スケジュール順

[OS18] OS18 「脳/心理」‐「記号/文芸」‐「社会/制度」をつなぐ物語生成

9月15日(金) 13:00 - 18:10 会場:302講義室
  • OS18-1I
    依頼講演
    小方孝 (岩手県立大学)
    本稿では主に,オーガナイズドセッション「「脳/心理」‐「記号/文芸」‐「社会/制度」をつなぐ物語生成」の趣旨と概要を述べる.これは全体として,物語生成のモデルとシステムを多層的・多重的に構築しようとする筆者の多重物語構造モデル (Ogata, 2016)に関わるものである.このセッションはまた,オーガナイザー及びその他の関与者による将来に向けたアカデミック以外のものも含めた様々な協働・共同可能性を模索することも間接的な目的としている.
  • OS18-2I
    依頼講演
    新田義彦 (言語研究アソシエーション/日本大学)
    小方孝 (岩手県立大学)
     認知科学の主要分野である言語生成・言語理解の分野においては,近時,統計的アプローチが隆盛を極めている.手作りベースの古典的人工知能のアプローチは,自然言語表現の多様性に対処できないというのが,主な理由のようである.  本論文では,日本の古典的芸術文というべき「俳句」を例に採り,統計ベースの大量コーパス処理にはできない機能的強み,特にメッセージの組み込みと読み解きについて考察した結果を報告する.
  • OS18-3I
    依頼講演
    阿部明典 (千葉大学)
    In this paper, I discuss the possibility of computational literature generation. The generation is based on the conept of the intertextuality by Kristeva. By the simple example of Japanese Waka generation the possibility is shown. In addition, to such generation, the feature of abduction is applied. Then it will be possible to generate literature by abduction. By the abductive procedure, it will be possible to generate new or novel story.
  • OS18-4I
    依頼講演
    浅川伸一 (東京女子大学)
    ニューラルネットワークによる短文対話生成モデルの概説を試みた。取り上げたモデルは再帰型ニューラルネットワークに基づく言語モデル,ベクトル埋め込みモデル,系列対系列モデル,及び,変分自動符号化モデルである。大域潜在変数を導入することで変分自動符号化モデルはターゲット文を抽象化し,表現が柔軟になることが期待される。この特徴は通常の言語モデルは持たない。定量的な評価を含めて対話文,物語生成に対する貢献を評価していく手法の確立が求められている。
  • OS18-5I
    依頼講演
    川村洋次 (近畿大学経営学部)
    テレビコマーシャル(CM)の広告表現については,CM総合研究所が1997年から統一した15種類の好感要因指標(出演者・キャラクター,ストーリー展開が良い,ユーモラスなところなど)に基づき好感要因調査を月1回行なっている.本研究では,それらの指標と広告映像技法(ストーリー技法,演出技法,編集技法,音響技法など)との関係を整理し,調査データを基に,CM表現と広告映像技法の特徴と変遷についてまとめる.
  • OS18-6I
    依頼講演
    廣田章光 (近畿大学)
    問題解決に注目した研究に対して、近年、問題が明確でない状況におけるイノベーションの発生が示されている(石井1993,2009,2014, Lester and Piore 2004,Von Hippel and Von Krogh 2016)。本研究は問題が明確でない状況におけるイノベーションを取り扱う。 スーパートップアスリート向けの製品開発事例を通じて、 開発焦点の収束と拡散の要因を考察し、価値創造との関連を考察した。 さらに、ユーザー、開発者、ユーザーと開発者の3つの対話の存在を指摘した。同時に、それらの対話における開発焦点の同期が収束に、非同期が拡散につながることを提示した。
  • OS18-7I
    依頼講演
    金井明人 (法政大学社会学部)
    本発表は,映像の受け手の認知的方略の部分的な転換に向けた映像修辞を,転換技法として特に論じ,物語生成につなげることを目的とする.転換技法は,ストーリーに関する処理を切断せずに,受け手の物語処理に不均一性を意図的に生じさせ,一つのストーリーに対し,認知の多重性・多様性を生じさせるための技法である.
  • OS18-8I
    依頼講演
    青木慎一郎 (岩手県立大学)
    本稿では、「ストーリー生成」について、学習困難のある大学生を支援するという教育的な立場から検討する。彼らにはASDやLDが想定されるが診断外の例も多い。近年の記憶研究やワーキングメモリー研究における知見や学生達の論文指導経験に基づいて検討した。学習困難の背景には「自己の成立により他者や環境との関係性を操作する」ことの困難がある。これは「ストーリー生成の困難」とも説明できる。したがって、支援にはストーリー生成の解明が必要である。
  • OS18-9I
    発達障害者に関する自由記述文のテキスト分析と物語生成
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    依頼講演
    清野絵 ((独)高齢・障害・求職者雇用支援機構)
    榎本容子 ((独)高齢・障害・求職者雇用支援機構)
    宮澤史穂 ((独)高齢・障害・求職者雇用支援機構)
    本研究は、発達障害の学生の就労支援上の困り感についての自由記述文を分析することで、支援者が体験する課題の把握と課題解決に向けた示唆を得ることをねらいとした。また、本研究は、様々な側面に渡る「物語現象」全体を有機的に統合する包括的枠組みである「物語生成システム」を背景に持つ。したがって、本研究の分析の過程で、副次的成果として物語生成に関して何らかの示唆を得られる可能性を持つ。
  • OS18-10
    福島宙輝 (慶應義塾大学)
    本研究では,味覚と形の感覚間象徴対応関係において従来行われてきた,選択式の課題に対して,生成課題を試みた.言語表象,描画(非言語)表象,そして身体という多面的な表象の分析から,従来はAngular図形として表象されると考えられてきた旨味,酸味に関して,これまでの定説とは逆にRoundnessとして表象される可能性を示した.また辛味,渋味などの刺激としての味が描画表象によって象徴的に角張った形に対して記述される可能性を示した.
  • OS18-11
    小野淳平 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
    小方孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    筆者らはテーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)が持つストーリー生成のメカニズムに注目し,TRPGに基づく物語自動生成ゲームを開発した.このシステムでは.TRPGにおいて成立する,用意されたストーリーの枠組みと生成されるストーリーの差(これをギャップと呼ぶ)から生まれる驚きを導入するための技法を持ち,筆者らはその驚きの作用を分析した.本稿では,その分析の結果から驚きを導入するための技法の整理からギャップ技法を提案する.