研究分野別一覧

思考・知識

  • OS02-2
    公募発表
    二宮由樹 (名古屋大学)
    三輪和久 (名古屋大学情報学研究科)
    寺井仁 (近畿大学産業理工学部)
    We need to control automatic cognitive processes like intuition when required normative judgment and behavior. In previous studies, conscious control over automatic judgment is said to occur by monitoring that automatic judgment fails. However, in these explanations, although we can explain the mechanism of control when the intuition is wrong, we cannot explain the mechanism of control when intuition is correct. Therefore, in this research, we conduct experiments on how type 2 processes are activated when intuition judgment is correct .
  • OS02-4
    公募発表
    小田切史士 (青山学院大学社会情報学研究科)
    山田優志 (青山学院大学教育人間科学部)
    鈴木宏昭 (青山学院大学教育人間科学部)
    洞察問題とWorking Memoryの関係を検討した事例には一貫した結果が見られないことを踏まえ、使用する洞察課題とWMにかける負荷の性質をそれぞれ、言語的なものと視空間的なものの二種類を用意し、両者の相互作用による影響を検討した。結果は課題と負荷がWMの同じ構成要素の容量を用いる場合では解決が最も悪く、異なる容量を用いる時には解決が最も良くなり、両者の組み合わせで結果に違いが生じてくることが示唆された。
  • OS02-5
    公募発表
    服部雅史 (立命館大学総合心理学部)
    織田涼 (東亜大学人間科学部)
    西田勇樹 (立命館大学文学研究科/日本学術振興会)
    問題解決における無意識的過程に焦点を当て,潜在ヒントが問題解決を(促進ではなく)妨害するという現象について仮説を立て,4つの実験を通して,洞察問題解決の2つのパラドックスについて考察した。その結果,知識を持っていても問題解決に使えないこと(第1のパラドックス)には,認知コントロールによる抑制が関係し,無意図的・自動的に解決に至ること(第2のパラドックス)には,認知コントロールの低下による脱抑制が関係していることが示唆された。
  • OS03-2
    公募発表
    榎本美香 (東京工科大学)
    本研究の目的は,自身の身を世界に晒すことにより、世界との調和に至る身体の認知モデルを構築することである。我々は初めて行う方法で世界に向き合わねばならぬ時、生まれたての子鹿のように覚束ないが、次第に大地に対する力のかけ方とバランスを見出していく。本研究では、著者自身が水泳とサーフィンを学習する場面を一人称視点で分析し、世界の物理的法則の中へ自身の身体を滑り込ませるに至る知覚形成過程をモデル化する。
  • OS03-5
    公募発表
    藤井晴行 (東京工業大学環境・社会理工学院)
    篠崎健一 (日本大学 生産工学部)
    風土や文化に根ざす生きるための知と科学技術が相克しつつも共存する背景にあるものごとを、空間図式に注目し、地域にある臨床の知の共創と継承のための4つ課題を通して浮き彫りにした。1)普遍性に駆逐された固有性に再び意味を持たせ、2)固有の文化と普遍的な要求を共存させる術を探し、3)普遍的な技術を加えて固有の知を更新し、4) 固有の知と普遍的な知の折り合い方を探ることである。これらはいくつかの研究方法を並行して繰り返して気づいた仮定である。
  • OS05-4
    公募発表
    白砂大 (東京大学総合文化研究科)
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部ビジネス心理学科)
    植田一博 (東京大学総合文化研究科)
    身体性認知の研究において,身体状態と心理的状態との関連は長年,議論されている。本研究では,体勢という身体状態に注目し,前傾の体勢が意思決定に与える影響について,座面が前方に傾いた「前傾椅子」,および傾きのない「通常椅子」を使用し,行動実験により検証した。結果として,座面の重心が前方にかかっていた参加者は,より積極的・寛容的な意思決定を示す傾向にあった。本研究の知見は,望ましい意思決定に向けた環境設計につながる可能性が期待される。
  • OS05-5
    公募発表
    中村國則 (成城大学社会イノベーション研究科)
    今川翔太 (成城大学社会イノベーション学部)
    切りのいい値を基準として行動が変容するという概数効果(round number effect: Pope et al, 2011)を検討するため,2005年から2017年までの日本プロ野球の打率成績を分析し,打率が2割9分9厘の打者の数と3割0分0厘の打者の数を比較した.その結果,前者に比べ後者の比率が不自然に高いことを見出した.
  • sP1-3
    田中孝治 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学系)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    学際的態度や能力の育成には,異なる学問領域の関係性を考える経験が必要であり,学際的研究分野の学問の教育がその一役を担いうると考えている.本研究では,認知科学と認知心理学の関係性を考える授業科目を設計・開発する.本稿では,講義初日と最終日における,両学問の理解と両学問の関係性に対する考えに関する記述を分析し,その結果を基に学習者の認知科学と認知心理学の関係性に対する理解状態の一端を示す.
  • sP1-4
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    田中孝治 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学系)
    認知科学や認知心理学のように学際的分野の講義では、特定領域の概念の習得のみならず、それらが包含する複数の分野間の関係を理解する事が求められる.本研究では,複数分野の関係性理解を定量化する試みとして,「認知科学概論」講義前後に受講者の回答した分野の心理的距離に着目し,多次元尺度構成法による学問分野の空間配置の変化を分析した.その結果,認知科学,認知心理学に関連する他分野の心理的距離に変化があり,それらの変化と最終評価の相関も見られた.
  • sP1-9
    于成 (大阪府立大学)
    牧岡省吾 (大阪府立大学)
    本研究では,マインドフルネス瞑想が展望記憶と実行機能にどのような効果を与えるのかについて検討した.展望記憶については,背景課題遂行時の展望記憶の成績を,実行機能は,シフト,更新,抑制に関する課題の成績を測定した. 四日間の瞑想を実験参加者に課し,瞑想前後で成績に向上が見られるかどうかを調べた.検討したところ,いずれについても有意な成績の向上はみられなかった.瞑想の実施が不十分であった可能性があるため,手続きを改善して再検討する必要がある
  • sP1-10
    神原一帆 (京都大学)
    本研究はフレーム意味論を用いた名詞分析の枠組みを提案することを目的とする.本稿では Killing フレームにおける動物名詞の分析を通して,従来動詞の意味が重視されてきたフレーム意味論が名詞の意味も扱える可能性を持つことを示す.分析の結果から,(i)フレーム要素の実現傾向が動詞の意味だけに還元できないこと,(ii)名詞の多様な意味は喚起されるフレームによって同定される,という2点を主張する.
  • sP1-16
    米持圭太 (群馬県立県民健康科学大学診療放射線学部)
    松井志保人 (公立藤岡総合病院)
    柏倉健一 (群馬県立県民健康科学大学診療放射線学部)
    本研究は,危険予知トレーニング(K=危険,Y=予知,T=トレーニング:KYT)のプロセスを明らかにすることを目的とした. 実験は,fMRI法を使用し,被験者は事前訓練(KYT)の有無により2群に分けた.両群について,1)KYTと対照画像との比較,2)危険予知と解決策の比較の2つの方法で分析した.この結果,両者では異なるプロセスを行っていること,事前訓練の有無がKYTプロセスに影響を及ぼす可能性があることが推測された.
  • sP1-21
    古藤陽 (東京大学学際情報学府)
    清水大地 (東京大学教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    本研究では,美術の非専門家に対して「日常生活における自己の視点についての発見」および「美術に対する親近感の向上」を促す教育手法を提案し,実験により効果検証を行った.提案手法として,found objectと呼ばれる美術のジャンルの創作プロセスの体験を課題に組み込んだ.実験の結果,参加者に「日常生活における自己に視点についての気づき」が頻繁に引き起こされ,また「美術に対する難解・疎遠なイメージ」が部分的に軽減している傾向が示唆された.
  • sP1-23
    森下美和 (神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学部)
    有賀三夏 (東北芸術工科大学基盤教育研究センター)
    原田康也 (早稲田大学法学学術院)
    阪井和男 (明治大学法学部)
    富田英司 (愛媛大学教育学部)
    大学生活において、国内または海外での研修やインターンシップ、ボランティア活動、留学など、日常的・定常的な学校生活から離れた活動経験は、他者・コミュニケーション・世界に接する態度に変化をもたらし、外国語や専門分野に対する学習意欲を飛躍的に高め、世界観・世界認識の変容を通じて学習ならびに日常生活における行動変容をもたらす。本発表では、セメスター留学の事前・事後に実施した2種類の調査について報告する。
  • sP1-26
    加藤龍彦 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    四項類推を行う能力は人の推論の特質とされるが,近年自然言語処理分野では四項類推課題がモデルの意味の獲得精度の指標として用いられている. 本研究ではSkip-gramモデルに着目して分析,その四項類推が一部単語クラスにつ いて最適化されていないことを示す.その上で既存の四項類推演算を拡張した演算を提案し,この演算によりモデルの類推能力を人 により近似することが可能であることを示す,
  • sP1-27
    福永征夫 (アブダクション研究会)
     21世紀のわれわれは人間の過去の営みが招いた地球規模の難題群の発生に直面している.これらに主体的かつ能動的に対処するためには,環境の淘汰圧に対する自由度の高い,環境の変化に中立的な,経験と学習の認知,思考と行動,評価・感情を自己完結的に実現しなければならない.それは,「自然の循環と融合の論理」に適合するように,営みの全方位において,高深度・広域・高次の経験と学習の認知,思考と行動,評価・感情を自己完結的に実現することだろう.
  • sP1-30
    張寓杰 (ベネッセ教育総合研究所)
    加藤健太郎 (ベネッセ教育総合研究所)
    寺井あすか (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
    中川正宣 (大妻女子大学人間生活文化研究所)
    本研究では大規模言語コーパスから計算された単語間共起頻度のデータベースを用いて,名詞と動詞の「語彙組み合わせ問題」を難易度別に自動的に生成できるシステムを開発した.今回は,このシステムを用いて「名詞(主語)が動詞(述語)」と「名詞(目的語)を動詞」二種類の組み合わせに対して,同じ手順で自動的に問題を生成した.さらに,自動生成した問題を用いた実施テストの結果,想定された難易度がテスト参加者の正答率と十分一致していることが実証された.
  • sP1-36
    鶴島彰 (セコム株式会社)
    東日本大震災の際、仙台のホテルの会議室で撮影された動画において、避難者による、逃走と退避という避難行動の選択が、出口からの距離によって分かれる現象が観察された。我々は、避難行動における同調行動を表現した避難意思決定モデルにより、この動画で見られたような現象の再現を試みた。シミュレーションにおいて、エージェントは逃走と退避をランダムに選択しているにも関わらず、動画のように、逃走と退避が出口からの距離で分かれる現象が創発した。
  • sP1-39
    光田基郎 (大阪教育福祉専門学校)
    光田(関西心’09-10,東北心’11-15)に引き続き,電算に録音・録画して幼児教育志望の学生に読み聞かせた絵本の登場人物に投影された聞き手のシャイネス, 自己開示と社会的スキル取得への意欲と登場人物に対する共感的態度を指摘し,保育志望の大学生と上記の報告で述べた女子短大生,専門学校生との差を強調し, 電算画面での絵本読み聞かせの理解と感じ方のモデル化・効率化の指針を模索した。
  • sP1-47
    神窪利絵 (東京大学生産技術研究所)
    Yuri Klebanov (東京大学生産技術研究所)
    米谷竜 (東京大学生産技術研究所)
    佐藤洋一 (東京大学生産技術研究所)
    Pupillometry involves measuring changes in the diameter of the eye's pupil. Such pupillary responses have been well studied by scientists to link with a great variety of cognitive processes. However, the responses are typically investigated in the lab settings since they are easily influenced by light sources. To pave the way to expand pupillometry research methods, our paper will showcase design implications of a mobile cognitive pupillometry toolkit that can be integrated beyond the state-of-the-art experimental conditions. We discuss benefits, as well as challenges, of conducting cognitive pupillometry experiments in the less-controlled settings.
  • sP1-48
    野村亮太 (東京大学教育学研究科)
    森田賢治 (東京大学教育学研究科)
    丸野俊一 (九州大学)
    学習者は自分自身の理解状態をうまく説明できないことが多い.本研究では学習者の理解を推定する非言語的手がかりとして自発性瞬目の群発に注目した.観察された個人の瞬目間間隔(IBI)から瞬目群発を定義する手法を新たに提案した.提案手法に基づいた瞬目群発は,連続した複数のIBIの情報を用いた場合に数III履修者と非履修者を弁別可能であった.非履修者に多く見られた瞬目群発は,学生が「理解が難しい」と感じたことの指標になることが示唆された.
  • sP1-52
    布山美慕 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    文章理解の機序解明に向け,著者らは,読者が読みつつ文章情報を意味のまとまりごと圧縮し保持する“オンライン要約”に注目した.本研究では,オンライン要約の基礎過程の一つである意味のまとまり範囲推定(意味的段落分け)時に,読者が利用する情報を調べた.実験の結果,意味的段落分けは当該段落内部の情報のみでも一貫性をもって可能だと示唆された.この結果は,意味的段落分けが,段落の意図の記述の必要十分性の認識に依拠するとする本研究の仮説に整合的である.
  • sP1-70
    田中吉史 (金沢工業大学情報フロンティア学部心理科学科)
    美術初心者の美術鑑賞における解説文の効果を、実際の美術展でのフィールド実験によって検討した。作者による解説文を読む条件、作者による解説文に基づきより能動的に鑑賞するように促すよう指示する問いかけ文条件、解説文なしで鑑賞する条件を設け、15ペアの美術初心者がある現代美術展を鑑賞した。問いかけ文条件では解説文なし条件よりも長時間かけて美術展を鑑賞した。鑑賞中の会話内容の分析により、解説文の内容と作品の特徴との相互作用について検討する。
  • sP1-71
    寺井仁 (近畿大学産業理工学部)
    三輪和久 (名古屋大学情報学研究科)
    仲村都奈 (近畿大学)
    本研究では,個人の内的な基準に従って創造性評価を行う場合において,創造性評価に対する直感および熟考の影響を検討した.その結果,創造性評価の一貫性における,直感的判断への選好と評価方法の間の交互作用が明らかとなった.具体的には,(1)熟考的な評価を求められた場合,直感傾向の高低による影響は認められず,(2)直感的な評価を求められた場合に,直感傾向の低い評価者の創造性評価の一貫性が低下することが明らかとなった.
  • sP1-86
    犬童健良 (関東学園大学)
    本論文では古典的な知識表現の一つであるフレームを用いて,日本語文の理解を解釈した.語彙ネットワークは,語フレームの結合によって文フレームを組み立てるサプライチェーンと同型とみなされる.また助詞「は」と「が」の交換による文の意味の微妙な変化を,ネットワークの安定性の問題として定式化する.これにより,従来インフォーマルに論じられてきた総記や対比,情報の新旧,非言語的コンテキストの影響などを,厳密に認知モデル化することが可能になった.
  • sP2-8
    横地早和子 (東京未来大学)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    本研究では,若手と熟達した美術家の創作活動における「ずらし」に着目し,作品コンセプトや表現方法などを新たに生成する際の認知過程について検討することを目的とした.分析結果からは,若手美術家が表現方法を変えずにモチーフを変える対象のずらしを行うなど熟達者と同じずらしを用いる一方,表現のための方法も主題もすべて一気に変えてしまう傾向があるなど,若手が熟達者と異なる方法で作品を変化させていることが分かった.
  • sP2-10
    中村太戯留 (慶應義塾大学)
    ユーモアは皮肉表現からも生じうることが知られている.しかし,ユーモアを生じない皮肉表現もあり,ユーモアを生じる条件は不明である.本研究では,日常的表現を用いて,ユーモアと皮肉の関係を実証的に検討することを試みた.意味分析の結果,ユーモアを生じた群では「次回にやり直しができる程度の悪い出来事」が関与するのに対して,ユーモアを生じない群では「やり直しの出来ない深刻な悪い出来事」が関与するように見える.
  • sP2-11
    阿部慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    本研究では、聴覚刺激による充実時程錯覚が非可聴領域の音源を用いた場合にも生じるかを検討した。実験では、心拍と同程度のペースの断続的なビープ音と、その倍速のペースのビープ音を用意し、それぞれ可聴領域の音域と、非可聴領域の音域で提示し、主観的な経過時間の長さを報告させた。その結果、可聴領域のみ、充実時程錯覚が見られた。
  • sP2-17
    山口琢 (フリー)
    小林龍生 (スコレックス)
    高橋慈子 (株式会社ハーティネス)
    大場みち子 (公立はこだて未来大学)
    パズルを適切に設計して,パズルを解く操作を測定・分析することで,プレイヤーの思考を推定する手法を提案する.パズルとは「人に考えさせるコンピューター・アプリケーション」である.例えば,ジグソー・テキストは,ランダムに並んだ文を,プレイヤーが適切と考える順序に並べ替えて完成させる,文章のジグソー・パズルである.時間的に近くで操作対象となるピース間には何かの関係があると考えられ,操作の時間的な共起分析が,パズル操作の分析に有効と考えられる.
  • sP2-19
    松本一樹 (東京大学教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    芸術鑑賞における認知過程は包括的なモデル化が試みられている.本研究では,その中でも創作プロセスの認識という近年注目され始めた要素について,それが美的印象やその他の認知要素とどのような関係性にあるか,介入(創作経験)を通じて間接的に,心理尺度と発話データを用いて検討した.その結果,創作経験は作品の種類にかかわらず美的印象を促進する効果を持ち,かつその過程の中で創作プロセスの認識が重要な役割を果たしている可能性が示された.
  • sP2-24
    伊藤毅志 (電気通信大学情報理工学研究科)
    This research is an interview with Mr. Yuuta Igawa who is a top-player of Go and analyzing the content that he said about himself in the first person viewpoint. It was also confirmed that he is a player with high self-analysis ability and can talk his thought objectively. The verbal data shows the difference between Go and Shogi and the common point as a top player.
  • sP2-28
    石川悟 (北星学園大学文学部)
    説明資料に事前に与えられたタイトルが,説明内容に対し抱かせる期待及び,内容の理解や説明に対する満足をどのように導くのか,探索的に検討を加えた.実験参加者に異なるタイトルを提示した後に説明を聞かせたところ,タイトルの違いにより異なる事前期待が生じた.また,事象の全般にわたった説明が聞ける,という期待は,事後評価や説明内容の理解の程度,あるいは説明に対する満足の程度を促進することが示唆された.
  • sP2-31
    中根愛 (NTT)
    渡邉浩志 (NTT)
    小林哲生 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    ワークショップの個人ワークで内省を行う際に,外化をすること,外化をしないことが,参加者の思考や感情にどのような影響を与えるのかについて探索的に検討を行った.結果,外化する場合は論理性・一貫性が高い思考が可能になるが,自ら設定した枠組みに含まれない概念や,矛盾したアイディアは考慮の対象にならないことが示唆された.外化しない場合には,枠組みにとらわれない思考がされ,内省や共有の際に,自身の考えへの新たな気付きが多くされることが示唆された.