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社会心理

  • O2-4
    西中美和 (総合研究大学院大学)
    白肌邦生 (北陸先端科学技術大学院大学)
    神田陽治 (北陸先端科学技術大学院大学)
    本稿においては,実験的ワークショップ授業を事例にとり,定量および定性調査と分析を行った.その結果より,自然発生した触媒的参与者の集団機能に焦点を当て,それが意識的ではない主導的機能として働き,他の集団機能に働きかけ,集団のアウトプットに自分の意思を反映させるという影響力を考察した.また,暗黙的な影響力の行使を行う触媒的機能は主導的機能であると定義した.
  • O3-1
    上田竜平 (京都大学大学院文学研究科・日本学術振興会)
    柳澤邦昭 (京都大学こころの未来研究センター)
    蘆田宏 (京都大学大学院文学研究科)
    阿部修士 (京都大学こころの未来研究センター)
    本研究では、交際中の男性を対象としたfMRI実験を通して、浮気行動の能動的抑制を支える前頭葉の関与が、交際段階に応じて変動するという仮説を検討した。結果から、go/no-go課題における反応抑制時の右腹外側前頭前野の活動と、パートナー以外の異性との浮気関係に対する関心の抑制との関与が示された。一方でこの関係は、現在の交際関係が長い個人においてのみ示され、交際関係の初期にある個人では示されないという、仮説を支持する結果が得られた。
  • O3-3
    中田龍三郎 (名古屋大学情報学研究科)
    久保(川合)南海子 (愛知淑徳大学心理学部)
    岡ノ谷一夫 (東京大学総合文化研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学情報学研究科)
    赤信号および赤信号に続く黄信号で高齢者の前頭部の脳活動に左優勢の不均衡状態(怒りを構成する要素である接近の動機づけの高まりを示唆)が生じるか検討した。高齢者と若齢者を対象にドライビングシミュレータを操作して赤信号もしくは青信号のある交差点を複数通過させた。続いて黄信号のある交差点を2回通過させた。NIRSにより脳血流量を測定したところ、高齢者では赤信号だけでなく、続く1回目の黄信号で左右前側頭部に左優勢の不均衡状態が生じていた。
  • OS03-1I
    依頼講演
    嶋田総太郎 (明治大学)
    本発表では、プロジェクションの認知機能について考えるために、ラバーハンド錯覚とミラーシステムを取り上げて議論する。ラバーハンド錯覚を自己の物体へのプロジェクション、ミラーシステムを自己の他者へのプロジェクションとして捉えることによって、「身体を介した自己のプロジェクション」のメカニズムと機能を浮かび上がらせたい。これらの検討を通じて、単なる「認識」とは異なる「プロジェクション」の射程について考えたい。
  • OS03-3
    久保(川合)南海子 (愛知淑徳大学)
    男性同士の恋愛を描くマンガや小説を愛好する腐女子たちは,自分の女性性や性役割についてどのように認識しているのだろうか.本研究では20歳前後の女子大学生を好む小説・マンガのジャンルで3群に分け6種類の質問紙調査を行った.その結果,腐女子の特異性は性役割観と恋愛観,プライバシー志向性で認められた.腐女子は自身の女性性を受容している一方で,女性への通念的な性役割に対しては否定的であることが示唆された.
  • OS10-3
    布施瑛水 (東京工業大学工学院機械系エンジニアリングデザインコース齊藤滋規研究室)
    齊藤滋規 (東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 エンジニアリングデザインコース 准教授)
    本研究では,集団のメンバーの専門多様性が創造的なアイディア生成に与える影響を検証した.専門多様性のある集団とない集団で生成されたアイディアの創造性を創造性の定義に基づいて評価した.その結果,創造的アイディア生成率には有意な影響はなかったが,アイディア生成の観察から専門多様性の影響が観察された.また、メンバーが互いの専門の違いを理解して受け入れることや、専門性が活かされるアイディア生成のプロセスを設計することの必要性が示唆された。
  • OS11-1
    高橋英之 (大阪大学・ERATO)
    伴碧 (同志社大学)
    大澤博隆 (筑波大学)
    魔女狩りなど,我々の社会は疑心暗鬼が存在しない敵をつくりだし,憎しみを増大させる.このような社会問題を考える実験パラダイムとして人狼がいないかもしれない人狼ゲームを提案する.本発表ではこのゲームの詳細について紹介するとともに,このゲームにおける人間の社会行動をロボットを用いて変容させる試みについて紹介したい.
  • OS13-5I
    依頼講演
    亀田達也 (東京大学大学院人文社会系研究科)
    年金や医療費負担に関わる世代間衡平の問題は、高齢者と若年者の対立として捉えられやすい。現在、社会科学では「フューチャーデザイン」という考え方が生まれている。私たち現世代は、市場や民主主義のシステムのもと、高齢者・若年者の別なく、将来世代から資源を奪うエゴイストになりやすい。本講演では、世代間衡平の問題を高齢者−若年者間の局所的葛藤から、現世代と将来世代との大きな衡平性をめぐる問題に止揚し、高齢者が担い得る役割の可能性について考えたい。
  • OS16-3I
    依頼講演
    南保輔 (成城大学文芸学部)
     ひとのアイデンティティを私的—公的,社会的—個人的という2軸で類型化したうえで,本人視点の私的社会的アイデンティティについてのインタヴュー調査データを検討した.他者との異同や相互行為場面における快適さが,アイデンティティ選択の基底にあることを指摘した.公的アイデンティティには一瞥的側面があるが,この分野の研究はあまり蓄積がない.最後に,アイデンティティの4類型と認知科学との関係の現状と将来について論じた.
  • OS18-5I
    依頼講演
    川村洋次 (近畿大学経営学部)
    テレビコマーシャル(CM)の広告表現については,CM総合研究所が1997年から統一した15種類の好感要因指標(出演者・キャラクター,ストーリー展開が良い,ユーモラスなところなど)に基づき好感要因調査を月1回行なっている.本研究では,それらの指標と広告映像技法(ストーリー技法,演出技法,編集技法,音響技法など)との関係を整理し,調査データを基に,CM表現と広告映像技法の特徴と変遷についてまとめる.
  • P1-17F
    北原由絵 (名古屋大学 情報科学研究科 メディア科学専攻)
    三輪和久 (名古屋大学 情報学研究科 心理・認知科学専攻)
    反実仮想の研究は,上向きと下向き2つの反事実の概念を取り扱ってきた.これは,後悔などのネガティブ感情を伴うと言われている.また,後悔感情が未来改善のモチベーションに繋がることも,先行研究によって明らかとなっている.本研究は,目的をふり返ることの有無が,反実仮想における未来改善機能にどのように影響するのかを明らかにすること,および反実仮想によって喚起される後悔と未来改善機能の関係を検討した.
  • P1-19F
    本田秀仁 (東京大学大学院総合文化研究科)
    藤崎樹 (東京大学大学院総合文化研究科)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本研究では,日本語の表記法が食品認知に与える影響について検討を行った.具体的には,レモンとキウイの表記を漢字またはカタカナで呈示して, その果物の購買意欲, 高級感, また美味しそうに感じるかを尋ねた. 結果として,日本語の表記は食品認知に影響を与えることが明らかになった.特に表記の希少性と可読性が相互に影響を与え,希少でありかつ可読な表記は商品の購買意欲を高める効果があることを示した.
  • P1-23F
    森山信也 (東京電機大学大学院理工学研究科)
    安田哲也 (十文字学園女子大学人間発達心理学科)
    小林春美 (東京電機大学理工学部)
    指示詞「これ・それ・あれ」の使い分けについては、単に対象物との距離だけでなく、可触性や可視性、所有権等も影響することが過去の研究から示されている。本研究では、レーザーポインターを使用することによって、人が自分の視点からの見えに基づいて指示詞を使用するのか、自分と他者両方の視点からの見えに基づいて指示詞を使用するのかを検討した。今回の実験の結果からは、指示詞の使用は自分の視点からの見えに基づいたものであると考えられた。
  • P1-43
    宿利由希子 (神戸大学大学院)
    本研究は,個人名の印象と人物像(年齢・職業)の整合性に注目し,キラキラネームと非キラキラネームの持ち主の印象評定を行った.その結果,日本語母語話者は特定の個人名からある程度共通した年齢や職業を連想し,ある程度共通した印象評価をすることがわかった.また,特定の非キラキラネームから連想した人物像と,実際の年齢・職業に整合性がないと,その個人名の持ち主への勤勉性に関する評価が下がる可能性が示唆された.
  • P1-48
    池田彩夏 (京都大学文学研究科)
    奥村優子 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    小林哲生 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    板倉昭二 (京都大学文学研究科)
    協力は一般的にはポジティブな行為であるが、不正を促進するというネガティブな側面も持つ。本研究では、6-7歳児を対象に、負の協力がどのような状況下で生じるか、また、児童が負の協力にどのように関与しているのかを検討した。実験の結果、参加児は、他者と協力関係にあり不正が互いの利益となるとき、また、他者と協働関係にありかつ自分自身の報酬が高水準で確保されている時に受動的な負の協力を示すことが明らかとなった。
  • P2-43
    戸梶亜紀彦 (東洋大学)
    愛媛県西予市でのオフィス改革において,従来とは異なった意識を持つようになり仕事への取り組み方を変えていく者とオフィス環境が変化してもなかなか働き方を変えようとしない者がいると考えられた.このような違いは性格傾向を反映した作業嗜好性によるのか,業務特性によるのか,仕事に対する価値観によるのかなどさまざまな要因が考えられる.そこで本研究では,オフィス改革の前後を比較して市職員の中で何がどう変化するのか,しないのかについて検討を行った。