スケジュール順

[OS11] OS11 主体性と成長を促すヒューマンロボットインタラクションの新展開

9月15日(金) 13:00 - 18:10 会場:201講義室
  • OS11-1
    高橋英之 (大阪大学・ERATO)
    伴碧 (同志社大学)
    大澤博隆 (筑波大学)
    魔女狩りなど,我々の社会は疑心暗鬼が存在しない敵をつくりだし,憎しみを増大させる.このような社会問題を考える実験パラダイムとして人狼がいないかもしれない人狼ゲームを提案する.本発表ではこのゲームの詳細について紹介するとともに,このゲームにおける人間の社会行動をロボットを用いて変容させる試みについて紹介したい.
  • OS11-2
    小山虎 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    石黒浩 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    本論文では、心を備えたエージェントを工学的に実現するためのアーキテクチャを提案する。これは哲学と人工知能における心や自己の研究の流れを踏まえ、両者を統合したものである。既存のアーキテクチャとの比較的優位性や進化的妥当性についての議論に加えて、本アーキテクチャの学際的価値をロボット工学、哲学、認知科学などの観点から論じる。
  • OS11-3
    日永田智絵 (電気通信大学)
    長井隆行 (電気通信大学)
    一般にロボットは,感情の無い存在と考えられている.しかし,ロボットが人間社会に受け入れられていくためには,相手の感情を理解・共感し,行動することが必要不可欠である.本研究では,人-ロボット間の共感コミュニケーションに関する神経学的、心理学的知見に基づく感情モデルを提案する.モデル実現の最初のステップとして,深層学習を利用し,視覚刺激による情動生成を行った.また,モデル検証として,ロボットへの実装および色に対する情動反応の検証を行った.
  • OS11-4
    大北碧 (専修大学,日本学術振興会)
    澤幸祐 (専修大学)
    運動同期によって,コミュニケーションと関連しない(実験1)もしくは関連する注意(実験2)が影響されるのかを検討する。ある刺激が参加者の動きに合わせて動く課題を行った後に,その同期刺激と,同期しなかった刺激を標的刺激とする探索課題を実験1では行う。実験2では,同期刺激と非同期刺激を手がかり刺激とする,視線手がかり課題を行う。運動同期が注意に影響するならば,いずれの実験でも,同期刺激において標的刺激の検出が促進されると考えられる。
  • OS11-5
    大澤正彦 (慶應義塾大学/日本学術振興会特別研究員)
    滝本佑介 (慶應義塾大学)
    奥岡耕平 (慶應義塾大学)
    今井倫太 (慶應義塾大学)
    半自律テレプレゼンスロボットのふるまいが人間に与える印象を調査した.作成したロボットは随意・不随意運動を調停する随伴性行動生成アーキテクチャを拡張し,遠隔操作と自律動作を調停できる.テレプレゼンスロボットを用いたロールプレイングの映像を20件作成し,2つの方法で分析した.分析結果から,随伴性行動生成アーキテクチャが人間のふるまい生成のモデルとしても有効である可能性を示唆する.
  • OS11-6
    坂本孝丈 (静岡大学創造科学技術大学院)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究は,コミュニケーションの初期段階における関係の調整の側面に注目し,このプロセスを明らかにすることを目的とする.初期段階におけるインタラクションは,自身の内的状態と対象の内的状態の組み合わせによりパターンが決定すると考えられる.そこで内部状態を表現するモデルを提案し,2つのパラメータの値に応じた行動をGAにより仮想エージェントに獲得させた.結果としてパラメータが取る値の違いにより各内部状態に応じた行動が表現できることが示された.
  • OS11-7
    伴碧 (同志社大学)
    高橋英之 (大阪大学)
    幼児期の子どもは,ロボットをしばしば生物として認識してしまう。その理由として,ロボットに顔(目)といったように人間的特徴が付与されていることが挙げられる。そこで本研究では,人間的特徴が付与されていないロボットとのリズム相互作用によって,幼児が生き物らしさを感じるか検討を行った。その結果,リズム相互作用後幼児はロボットの描画に目を付与する傾向が高いことが示された。つまり,リズム相互作用は生き物らしさを感じさせる一因となることが示唆された。
  • OS11-8
    岡夏樹 (京都工芸繊維大学)
    塚本亜美 (京都工芸繊維大学)
    寺岡弘貴 (京都工芸繊維大学)
    鶴田穣士 (京都工芸繊維大学)
    廣田敦士 (京都工芸繊維大学)
    早川博章 (京都工芸繊維大学)
    市川淳 (京都工芸繊維大学)
    田中一晶 (京都工芸繊維大学)
    長井隆行 (電気通信大学)
    大森隆司 (玉川大学)
    子どもたちの身体表現活動の場にロボットを導入することにより、子どもたちの主体性や成長の可能性を引き出すことを目指す。手始めに、リカレントネットワークを用いて、未知パターンに対する創発的な反応を観察できたので報告する。今後はさらに、内発的動機づけを付加し、ロボットに実装することにより、身体表現活動の場の様子に応じた適切な動作(主体的な動きに対してはそれを支持し、逆に受け身の動きに対しては自らが新たな刺激を生み出す)を可能にする計画である。
  • OS11-9I
    人工物としてのロボットに向き合う:創発的利用の視点から
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    依頼講演
    原田悦子 (筑波大学)
    ロボットという存在は,認知工学の視点からはどのように概念化が可能であろうか.ここでは,一つの定義として,「ユーザである人と同じ実空間内に,他のモノと同列に,物理的実体としてそこに存在し」,「何らかの責任性をもって自律的に活動を行うエージェント性を持っている」人工物(artifacts)と考える.その上で,そのように位置づけたときに認知工学で考えられてきた創発性をどのようにモデル化するか,そこにどのような問題が表れてくるか,これまでのモデルを紹介しつつ(原田,1997)考えていきたい.
  • OS11-10I
    機械に対する悪意の帰属
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    依頼講演
    寺田和憲 (岐阜大学)
    本発表では人が機械に対して悪意を帰属させるかどうかを,棒を媒体とした相互作用が可能な壁の穴を用いた実験の結果にもとづいて議論するとともに,機械に対する悪意の帰属が人工知能技術が発達した社会において,企業と個人の関係にどのような影響を与えるかについて論じる.
  • OS11-11I
    モノに対する作法と擬人化
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    依頼講演
    上出寛子 (名古屋大学)
    新井健生 (大阪大学)
    人に対する作法があるように,物を扱うにも作法がある.人工物であるモノに,どのような価値(善悪)を見出すかに関しては,人間がモノをどう扱うのか,に大きく依存する.そこで本研究では,モノを大事にする際の作法とは何かを解明し,作法の程度を定量化する手法を確立することを目指し,心理的なアプローチから検討を行った.
  • OS11-12I
    依頼講演
    西脇裕作 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
    吉見健太 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
    岡田美智男 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
    「誰が来るの?」この質問はどう引き出せるだろうか.ロボットは人に情報を正しく効率よく伝えることを求められてきたため,その話はわかりやすく「うんうん」と聞いていられる.しかしそれはある意味一方的であり,人からの関わりを引き出そうとするときにはこれまでの完結した発話をやめて,少し不完結な発話をしてもいいかもしれない.本研究は〈弱いロボット〉の概念を援用し,ロボットの発話に不完結さを備えさせ,人を対話に引き込む方略について議論する.
  • OS11-13I
    依頼講演
    岡田美智男 (豊橋技術科学大学)
    「どこか不完全なのだけれど,なんだかかわいい,放っておけない……」というような感覚を抱かせる〈弱いロボット〉に着目し,こうした他者との関係を指向するソーシャルなロボットと人とのコミュニケーションや関係形成に関する研究を進めてきた.本発表では,筆者らの構築を進める〈弱いロボット〉と人とのインタラクションの事例をいくつか取り上げ,人とロボットとの「持ちつ持たれつの関係構築」に向けたアプローチについて検討する.
  • OS11-14
    内田貴久 (大阪大学,JST ERATO)
    高橋英之 (大阪大学,JST ERATO)
    伴碧 (同志社大学)
    島谷二郎 (大阪大学,JST ERATO)
    吉川雄一郎 (大阪大学,JST ERATO)
    石黒浩 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    本稿では,人間とアンドロイド,小型ロボットを傾聴者とした際,被験者の自己開示態度がどのように変化するかを調査した.その結果,ロボットは人間と同程度の自己開示に関する発話を引き出すことが可能であることが示唆された.さらに,自己開示項目に関して,ロボットはネガティブな内容に関する自己開示を引き出しやすく,その中でも特に,人間に比べて情緒的側面に関する自己開示を引き出しやすい傾向が示された.
  • OS11-15
    自閉スペクトラム症者へのアンドロイドを用いた就職面接訓練についての予備的実験
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    熊崎博一 (金沢大学子どものこころの発達研究センター)
    吉川雄一郎 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
    松本吉央 (産業技術総合研究所ロボットイノベーション研究センター )
    石黒浩 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    宮尾益知 (どんぐり発達クリニック)
    三邉義雄 (金沢大学子どものこころの発達研究センター)
    菊知充 (金沢大学子どものこころの発達研究センター)
    自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)者にとって就職面接は社会参加への大きな障壁になっており、ASD者への就職面接支援は喫緊の課題となっている。我々はアンドロイドを介した模擬就職面接を設定し、その効果と課題について検討した。5日間という短い期間ではあったが、アンドロイド面接群において経過の中で就職面接に対する自信が改善傾向にある方が多数いることを示した。
  • OS11-16I
    自閉症スペクトラムとロボット
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    依頼講演
    宮尾益知 (どんぐり発達クリニック、ギフテッド研究所)
    我々は日常の精神科治療の現場にロボットを導入し、カウンセリングを行っている。このような経験からロボットカウンセリングの有用性とASDの思考過程に注目したカウンセリング方法について実践を続けている。 人を知る為にロボット研究を始めることからアンドロイド研究は始まった。私たちは、ASDの子供達を知るためにロボットを用いようと考えている。ASDとは何かがロボット研究から始まることを信じて