀 (広島大学)
    近年の研究では,過剰な選択肢は却って消費者の負担になり、購買意欲を抑えてしまうという報告がなされた.これを「選択のオーバーロード現象」という.本研究は,価格帯の操作によって選択のオーバーロード現象が生起するかについての検討を行った.実験の結果,参加者を選択商品への関心度の高低に応じて分割したところ,低関心度群の高価格群では選択オーバーロード現象が生起した.一方,低関心度群の低価格群では逆に選択のアンダーロード現象が認められた.
  • P-61
    名塩 征史 (広島大学)
    本研究では,師匠と習い手が向かい合い,互いの演奏が観察可能な状況で同時演奏を基調に進められる三味線の稽古を観察し,師匠によるマルチモーダルな指導に焦点を当てた分析を行った.その結果,師匠は自分の演奏から手が離せない状況の中で,指遣いの特徴や定型的な旋律を参照しつつ端的な発話で指示を出し,頭部と視線の動きも活用しながら習い手の演奏を巧みに指導していることがわかった.また,こうした対面・同期形式で行う稽古の意義についても再考した.
  • P-62
    白砂 大 (東京大学)
    本田 秀仁 (追手門学院大学)
    植田 一博 (東京大学)
    「前傾体勢が,特に楽しさを媒介として,目標達成動機を向上させる」という先行研究の知見に基づき,本研究では,推論課題を用いて「体勢が前傾であるほど,また楽しさを感じているほど,目標達成動機が向上し,より正答(目標)に近づこうとする」という仮説を検証した。行動実験からこの仮説は一定程度支持され,正確な推論を促すには,課題環境の操作や楽しさの誘発が効果的であることが示唆された。本研究の知見は,実世界における環境設計などへの応用も期待される。
  • P-63
    加藤 祥 (目白大学)
    浅原 正幸 (国立国語研究所)
    要素の結合と言語形式がどのように比喩性の把握に影響を及ぼしているのか,比喩指標要素と要素の結合を含む用例を用い,用例全体(直喩)と要素の結合(隠喩)のそれぞれについて,比喩性の評定を付与した.用例全体と要素の結合の評定差を調査した結果,結合そのものの影響というよりも広く文脈が比喩性の把握に関わっている可能性が見られた.また,結合の種類により,比喩性の把握における指標の有用性が異なっていた.
  • P-64
    秋元 泰介 (九州工業大学大学院情報工学研究院)
    本発表では,ストーリーの創造性の計算原理を探求する研究の一環として,FauconnierとTurnerによるConceptual Blending理論に示唆を得た,事象融合の計算モデルを示す.このモデルは,二つの入力事象を構造的に組み合わせて,一つの融合事象を生成する.発表及び予稿では,その仕組みを詳しく説明する.また,本モデルと人による事象融合を比較する実験を通して,本モデルの創造性の程度や性質に関する分析的な検証も行う.
  • P-65
    中澤 剛 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
    野中 哲士 (神戸大学)
    人が目的地までの経路をナビゲートする時, 近道を 発見し目的地に短距離で到着する人と,近道を発見せ ず回り道で到達してしまう人に分かれる. 今回の研究 では, 其々のパターンに見られる視線を計測した。こ の計測データから, 近道を発見する人がナビゲーショ ン中に見せる視線の動きと, 遠回りをする人がナビゲ ーション中に見せる視線の動きの違いを分析する.
  • P-66
    小田切 史士 (青山学院大学 社会情報学研究科)
    中山 真嘉 (青山学院大学 教育人間科学部)
    鈴木 宏昭 (青山学院大学)
    中心視から離れると共に視力は低下することが知られており,注意を向けていない遠くの刺激は処理できないと考えられる.一方,注意を向けていない周囲の情報でも潜在的には処理していることも知られている.本研究は,ターゲット刺激の処理に影響を及ぼす周辺刺激との距離を操作した時に,視覚処理が無意識に働くのかについて検討した.その結果,刺激間の距離がある程度離れた場合でも、動的情報ならそれが主観的なものであっても処理可能なことが示唆された.
  • P-67
    山森 良枝 (同志社大学)
    本研究では、条件文の形式を持ちながら、前件と後件の間に依存関係がないという特徴を持つBiscuit Conditional、(後件の明示されない前提が強化された)unconditional presuppositionを投射するunconditional sentence 、および、誤謬推論を比較し、その異同を糸口に、誤謬推論が生じるメカニズムの解明を目指す。
  • P-68
    西田 勇樹 (立命館大学)
    服部 雅史 (立命館大学)
    織田 涼 (東亜大学)
    本研究は,織田・服部・西田 (2018) が開発した日本語版遠隔連想課題 (RAT) が洞察を測定する課題として妥当かどうか検討した。実験の結果,(a) RATと洞察課題の間に弱い正の相関があること,(b) RATと創造性課題の成績に相関が認められないこと,(c) RATと語彙量に強い正の相関があることがわかった。本研究では,RAT の洞察問題としての妥当性を確認することができなかった。
  • P-69
    中野 綾香 (東京大学大学院教育学研究科)
    本稿は,学校地域間連携活動における境界の重層的な横断によるボランティア間の相互作用に着目する.分析の結果,ボランティアは,活動への十全的な参加度合いを境界として実践的知識をやり取りし,外部からの異質な視点を用いて,他者からの知識を解釈,調整して自らの実践へと適用していた.また,協働的な実践を通じたボランティア間の関係性構築により,企業生活などの外部活動に関する視点交流が行われ,世代性という新たな境界の生成という境界の動態性が示された.
  • P-70
    Ze YANG (Nagoya University)
    松林 翔太 (名古屋大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    Xin Yao (Nagoya University)
    This paper proposed two approaches to explain the processes of building and developing mental model applied to smartphone applications. Firstly, we developed two versions of money manager smartphone application. And we did empirical studies to collect user behaviors data and built their mental maps to explain how the users build and change their mental model. Secondly, this research tries to describe the underlying mechanism of the development of mental model based on ACT-R cognitive architecture. The proposed simulation model consists of two sub-functions: declarative function and perceptual function.
  • P-71
    清水 佑輔 (東京大学人文社会系研究科)
    岡田 謙介 (東京大学教育学研究科)
    唐沢 かおり (東京大学人文社会系研究科)
    ギャンブル依存者と愛好家からなるギャンブラーに対して,少なからず否定的態度が存在する.そこで本研究では,シナリオ実験を行い,一般的に受容されやすい愛好家というサブカテゴリーを顕現化することで,ギャンブラーに対する潜在的態度が肯定化するか検討した.結果,愛好家のシナリオを読んだ群ではギャンブラーに対する潜在的態度が肯定化した.依存者に対する態度変容を促す研究への,知見の応用などについて論じた.
  • P-72
    齊藤 優弥 (金沢工業大学)
    金野 武司 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    本研究では,人が記号的なコミュニケーションにおいて字義通りの意味と言外の意味を共有・学習するメカニズムを,メッセージ付きコーディネーションゲームを用いた計算機シミュレーションにより調査した.結果,我々が構築した計算モデルが,他者の言外の意味を同義語・同音異義語の数から推定する方法を持つ場合に,人どうしの実験データをより良く再現することを確認した.本論ではこの結果に基づき,人が持つ記号への意味づけとその共有のメカニズムを議論する.
  • P-73
    上野 芙優 (明治大学大学院理工学研究科)
    嶋田 総太郎 (明治大学理工学部)
    少数の被験者が音楽 (ポップス) を聴いている時の脳活動をEEG (脳波計) で計測し、脳波の被験者間相関 (ISC) 解析によって大衆の曲の好みを予測できるかどうかを検証した。その結果、大衆がより好む年間チャート上位の曲(1~50位)のISC値はやや下位の曲(51~100位)のISC値よりも有意に大きいことが分かった。したがって、脳波の被験者間相関解析より算出したISC値が音楽に対する大衆嗜好性を予測する指標となる可能性が示唆された。
  • P-74
    布山 美慕 (早稲田大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    物語読解では,単語や文といった局所的意味の理解と,物語全体の意図といった大局的意図の理解が相互依存的になされる.この物語における局所/大局的理解の関係性を調べるため,本研究では,布山・日高(2019)で提案された2つの課題を用い,オンラインでの認知心理実験を行なった.その結果,両課題の成績(正答や参加者間相関)に正の相関傾向が示唆され,局所/大局的理解の関係が示唆された.
  • P-75
    山本 希 (京都大学大学院)
    今井 むつみ (慶應義塾大学)
    本研究では,仮説形成に関わる類推能力の発達を扱った。4-6歳児を対象に作成した課題を用いて,この能力は幼児期に存在するのか,存在するとすれば,具体的に,どのような関係性の類推が可能になり,何が発達するのか検討した。その結果,①仮説形成に関わる類推能力は幼児期から発達がみられること,②特に「大小に注目した関係」を扱った類推が,年中から年長にかけて発達が見られることが示唆された。
  • P-76
    大岸 真理子 (京都工芸繊維大学)
    相根 隆人 (現代自動車日本技術研究所)
    西崎 友規子 (京都工芸繊維大学)
    本研究では,ドライバの個人特性として特性不安に焦点を当て,実公道走行データを用いて,特性不安の個人差が運転行動に及ぼす影響を分析した. その結果,高速道路から一般道に合流する際,最低速度,最大ブレーキ圧,隣車線の確認回数に差が認められた.このことから,特性不安が高い人はより慎重に運転することが示唆される.今後は十分な実験参加者人数の確保,運転シーンの統制を行った上でのさらなる検討が必要である.
  • P-77
    武富 拓也 (明星大学)
    遠藤 勝也 (株式会社スタジオ・アルカナ)
    菊池 康太 (明星大学情報学研究科 情報学専攻)
    本研究は大学の分野横断型PBL(Project based learning)を対象に,異なる実践共同体の交渉が開発されたアプリケーションのソースコードにどのように影響を与えるかを考察する.2018年度から2019年度にわたるPBL型授業で取得したデータから,ディスコース,実践共同体の具象化の概念を用いて分析を行う.
  • P-78
    江 維豪 (神戸大学)
    正田 悠 (神戸大学)
    本研究は,2種類のセルフコントロール(self-control)と外的要因による行動のコントロールが主観的Well-beingの構成要素である生活満足感と感情に対していかなる異なる効果を持つのかを調べた.パス解析を行った結果,セルフコントロールの種類によって,有意に関連する主観的Well-beingの要素が異なるということが示された.特に,調整型セルフコントロールが高い大学生は,生活満足感が高い傾向にあることが示された.
  • P-79
    黒田 都雲 (立命館大学)
    西田 勇樹 (立命館大学)
    服部 雅史 (立命館大学)
    読みにくい文字は記憶成績を高めるが,その効果(非流暢性効果)は頑健ではない。その要因として,非流暢性の程度やワーキングメモリ容量(WMC)が考えられる。そこで本研究は,文字の流暢性のレベル(4段階)とWMCが単語記憶に与える影響を調べた。実験の結果,非流暢性効果は確認できなかった。この結果は,一つの刺激リストの中に特徴的(非流暢)/非特徴的な文字を混ぜて呈示した場合に非流暢性効果が発生しやすいこと(対比効果仮説)を示唆する。
  • P-80
    菅井 篤 (開智望小学校)
    本研究では,小学校の算数の授業における,アクティブ・ラーニングとして導入されたグループ活動での児童の対話を対象とした.学校文脈での学びを日常経験文脈に照らしながら児童がどのように思考を広げ,深めていくのかという対話的展開過程を明らかにすることを目的とし,実証的に検討した.それらの結果から,学校と日常の非対称性が,対話という相互行為の文脈で,いかにして児童に捉えられ,教授・学習が実現されているのかが明らかになった.
  • P-81
    三浦 慎司 (名古屋大学)
    川合 伸幸 (名古屋大学)
    音楽コンサートや映画鑑賞において,アーティストや作品の登場人物に向けて発光する棒 (ペンライト) を振ることがあるが,この身体運動は人物の評価を高めるのだろうか.本研究では、ペンライトを前に振る/ペンライトで肩を叩きながら競技アニメを視聴させた前後に登場人物の評価をさせたところ,前方に振ったほうが登場人物の魅力が高まることが示された.この結果は,前に振る運動が登場人物に対する接近動機づけを高めることが原因であると考えられた.
  • P-82
    斉藤 功樹 (日本ユニシス株式会社,北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    ソフトウェア開発の要件定義書レビューでは,定義書が顧客の求めるシステムを必要十分に表現しているかを判別することが重要である.先行研究では,その判別能力をはかる課題を開発し,視線との関係を分析したところ,判別成功時には特定の顧客要求文でfixationが増加傾向にあった.そこで,本研究では顧客要求文の持つ情報量を独自に定義し,視線との関係を分析した.その結果,情報量が多い文をより注視する場合に,レビューの成功可能性が高いことが示唆された.
  • P-83
    光國 和宏 (京都工芸繊維大学)
    市川 淳 (神奈川大学)
    西崎 友規子 (京都工芸繊維大学)
    堀 紫 (株式会社 博報堂)
    分身となるエージェントを介して相手とコミュニケーションする場面において,エージェントの印象と同時に操作者の印象が変化すれば人同士の親密な関係構築にエージェントの存在が有用となる.そこで,対話型スピーカーを介して相手の選好を模倣させ,スピーカー及び操作者の印象変化を検討した.結果,相手の選好を83%の割合で模倣すると,スピーカーと操作者の印象が高くなり,両者を同一視する可能性が示された.
  • P-84
    範 雯婷 (法政大学大学院)
    川崎 貴子 (法政大学)
    田中 邦佳 (法政大学)
    本研究では, 中国語を母語とする上級日本語学習者のデフォルトのアクセント型が, 日本語母語話者の発話とどのように異なるのかを, 無意味語の発話実験を通じて調査した. 日本語母語話者は3モーラ語で頭高, 4モーラ語で平板型の適用が多く見られた.中国語母語話者は, 4, 3モーラ語両方で平板型アクセントを使用した. 実験の結果, 中国語人上級学習者と日本語母語話者の文法との間には違いがあることが分かった.
  • P-85
    崔 豪准 (名古屋大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    本研究は対話場面における聞き手の非言語行動が話し手のアイデア生成に及ぼす影響を検討した。具体的に聞き手の行動としてあいづちの頻度、そして注視の有無を操作した。その結果あいづちの頻度が少ないほどアイデア数が増加するが発話数は減少することが明らかになった。一方で注視の有無の効果は確認されなかった。これは聞き手の少ないあいづちが負のフィードバックとなり、話し手の知識探索の制約が緩和されたためであると考えられる。
  • P-86
    稲葉 えいり (愛知県立大学国際文化研究科)
    本研究では、非対格動詞(自他交替有り)の習得について、他動詞文、自動詞文、過剰受動文の容認・否認の観点から学習者の形成する中間言語規則を類型化して分析した。その結果、主に5つの類型が見られた。英語熟達度が上がっても変化せず、化石化の可能性のある類型も見られた。中間言語規則は、目標言語規則に向かってまっすぐに再構築されるとは限らないことも示唆された。長期観察等による研究が課題となった。
  • P-87
    荒井 武蔵 (千葉工業大学大学院)
    山崎 治 (千葉工業大学)
    本研究は,呈示する他者の意見に含まれる意見の多様性に着目し,多様性の違いが自身の意見変化に与える影響の調査を目的とする.そこで,「教育における新しいメディアの利用」に関する意見を求める課題を設定し,多様性の異なる他者の意見を呈示する前後において,自身の意見変化に与える影響を検証するための実験を行った.結果として,多様性の高い他者の意見の呈示が意見変化における文章内容の質の向上を促す効果が見られた.
  • P-88
    清水 千加 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    服部 雅史 (立命館大学)
    モンティ・ホール問題は確率推論課題であるが,問題文中に登場する人物と回答者との間に社会的相互作用が想定されている。本研究は,司会者に対する信頼が,この問題の正解率を左右することを実験により明らかにした。司会者に対して不信感を抱くと,司会者の裏切りに対する防衛のため,ドアを変えないという現状維持行動をとる傾向があることが示唆された。
  • P-90
    阪口 豊 (電気通信大学)
    本研究では,身体技能習得における「気づき」を呼び起こす手段として「付加的情報フィードバック」の手法に着目し,これをピアノ演奏におけるペダリング練習に適用した.演奏中のペダル踏み込み量をオンラインまたはオフラインで学習者に提示することで,学習者はペダリング時の身体感覚と響きの変化との関係性を効果的に習得できることが期待される.本稿では本システムの効果について著者自身の「気づき」に関する経験に基づき議論する.
  • P-91
    増田 康成 (明治大学総合数理学部)
    阿原 一志 (明治大学総合数理学部)
    小松 孝徳 (明治大学総合数理学部)
    本稿では、VR空間内に多面体を提示しユーザがそれらを仮想的に操作するようなシステムを開発し、実空間上にて観察された身体的な関与がVR空間でも観察されるかどうかを検討する。今回のVRシステム実装では、両手の十本の指で面を押さえるという動作を仮想化することが十分にできなかったため、満足できる結果は観察されなかったが、改良すべきポイントや認知科学的な観点について考察を行うことができたので、そのことを報告する。
  • P-92
    村越 真 (静岡大学教育学部)
    満下 健太 (愛知教育大学静岡大学共同大学院)
    南極観測隊員延74人を対象に,自然環境内のリスク特定・評価の特徴と経験による変化把握のため,課題1(リスク特定課題)と課題2(リスク評価課題)が実施された.南極観測経験によるリスク評価の違いは限定的ながら,経験無群>経験有群の有意差が得られたものが見られた.また,経験無群での南極滞在前後のリスク評価では,事後のリスク評価の低下が広範に見られた.結果から,経験によりリスク発現場所について弁別的なリスク知覚がなされることが示唆された.
  • P-93
    中村 太戯留 (武蔵野大学)
    ユーモア理解において不調和の感知段階と解消段階という過程が関与し,ユーモアを生じる要の解消段階において扁桃体が重要な役割を果たすことが示唆されている.扁桃体は,一見すると明示的ではない隠れた敵意や社会的な脅威などの関連性感知に関与する神経基盤と考えられている.また,保護されているという認識を伴った遊び状態の重要性が指摘されていることも合わせて考えると,ユーモア理解は扁桃体のこのような役割を利用した一種の遊びと考えられる.
  • P-94
    福﨑 実紀 (淑徳巣鴨中学高等学校)
    田中 邦佳 (法政大学)
    L2学習がL1の音韻体系を再構築することが知られている.本論文は,日中バイリンガル標準中国語話者を対象に発話実験を行い,L2である日本語の習得が,L1の中国語の母音体系に影響を与えるのかを調査した.音声の音響分析を行い,フォルマント周波数(F1, F2)を基に母音空間図を作成し,話者群間の比較を行った結果,高母音(/i/,/u/)の舌の高低に違い見られ,後舌高母音(/u/)の円唇度は,L2を学習した場合,強まることがわかった.
  • P-95
    Yulan Zhong (筑波大学大学院)
    原田 悦子 (筑波大学)
    For now, more electronic products are introduced with multiple and high functionality to daily life, often causing unpleasant experiences and mental frustrations, especially for elderly users. To know how well older adults can use the electronic product, a usability testing was conducted in previous research. Krippendorff and Butter argued that users create meanings during interaction with the product. However, how can designers understand how users understand the meaning and promote a desired interpretation? The answer can be found in product semantics. This study aims to give an overview of the theory of product semantics and try to propose a new perspective to clarify how users understand the meaning of electronic products.
  • P-96
    岡田 莞助 (名古屋市立大学大学院)
    小鷹 研理 (名古屋市立大学)
    我々は、これまでに、足をつっぱる方向の筋運動に対して、仮想空間上の脚のイメージが伸張する場合も、収縮する場合も等しく伸縮感覚が誘導されるという知見を得ている。本稿において、筋負荷と主体感を分離することを目的に、脚入力に加え指入力による脚の伸縮感覚への効果を検証した。結果、順逆等価の効果が指入力では成立しないことがわかった。これは、脚の伸縮錯覚に筋負荷が積極的に関与していることを示唆するものである。
  • P-97
    池田 駿介 (東京電機大学)
    布山 美慕 (早稲田大学)
    西郷 甲矢人 (長浜バイオ大学)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    意味の創造過程としての動的な比喩理解のため提案として,圏論の概念を用いて構築された不定自然変換理論 (TINT, 布山 & 西郷, 2019 ; Fuyama & Saigo & Takahashi, 2020) に基づき,2つのシミュレーションを実施する.また,実験によって,人間の比喩解釈となる対応づけデータを収集し,これをシミュレーション結果と比較することで,TINTがどこまで人間に近い判断を行うことができるのかを検証する.
  • P-98
    安久 絵里子 (筑波大学)
    後藤 将志 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学)
    矢野 博明 (筑波大学)
    新型モビリティの登場により,歩車混在空間における人―移動体間のリスク共有の重要性が増している.本研究ではライトレールを取り上げ,横断歩道における歩行者との相互作用とコミュニケーションの特性を検討するための行動観察を行った.その結果,運転者が歩行者の行動に応じてリスク回避行動を取っているが,歩行者にはそれが伝わっていない様子が観察され,歩車共存空間におけるコミュニケーション支援の重要性が示された.
  • P-99
    宝田 悠 (東京電機大学)
    福地 庸介 (慶應義塾大学)
    今井 倫太 (慶應義塾大学)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    本研究ではロボットと人間の協働を前提に, Fukuchi et al. が提案するPublicSelf モデルが生成する, エージェントの目標を人に伝達する動きである legible motion が, 情報の非対称性が発生する場面において効果的に動作するかを検証した. 結果, 情報の非対称性を考慮することによって人のエージェントに対する主観的評価を向上することができた。
  • P-100
    渋谷 友紀 (障害者職業総合センター)
    八木 繁美 (障害者職業総合センター)
    野澤 卓矢 (障害者職業総合センター)
    村久木 洋一 (障害者職業総合センター)
    田村 みつよ (障害者職業総合センター)
    武澤 友広 (障害者職業総合センター)
    山科 正寿 (障害者職業総合センター)
    「ワークサンプル幕張版」(MWS)は,実在する職務から基本的な作業を抽出し,16の作業課題とした職業評価ツールである.本研究では,複雑なOA作業の課題「給与計算」のエラー項目と,保続傾向を評価できる神経心理学的検査であるウィスコンシンカード分類検査(WCST)の各指標との関係を調べた.その結果,WCST の保続性の誤りが,MWS「給与計算」における生起数の小さいエラー項目と相関する傾向があることを確認した.
  • P-101
    亀井 暁孝 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    人は,現象を説明可能な解釈が無数に存在するときでも一つあるいは少数の解釈を選ぶ傾向にある.本研究では,こうした認知処理の傾向を「思い込み」と呼び,数理的な定式化を目指し研究を進めた.具体的には,トイモデルとして画像回転課題を提案し,事前制約と学習効率の関係について数値実験による分析を行った.
  • P-102
    西井 亮太朗 (三重大学教育学研究科)
    南 学 (三重大学)
    本研究では、成功経験と失敗経験に対する活発な自伝的推論に着目し、自己受容的な態度との関連や生きがい感に及ぼす影響を検討した。大学生135名を対象に質問紙調査を実施した。その結果、成功経験と失敗経験のどちらにおいても、それらの経験に対する重要であったり転機であったりするという意味づけを行うことが同等程度の生きがい感への正の影響を示した。しかし、この結果に対する自己受容的な態度の関連は認められなかった。
  • P-103
    朱 剣 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    The post-exercise effect is a phenomenon in which people adapt to exercise stimulation for a relatively long period of time, and after the exercise stops, they feel the stimulating exercise that should not exist. The post-exercise effect has two attributes: the direction of the stimulating movement and the speed of the stimulating movement. The purpose of this research is to construct a calculation model that predicts the relationship between exercise stimulation speed and exercise aftereffect duration, and to interpret the results of psychophysiological experiments on exercise aftereffects by calculation.
  • P-104
    千葉 哲志 (千葉工業大学大学院)
    山崎 治 (千葉工業大学)
    本研究では、「ポジション」と「アクション」という運動手順の分離が運動主体感や身体所有感の形成にどのような影響を与えるかについて明らかにすることを目的とした。実験では、VR空間上に表示される片手アバタをハンドトラッキング操作によって指定された領域に移動させると共に、指定された手アバタの形を作る課題を行った。その結果、運動手順が分離された場合、運動手順が統合された場合よりも身体所有感が低下することが明らかになった。
  • P-105
    小林 晶 (立命館大学大学院情報理工学研究科)
    松室 美紀 (立命館大学情報理工学部)
    柴田 史久 (立命館大学情報理工学部)
    木村 朝子 (立命館大学情報理工学部)
    本研究では,身体の視覚的位置変更が身体のメンタルモデルにどのような影響を与えるかを検討した.複合現実感技術を用いて,腕の位置を変更した映像を作成し,その映像を提示しながら単純な動きを繰り返し行わせた.その前後で同じ課題を行わせた結果,課題中の身体の動きが変化した.これより,身体の視覚的位置を操作してトレーニングを行うことにより,身体のメンタルモデルにおける身体の位置関係が変化する可能性が示された.
  • P-106
    徳永 弘子 (東京電機大学)
    花井 俊孝 (東京電機大学)
    木村 敦 (日本大学)
    武川 直樹 (東京電機大学)
    本研究は多人数による食事場面を対象に,食事形式が人と人のコミュニケーション行動に及ぼす影響について明らかにする. 65才以上の男女6人1組,計4組に料理を銘々膳,共同膳形式で提供し,特に共同膳からの取り分け行為とトピックの関係を事例的に検討した.その結果,共同膳が料理を中心とした話題提供の役割を担っており,参与者の共有物としての存在がコミュニケーションの促進に寄与する可能性が示唆された.
  • P-107
    西村 宏武 (京都工芸繊維大学)
    岡 夏樹 (京都工芸繊維大学)
    田中 一晶 (京都工芸繊維大学)
    我々は人の社会的行動のメカニズムを構成的に解明することを目指している。本研究では、マルチエージェント鬼ごっこ環境における鬼側の深層強化学習エージェントの追いかけ動作と、人の追いかけ動作を比較した。移動エントロピーを指標として両者の間の相違点を検討したところ、興味深い違いが見つかった。今後はこの差異の原因を明らかにし、エージェントを人に近づけていくため、エージェントの設計仕様や差異の評価指標を再検討する。
  • P-108
    達 椋介 (金沢工業大学)
    加藤 樹里 (金沢工業大学)
    金野 武司 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    道徳的なジレンマ課題として知られるトロッコ問題において,複数人の命を助けるために一人を犠牲にする行為を人間又はロボットが行った場合に,その行為に感じる不快感とパーソナリティとの関係を検討した.また,ロボットの様な存在に対する心理的傾向を測るため,ロボットの内面に固有の主観を認めるかどうかの新しい尺度として「内的世界の見出しやすさ」尺度を作成した.その結果,マキャベリズムと不快感,内的世界の見出しやすさと不快感で有意な関係が見られた.
  • P-109
    山川 真由 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    清河 幸子 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    本研究では,関連性の低い2つの対象間で共通点を探索する際のプロセスを明らかにすることを目的として,共通点探索課題と,類似したプロセスの関与が想定されるテゴリ判断課題との関連を検討した。いずれの課題においても,対象のもつ「目立たない」特徴に関する知識を活性化させることが必要となることから,課題間に正の関連が見られると予測していたが,課題間に有意な関連はみられなかった。このことから,両課題には異なるプロセスが関与していることが示唆された。
  • P-110
    川瀬 真弓 (岐阜大学)
    鎌部 浩 (岐阜大学)
    岐阜大学大学院自然科学技術研究科は2017年度に修士1年を対象にデザイン思考序論を創設し,創造的思考力を育成している.2020年度前学期はオンラインでデザイン思考の5つのステップを用いて創造的問題解決に取り組んだ.パフォーマンスの高い成果物を創出したグループの話し合いでは,発話順にアイデアを可視化したことが,問題空間の拡張に影響を与えた可能性があることがわかった.
  • P-111
    髙橋 麻衣子 (東京大学 先端科学技術研究センター)
    平林 ルミ (東京大学先端科学技術研究センター)
    福本 理恵 (東京大学 先端科学技術研究センター)
    中邑 賢龍 (東京大学先端科学技術研究センター)
    教室での教科書を使った学習になじめない児童・生徒に対して,活動をベースにした学び(ABL:Activity Based Learning)を実施した。参加児童・生徒が在住している地域の大通りの長さを限られた道具で測定するミッションを提示し,参加者それぞれが作戦を立て測定を行わせた。活動を通して,共通の場から各自の学習の習熟度や興味関心に沿った個別化された学びを達成し,さらに,発展的達成型ゴールを設定して次の学びへ向かう姿勢が観察された。
  • P-112
    山田 雅之 (九州工業大学)
    大海 悠太 (東京工芸大学)
    遠山 紗矢香 (静岡大学)
    梅田 梨絵 (星槎大学大学院)
    本研究は,子供の逆上がりスキルの獲得過程に対して,運動アナロゴンの獲得も目指しスイング遊びを実践しつつ,身体知のメタ認知を実践した.分析はパフォーマンス分析と,発話と動作の見えるシステムを活用した.本研究の分析の結果から対象とした被験者は逆上がりができるようにはなっていないものの,スキル獲得の過程として足を蹴り上げている様子がインタビューと動作解析の結果から示唆された.
  • P-114
    牧岡 省吾 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    神浦 駿吾 (NECソリューションイノベータ株式会社)
    DRMパラダイムを用いて背景文脈が虚再認率に与える影響について検討した.実験1では静止画を背景として用い,記銘時とテスト時で背景画像が同じ場合と異なる場合の虚再認率を比較した.背景画像の同異は虚再認率に有意な効果を与えなかった.実験2では,単語リストと無関係な日常風景の動画を背景文脈として用いたところ,背景動画の同異は虚再認率に有意な影響を与えた.これらの結果は,背景の知覚情報が虚記憶の生成に影響を与えることを示唆する.
  • P-116
    澤田 知恭 (筑波大学大学院人間総合学術院)
    原田 悦子 (筑波大学)
    日常生活で間断なく行われる会話は,二重課題性を持っているために,高齢者はその実施に困難を示し,高齢者と会話する若年成人の負担感の原因となっているのではないか。もしそうであれば,二重課題訓練を行うことで,高齢者の会話困難とそれに伴う若年成人の負担感を減少させ,ひいては世代間コミュニケーションを推進できる可能性がある。その可能性を検討するため,会話の二重課題性を純粋に反映するものとして追唱課題を用いて,実験的検討を行った。
  • P-117
    河合 珠空 (岩手県立大学)
    小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    本研究では,渡辺保による『京鹿子娘道成寺』の舞台構造を,舞台上演構造という視点から詳細に分析し,KOSERUBE上で,舞台上演構造の可視化を行う.本論文では,実装範囲を拡張し,更に改良を行った.目標としては,筆者らが開発している統合物語生成システムの物語表現形態として利用することを目指している.また,今後は,コンピュータゲームや自動生成コンテンツなど,他ジャンルへの応用も目指す.
  • P-118
    白井 宏美 (ベルリン自由大学)
    人型ロボットPepperを一般家庭に貸与し,1ヶ月間一緒に暮らしてもらった.どのような場面で人がロボットを単なる機械ではなく心を持った相手として接するのか調べた結果,挨拶場面,Pepperに不具合が生じた場面,人がPepperを模倣する場面,褒める場面,叱る場面,笑いが生じた場面を観察することができた.これらが親密性を高める要素となり,その組み合わせや,重層的な相互行為が関係性構築に関わっていることが示唆される.
  • P-119
    小堀 旺河 (東京電機大学大学院理工学研究科情報学専攻)
    小林 春美 (東京電機大学理工学部情報システムデザイン学系)
    安田 哲也 (東京電機大学理工学部)
    可触性と事物配置に注目し、それら要因がどのように語用論的解釈への影響を及ぼすのかを部分名称獲得課題を利用し調べた。実験は実験者が無意味語を教示し、あらかじめ作成した選択肢を用い、成人参加者に該当する選択肢を選ばせるというものであった。その結果、指示した名称の全体/部分の解釈は、事物の配置により異なっていた。また予想とは異なり、透明な可視性のある障害物を介す/介さないといういずれの場合においても、指示範囲が変化することはなかった。
  • P-120
    郷田 怜花 (静岡大学情報学部)
    森田 純哉 (静岡大学)
    大本 義正 (静岡大学情報学部)
    様々な社会的場面において,人同士のインタラクションでは行動の探り合いが発生する.本研究では,インタラクションの継続と終了に至るプロセスを検討する.そのために,インタラクション課題として多義的な目標構造を有する鬼ごっこ迷路ゲームを用いて,人同士の行動変化の分析を行った.その結果,役割によって行動パターンの変化が異なり,行動の収束がインタラクションの終了につながったことが示唆された.
  • P-121
    小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)
    伊藤 拓哉 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    物語は,出来事を表現する事象だけでなく,物語を構成する要素について,その要素の外観や見た目以外の性質・特徴に関する説明を挿入することも多い.説明は物語の理解を深めるためだけでなく,時には物語を装飾するために利用されることもある.本稿では,ジュネットが述べた物語言説論を下敷きとした,説明に関する修辞技法を実現するアプローチとして,説明生成機構の実装を報告し,説明生成に利用する知識及びその知識を用いた説明生成の試みを紹介する.
  • P-122
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    筆者は「歌舞伎の物語生成」に関する研究を行って来たが、現在それを拡張して、物語生成の視角から日本独自の物語論(ナラトロジー)を開拓する可能性を展望している。本論文では、世阿弥による能楽論・能楽思想を、舞台上演を中心とした物語生成機構として捉え、9つのテーマに分けてそれぞれについて論述する。これを踏まえて、歌舞伎との異同、日本独自の(物語生成の)物語論について議論する。
  • P-123
    板倉 菜々香 (静岡大学情報学部)
    森田 純哉 (静岡大学)
    大本 義正 (静岡大学情報学部)
    本研究では,協力ゲームhanabiを題材として,飽きと学習の関係性を身体動作や内発的動機の観点から探る.加えて,ゲームスコアやゲーム時間などの時系列データも扱う.それらの分析過程において,身体動作から動きの周期性を抽出し,それを新たな指標として提案する.この指標を用いて,動機づけがうまくいく集団とは動作間隔の周期性が類似している集団であると結論付けた.
  • P-124
    樋田 浩一 (東北大学)
    山本 浩輔 (東北大学)
    齋藤 五大 (東北大学)
    坂本 修一 (東北大学)
    オーケストラの奏者たちは,奏者間の物理的な距離によって生じる音速の遅延を克服し,どのようにして楽団全体のタイミングに合わせて演奏しているのであろうか.インタビュー調査を実施した結果,離れた位置の奏者の演奏音は恒常的に遅れて聞こえてきていること,プロはその遅れにはつられないように練習していること,タイミングのずれの検出にはコンサートマスタの動きといった視覚手掛かりを利用していることが明らかとなった.
  • P-125
    小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)
    福田 和維 (岩手県立大学総合政策学部)
    河合 珠空 (岩手県立大学)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    物語では,事象の叙述とは別に,物語の進行を停止し,物語における任意の事柄の特徴を記述する修辞が存在する.ジュネットが述べた物語言説論では,その修辞を休止法と呼んでおり,物語中の登場人物が蘊蓄を傾ける行為は,休止法の方法の一つと言える.本研究では,筆者らが開発した統合物語生成システムにおける物語言説機構において,物語の構成要素が蘊蓄を語る様を生成する機構を実装し,物語における蘊蓄や説明について考察する.
  • P-126
    畑野 圭佑 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻)
    阪口 豊 (電気通信大学)
    主観的な感覚が身体運動に与える影響を明らかにするため「まるで〇〇であるかのように感じながら身体を動かす」という教示における身体運動をモーションキャプチャ及び表面筋電図により計測した.右上肢を用いた鉛直方向の到達課題において,「手の動きが直線的になるよう上に動かす」「上から吊られているように感じながら動かす」という二つの指示における運動を計測すると,いずれも直線的な手先軌道が実現された一方で,条件間では関節や筋の使い方に違いが現れた.
  • P-127
    岸江 秀斗 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    Web上でのユーザの行動は多様化している.この多様化している行動は明確な目的を持たないブラウジングと明確な目的を持ったサーチングに分けることができる.本研究では,強化学習における探索と搾取がブラウジングとサーチングに対応すると考え,ACT-Rを用いてそれらを再現する記憶モデルを構築した.この記憶モデルをWeb環境に統合することにより,ユーザの行動に応じた支援を行うための枠組みを提案する.
  • P-128
    白水 始 (国立教育政策研究所)
    中山 隆弘 (東京大学)
    齊藤 萌木 (東京大学)
    飯窪 真也 (東京大学)
    対話型授業のグループ活動における個々人の話量と理解度は相関するのかを明らかにするために,「知識構成型ジグソー法」7授業61グループ172名の発話量と学習成果の相関関係を調べた.授業によって学習成果の到達度は多様だったが,どの授業でも多く話す生徒が理解を深めるという単純な正の相関があるとは言えなかった.相関の低さは,主に話量は少なくとも理解を深めている生徒の存在ゆえだと考えられた.
  • P-129
    西川 純平 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    人が音声を認識する際には,音韻の単位に関するいくつかの処理が必要になる.それらの処理の一部は音韻意識と呼ばれる能力によって制御される.本研究の目的は,認知アーキテクチャACT-Rの知識検索の仕組みに対応づけて,音韻意識をモデル化することである.とくに音韻意識形成過程に見られる誤りとその要因に着目する.音韻意識形成がかな文字の習得と関連することから,活性化拡散を用いた視覚的補助の効果を検討する.
  • P-130
    笠原 臣 (東京電機大学大学院理工学研究科情報学専攻)
    安田 哲也 (東京電機大学理工学部)
    小林 春美 (東京電機大学理工学部情報システムデザイン学系)
    本研究では、語用論的推論における非言語情報の影響を検討した、実験では、実験者があるイラストに注目している、と言及した。このとき3つのイラストが表示されたモニターに指さしを行うか行わないか、さらに実験者の視線方向を参加者に向けるか、対象に向けるかを操作した。結果、実験者が指さしをしないで指示した方が、合理的解釈に基づいた選択や顕著性に基づいた選択を行っていた。合理的解釈に基づく人間の推論は、非言語情報の影響を受けるということが示唆された。
  • P-131
    本井 佑衣 (立命館大学)
    岡本 雅史 (立命館大学)
    本研究は遠隔会議を利用したリモート漫才が通常の対面漫才対話と異なり対話リズムにおいて修復されるべき「トラブル」が生じやすいため,それらを演者が相互に調整しリズムの修復を行っていく過程が観察可能である点に着目し両者の対話音声の分析に基づいてその修復プロセスの解明を目指したものである.分析の結果,対話リズムの修復に対して二種類の修復ストラテジーに基づく演者間の相互調整が寄与していることが明らかとなった
  • P-132
    大嶺 明李 (沖縄国際大学)
    赤嶺 奨 (California State University Fresno)
    小波津 豪 (沖縄国際大学)
    新国 佳祐 (新潟青陵大学)
    里 麻奈美 (沖縄国際大学)
    笑顔や良い姿勢は嬉しさや誇らしさなどのポジティブな感情や上の空間情報を促し,しかめ面や悪い姿勢は悲しさや落胆などのネガティブな感情や下の空間情報を促すということが先行研究でわかっている.私達は日々の生活の中で様々な「解釈」を行なっているが,その解釈には自分自身の「表情」や「姿勢」はどのように影響しているのだろうか.本研究では,表情や姿勢が2通りの解釈が可能な多義文の理解に与える影響について選好判断課題を用いて検証する.
  • P-133
    小波津 豪 (沖縄国際大学)
    大嶺 明李 (沖縄国際大学)
    赤嶺 奨 (California State University Fresno)
    新国 佳祐 (新潟青陵大学)
    里 麻奈美 (沖縄国際大学)
    先行研究では言語によって時間の言語表現が異なるだけではなく、時間の捉え方自体も異なると述べている。本研究では、時間を量概念を用いて表現する傾向が強い日本語話者を対象に、「線の長さ」または「量の多さ」のプライミングが速度が曖昧な時間事象の捉え方に与える影響を検証した。反応時間に有意な差は見られなかったが、正答率の結果から、線概念よりも量概念の活性化が、日本語母語話者の速度が曖昧な事象の解釈(時間の捉えやすさ)を容易にしたと考えられる。
  • P-134
    廣田 章光 (近畿大学)
    デザイン活動を経営に取り込みイノベーションを生み出す(経済産業省 2018)「デザイン・ドリブン」型のイノベーション」(Verganti 2009,2016)は「人々が気づかない問題を創造的に発見すること」(Verganti 2009,2016)が重要な行動となる。本研究は国内企業の開発者430名の開発行動を投射枠組みで調査した。そして非イノベータとの間に、6つの外的表象に対する投射分類中の5つの分類において投射行動の差を確認した。
  • P-135
    青木 慎一郎 (岩手県立大学 健康サポートセンター)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)
    物語生成論による自閉スペクトラム症(ASD)の理解を試みた.物語の「分析」ではなく「構成」を対象とすることにより,これまでASD者には「できない」とされていたことを,ASD者は「こうしている」と説明することができる.精神病理学は「了解」という物語の多様性を拡張してきたが,物語生成の構成プロセス自体は一つであると仮定していた.その意味で,物語生成論は,精神病理学やナラティブ・アプローチへの問題提起となるだろう.
  • P-136
    小川 昭利 (順天堂大学)
    亀田 達也 (東京大学)
    中谷 裕教 (東海大学)
    我々の知覚決定は,他者の観察によって暗黙のうちに影響を受け,低次な知覚さえも調整され得る.本研究では,他者の数認識の観察により,個人の数知覚がどのように暗黙的に調節されるか,その神経機構を調べた.実験の結果,他者の過大評価と過小評価を観察した後,数知覚が異なる調節がされ,上頭頂小葉の活動が異なることが示された.この結果は,他者の数認識の観察が数知覚の神経基盤に暗黙的に影響することを示唆する.
  • P-137
    宮本 真希 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    同じ言語を共有しない話者間における「言葉の壁」の要因の一つは,言語の恣意性にあると考えられる。そこで,音声と指示内容の結びつきは完全に恣意的ではないことを示すブーバ・キキ効果を利用することで,限定的な状況であれば,話し手の伝えたい内容を聞き手に伝えられるのではないかと考えた。オノマトペは,音声と指示内容の間の関係が強いと考えられており,ブーバ・キキ効果が起きやすいと予想されるため,本研究ではオノマトペの指示内容の伝わりやすさを検証する。
  • P-138
    大森 玲子 (宇都宮大学地域デザイン科学部)
    上原 秀一 (宇都宮大学共同教育学部)
    久保 元芳 (宇都宮大学共同教育学部)
    宮代 こずゑ (宇都宮大学共同教育学部)
    本研究は,フランスにてPuisais, J. が1975年に始めた味覚教育の理論を援用し,味覚教育の実践を行ったものである。イメージマップに着目して効果の検討を行った結果,「おいしさ」という刺激語から連想される語の数およびリンク階層数のいずれについても活動後に増加していることが示された。また活動後の連想語の内容から,「あじ」は味覚を含めた五感のいずれからも生じ得るという学習が味覚教育によって促進されている可能性が示唆された。
  • P-139
    藤堂 健世 (東京工業大学情報理工学院)
    吉川 厚 (東京工業大学、立教大学)
    山村 雅幸 (東京工業大学)
    知覚と概念の関係性についてまだ解決された問題ではないとされている.本研究では,視覚情報から概念形成するときに,文脈によって被験者の認識変化にどのような影響を与えるのか,知覚と認識との間の関係から概念形成のメカニズムを探る.機械のパタンの認識問題の1つであるボンガルド問題から,様々な認識が可能な問題を用意し,被験者に回答させた.その結果,一度形成した概念が図形の知覚情報により,容易に再構築されない場合とされる場合が生じた.
  • P-140
    阿部 廣二 (早稲田大学人間科学学術院)
    本稿では、祭りにおける御神体を祀る台の作成過程を、フィールドワークの知見、および参与者らの相互行為の観点から記述し、祭り準備の活動システム、あるいは準備参与者らの倫理について考察した。とりわけ、1)相互行為を通してい課題に対処することで、毎年安定的に台の作成を可能にしていること、2)それでもなお不確実性が残る場合、主観的判断による意思決定を行うこと、3)こうした意思決定が、祭りを自分たちのものにするために有意味であることが考察された。
  • P-141
    赤嶺 奨 (California State University Fresno)
    大嶺 明李 (沖縄国際大学)
    小波津 豪 (沖縄国際大学)
    新国 佳祐 (新潟青陵大学)
    里 麻奈美 (沖縄国際大学)
    Japanese speakers prefer non-agentive expressions when describing events that equally allow agentive (e.g., ‘I dropped the keys’) and non-agentive (e.g., ‘The keys dropped’) descriptions (Choi, 2009; Teramura, 1976). However, they are more likely to use agentive expressions when describing intentional events (Fausey, Long, & Boroditsky, 2009). This study examined how native Japanese speakers comprehend and construe the agents of unintentional and intentional events in sentences with unspecified agents of blamable acts. The results support that listeners flexibly adopt an agent’s or observer’s perspective given explicit grammatical pronouns (“I” or “the other”) in Japanese, and they consider another person to be the agent of negative events.
  • P-142
    小鷹 研理 (名古屋市立大学)
    本稿では、指サックをはめてもらうだけで、被験者が単独の状態で試行することのできる、全く新しいタイプのセルフタッチ錯覚の誘導法を報告する。被験者実験(N=38)によって、能動課題において、時間経過に伴う錯覚の学習効果を確認した。加えて、能動課題における錯覚の感度と共感尺度とが非常に強いレベルで正の相関関係にあることがわかった。本結果は、神経可塑性の発動において共感の機能が動員されていることを示唆するものである。
  • P-143
    堀田 拓海 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    竹内 勇剛 (静岡大学)
    目的を共有した複数人での問題解決は,しばしば創造的なブレイクスルーをもたらす.近年では人の代わりに人工的エージェントと協同することの有用性も示唆されている.しかし,人とエージェントが目的を共有し問題解決に取り組む上では,エージェントによる貢献が心理的負担を起こしうるという問題点が考えられる.そこで本稿では,目的を共有しない人-エージェントインタラクションにおいても問題解決の誘発が生じるかどうかについて実験による観察を行うことを検討する.
  • P-144
    田中 徹 (慶應義塾大学 & 富士ゼロックス)
    高橋 萌 (慶應義塾大学)
    水口 高翔 (慶應義塾大学)
    柴辻 優樹 (慶應義塾大学)
    土井 梓 (慶應義塾大学)
    勝野 晃弘 (慶應義塾大学)
    慶應義塾大学「博士課程教育リーディングプログラム オールラウンド型 超成熟社会発展のサイエンス」には13研究科から博士課程人材が集まり,異なる文系・理系2つの修士号を取得して博士課程に進み,俯瞰力と独創的な企画力を持つ高度博士人材育成を進めている. 本報では,本プログラムで実施している「フューチャー・デザイン」ゼミ活動を通じ抽出した,「文理融合」型人材による「フューチャー・デザイン」ワークショップ実践の課題と,対策アイデアを検討する
  • P-145
    石原 潤 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    清河 幸子 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    本研究では,参照する試行履歴の情報源に関する認識が学習に及ぼす影響を検討した.大学生37名が実験に参加し,水槽課題に2回取り組んだ.2回目の取り組み時に,1回目の参加者自身の試行履歴を「自己のもの」として与えられる自己履歴条件と,「他者のもの」と偽って与えられる偽他者履歴条件の2条件が設定され,学習成績と試行履歴参照時に考えていたことが比較された.学習成績に条件間で差は認められなかったが,試行履歴参照時の着眼点が異なることが示された.
  • P-146
    益岡 都萌 (岡山大学大学院教育学研究科)
    西山 めぐみ (人間環境大学)
    寺澤 孝文 (岡山大学大学院教育学研究科)
    本研究は偶発学習における刺激の繰り返し呈示の効果が再認判断に及ぼす影響について,及び再認判断を要求された刺激と類似性の高い刺激の記憶痕跡の増加が再認判断時のYes反応を抑制させる可能性を検討した。実験は偶発学習課題と間接再認課題で構成された。結果,偶発学習の効果及びYes反応の抑制効果は確認されなかった。類似した経験の増加が再認判断時の弁別を困難にする可能性が示唆された。
  • P-147
    金谷 悠太 (名古屋大学情報学研究科)
    川合 伸幸 (名古屋大学)
    怒り感情を、あたかも物理的な対象のように捨てることはできるのだろうか?本研究では、侮辱によって参加者に怒りを喚起させ、参加者はその気持ちを思い出しながら紙に記入した。その後、その紙を保持、またはごみ箱に廃棄させた。紙を廃棄した条件は怒りがやや抑制され、保持した条件は抑制されなかった。これは紙に怒りを記入すると紙に感情が投射され、紙を捨てたことが、怒りそのものを捨てたかのように処理されたことが原因だと考えられた。
  • P-148
    高橋 英之 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
    伴 碧 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
    石黒 浩 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
    ソーシャルワークの構造にもとづき決定されるマルチエージェントの振る舞いに,観察者がどのような物語を感じるのか,クラウドソーシングにより調査を行った.独立変数として,エージェントの属する社会的ネットワークのサイズを操作した.その結果,エージェントが属するソーシャルネットワークの規模に応じて,エージェントの動きに物語を感じる度合いや内容が変化することが示された.
  • P-150
    黒田 航 (杏林大学)
    阿部 慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    粟津 俊二 (実践女子大学)
    寺井 あすか (はこだて未来大学)
    土屋 智行 (九州大学)
    日本語容認度評定データ (ARDJ) 構築の第一期と第二期の調査で刺激文に使われた466文の読み時間データを追加収集し,評定値データと対応づけた.そのデータの多変量解析と回帰分析の結果から,容認性判断とそれに要する時間は,刺激文を分割された部分への反応時間からは予測できない事が示唆された.ただし元になった反応時間データに代表性が保証されていないため,結果の一般性には自ずから限界がある.
  • P-151
    樋口 滉規 (東京電機大学)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    pARIs (proportion of Assumed to be Rare instances) は人間の因果的判断と高い適合を示す観察的因果帰納モデルである.先行研究では,pARIsを含む因果帰納モデルの計算論的な目標として相関検出が想定され,その枠組みの中で性能や合理性の分析が行われてきた.この論文では因果帰納モデルの計算論的な目標を稀少性仮定下での非独立性の検出と見なした上で,適応的合理性の観点から分析を行った.
  • P-152
    下條 志厳 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林 勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    本研究の目的は,学習者の状態に基づかないプロンプトの提示によってInteractive,Constructive,Activeが促進されるのか実験的に検討することである.そこで,それぞれの会話活動に関するコーディング基準に基づいてプロンプトを作成し,ランダムにプロンプトを提示した.その結果,プロンプトを提示された学習者は提示されなかった学習者よりもInteractive,Constructiveに関する発話をより多く行うことが分かった.
  • P-153
    佐鳥 玖仁朗 (東京電機大学 理工学研究科)
    太田 宏之 (防衛医科大学校 院医)
    宝田 悠 (東京電機大学)
    荒毛 政志 (防衛医科大学校 院医)
    守本 祐司 (防衛医科大学校 院医)
    石塚 俊晶 (防衛医科大学校 院医)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    ヒトは不確実状況下ではどのように意思決定を行い,その意思決定を形作る過程である学習はどのように行われるのだろうか.本研究では,不確実状況下における意思決定モデルであるプロスペクト理論の確率加重関数に焦点を当て,確率加重関数の過大評価,過小評価は,良い結果と悪い結果に対する非対称な学習から起きるリスク態度の反射効果により形成される可能性があることを示す.
  • P-154
    服部 郁子 (立命館大学総合心理学部)
    不確実性の考慮には,何らかの確率計算を必要とする.本研究では,道徳的ジレンマ課題を使って,他からの援助的介入の可能性という不確実性情報が,行動選択とその行動の道徳的評価に対してどのように影響するのかを調べた.実験の結果,少数犠牲の道徳的容認評価と,その行動の実行可能性判断の間には乖離がみられた.一方,不確実性情報は人の行動選択だけでなく,容認性評価にも影響した.この結果を道徳判断の二重過程理論の観点から議論する.
  • P-155
    星野 英一 (慶應義塾大学文学部)
    皆川 泰代 (慶應義塾大学文学部)
    視覚情景の類似度判断において要素自体と要素の並びのどちらが手がかりになりやすいかを1-gram類似度と3-gram類似度を調整した階段法で調べた.刺要素と要素の並びの頻度に注目するために作成した無意味刺激を用いた.本研究は一度しか見ていない情景の記憶は,情景同士がよく似ているとき,時間的に近接している情景の要素の並びが近接していないときと比べて類似度判断の手がかりとなりやすいことを示した.