研究分野別一覧

推論・問題解決

  • OS03-5
    公募発表
    古藤 陽 (東京大学大学院)
    清水 大地 (東京大学大学院)
    岡田 猛 (東京大学教育学研究科)
    本研究では,日常におけるものの見方の変化を促す美術鑑賞教育の手法を提案し,大学生を対象とするワークショップ実践によりその効果検証を行った.ワークショップ前半では美術作品,後半では日常的に身近にある対象を題材として,観察を踏まえて対象の魅力を見出し,その魅力を伝える文章をグループで共同執筆することを求めた. 本稿は古藤・清水・岡田(2021)の発表内容に基づき,ワークショップ中のグループでの発話により焦点を当て,分析を行ったものである.
  • OS07-2
    公募発表
    金泉 則天 (電気通信大学)
    伊藤 毅志 (電気通信大学)
    近年、人狼は不完全情報ゲームの新たな研究題材として注目されている。本研究では、「人狼において人はなぜ騙されるのか」の理由に対して、認知バイアスの観点から考察した。実験において、バイアスが生じやすいと予想される問題と生じにくいと予想される問題を作成して、それらを参加者に見せることで、意思決定の違いを考察した。結果として、注目する発話内容によって様々な形のバイアスの影響を受けて意思決定を行っていることが明らかとなった。
  • OS08-7
    公募発表
    田中 みゆき (早稲田大学)
    細馬 宏道 (早稲田大学)
    2019年に発売されたゲーム『The Last of Us: Part II』は、視覚障害者が音だけでプレイできることで世界的話題を呼んだ。本研究では、視覚障害者によるプレイ画面と解説を用いて本ゲームにおける聴覚的な手がかりの役割と効果を分析し、視覚障害者がどのように音からゲーム空間や状況を把握し、次の行為を決定しているか考察する。また、聴取と動作によるゲーム実践がいかなる認知空間を生み出し、それは視覚空間といかに異なるか明らかにする。
  • OS09-3
    公募発表
    清水 大地 (東京大学大学院)
    蓬田 息吹 (東京大学教育学研究科博士後期課程)
    王 詩雋 (東京大学)
    岡田 猛 (東京大学教育学研究科)
    本研究では,創造性育成のためのアートプログラムの枠組みを提案し,1年間に渡り実施したその概要と、1つのワークショップの概要・効果を報告する。特に長期に渡る創造性育成の枠組みとしてCreativity Dynamicsを提案し、その4つの要素を反映した多様なワークショップを実施した。創造性不安や拡散的思考など創造性の関連指標により、効果を線形混合モデルにより検討した。結果、プログラムは、長期的な創造性支援の上で有効である可能性が示された。
  • OS15-4
    公募発表
    林 勇吾 (立命館大学)
    本論文は,学習支援システム研究で研究が行われてきたCAIからその後に発展した適応的な支援を目指すITSの研究,AIドリルなどで利用されるコンピュータ適応型テストについての解説を行い,CAIとITSに関する文献レビューを通じてこれまでの研究の動向について紹介する.
  • O2-3
    遠山 紗矢香 (静岡大学)
    松澤 芳昭 (青山学院大学)
    谷 聖一 (日本大学)
    本研究は,Computational Thinking (CT) とはどのような能力なのかを検討することを目指して,計算機科学とCTに関連した問題が出題される「ビーバーチャレンジ」の問題解決過程を分析した初期段階の研究である.本研究では大学生の正答率が低かった「検査」と「画像圧縮」の2問に焦点化して,2名で話し合いながら問題を解かせて問題解決過程を観察した.大学生4ペアの分析結果を用いて,問題解決過程でのCTの発現について検討した.
  • P1-11F
    白砂 大 (追手門学院大学)
    本田 秀仁 (追手門学院大学)
    松香 敏彦 (千葉大学)
    植田 一博 (東京大学)
    人が行うヒューリスティックの使用について, 従来にない新たな課題構造のもとで, 正確性のみならず使用可能性の両側面から検証した。行動データの分析から, 人は課題構造に応じて, 使用できる機会が多く, かつ正答をより多く導くことのできるヒューリスティックを使っていることが示唆された。本研究の知見は, 人がいかにして正確な判断を行っているかについてより深く理解するための契機になると考えられる。
  • P1-26F
    二宮 由樹 (名古屋大学)
    岩田 知之 (名古屋大学)
    寺井 仁 (近畿大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    Einstellung effectは既存の知識や経験への固着が問題解決を妨げてしまう現象である.WMCの高い参加者は,固着した情報に過度に集中してしまうため,固着から脱却しにくいことが知られている.しかし,WMCが,情報探索を媒介し,次善解から最善解への転換に与える影響について実証的に調べた研究は少ない.本研究では,WMCがEinstellung effectに与える影響について情報探索が媒介するという仮説を検討する.
  • P1-41F
    池田 駿介 (東京電機大学)
    布山 美慕 (早稲田大学)
    西郷 甲矢人 (長浜バイオ大学)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    意味の創造過程と類推・転移学習を探究するための仮説として近年に提案された,不定自然変換理論(TINT)に基づく比喩理解モデルの2種類のシミュレーションを慣習性の異なる3つの比喩を対象に行った.また,実験によって,人間の比喩解釈となる対応づけのデータを収集し,これをシミュレーション結果との比較を行なった.その結果,慣習性の高い比喩と低い比喩では人間に近い判断ができ,慣習性の中程度の比喩では人間とは異なる判断を行なった.
  • P1-50F
    平田 瑞貴 (名古屋大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    問題を明確化したり新たに設定したりすることを問題構築と呼び,創造的問題解決場面において重要である.本研究では時間的解釈が問題構築に与える影響を検討する.実験では,プライミング課題によって時間的解釈を操作し,問題構築課題の成績を評価した.その結果,時間的解釈を近く誘導されると創造性スコアが高かった.また,時間的解釈の違いが,独創性スコアと品質スコアの間に異なる相関関係を生み出した.抽象的な解釈がよい問題構築に繋がる可能性を示唆している.
  • P1-54
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術専攻 知識科学研究科)
    高橋 康介 (立命館大学)
    ネッカーキューブ(NC)に代表される曖昧図形の知覚は、知覚心理学の古典的な研究題材でありながら、しかし、その知覚の機序は多くが未解明のまま残されている。本研究はNCとそれに類する曖昧図形を対比することで、従来の視覚の計算論的モデルではこれらの知覚を説明困難であることを論ずる。これに対し、知覚を符号化とし、その効率性の高い符号として知覚像をとらえる日髙・高橋(2021)のモデルでNC等の立体知覚の性質を説明できることを示す。
  • P1-56
    大森 隆司 (玉川大学脳科学研究所)
    宮田 真宏 (玉川大学脳科学研究所)
    人の知的能力の特徴が論理的推論である.これは他の動物にはなかなか見られない.しかし人の脳は進化的な連続性に基づき他の動物の脳と大きくは変わらない.ヒト脳の何が他の動物と異なって論理的な思考を可能としているのか?その解明は認知科学に限らず科学の大きな問いであると同時に,社会的にもインパクトが大きいであろう.本稿では,この現象に対する一つの仮説を提示して,その仮説の可能性と検証の方法について議論する.
  • P1-57F
    蓬田 息吹 (東京大学教育学研究科博士後期課程)
    清水 大地 (東京大学大学院)
    岡田 猛 (東京大学教育学研究科)
    芸術の創作において,知覚や感覚運動処理などの身体に基づく要素を利用することの重要性は,様々な先行研究により指摘されている。本研究では,言語芸術の一領域である俳句において,その創作に関わる知覚のうち,言葉の響きに対する知覚が活性化した状態で創作を行うことの効果について検討する。具体的には,日常的な俳句創作経験を有しない大学生・大学院生を対象としたオンライン創作実験を行い,実験で作られた俳句とその創作プロセスをそれぞれ分析する。
  • P1-58F
    塚村 祐希 (東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 広域システム科学系 修士課程)
    若井 大成 (東京大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 教育心理学コース 修士課程)
    下條 朝也 (名古屋大学 大学院情報学研究科 心理・認知科学専攻 博士課程)
    因果的説明におけるlatent scope biasとは,生起しているか不明な事象を含まない説明の方が,含む説明よりも選好されるというバイアスである。先行研究では,このバイアスが生じる過程についての仮説が提唱されているが,そもそもこれが生じる条件は十分検討されていない。 本研究では,説明内の事象(scope)の数がバイアスに与える影響を調べる。これにより,バイアスが生じる条件を明らかにし,先行研究の仮説を間接的に検討する。
  • P2-22F
    成 太俊 (北陸先端科学技術大学院大学 橋本研究室)
    橋本 敬 (JAIST)
    本研究は,個人が課題に沿って直感的に作品を作るというプレイが個人間のインタラクションにおいてアイデアに言及する発話行為に影響するか,どのように影響するかを明らかにすることを目的とする.実験の結果,プレイが「アイデアの抽象的なレベルに言及する発話行為」と「相手の発言の肯定・何気ない問いかけの発話行為」の間にポジティブフィードバックを持つことがわかった.また,考察によれば,前述の二つの発話行為がアイデア生成を促進すること示唆する.
  • P2-30
    本田 秀仁 (追手門学院大学)
    香川 璃奈 (筑波大学)
    白砂 大 (追手門学院大学)
    本研究では,数値推定の際に,回答フォーマットによって(数値で回答を求める vs. 尺度で回答を求める),回答にどのような違いが生じるかについて認知実験を実施して検討を行った.結果として,数値で回答を求めた際は特定の数値を用いて回答されやすくなることが明らかになった.また,このような回答傾向の違いは,よりよい集合知を達成する上で影響を与えることが計算機シミュレーションによって明らかになった.
  • P2-38F
    岩根 榛花 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学人間系)
    買い物行動のうち,目的の商品を見つけ出す商品探索プロセスに焦点を当て,そこで利用される商品パッケージ情報について検討を行った.高齢者と若年者は,模擬店舗において,サインの呈示を操作した条件下で,4つの商品を探索する課題を行った.発話プロトコルを4商品で比較したところ,商品属性ごとに異なる結果が得られ,パッケージ情報によって,商品属性の誤った推論が行われる可能性が示唆された.今後,認知的加齢との関連性について更なる検討を行う必要がある.
  • P2-40
    犬童 健良 (関東学園大学経済学部)
    本研究では反事実がクジ選におけるリスク態度に与える変化として認知的ポテンシャルをモデル化し,仮想的なクジのペアから選択する質問において選ばなかったクジの結果がどの程度気になるかを聞いた実証的データを用いて分析した.
  • P2-41
    山口 琢 (フリー)
    新美 礼彦 (公立はこだて未来大学)
    大場 みち子 (公立はこだて未来大学)
    人とコンピュータで数の整列プロセスは似てるのか?9個の数の整列プロセスを、移動対象の時間的な共起関係で分析した。まず9行9列の共起行列を目視で比較し、次に目視の結果をクラスタリングで機械的に再現できるか試みた。目視比較では、桁数が少ないとき人による整列は選択ソートに似ていた。クラスタリングでは、桁数が少ないとき人による整列はクラスターを作ったが、人による整列が選択ソートに似ているとは言えなかった。
  • P2-44
    山森 良枝 (同志社大学)
    本稿では、直説法条件文では成立する前件と後件の間の論理的依存関係が成立しない擬似条件文と誤謬推論を取り上げ、両者を比較しながら、「適切な文脈の欠如」という従来の前提に関る概念を相対化し、誤謬推論が<既存の文脈/世界と並行的な関係にある、それとは別の種類の文脈/世界の創設する>コミュニケーション機能を持つことを主張する
  • P2-50
    近藤 大貴 (慶応義塾大学 政策メディア研究科)
    今井 むつみ (慶応義塾大学 環境情報学部)
    人が妥当性を推論するとき、論理ではなく結論と自分の考えの近さによって妥当性を評価する傾向があることが知られている。今回はその傾向を踏まえ、自粛の是非などの意見が述べられた、人々が日常で評価するような文章を用いて妥当性評価のメカニズムを探った。結果、妥当性評価には、先行研究の通り結論と評価者の考えの近さに加え、文章で引き合いに出される根拠一つ一つのもっともらしさが重要であることが示唆された。