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発達

  • O3-3
    中田龍三郎 (名古屋大学情報学研究科)
    久保(川合)南海子 (愛知淑徳大学心理学部)
    岡ノ谷一夫 (東京大学総合文化研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学情報学研究科)
    赤信号および赤信号に続く黄信号で高齢者の前頭部の脳活動に左優勢の不均衡状態(怒りを構成する要素である接近の動機づけの高まりを示唆)が生じるか検討した。高齢者と若齢者を対象にドライビングシミュレータを操作して赤信号もしくは青信号のある交差点を複数通過させた。続いて黄信号のある交差点を2回通過させた。NIRSにより脳血流量を測定したところ、高齢者では赤信号だけでなく、続く1回目の黄信号で左右前側頭部に左優勢の不均衡状態が生じていた。
  • OS03-6
    宮崎美智子 (大妻女子大学)
    浅井智久 (ATR)
    麦谷綾子 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    これまで調べられてこなかった幼児期の身体イメージの獲得を評価できる課題を開発し、その有用性の検討を行った。課題は3Dの顔検出技術と拡張現実(AR)を用いて、スクリーン上に呈示された自己顔に重ねて提示されるキャラクターを正しく触れるかどうかをテストするものである。半数以上の参加者が37試行中30試行以上の課題に取り組み、課題の有用性が示された。定位エラーの分析により、2歳児の顔部位の認識が成人同様ゆがんでいる可能性が示唆された。
  • OS11-7
    伴碧 (同志社大学)
    高橋英之 (大阪大学)
    幼児期の子どもは,ロボットをしばしば生物として認識してしまう。その理由として,ロボットに顔(目)といったように人間的特徴が付与されていることが挙げられる。そこで本研究では,人間的特徴が付与されていないロボットとのリズム相互作用によって,幼児が生き物らしさを感じるか検討を行った。その結果,リズム相互作用後幼児はロボットの描画に目を付与する傾向が高いことが示された。つまり,リズム相互作用は生き物らしさを感じさせる一因となることが示唆された。
  • OS11-15
    熊崎博一 (金沢大学子どものこころの発達研究センター)
    吉川雄一郎 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
    松本吉央 (産業技術総合研究所ロボットイノベーション研究センター )
    石黒浩 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    宮尾益知 (どんぐり発達クリニック)
    三邉義雄 (金沢大学子どものこころの発達研究センター)
    菊知充 (金沢大学子どものこころの発達研究センター)
    自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)者にとって就職面接は社会参加への大きな障壁になっており、ASD者への就職面接支援は喫緊の課題となっている。我々はアンドロイドを介した模擬就職面接を設定し、その効果と課題について検討した。5日間という短い期間ではあったが、アンドロイド面接群において経過の中で就職面接に対する自信が改善傾向にある方が多数いることを示した。
  • OS17-3I
    依頼講演
    郷式徹 (龍谷大学文学部)
    過去30年にわたり心の理論、特に誤信念課題を用いた膨大な研究がなされてきた。現在では、誤信念課題に誤答する段階(4歳未満)、回答の理由は言えないが正答する段階(4~7歳)、正答した上で回答の理由を説明できる段階(小学生以上)を経て発達していくことがわかっている。こうした段階を経る理由として、志向性に対する直観的な処理に対する実行機能や言語(による思考)の関連が次第に明らかになりつつある。
  • P1-4F
    宇野正明 (代々木ゼミナール)
    本研究の目的は、習熟による学習方略の質的変化から学びの全体構造を明らかにすることにある。まず学びの全体性を3層構造と仮定した調査項目を作成し、習熟の進行によって層を超えた意識づけが生じることを検証した。次に実際の学習場面におけるノートや作文を取り上げ、習熟による表現の変化を分析した。両者の研究から、同じ学習方略を用いても習熟の違いで異なる意味付けがなされること、それは上層が下層を組み込みながら活用する包含関係で進行することを確認した。
  • P1-18F
    牛久香織 (心泉學舎)
     本研究では,球状の野菜および果物を識別する過程で色・大きさ・断面・視覚的特徴・触覚的特徴・味覚特徴・食材として使用された場合の献立についての知識・旬の季節に関する知識はどのように作用するのかについて4学齢の幼児を対象に横断的に調査を行なった.結果,同種の形状の対象を識別する際には色と大きさが重要な判断基準になるものの,同種の形状の対象について識別する手立ては対象によって異なることが示唆された.
  • P1-27F
    山本寛樹 (京都大学大学院文学研究科)
    佐藤徳 (富山大学人間発達科学部)
    板倉昭二 (京都大学大学院文学研究科)
    歩行獲得によって乳児の視野にはより遠い位置が映り、乳児はより遠い物体を探索するようになる。このような歩行獲得に伴う遠方への探索傾向が社会的場面でもみられるのかを検討するため、日常場面での母子間の視線交渉が生じた距離を歩行獲得の前後で比較した。7組の母子を対象に、乳児が生後10-16か月の間、縦断的参与観察を行った。視線交渉が生じる母子間距離は歩行獲得の前後で変わらず、歩行獲得後の遠方への探索傾向は物理的場面に限定されることを示した。
  • P1-39
    西尾千尋 (東京大学大学院)
    乳児が実際に歩行を学習する環境である家庭で起こる自発的な歩行のサイズを調査するために、2名の乳児について独立歩行開始から3ヶ月間の家庭での歩行を観察した。ひとまとまりの歩行の50%は10歩未満の歩数で構成されていた。また、一度に50歩以上歩くことができるようになっても10歩以下の歩行は継続して観察された。
  • P1-40
    松永理恵 (神奈川大学人間科学部)
    ハルトノピトヨ (中京大学工学部)
    横澤宏一 (北海道大学大学院保健科学研究院)
    阿部純一 (北海道大学名誉教授)
    聞き手は,所属する文化の音楽に曝されることで文化特異的な調性スキーマを習得する。現代日本は,西洋音楽と日本伝統音楽の両方が存在するバイミュージカルな環境にある。では,このような環境で育つ日本人の調性的感覚は年齢と共にどのように変化していくのであろうか。本発表ではこの疑問を,横断的研究法により調べた一連の実験結果を報告する。
  • P1-47
    本多明子 (至学館大学健康科学部)
     本論文の目的は,認知言語学の用法基盤理論,構文文法論の考えの一つである構文間の「継承リンク(Inheritance Link)」について,言語獲得の側面から構文の継承モデルを示すことである.本論文で取り上げる構文は英語の動詞不変化詞構文である.本論文ではCHILDESの言語資料をもとに,こどもがどのような構文を使用しながら英語の動詞不変化詞構文を獲得していくのかその過程を考察することを通して上記モデルを提示する.
  • P1-48
    池田彩夏 (京都大学文学研究科)
    奥村優子 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    小林哲生 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    板倉昭二 (京都大学文学研究科)
    協力は一般的にはポジティブな行為であるが、不正を促進するというネガティブな側面も持つ。本研究では、6-7歳児を対象に、負の協力がどのような状況下で生じるか、また、児童が負の協力にどのように関与しているのかを検討した。実験の結果、参加児は、他者と協力関係にあり不正が互いの利益となるとき、また、他者と協働関係にありかつ自分自身の報酬が高水準で確保されている時に受動的な負の協力を示すことが明らかとなった。
  • P1-50F
    趙曌 (広島大学)
    酒井弘 (早稲田大学)
    本研究では,他動詞文中で目的語を表示する格助詞の学習に有効であった高省略分の出現頻度を操作することで,インプット中にどれほどの項省略文が出現すればそれは格助詞の学習に効果を発揮するのかについて検討した.結果,実際のインプット中の出現頻度である80%の出現率,さらにはそれよりも少ない20%の出現率でも,項省略文はその効果を発揮し,子どもは格助詞の学習に成功していた.
  • P2-10
    青山征彦 (成城大学社会イノベーション学部)
    学びや実践がどのような基盤に支えられているかについて、レジンアクセサリーの制作を趣味としている女性のインタヴューを、野火的活動という観点から分析した。その結果、宇宙塗りという技法がテンプレートとなって、実践に参入しやすくなっていること、ハンドメイドについての予備的な知識を持っていることが参入を助けていること、制作には100円ショップが、実践に意味を与えるにはイベントが重要な意味を持っていることが明らかになった。
  • P2-36
    橋爪一治 (島根大学大学院教育学研究科教育実践開発専攻)
    森脇春奈 (前島根大学教育学部)
    本研究は,文字や記号に関する大域傾向はいつごろからみられるのかなど,子どもの成長による注意能力の特徴を明らかにすることを目的とした。被験者は小学校児童36名,大人10名,計46名であった。PC画面上に小さな記号や文字(局所文字記号)で形づくられた別の大きな記号や文字(大域文字記号)が表示された。被験者は,大域文字及び局所文字記号を回答し,その時間を計測した。その結果年齢の増加による発達の特徴が確認された。
  • P2-44
    石川光彦 (京都大学文学研究科)
    板倉昭二 (京都大学文学研究科)
    他者の視線が物体に向いていることで、乳児はその物体への選好を示すことが報告されている。本研究では、他者と同じ対象に注意を向ける共同注意の場面では、視線が向いている対象への選好だけではなく、同じ対象に視線を向ける人物への選好も生じるかを、視線が向く対象に物体と人物顔を用いて検討した。その結果、共同注意をする対象が物体か人物顔かによって乳児は異なる選好注視をしたことから、三項関係の構成によって共同注意の効果が異なることが示唆された。
  • P2-47
    青山慶 (松蔭大学コミュニケーション文化学部)
    本研究では,2名の養育者と1名の乳幼児が暮らす住居の日常場面の様子を縦断的にビデオ撮影し,家具の配置換えの変遷を抽出した。Sの移動と合わせて縦断的な分析を行った結果,養育者による家具の配置換えは,横方向への移動の広がりと,縦方向への乳幼児の移動の広がりを,水平面と垂直面の配置によって制御することとして特徴づけられることが示唆された。