日程

オーガナイズドセッション (OS03)

文化的実践における認知研究の相互理解に向けて―理論や世界観と知見の関係を探る
9月3日(金) 16:00 - 18:00
会場:zoom会場No.2
オーガナイザー:土倉 英志(法政大学),郡司 菜津美(国士舘大学)
  • OS03-1
    理論や世界観と知見の関係性を解きほぐす―文化的実践における認知研究の相互理解に向けて
    土倉 英志 (法政大学)
    文化的実践における認知というとらえがたいものに迫ろうとするとき、対象に向けるまなざしやそれを分節化する道具立てが重要となる。往々にしてそれらは理論や世界観と結びついている。つまり理論や世界観は経験的研究を支えうながす。一方でそれらは「部外者」には見えづらく、研究の理解を妨げてしまうことがある。文化的実践における認知研究の相互理解を図るために、時にそれらをあえておもてに出して、理論や世界観と知見の関係性を解いてみることも重要であろう。
  • OS03-2
    調理法は後から決めてもよいか
    招待講演
    高梨 克也 (滋賀県立大学)
    私はよく研究のプロセスを料理に譬える.良い素材を仕入れ,適切な調理法で料理すべし,ということである.しかし,我々の多くはさほど多くの調理法を身に付けてはいない.むしろ得意な調理法に合わせて扱う素材の方を選別したり,悪くすると,その素材には不適な調理法を十年一日のごとく振り回していたりする.そこで,素材と調理法との対話を意識的に試みた例として,多職種ミーティングにおける「気になるのは」という表現の多角的分析を取り上げて論じたい.
  • OS03-3
    アフォーダンス:エンカウンターとその制御
    招待講演
    青山 慶 (岩手大学)
    アフォーダンス理論の提唱者であるJ. J. Gibsonは、晩年に「エンカウンター」という概念を独自に発展させようとしていた。「知覚者のうちにも環境のうちにもなく、知覚者と環境との出会いのうちにある」(Gibson, 2015)というエンカウンターは、ギブソン流の実在論を理解する手がかりになる可能性がある。本発表では、複数の人々が共同で行為する場面をエンカウンターの観点から検討し、アフォーダンス理論について考察したい。
  • OS03-4
    公募発表
    原田 悦子 (筑波大学人間系)
    荒井はつね (筑波大学)
    人はどのように漫画を読むのか,そのプロセスを明らかにしていくための一つの方法として,「異なる目的のために異なる読み方をしている」個々の読者間での比較がある.本研究はその一例として,二次創作経験者とそうではない一般読者との間で,読み過程の比較検討を行った.その結果,漫画に対する読みの量的な相違,ならびにその結果としての記憶成績の相違等が示された.また読み過程における発話内容の分析から,そこで行われている読み過程について,考察を行った.
  • OS03-5
    公募発表
    古藤 陽 (東京大学大学院)
    清水 大地 (東京大学大学院)
    岡田 猛 (東京大学教育学研究科)
    本研究では,日常におけるものの見方の変化を促す美術鑑賞教育の手法を提案し,大学生を対象とするワークショップ実践によりその効果検証を行った.ワークショップ前半では美術作品,後半では日常的に身近にある対象を題材として,観察を踏まえて対象の魅力を見出し,その魅力を伝える文章をグループで共同執筆することを求めた. 本稿は古藤・清水・岡田(2021)の発表内容に基づき,ワークショップ中のグループでの発話により焦点を当て,分析を行ったものである.
  • OS03-6
    ディスカッション:文化的実践における認知研究の相互理解に向けて
    パネルディスカッション
    岡部 大介 (東京都市大学)
    城間 祥子 (沖縄県立芸術大学)
    理論や世界観と知見の関係性について議論するために、多様な分野を軽やかに越境する岡部大介(東京都市大学)、状況論やパフォーマンス心理学に造詣の深い城間祥子(沖縄県立芸術大学)のふたりをパネリストに迎えて、登壇者全員でディスカッションを行う。文化的実践における認知を研究することの面白さや意義について議論していきたい。フロアからの質問も歓迎する。