日程

ポスター発表2 (P2)

会場:oVice会場
  • P2-01
    程 レイ雅 (東北大学 大学院文学研究科 言語学研究室)
    木山 幸子 (東北大学 大学院文学研究科 言語学研究室)
    本稿は、日本語話者が現実の事態をどのように認知して文の項を省略するかを把握することを目的とし、文法関係および意味役割に応じた項省略の選好性について、同意義の有対自他動詞による1項動詞文と2項動詞文で比較した。コーパスを用いて日本語文の項省略傾向を調査した結果、省略されやすい項は、文法関係が主語か目的語かにかかわらず、意味役割上の動作主であることが示された。日本語における項省略は、文法関係よりも意味役割に依存して実現されることを示唆した。
  • P2-02
    臼田 泰如 (国立国語研究所)
    本研究では日本語日常会話において,物語の語りの中で生じる引用発話をマークするのに用いられる「とか」を分析する.データは『日本語日常会話コーパス』モニター公開版から会話断片を採取して使用し,会話分析 の手法を用いて分析する.分析の結果は以下である.「とか」は引用を新奇なものとしてマークするものであり,複数種類の引用マーカーはそれぞれの引用発話をどのような位置づけで物語に配置しているかを可視化し,物語を構造的に理解可能にする装置である.
  • P2-03F
    宮本 真希 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術専攻 知識科学研究科)
    同じ言語を共有していない話者間での音声による情報伝達にはふつう困難が伴う。これは両者の間で音声とその指示内容を結び付ける規則を共有していないためと考えられる。そこで,本研究では音声とその指示内容の結びつきが完全には恣意的でないとされるオノマトペであれば,同じ言語を共有していない話者間でも情報伝達が可能ではないかと考え,話し手と聞き手が音声の指す内容をそれぞれ選択肢から選ぶという限定的な状況でのオノマトペの情報伝達性について検証した。
  • P2-04
    範 雯婷 (法政大学大学院)
    本研究では,日本語母語話者と日本語上級学習者の長音の長さを比較するとともに,それぞれ,長音の長さの変化はどのような音環境で起こるのかを調査した.結果,3モーラ語における長音発話に関して,超級・上級L2学習者は母語話者のように話速によって長音持続時間を変えていた.また,日本語母語話者では長音の位置によって長音が短音化する現象が観察されるが,このような現象は超級・上級学習者では見られなかった.
  • P2-05
    川端 良子 (国立国語研究所)
    会話の参加者にとって非共有知識の対象を,会話の 中で参照する場合には,名詞の後に「って」や「という」のような引用形式が用いられるという従来の説を 日本語地図課題対話コーパスを用いて検証する。
  • P2-06
    松井 理直 (大阪保健医療大学)
    開拗音は、日本語の音節構造やモーラの構造を考える上で 1 つの手がかりを与えてくれる現象である.もし開拗音が硬口蓋化要素を持つ単独の子音であるとするならば、日本語の頭子音に子音連鎖は存在しない.これに対し、拗音が介音構造を持つのであれば,限定的とはいえ,日本語は頭子音の子音連続 [C+j] を許すか,あるいは上昇二重母音を許す.本研究では,こうした性質について持続時間の観点から検討を行う.
  • P2-07
    稲葉 みどり (愛知教育大学)
    本研究では、日本語を母語とする6歳児、7歳児の物語文の構造の発達の特徴を考察した。物語文法(Thorndyke, 1977)を基軸とし、「設定」「展開(起・承・転)」「結末(結)」を考察の柱とし、テキストマイニングにより頻出語彙、共起ネットワークを解析した。その結果、6歳児には、物語の設定、展開―起、承を語る能力の発達、7歳児では、物語の展開の転から結末までを関連づけて語る能力の発達が示唆された。
  • P2-08
    佐山 公一 (小樽商科大学)
    ゼミにおける主体的活動を測定する質問紙を作成した.ゼミ組織を会社組織のようなものと仮定し,会社組織における主体的活動に関する文献を参考にし,質問を考えた.質問調査をWeb上で行った.探索的及び確認的因子分析を行い,質問の妥当性を検証した.対面,遠隔,対面・遠隔の両方のいずれでゼミ活動を行ったかにより参加者をグループ分けし,回答の違いを分析した.遠隔中心のゼミであると,ゼミの現状把握,目標設定が不明瞭になることが示唆された.
  • P2-09
    青木 慎一郎 (岩手県立大学)
    ASD者の情報選択特性をナラトロジーの観点から検討した。ASD者はコミュニケーションにおいて物語の論理展開の分岐・選択に注目しない。分岐・選択の少ない要約に親和性がある。要約の「見立て」「たとえ話」は構造が異なる。「見立て」は結論に至らず想起継続となり支障が出る。「たとえ話」は論理展開があり他者と共有が可能で想起継続を止め得る。また、現実と離れた表現であり、状況と距離を置けるので支援に活用できる。物語生成論によるシステム化が期待される。
  • P2-10
    呉 航平 (公立はこだて未来大学)
    寺井 あすか (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
    キャッチコピーにおいてよく使われている修辞技法として比喩があることが指摘されている.本研究ではキャッチコピーにおける比喩に着目し,キャッチコピーにおいて対象となる語を被喩辞,キャッチコピーにおいて強調したい特徴を特徴語とみなすことで,比喩生成を応用したキャッチコピー作成支援システムを提案した.また,先行システムと提案システムの比較を通じ,キャッチコピー生成における比喩生成機構の有効性を示した.
  • P2-11F
    和田 周 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科)
    寺井 あすか (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
    計算機により生成された俳句に対する季語を中心とした単語関連度に基づく評価機構について検討した.まず,現代俳句データベースを用いてSeqGANの学習を行い,季節情報を付与された俳句生成が可能なシステムを開発した.生成された俳句に対し,季語及び構成語の関連度を推定し,評価実験で得られた俳句の良さに関する評定値との関係を分析した.その結果,意味の理解しやすい句において季語と対立語の関連度が低いほど良い俳句であると評価される傾向が示唆された.
  • P2-12
    小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    本稿は,ストーリーの構造にストーリー生成の仕組みが内包されたモデルを提案する.そのモデルを生成システムとしてのストーリーと呼ぶ.提案モデルでは二つの生成が実行される.一つは,提案モデルが持つストーリーを外部から編集する生成であり,もう一つは閾値に基づき駆動される,ストーリーの内側からストーリーを編集する手続きである.ここでは色付けと呼ぶ技法を使って,提案モデルにおけるストーリー生成の例を検討する.
  • P2-13
    関根 和生 (早稲田大学人間科学学術院)
    森本 智志 (慶應義塾大学先導研究センター)
    本研究では,プロとアマチュアラッパーのフリースタイルラップ中の脳賦活領域と言語・認知能力との関係を検討した.その結果,プロラッパーは,アマチュアラッパーと比べて,言葉の音韻情報の処理と保持に関する課題成績がよく,フリースタイル中のOxy-Hbの値が,運動前野と左縁上回領域で高かった.このことから,プロとアマチュアのパフォーマンスの相違は,音韻情報の処理速度と維持能力に起因していることが示唆された.
  • P2-14
    世良 菜那見 (明治大学大学院 理工学研究科)
    嶋田 総太郎 (明治大学理工学部)
    我々は他者と関わりながら生活を営む上で「この運動は我々が引き起こしている」という共同運動主体感を感じることがある。本研究では、協調課題の1種である共同サイモン課題における共同運動主体感と2者の脳波同期の関係から共同運動主体感に関わる脳領域を調査した。その結果、δ波帯域における行為者の前頭前野と観察者の前頭前野や運動野に関連する脳波同期が共同運動主体感の生起に関わることが示された。
  • P2-15F
    上野 芙優 (明治大学大学院理工学研究科)
    嶋田 総太郎 (明治大学理工学部)
    被験者が音楽を聴いている時の脳波を計測し, 相関成分分析を行った. 被験者に共通する脳活動成分は, 被験者の主観評価や楽曲の特徴のどの要因と, どのような関係性があるのか, 各曲の主成分の値を特徴量としてクラスタリングを行い検討した. その結果, 被験者間で共通する脳活動成分から, 音楽聴取による被験者の主観評価(好感度, 楽しさ, 聴取頻度, 覚醒度)や楽曲の特徴(調性, テンポ)に関して分類できることが示唆された.
  • P2-16
    三輪 恒士 (関西学院大学 理工学部 人間システム工学科)
    工藤 卓 (関西学院大学 工学部 知能・機械工学課程)
    機能的近赤外線分光法を用いて映像コンテンツ受容時の脳活動を解析し,情動に相関のある活動への人称視点の影響を検証した. 右前側頭部の脳活動は「怒り」の動画視聴時に増大,「悲しみ」の動画視聴時に減少し,その変化は怒りの場合では 1 人称コ ンテンツでより大きく,悲しみの場合は 3 人称コンテンツにおいて大きかった.動画により誘発された情動関連脳活動は,情動の種類や動画の見え方,特にコンテンツの人称に依存して変化することが示唆された.
  • P2-17
    元橋 洸佐 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    佐藤 優太郎 (名古屋市立大学)
    小鷹 研理 (名古屋市立大学)
    筆者らが既に発表したHMDインタラクション「Room Tilt Stick」では, わずかに足場を傾斜させることによって、CG空間において設計された仮想的な空間の回転(ルームチルト)に対する没入度が高くなる反応を得ていた. そこで本研究では, 類似のHMD空間において, 視覚情報と足場の傾斜を要因とする被験者実験を行った. その結果, 足場の傾斜と映像空間の回転の方向性が一致した場合に、地面の傾斜認知を大きく歪めることが示された.
  • P2-18
    渋谷 友紀 (障害者職業総合センター)
    清水 求 (障害者職業総合センター)
    野澤 卓矢 (障害者職業総合センター)
    前原 和明 (秋田大学教育文化学部)
    八木 繁美 (障害者職業総合センター)
    ワークサンプル幕張版(MWS)は,障害のある人の職業評価を行うために用いられるツールである.本研究では,一般成人がMWSの新規課題の一つである「文書校正」課題を行った際のエラーを分析した.その結果,エラーが,作業マニュアルやその他の資料の参照を必要とする箇所において多くなることが分かった.
  • P2-19
    千田 真緒 (東京都市大学大学院)
    市野 順子 (東京都市大学)
    岡部 大介 (東京都市大学)
    大学生がどのようにメディア(特にスマートフォン)とともに日常会話空間をつくりあげているのかを考察した.その結果,大学生の日常会話空間のひとつである「空きコマ」における2者間の会話が,小刻みなスマートフォン(以下,スマホ)の利用を通して「調整」されていることが見いだされた.そこには,大学生たちも知らず知らずのうちに身につけてきた,いわば「小さなリテラシー」とでも呼ぶべきものが働いていることが観察された.
  • P2-20
    黒田 航 (杏林大学医学部)
    阿部 慶賀 (和光大学現代人間学部)
    粟津 俊二 (実践女子大学教育学部)
    寺井 あすか (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
    土屋 智行 (九州大学言語文化学部)
    日本語容認度評定データ (ARDJ) では容認度評定を得るために466種類の刺激文を使用した.その後,同一文から読み時間データを追加収集し評定値データと対応づけた.黒田ら (2020) はこのデータの回帰分析から,読み時間と容認性判断との間に明確な相関が見出せない事を報告した.本研究はRPART を使ってこの結果を再評価した.読み時間と容認度判断との相関は,限定的かつ複雑である事が示唆された.
  • P2-21F
    酒井 翔伎 (静岡大学情報学部行動情報学科)
    森田 純哉 (静岡大学)
    本研究では,ユーザの精神状態の安定化に向け,適切な回想を支援する対話インタフェースを提案する.認知モデルをベースとした写真スライドショーを利用した実験で得られた発話データから,実験条件による発話量の違いと感情状態を分析した.その結果,モデルの記憶に活性値を含めない条件でユーザの発話が有意に増加した.また,感情分析とユーザ自身の気分評定に相関が見られ,発話内容からユーザの感情状態を推定できる可能性が示唆された.
  • P2-22F
    成 太俊 (北陸先端科学技術大学院大学 橋本研究室)
    橋本 敬 (JAIST)
    本研究は,個人が課題に沿って直感的に作品を作るというプレイが個人間のインタラクションにおいてアイデアに言及する発話行為に影響するか,どのように影響するかを明らかにすることを目的とする.実験の結果,プレイが「アイデアの抽象的なレベルに言及する発話行為」と「相手の発言の肯定・何気ない問いかけの発話行為」の間にポジティブフィードバックを持つことがわかった.また,考察によれば,前述の二つの発話行為がアイデア生成を促進すること示唆する.
  • P2-23
    野澤 光 (東京大学総合文化研究科特任研究員)
    本稿は,書家が作品を自己評価した言語データを計量的に分析し,紙面上での文字の造形操作を検証した.書家が全16試行の作品を1文字ずつ自己評価した言語データを用いた.文字の造形操作に関する10種のカテゴリーに属する単語群を定義し,形態素解析を用いて,各カテゴリーに属する単語の生起数を文字ごとに集計した.紙面位置と試行数を要因とする2要因分散分析の結果,試行後半で,文字形態の安定した領域と,調整が続く領域に,紙面が分化した可能性が示唆された.
  • P2-24F
    藤堂 健世 (東京工業大学情報理工学院)
    大河 勇斗 (立教大学大学院人工知能科学研究科)
    佐藤 元己 (立教大学大学院人工知能科学研究科)
    岡本 将輝 (東京大学大学院医学系研究科)
    丸山 雄平 (立教大学大学院人工知能科学研究科)
    北澤 正樹 (立教大学大学院人工知能科学研究科、北澤技研)
    高橋 聡 (関東学院大学 理工学部 )
    吉川 厚 (東京工業大学 情報理工学院、立教大学大学院人工知能科学研究科)
    山村 雅幸 (東京工業大学 情報理工学院)
    本研究は,対話エージェントの外見属性が機微情報開示に与える影響を明らかにすることを目的とし,インターネット調査を実施した.結果として,外見属性の中で,状況と合致した社会的役割が開示に最も影響を持つことを確認した.調査では,年齢や性別,社会的役割といった外見属性を変化させた対話エージェントを質問項目とともに表示させ,実験協力者が感じたストレスをアンケートで取得した.
  • P2-25
    斉藤 功樹 (日本ユニシス株式会社)
    中川 靖士 (日本ユニシス株式会社)
    基本的な感情に対して普遍的で固有の表情が対応づくと報告されているものの,東洋人での検証は不十分であった.本研究では,加齢を考慮し30代以上の日本人を対象とし,写真条件とシナリオ条件それぞれでの感情と表情の関係を分析した.その結果,写真条件では幸福,驚き,及び悲しみにおいて特定の表情が,シナリオ条件では幸福のみが特定の表情と対応づいた.幸福において,個人差が大きく,感情理解力の自己評価が高い人は特定の表情と対応づかない傾向が示唆された.
  • P2-26F
    亀井 暁孝 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術専攻 知識科学研究科)
    人は様々なパターンから規則性を見出す傾向がある.パターンの良さやパターン対の類似度に対する人の判断を説明する理論に変換群構造説がある.この理論は,パターンが持つ変換群構造によってパターンの良さや類似度を予測する仮説である.本研究では,先行研究で報告されていないパターンに対しても仮説が成立するか追試実験により検証を行った.加えて,元の仮説を修正した新たな二つの仮説を検証し,より好意的な結果が得られた.
  • P2-27F
    澤田 知恭 (筑波大学大学院)
    岡部 莉子 (筑波大学)
    中尾 菜々子 (筑波大学)
    鷹阪 龍太 (筑波大学人間系)
    原田 悦子 (筑波大学人間系)
    高齢者の相手の顔信頼性に基づき信頼性を推測するバイアスは,詐欺被害に繰り返し遭うリスクを高めると指摘されている(Suzuki, 2018)。原田他(2020)では,高齢者が若年成人と相談すると,顔信頼性依存度が低下する可能性を示した。しかし,原田他(2020)は実験デザイン上,若年成人との相談に効果があるのか,相談自体に効果があるのか区別できない。本研究は実験条件を統制して原田他(2020)を追試し,会話内容の側面から分析を行った。
  • P2-28
    小島 隆次 (滋賀医科大学)
    本研究は、授業動画にバーチャルアバターを用いた場合の学習者への効果に関して、バーチャルアバターの有無及びバーチャルアバターの動きの有無のもたらす影響を検討した。その結果、バーチャルアバターの有無は授業動画の視聴しやすさ評価に効果があることが示された。 また、学習者が、授業内容(授業で伝達すべき情報)を重視するのか、映像コンテンツとしての魅力(興味・関心・印象)を重視するのかによって、アバターの有無に対する評価が異なることも示唆された。
  • P2-29F
    齋藤 宗一郎 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学系)
    橋本 敬 (JAIST)
    人の暮らしを充実させるためのロボットはユーザーにとってかけがえのない存在になることが重要になるだろう。本研究ではロボットがかけがえのない存在であると感じられるために必要な性質とインタラクションの方法について明らかにすることを目的とする.そこでロボットと人との間の親密さの変化が,人がロボットに対して感じるかけがえのなさに影響を与えるという仮説を設定する.本稿では予備実験として実施したロボットの発光パターンの評価を行う.
  • P2-30
    本田 秀仁 (追手門学院大学)
    香川 璃奈 (筑波大学)
    白砂 大 (追手門学院大学)
    本研究では,数値推定の際に,回答フォーマットによって(数値で回答を求める vs. 尺度で回答を求める),回答にどのような違いが生じるかについて認知実験を実施して検討を行った.結果として,数値で回答を求めた際は特定の数値を用いて回答されやすくなることが明らかになった.また,このような回答傾向の違いは,よりよい集合知を達成する上で影響を与えることが計算機シミュレーションによって明らかになった.
  • P2-31
    牧野 遼作 (広島工業大学/早稲田大学 人間総合研究センター)
    栗原 勇人 (早稲田大学 大学院 人間科学研究科)
    谷貝 祐介 (早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)
    門田 圭祐 (早稲田大学 大学院 人間科学研究科)
    臼田 泰如 (国立国語研究所)
    トランスクリプトは,人々のコミュニケーションを収録・録音し,定性的に分析するために欠かせない研究資源である.トランスクリプトの作成には発表媒体などにあわせて調整するなど,研究にとって本質的ではない作業も多く含まれる.本発表で報告するtracrinは,発話の重なりのインデント位置の自動調整を行うシステムである.本システムは,単に便利なツールなだけではなく,定性的研究資源を利用した新たなデータベース研究の第一歩となりうるものである.
  • P2-32
    渡邉 樹生 (株式会社リペア)
    小倉 加奈代 (岩手県立大学)
    本研究では,教示言語化行為が,身体知獲得の促進に繋がっており,技能習得に取り組む人間が意識する課題や身体部位の違いにより成長度合いに変化が生じることを仮説とし,一人称視点での傘回しに関する身体知獲得における教示言語化行為の影響を検討した.その結果,言語化行為によって意識化に該当する記述が行われた直後は,前回の成果よりも低下し無意識化の崩壊が行われること,同じ練習段階でも練習中の意識対象が異なることで成果に幅が生じることが確認できた.
  • P2-33F
    高橋 薫子 (名古屋大学)
    川合 伸幸 (名古屋大学大学院 情報学研究科 心理・認知科学専攻)
    ネコは目の前にある多い餌や,鏡を利用して目の前にはない多い餌を選択する能力,さらに鏡に映った餌の量を無視する能力があるだろうか.本研究では鏡で量の錯覚を生じさせたところ,ネコは鏡映像の餌の個数を無視できることがわかった.さらに鏡映像のみを手がかりとした数量弁別課題において,数量が多い方を正しく選択できたことから,ネコは1)数量弁別できること,2)鏡映像を利用して数量弁別できること,3)ただし鏡に映った餌は数量に含めないことが示唆された.
  • P2-34
    田村 昌彦 (立命館大学)
    稲津 康弘 (農研機構)
    江渡 浩一郎 (産業技術総合研究所)
    松原 和也 (立命館大学)
    天野 祥吾 (立命館大学)
    野中 朋美 (立命館大学)
    松村 耕平 (立命館大学)
    永井 聖剛 (立命館大学)
    サトウタツヤ (立命館大学)
    堀口 逸子 (東京理科大学)
    和田 有史 (立命館大学)
    食に関する知識尺度を用い,中高生に対して調査を実施することで,食に関する知識獲得に対する探索的な検討を行った.調査の結果,中高生の添加物・安全性に関する知識は,他の知識よりも尺度の基準集団である大人に近いことが示された.このことは,一般消費者が高等学校卒業後,添加物・安全性に関する知識をあまり獲得していないことを示唆するものである.
  • P2-35
    周 豪特 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学系)
    橋本 敬 (JAIST)
    李 冠宏 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学系)
    人間がロボットの心や社会性を理解できれば,ロボットと人間は長期的な関係を持てるようになるだろう.本論文は,長期的な関係を維持するために, 新しい概念を生み出す思考の一つである概念融合を促すロボットと人の間の対話を提案する.この対話は2つの概念についての説明と概念を結合したものについての説明が含まれている.本稿ではこの対話の効果を検討する実験の計画を示す.
  • P2-36F
    浅野 恭四郎 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    須藤 早喜 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    光田 航 (NTT メディアインテリジェンス研究所)
    東中 竜一郎 (NTT メディアインテリジェンス研究所)
    竹内 勇剛 (静岡大学)
    対話における基盤化は対話者間における共通認識の形成を指し,円滑な進行と相互理解において重要な役割を果たす.基盤化の対象の様相や構造が複雑な時,形状などの細部を明示する表現や,細部を明示しない比喩などの全体的表現が用いられるが,これらの違いが基盤化に与える影響の相違は十分に検討されていない.そこで本研究では前者の表現と後者の表現に異なる重みを与え基盤化された確率を予測するモデルを提案し,対話における基盤化の確信度の変化を考察した.
  • P2-37
    森下 浩平 (大阪経済法科大学)
    本稿では,2020年度に著者が教育機関4校で担当した授業のうち,専門学校2校でのアンケート調査の結果について,授業科目(情報科学)と授業内容(情報リテラシー)がこれらの専門学校と同じで,授業形態(対面とZoomによるオンライン vs Zoomによるオンラインのみ)が一部異なる大学1校との比較を行う.
  • P2-38F
    岩根 榛花 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学人間系)
    買い物行動のうち,目的の商品を見つけ出す商品探索プロセスに焦点を当て,そこで利用される商品パッケージ情報について検討を行った.高齢者と若年者は,模擬店舗において,サインの呈示を操作した条件下で,4つの商品を探索する課題を行った.発話プロトコルを4商品で比較したところ,商品属性ごとに異なる結果が得られ,パッケージ情報によって,商品属性の誤った推論が行われる可能性が示唆された.今後,認知的加齢との関連性について更なる検討を行う必要がある.
  • P2-39F
    山川 真由 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    小島 一晃 (帝京大学)
    横山 真衣 (帝京大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    本発表では、大学の認知心理学の授業における学習者の説明活動に関する実践について報告する。系列位置効果を題材とし、その情報処理プロセスを可視化したグラフを提示することの効果を検討した。その結果、学習者にこのグラフを観察させることにより、情報処理プロセスに基づく説明が促進されることが示された。
  • P2-40
    犬童 健良 (関東学園大学経済学部)
    本研究では反事実がクジ選におけるリスク態度に与える変化として認知的ポテンシャルをモデル化し,仮想的なクジのペアから選択する質問において選ばなかったクジの結果がどの程度気になるかを聞いた実証的データを用いて分析した.
  • P2-41
    山口 琢 (フリー)
    新美 礼彦 (公立はこだて未来大学)
    大場 みち子 (公立はこだて未来大学)
    人とコンピュータで数の整列プロセスは似てるのか?9個の数の整列プロセスを、移動対象の時間的な共起関係で分析した。まず9行9列の共起行列を目視で比較し、次に目視の結果をクラスタリングで機械的に再現できるか試みた。目視比較では、桁数が少ないとき人による整列は選択ソートに似ていた。クラスタリングでは、桁数が少ないとき人による整列はクラスターを作ったが、人による整列が選択ソートに似ているとは言えなかった。
  • P2-42F
    鈴木 友美子 (名古屋大学)
    大平 英樹 (名古屋大学)
    全女性の半数以上が該当する月経前症候群(以下、PMS)は、心身症状が日常生活に影響を及ぼす。PMSを有する女性は、ストレス曝露時に急上昇するはずのコルチゾールの応答が鈍麻であり、PMS発症時期における認知的変容が示唆されている。本研究では、ストレス下の認知機能への影響を検討した。結果、ストレス誘導によるコルチゾールの変容、ならびに認知的な影響は、現段階では見られなかったが、多角的な検討を引き続き行なっていく。
  • P2-43
    佐々木 美加 (明治大学商学部)
    本研究では芸術関連ボランティアの心理過程を測定する尺度の開発を試みた。美術館のボランティアと地域芸術祭のボランティアに対するインタビューの内容分析(佐々木,2020ab)を基に尺度項目を作成し,全国の美術館ボランティアと地域芸術祭ボランティアの参加経験者に対して調査を行った。分析の結果,「地域愛着・交流」「非日常的豊かさ」「人生の転機と創造性」の3因子構造が見出され,構造的妥当性が確認された。
  • P2-44
    山森 良枝 (同志社大学)
    本稿では、直説法条件文では成立する前件と後件の間の論理的依存関係が成立しない擬似条件文と誤謬推論を取り上げ、両者を比較しながら、「適切な文脈の欠如」という従来の前提に関る概念を相対化し、誤謬推論が<既存の文脈/世界と並行的な関係にある、それとは別の種類の文脈/世界の創設する>コミュニケーション機能を持つことを主張する
  • P2-45
    本多 明子 (神戸女子大学)
    本発表では,形式的・意味的に類似している英語の使役移動構文と動詞不変化詞構文が言語獲得初期段階である幼児の発話においても別個の構文として区別して使用されていることをCHILDESをもとに示す.身に着けるモノと身体部位が関わる位置の変化を言語化するときには、子どもは起点あるには着点となる身体部位を言語化せず,動詞不変化詞構文を選択する。ここでは構文選択について焦点化と経験的基盤が関係していることを示す.
  • P2-46
    新川 拓哉 (神戸大学)
    宮原 克典 (北海道大学)
    濱田 太陽 (Araya)
    西田 知史 (国立研究開発法人情報通信研究機構)
    本研究の目的は、「意識の機能」という概念の明確化を行い、意識の機能の理論を整理し方向づけるための枠組みの構築を行うことである。「意識の機能」という概念の明確化のため、「生物意識/状態意識」と「類的な意識/特定の種類の意識」と「基盤的機能/機能的貢献」という三種類の区別を導入する。また、意識の機能の理論の射程を分析するため、「必要条件/十分条件」の区別を与える。そして、これらの区別から構成される四次元的フレームワークを提案する。
  • P2-47F
    金谷 悠太 (名古屋大学情報学研究科)
    川合 伸幸 (名古屋大学大学院 情報学研究科 心理・認知科学専攻)
    怒りは文化や年齢を問わず, 誰もが経験する情動である一方, 怒りを適切に制御できなければ, 人間関係の悪化や, 循環器系疾患リスクの増大など, 重大な問題を引き起こす。これまで, 数多くの研究が怒りを抑制する手法を検討したが, 各手法の特徴や問題点を網羅的にまとめた研究はこれまでなかった。そこで本研究は, 実験的手続きを用いた怒り抑制手法をレビューし, 現存する手法それぞれの特徴や有効性と問題点を明らかにする。
  • P2-48F
    岡 隆之介 (三菱電機株式会社)
    大島 裕明 (兵庫県立大学大学院情報科学研究科)
    楠見 孝 (京都大学大学院教育学研究科)
    本研究では、Oka and Kusumi (2021)で見られた、主題に付与された特徴が増えることで字義文に対する比喩文の言い換えの割合が高まるという現象を、言語モデル(word2vec, BERT)で追試することを目的とする。結果、主題に付与される特徴が増えるほど文間の類似度は大きくなることを確認し、言語モデルは人の比喩選択割合を追試しなかった。一方で、各言語モデルに基づく文の類似度は人の比喩選択割合と正の相関関係にあった。
  • P2-49
    宮崎 太我 (東京工科大学)
    榎本 美香 (東京工科大学)
    本研究では、3人会話において2人だけが話している所へ、3人目が参加する方略を解明する。分析1では、3人目が会話に再び参加した時の発話内容を分類する。分析2では、相槌・頷きの生じる位置を分析し、3人目は発話内・発話末の使い分けがないのに対し、他の2人では発話内で頷き、発話末で相槌という使い分けをしていることをみる。分析3では、事例分析から、共有知識や連続質問などによって3人目が会話から取り残されていることをみる。
  • P2-50
    この発表は取り消しになりました。
  • P2-51
    大槻 正伸 (福島工業高等専門学校)
    小泉 康一 (福島工業高等専門学校)
    視覚復号型秘密分散暗号は,文字などが描かれた元情報の画像を数枚の画像に分けて暗号化し,そのうち何枚か(または全部)を集めて重ね合わせることにより元の情報が復元できるものである.重ね合わせにより復号化された元情報の文字などの認識は人間の視覚的な認知能力によりなされる. 本研究では,復号に要求される画像の重ね合わせ精度を定量的に測定し明らかにするものである.
  • P2-52
    鈴木 栄幸 (茨城大学)
    舟生 日出男 (創価大学)
    久保田 善彦 (玉川大学)
    加藤 浩 (放送大学)
    プレゼンテーションのトーク構成において,情報伝達と媒介の視点を両立させ,両者を行き来できるようになるための訓練手法として漫才型スクリプト構成法を提案した.大学の授業においてこの手法を実施し,評価した.その結果,この手法により,トークの聴き手意識,内容の整理,新しいアイデアの創出が支援されることが示唆された.
  • P2-53
    伊藤 万利子 (札幌学院大学心理学部)
    三嶋 博之 (早稲田大学人間科学学術院)
    けん玉の「もしかめ」では,自然な状態では,運動研究において安定した協調パターンと言われる同位相だけではなく,同位相から少し「ずれ」のある協調パターンもみられる.本研究では,「もしかめ」における安定した協調パターンを調べた.けん玉熟練者を対象として運動のテンポを制約する実験を行った結果,大皿の接触時には,「ずれ」のある協調パターンが維持された.中皿の接触時には,身体運動が変動的になり,大皿での接触時とは異なる協調パターンが選択された.
  • P2-54F
    藤田 匠 (早稲田大学院人間科学研究科)
    山本 敦 (早稲田大学院人間科学研究科)
    古山 宣洋 (早稲田大学人間科学学術院)
    漫才はなぜ面白いのか?本研究では、面白さに関連するとされる「予定調和の崩壊」と演者らの視線パターンおよび演者間の姿勢移動の同期率との関連に着目し、定性的な分析を行った。その結果、予定調和の成立・崩壊と視線パターンの成立・変化および姿勢移動の同期率の上昇・下降が連動していることが確認された。これは、漫才における演者の身体動作が、予定調和の成立から崩壊に至る過程を観客に示している可能性を示唆している。
  • P2-55F
    板垣 寧々 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    谷貝 祐介 (早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)
    古山 宣洋 (早稲田大学人間科学学術院)
    本研究では,ヴァイオリン合奏における奏者間のリード関係が,曲の難易度によって変容するのか,頭部・楽器・弓の部位別でリード関係が構築される特徴が異なるのかを,グレンジャー因果性分析を用いて検討した.その結果,課題曲の中で奏者が難しいと感じることが多い部分はリード関係が抽出される小節数が多くなることが明らかになった.また,頭部・楽器に比べて,弓はリード関係が抽出される小節数が多い可能性が示唆された.
  • P2-56F
    河合 珠空 (放送大学教養学部)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    歌舞伎舞踊『京鹿子娘道成寺』は道成寺伝説の後日譚であるが、道成寺伝説のストーリーを直接表現しているわけではない。しかし、隠れた対応関係が多く見られることに筆者らは気付いた。そこで、「心」・「振り」・「歌詞」の三つをキーとして二つの物語の対応関係の分析を行い、その結果に基づき、独自に開発した『京鹿子娘道成寺』の2Dアニメーションシステムを利用して『京鹿子娘道成寺』と道成寺伝説とを結合する新しいシステムの方法を提案する。
  • P2-57
    庄野 真紀 (香川大学地域マネジメント研究科)
    西中 美和 (香川大学地域マネジメント研究科)
    女性が自己効力感を高めるための経験を積むには,まずは活躍の場への参加が重要である.本稿では,活躍の場への参加自体に消極的である人が多いことに着目した.事例として,坂出市防災女性チームを取り上げ,参加に際しての阻害要因と促進要因を個人の内面変容から明らかにする.定性的分析の結果,参加に至るまでの心理的障壁が大きいため,個人の内面に作用する外からの働きかけが必要であることが確認できた.
  • P2-58
    鶴島 彰 (セコム株式会社 IS研究所)
    東日本大震災時に撮影された動画の分析で発見さ れた,二つの避難行動が出口からの距離によって分れ る現象において,エージェントの個性,同調行動中の エージェント間の関係,さらに避難中のエージェント の動的な行動特性などが群衆避難行動に与える影響に ついて分析した.その結果,個々のエージェントに着 目したアプローチには限界があり,集団のダイナミク ス全体に介入するようなアプローチが求められるとの 示唆を得た.
  • P2-59
    長尾 光喜 (金沢工業大学大学院工学研究科システム設計工学専攻)
    伊丸岡 俊秀 (金沢工業大学大学院)
    集団の意思決定における、集団のメンバーが持つ自信の程度や協議における意見の表出順序の影響を調べるために、知覚判断課題を用いてペアによる意思決定実験を行った。その結果、判断の自信に関するメタ認知能力が高いほど、判断結果が集団の意思決定に採用される確率が高くなることが示された一方、意見の表出順序の影響は見られなかった
  • P2-60F
    米田 凌 (静岡大学大学院総合科学技術研究科情報学専攻)
    森田 純哉 (静岡大学)
    本研究では内的要因を考慮した上で,外的要因による覚醒度と意思決定への影響を調べた. 被験者の内的要因は,二重過程理論に基づいてシステム1とシステム2に設定した. また,覚醒度を操作するための外的要因として視覚刺激,聴覚刺激,社会的刺激を提示した. その結果,システム1ではシステム2よりも覚醒度による意思決定への影響が大きかった. また,覚醒度に影響を与える外的要因の種類や,意思決定の変動も2つのシステムでは異なっていた.
  • P2-61F
    田岡 祐樹 (東京工業大学)
    岡崎 祐樹 (東京工業大学)
    伊藤 鈴 (東京工業大学)
    齊藤 滋規 (東京工業大学)
    本研究の目的は,洞察問題解決過程における固着からの制約緩和に孵化のタイミングが与える影響の検証である. 実験では80名の研究協力者は,それぞれインパスが意識に上る前あるいは後に孵化を行い,孵化のタイミングが制約緩和に与える影響を検証した.結果,孵化のタイミングによって制約緩和までの時間に影響があることが示された.これは今後の創造的課題解決に関する手法の発展に活かせる知見となり得る.
  • P2-62F
    伊藤 鈴 (東京工業大学)
    田岡 祐樹 (東京工業大学)
    岡崎 祐樹 (東京工業大学)
    齊藤 滋規 (東京工業大学)
    本研究の目的は,洞察問題解決過程におけるひらめきや行き詰まりと瞳孔反応の関係を調査することである.6人の被験者にアイトラッカーを装着させ,洞察問題の一つである16点問題に取り組む過程の瞳孔径を計測した.その結果,問題に取り組むことによる認知負荷が瞳孔径に反映されることを確認した.また,ひらめきの前後で瞳孔が散大していく様子が見受けられた.ひらめきや行き詰まりのメカニズムを明らかにすることで,創造的課題解決に関する手法の発展に貢献できる.
  • P2-63
    金野 武司 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    竹田 亮大 (金沢工業大学 工学部 電子情報通信工学科)
    人と機械のインタラクションで実現が困難なことの1つに,ターンテイキングと呼ばれる主従関係の自然な入れ替わりがある.我々は,モニター越しに球の移動を介して他者あるいは計算機とインタラクションする実験室実験を実施し,相手とのインタラクション視点が三人称から一人称に変わることによる,人と計算機の識別率の違いを調べた.結果,一人称視点は計算機が示す主従関係に人を合わせやすくする効果があることを示唆する結果を得た.
  • P2-64
    小池 勇輝 (明治大学大学院理工学研究科)
    嶋田 総太郎 (明治大学理工学部)
    自己身体認識は自己の身体以外にも起こることが報告されており、一例として仮想現実上(VR)のアバターに対して自己身体認識が働くフルボディ錯覚(FBI)がある。本実験では被験者はVR上で医者のアバターへFBIした場合と遅延によりFBIが阻害された場合の2条件で作業を行った。その際のエグゼクティブ機能と性格への影響を調査した。結果、FBIが生起するとその対象の象徴的な意味が引き起こされ、被験者自身の性格や認知機能が変化する可能性が示された。
  • P2-65
    長尾 由伸 (千葉工業大学)
    山崎 治 (千葉工業大学)
    Web会議システムが普及する一方でWeb会議システムを利用した会話においてオンライン疲れ(Zoom疲れ)ともいわれるような心理的抵抗感が生じることがある.そこで,本研究では「初対面同士」の参加者グループによるオンラインコミュニケーションを想定し,「カメラ(顔映像)のオン/オフ」による対話・会話の質的変化と心理的抵抗感の違いを検討した.
  • P2-66
    田中 祐貴 (金沢工業大学大学院)
    伊丸岡 俊秀 (金沢工業大学大学院)
    日本舞踊の評価において専門性がどのように反映されるのかを明らかにするため感性評価実験を行い,評価構造の違いを検討した.実験参加者ごとの回答から探索的因子分析を行い.抽出された因子の違いを確認した. 家元にのみ拡散性という因子が抽出された.また専門家と非専門家で空間を連想させる項目において,一緒に因子に含まれる項目に違いがあったことから専門性の有無によって,評価構造の違いはあると考えられる.