プログラム順

[P1] ポスターセッション1

9月17日(土) 17:30 - 19:30 会場:北部食堂(北大生協)
  • P1-1
    吉村直己 (大阪府立大学 人間社会学研究科 人間科学専攻)
    牧岡省吾 (大阪府立大学 人間社会学研究科)
    本研究はマインドワンダリング時の眼球運動の特徴を調べ,マインドワンダリングが生じたかどうか判別できるか検討した。アイトラッカーを用いてn-バック課題実行中の眼球運動を測定し判別分析を行ったところ,眼球運動からマインドワンダリングがある程度判別可能であることが示された。またマインドワンダリング中の特徴として,画面の右側を見ている傾向があることが明らかになった。
  • P1-2
    西崎友規子 (京都工芸繊維大学大学戦略推進機構)
    永井聖剛 (立命館大学総合心理学部)
    本研究は安全なマルチタスク遂行支援を目指し,マルチタスク遂行能力の個人差の解明を目指した基盤的な検討を行った.二重課題実験の結果,ワーキングメモリ課題(LST)で測定する理論上のマルチタスク遂行能力の低い群は二次課題の負荷が小さければマルチタスクの影響を受けないが,遂行能力の高い群は小さな負荷でも負の影響を受けた.ワーキングメモリ課題で測定する個人差のみでは,マルチタスク遂行能力を必ずしも正確に推定することができないことを示唆している.
  • P1-3
    松田剛 (京都府立医科大学)
    山脇正永 (京都府立医科大学)
    本研究では嚥下運動に関するAutomatic imitation(AI)の存在を筋電および嚥下音を測定することで検討した。もし嚥下運動に関するAIが存在すれば、他者の嚥下運動を観察したときに自身の嚥下運動が促進されるはずである。健常な成人16名(平均23.1歳)を対象とした実験の結果、嚥下運動の映像による嚥下の促進効果は見られなかったが、嚥下音を聞いたときに自身の嚥下開始が早くなり、嚥下音が大きくなる効果が見られた。
  • P1-4
    阿部慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    本研究では、視覚誘導性自己移動感(ベクション)が体感風速と体感温度に与える影響を検討した。実験では、閉眼で風のみを提示した場合と、ベクション映像を提示しつつ風を提示した場合での体感風速と体感温度の変化を比較した。その結果、ベクション映像の速さと提示された風速との相対的な違いによる体感風速と体感温度の変化が見られた。
  • P1-5
    上田奈津貴 (早稲田大学理工学術院)
    田中観自 (早稲田大学理工学術院)
    渡邊克巳 (早稲田大学理工学術院)
    本研究は視覚遮断下の到達運動において,到達点の誤差評価が運動空間の違いによりどのように変化するかを検討した.実験では前方・側方,同側・鏡像への到達運動の位置誤差を三次元動作解析装置で計測した.また,実験参加者の誤差評価を聴取し,位置誤差と誤差評価の差を解析した. 実験の結果,位置誤差が大きい条件では実験参加者の想定以上の誤差が生じることが示唆された.また,心理尺度との相関から,運動空間により関係する心理特性が異なることが示唆された.
  • P1-6
    永井聖剛 (立命館大学総合心理学部)
    山田陽平 (奈良教育大学教育学部)
    金谷英俊 (愛知淑徳大学人間情報学部)
    川上直秋 (島根大学人間科学部)
    西崎友規子 (京都工芸繊維大学大学戦略推進機構)
    本研究では刺激が示唆するパワーと発揮される握力との関係を調べた。実験では乳幼児画像,レスラー画像,またはブランク画面が提示され,実験参加者には人物が提示されたき,事前に練習した最大筋力の50 %の出力で握力計を握るように求めた。結果から,レスラー画像に対し乳幼児画像よりも大きな握力が発揮されることを明らかにした。したがって,刺激が示唆するパワーに関する情報は知覚および運動反応システムで共通に表現され,相互に影響を与えるものと考えられる。
  • P1-7
    井藤寛志 (愛知大学文学部)
    本研究の目的はジャンケンのような戦略的な文脈において対戦相手の身振りに対する無意識的な模倣が生じるか否かを検討することであった。実験参加者の課題は,2名でジャンケンを行いできるだけ多く勝利することであった。課題中,実験参加者の一方のみが目隠しをする条件(目隠し無)と両方が目隠しをする条件が設けられた。本実験の結果は,目隠し無条件の実験参加者が相手の身振りを無意識的に模倣したために引分の頻度が高くなるという解釈を支持しなかった。
  • P1-8
    方思源 (早稲田大学人間科学研究科)
    松居辰則 (早稲田大学人間科学学術院)
    本研究の心理学実験では、日本語の基本色名における色の中心度とその色に対する短期記憶パフォーマンスとの間に相関関係は認められなかった。一方、色の中心度と弁別度との間に正の相関関係を認めることができた。先行研究の知見を考慮すれば、この結果は「言語別基本色名の中心度効果」が言語により強さが異なる可能性を示唆している。また、「普遍的基本色名の中心度効果」の普遍性ないしは存在に疑問を投げ、この中心度効果は弁別度効果である可能性も示唆している。
  • P1-9
    佐山公一 (小樽商科大学商学部)
     服飾ブランドのイメージの長期的な変容を実験的に調べた。誤帰属実験の結果,ブランドイメージに対する有名性は,年を追うごとに小さくなるが,記憶の誤帰属は生じることが分かった。服飾ブランドのブランドイメージは「高級感」「個性」「新しさ」因子からなることが分かった。実在ブランドと学習した/していない架空ブランドとの違いは,「新しさ」因子の大きさの違いで,「新しさ」因子が有名性に影響している。
  • P1-10
    齊藤都 (名古屋大学大学院国際言語文化研究科)
    佐治伸郎 (鎌倉女子大学)
    廣田昭久 (鎌倉女子大学子ども心理学科)
    本研究は4,5歳児において,これまで難しいとされてきた視点の入れ替わりのある物語を使用した類推問題において,自発的な言語化がどのような影響を与えるのかを検討した.結果として,言語使用はベースとターゲットの構造化を促し,類推を促進した.一方で,視点の入れ替わりを言語化する際に,正しく言語化できた子どもよりも,できなかった子どもの方が転移に成功しやすいことが示された.言語化によるラベルづけが類推に影響与えていると考えられた.
  • P1-11
    宮崎美智子 (大妻女子大学社会情報学部)
    高橋英之 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
    拡張された行為主体感,すなわち,自分以外のものに自分を投影させる能力の発達過程を探るため,5か月児,8か月児を対象として,視線随伴課題を用いた検討を行った.自分の視線で操作できるキャラクターと操作できないキャラクターを交互に呈示し,乳児が合目的的にキャラクターの操作を行うかどうか,また自分で操作できるキャラクターに対して選好を示すかどうかを検討した.その結果,8か月において拡張された行為主体感を感じている可能性が示唆された.
  • P1-12
    Radoslaw Komuda (北海道大学)
    Michal Ptaszynski (北見工業大学)
    Rafal Rzepka (北海道大学)
    荒木健治 (北海道大学)
  • P1-13
    光田基郎 (大阪教育保育専門学校)
    5歳児に電算画面で絵本を読み聞かせ,理解が困難な 文(古い家の雨漏りは泥棒や狼より怖いとの話を泥棒 と狼が立ち聞きして,お互いを未知の「ふるやのもり」 と誤解して恐れて逃げる話)と, 理解が容易な例(偽 坊主が老婆にネズミがちょろちょろと出鱈目なお経を 唱えさせたらこれを聞いた泥棒が老婆に監視されたと 誤解して逃げる話,光田,’15 日教心)の各々の理解と 下位技能得点を主成分分析して,パス図を対比する.
  • P1-14
    福岡未紗 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    前東晃礼 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
     人は様々な外的表象を取り込み,解釈や意味づけを行うことで判断を下している。その際,信念は解釈や意味づけにバイアスをかける。本研究では,外的表象にグラフを用い,グラフの理解と判断,信念の関連について実験的に検討した。その結果,先行する信念のない場合,条件間の差異の受容などグラフ理解は解釈に影響し,解釈は最終的な判断に影響した。一方で,強い信念のある場合,グラフ理解は解釈に影響するものの,最終的な判断は信念から強い影響を受けた。
  • P1-15
    林楓 (立命館大学情報理工学研究科)
    中島諒 (立命館大学情報理工学研究科)
    長坂翔吾 (立命館大学情報理工学研究科)
    谷口忠大 (立命館大学情報理工学部)
    連続した発話文からの語彙獲得は幼児の言語獲得にとって重要な問題である.NPB-DAAは人間の音声信号のみから言語モデルと音響モデルを同時推定する教師なし語彙獲得手法であり,単一話者の音声データを用いた場合,深層学習に基づいた特徴抽出が可能なDSAEと組み合わせることで語彙獲得の精度が向上する.本研究では,複数話者の音声データからの教師なし語彙獲得を行い,その実験結果について詳報する.
  • P1-16
    野田浩平 (株式会社ココロラボ)
    松岡良彦 (Starting Point English Academy)
    本研究では第二言語習得法としてのRLE(Real Life Experience)法を提案する.本手法は既存の英語学習法の実生活と乖離して,必要場面等の目的意識が薄れている問題点を解決するために提案される.また,提案された手法に対し,その効果を測るために英語能力試験の得点推移及び被験者に対するインタビューを通じての事例分析を行う.そして結論として手法の意義は見出されるが効果を数値的に測ることは難しい点,及び今後の改良点が議論される
  • P1-17
    山森良枝 (同志社大学)
    日本語の述語には(ス)ル形・(シ)タ形の両方が使用できる場合と片方しか使用できない場合がある。本研究では、Carlson(1977)の存在論を援用して、ル形とタ形の分布を支配する制約を明らかにする。
  • P1-18
    伊東昌子 (常磐大学 人間科学部)
    本研究は電子メール上のメッセージ文の文末に使用された顔文字に関して,関係構築初期に受け取ったメッセージ文の顔文字量が,受け手が送り手と会って話すときに保ちたい距離に与える影響を,ストップディスタンス法を採用して測定した.参加者は大学生である.その結果,顔文字が無い場合と少数の場合は,距離はプロクセミクスにおける個体距離(私的会話を楽しむ距離)の遠方相に留まったが,多用された場合は,社会距離にまで退く結果となった.
  • P1-19
    水野りか (中部大学人文学部心理学科)
    松井孝雄 (中部大学人文学部心理学科)
    視覚呈示された同音異義語の語彙アクセス過程では音韻から形態へのフィードバックが生じるとされる。本研究では同音異義語が聴覚呈示されても同様のフィードバックが生じるか否かを検討した。聴覚呈示で音韻から形態へのフィードバックが生じないなら同音異義語効果は認められないが,生じるなら同音異義語効果が認められると予想された。結果は後者で,聴覚呈示でも音韻から形態へのフィードバックが生じる支持的証拠が得られた。
  • P1-20
    白水優太朗 (東京工業大学社会理工学研究科)
    寺井あすか (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
    王婉瑩 (清華大学人文学院)
    中川正宣 (大妻女子大学人間生活文化研究所)
    「主語(S)が目的語(O)を動詞(V)」という形式の文章を対象とし、文章の適切性がどのように判断されているかについて検討した。本研究ではコーパスに基づく3種類の計算モデル(ネットワークモデル2種・ベイズモデル)を構築し、シミュレーション結果と心理実験結果の比較を行った。その結果、ベイズモデルがより人間の行う文生成を表現しており、主語・目的語・動詞の共起頻度に基づき文章の適切性が判断されている可能性が示唆された。
  • P1-21
    黒田航 (杏林大学)
    阿部慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    横野光 (富士通研究所)
    田川拓海 (つくば大学)
    金丸敏幸 (京都大学高等教育研究所)
    小林雄一郎 (東洋大学)
    土屋智行 (九州大学)
    浅尾仁彦 (情報通信研究機構けいはんな研究センター)
    本発表は研究発表とは違う.その目的は,第一著者を代表者として科学研究費の助成を受けた研究「言語研究者の容認度評定力の認証システムの試作:容認度評定データベースを基礎にして」の周知と,研究プロジェクトへの協力の呼びかけである.特に評定課題の刺激となる日本語文集合の選定で,プロジェクト外のいる研究者 ---言語学者や心理学者--- からの希望を受け付けたいと思っている.
  • P1-23
    水野陽介 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    小島一晃 (帝京大学ラーニングテクノロジー開発室)
    寺井仁 (近畿大学産業理工学部情報学科)
    問題解決型学習における認知活動についてオセロ課題を用いて実験的に検討を行った.認知負荷理論で定義された3種類の負荷に関して,それぞれの負荷を発生させる3種類の認知活動を操作した.課題外在性活動はオセロ盤面の視認性,課題内在性活動は最善手ヘルプの提供,学習関連活動は教示によって操作し,課題への反応時間によって活動量を測定した.実験の結果,これらの操作によって3つの認知活動が操作可能であることを確認した.
  • P1-24
    髙岸悟 (放送大学大学院)
    洞察問題解決の研究を進めることは、その認知過程が同じであるといわれる創造性を高めることにつながる。本研究の目的は、洞察問題解決の特徴であるインパスをもたらす制約を取り除く方法の開発である。題材は、1997年以来洞察問題研究で最も多く用いられているTパズルとした。だれもが同じ間違いを繰り返す行き詰り状態に陥ることなく問題を解決すれば、その問題はもはや洞察問題とはいえない。しかし、結果は失敗に終わった。
  • P1-25
    池永将和 (筑波大学大学院 人間総合科学研究科心理専攻)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    企業の異なる部署間のコミュニケーションには葛藤が生じると言われている。谷川・鈴木・加藤・福住・原田(2015)は、その背景にHiggins(1997)の制御焦点 理論における異なる制御焦点があるという仮説を示唆している。そのため本研究では、実験的に二者の制御焦点を操作し、制御焦点が同質(異質)ペアによる協同問題解決を行った。結果、コミュニケーションの主観的評価における制御焦点の影響や、課題評価に対するペアの同質・異質の影響が見られた。
  • P1-26
    大門貴之 (筑波大学人間総合科学研究科)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    須藤智 (静岡大学)
    宇佐美慧 (筑波大学人間系)
    本研究ではICT機器利用時にみられる系列的な問題解決学習にはどのような加齢に伴う変化があるかを検討する.GMLTを用いた実験では年齢・ガイド利用に応じて課題エラーが異なり,内省報告から参加者はさまざまなガイド意味を抽出していたことが示された.そこでGMLT遂行時のガイド利用・経路探索・学習プロセスがどのように影響しているか検討するためシミュレーションを実施したところ,実験の行動データを再解釈する新たな視点を提供しうる結果が得られた.
  • P1-27
    新井田統 (KDDI研究所)
    石原妙子 (オージス総研)
    後舎満 (KDDI株式会社)
    塚本陽一 (KDDI株式会社)
    本稿では、コミュニケーションデバイスを参加型デザインで開発したプロジェクトに関して報告する。我々は、新たなデバイスをユーザと共創することを目的として、ハッカソンイベントを開催した。本イベントを通じて選定されたアイデアに基づきコンセプトモデルの作成と評価を行った。離れて暮らす祖父母と孫の間の世代間コミュニケーションを対象に評価実験を行ったところ、コミュニケーションの活性化が確認され、コンセプトの有効性が確認された。
  • P1-28
    松林翔太 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    山口拓真 (名古屋大学未来社会創造機構)
    神谷貴文 (名古屋大学大学院工学研究科)
    鈴木達也 (名古屋大学大学院工学研究科)
    池浦良淳 (三重大学大学院工学研究科)
    早川聡一郎 (三重大学大学院工学研究科)
    伊藤隆文 (株式会社デンソー)
    武藤健二 (株式会社デンソー)
    運転支援システムが提供する支援内容を操作し,自動化システムに対するユーザビリティ評価とシステムとの協調によるドライバの行動変容に関して検討を行った.その結果,システムからの制約が強い場合はユーザビリティが低下する一方,支援介入情報がシステムから提供されない場合はドライバの行動変容が小さくなることが明らかになった.また,支援内容によっては個人特性が行動変容に影響が与えることも示唆された.
  • P1-29
    野村竜也 (龍谷大学理工学部情報メディア学科)
    藤吉竜馬 (龍谷大学理工学部情報メディア学科)
    塚元優太 (龍谷大学理工学部情報メディア学科)
    本研究では、ネット投票の賛否を規定する心理的要因の探索を目的として、オンラインでの質問紙調査を行った。結果として、ネット投票に賛成な人は賛成でない人と比べてメディアリテラシーが高い傾向にあること、ただしそれは普段主に使用している機器や性別などの個人特性に依存することが示唆された。
  • P1-30
    南部美砂子 (公立はこだて未来大学)
    村田友香 (株式会社アイ・エム・ジェイ)
    批判的思考態度とウェブ情報探索プロセスの関係を明らかにするため,心理学実験を実施した.ある意見について,ウェブ上で情報探索を行ったうえで,自らの意見を決定しその理由を述べるという課題を設定した.量的・質的分析の結果,批判的思考態度の高い人は,もとの信念にとらわれることなく,より客観的な視点から「批判的な情報探索」を行っていた.しかしその一方で,態度の高低にかかわらず,情報を誤解したり独自に解釈する傾向も示された.
  • P1-31
    ハンドブック「介護過程から理解する生活支援技術」の評価
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    武田啓子 (日本福祉大学)
    介護福祉士養成課程における生活支援技術教育では,学生が学内で学ぶ基本的技術を,実習で状況に応じて個別に応用するため,介護過程におけるアセスメントの修得が必須となる.本研究は,アセスメントを学内で育み,実践に統合してゆくひとつの教材として作成したハンドブックに対して,学生および指導する介護職員に活用後自己評価してもらった.結果,それぞれの立場からハンドブックを共通教材として活用する効果が示された.
  • P1-32
    松井哲也 (国立情報学研究所)
    山田誠二 (国立情報学研究所/総合研究大学院大学/東京工業大学)
    本研究は、ウェブ上で商品を推薦する擬人化エージェント(商品推薦エージェント)のデザインを、「ユーザーからの信頼を最大にする」という観点から考察したものである。本研究では、信頼を操作する操作子として「ユーザーの感情」と「エージェントの知識量」の二つを設定し、ユーザーの感情がポジティブになった時、もしくはエージェントの知識量が多くなった場合に信頼が上昇するというモデルを立て、実験にとって検証した。
  • P1-33
    鈴木栄幸 (茨城大学)
    加藤浩 (放送大学)
    福住伸一 (NEC)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    情報システムベンダーのソフトウェア技術者(SE)とユーザビリティ専門家(UE)に,仕事の経験や環境,仕事に対する認識をインタビューし,開発プロジェクト参画におけるUEの認知プロセスに焦点をあてて分析した.その結果,プロジェクト参画は,顧客の業務実施プロセス(使いやすさ)向上,UE自身のリスク回避,使いやすさ向上活動に適したSEの組織づくり,の3目標のバランス見極めの過程であり,SEのUEとの協業への意識が判断のキーとなることがわかった.
  • P1-34
    研究手法のモデル化によって提案したITSと情報社会論の融合の発展性
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    森田均 (長崎県立大学国際社会学部)
    松坂勲 (長崎電気軌道株式会社)
    山口泰生 (長崎電気軌道株式会社)
    酒井寿美雄 (協和機電工業株式会社)
    曾理恵子 (協和機電工業株式会社)
    本研究は,研究分野,教育研究組織,研究者による社会貢献という新たな側面を対象として,情報社会論に高度交通システム(ITS)の研究・教育と実践の手法を導入する試みである.ITS研究への参与により導入のプロセスを検討し,長崎の地域ITSプロジェクトを主体的に推進することから政策提言にまで至る実践を経て,これらをモデル化した上で評価し,研究手法,教育理念,社会参加の3つの観点から情報社会論に新たな展望を得ることを目指すものである.
  • P1-35
    野火的活動における参加の動機と活動の継続性-アマチュアの科学実践を事例として-
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    木村優里 (東京理科大学大学院)
    学校という制度を越えてもなお継続可能な学習の在り方を考える手がかりとして,科学領域の野火的活動に着目する.目的は,アマチュアの科学実践を事例とし,野火的活動における参加の動機と活動の継続性をもたらす関わりを明らかにすることである.アマチュア科学者を対象に半構造化インタビューを実施し,M-GTAで分析した.その結果,一見ムダにみえる活動が参加の動機を支える要因の1つであることや,コミュニティを利用して活動を継続させていることが示された.
  • P1-36
    髙木紀久子 (東京大学大学院学際情報学府)
    横地早和子 (東京未来大学こども心理学部)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科・学際情報学環)
    本研究では現代美術家が作品コンセプトの生成を行う初期段階について,実際の創作過程に関わる制約の変更を検討した.結果から,アイデア生成のための概念操作による連続的なドローイング過程で,美術家は何度か「そもそも自分は何をしたいんだろう」といった,制作活動そのものの省察が起きていた.また,創作行為の制約の変更を伴う連続的なドローイング過程では,外化したドローイングのフィードバックを利用し,美術家の内的基準に基づく新しい図像の探索が起きていた.
  • P1-37
    田中吉史 (金沢工業大学情報フロンティア学部心理情報学科)
    絵画鑑賞初心者が持つ写実性制約の緩和に対して解説文が与える効果と絵画に対する反応のタイムコースを、絵画鑑賞中の発話の分析を通して検討した。48人の一般大学生が2人一組で2種類の具象画を5分ずつ鑑賞し、自由に会話した。発話内容の分析から、絵画の構図や技法に関する解説文は、鑑賞の初期から絵画の形式的側面への注目を促すこと、絵画に描かれた対象物についての解説文は写実性制約を強める可能性が示唆された。
  • P1-38
    蓮見絵里 (立教大学)
    本研究では,ジャズの即興演奏の課題の一つである快適な音の探索過程を明らかにする.ジャズピアノの教授学習場面における二者間でのフレーズの探索について,発話と演奏の音を記述し分析を行った.その結果,先行する音の利用と変更を通して,演奏の不十分な点を補う,あるいは相手の演奏から,その演奏で注目した箇所の理解を行い,相手の演奏が十分な場合には対照的あるいは新たな方法から再構成を行っていた.
  • P1-39
    寺朱美 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 永井研究室)
    深見友 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 永井研究室)
    永井由佳里 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
    本研究で,デザインを選択するという課題に対し受け手がデザインをどのように眺めどのように選択するかを,視線追跡装置を利用して観察する実験を行った.広い場面を一瞬で把握する場合,両目が左右で異なる眼球運動を行う現象(輻輳:ふくそう)が生じる.この眼球運動機能を利用して,デザインを選択する際に被験者がどのように視覚的な情報をとらえるかを,視線データから分析した.
  • P1-40
    山口莉奈 (同志社大学大学院文化情報学研究科)
    正田悠 (立命館大学グローバル・イノベーション研究機構)
    鈴木紀子 (帝塚山大学経営学部)
    阪田真己子 (同志社大学大学院文化情報学研究科)
    体育の授業でダンスを教える際に教員が抱いている不安の実態とその原因の特定を目的とした。現職の体育科教員を対象とした調査から、教員が抱いているダンス指導不安が4つの因子から構成されることが示された。さらに、「ダンスの経験がないことに起因する不安」と「ダンス指導経験がないことに起因する不安」がそれぞれ異なることが示された。
  • P1-41
    高橋英之 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
    佐武宏香 (大阪大学大学院 工学研究科)
    守田知代 (大阪大学大学院 工学研究科)
    浅田稔 (大阪大学大学院 工学研究科)
    内藤栄一 (CiNet)
    音楽合奏などのコミュニケーションにおいて,主導権をとるleaderと,leaderに追従するfollowerの役割分担がうまくとれることは重要である.本研究では,fMRIによる脳機能計測により,エージェントとのドラミング課題中の被験者の脳活動を計測した.その結果,被験者がleader的スタンスの際に報酬系の活動が高まることが分かった.この結果は我々にとって,leader的スタンスをとることは快であることを示唆している.