研究分野

言語

  • O2-2
    中野 珠実 (大阪大学大学院情報科学研究科)
    粟田 里恵 (大阪大学大学院情報科学研究科)
    大泉 匡史 (東京大学大学院総合文化研究科)
    桑野 大輔 (公益財団法人 神経研究所)
    佐治 伸郎 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    丹治 和世 (公益財団法人 神経研究所)
    加藤 進昌 (公益財団法人 神経研究所)
    本研究は、日本語オノマトペの意味理解と、実際の触感体験をオノマトペでどう表現するかを成人の自閉スペクトラム症(ASD)群と定型発達(TD)群で比較した。心理評価に基づくオノマトペの意味理解に両群で違いはなかった。一方、TD群と比べてASD群は布の感触に適合するオノマトペの選択がより限定的かつ独自的であった。これは、ASDにおいてオノマトペの語彙知識に問題はないが、感覚経験の言語表現に特異性があることを示唆する。
  • O3-2
    飯山 陸 (早稲田大学)
    細馬 宏通 (早稲田大学)
    本研究は,日常的な感覚・行為である「痒み」,そして「掻くこと」(掻破行為)について,痒みという発話や掻破行為がいつ・どのように行われているかについてデータ分析を行った.その結果,掻いている当人が他者の注意が向けられていない「隙」を突いて掻くことで,他者に痒みについて発話させないことを日常的に行っており、掻いている当人が発話した場合を除いて痒みに関する会話をすることは少なく,会話をしたとしても長くは続かないことが明らかになった.
  • P1-6
    福地 庸介 (東京都立大学)
    本稿では、SNS上の情報探索を通じたユーザの信念形成過程、特に確証バイアスを、能動的推論としてモデル化する。モデルは、投稿の観測による信念更新量と信念に適合する投稿の観測で得られる満足のバランスとして、確証バイアスを定量的に説明する。仮想SNSを用いたユーザ実験では、参加者が確証バイアスにより信念を維持・強化する傾向が確認された。さらに、仮想SNSにモデルを適用した結果、初期信念の偏りと学習率が確証バイアスを再現する可能性が示唆された。
  • P1-23
    金城 光 (明治学院大学 心理学部)
    沈 慕榕 (明治学院大学 心理学部)
    佐久間 崚成 (明治学院大学 心理学部)
    高齢者の否定文の理解については一貫した結果が得られておらず,未だ明らかになっていない.本研究では若者を対象としたKinjo & Saito (2025)を参考に,否定の命題を含む単純な2種類の真偽判断課題を用いて,高齢者に同じ課題を10回実施してもらい,否定条件の成績を肯定条件に対して同程度まで向上させることができるのかについて検討した.得られた結果と先行研究を比較し,高齢者は若者よりも否定命題の理解が難しいのかについて議論する.
  • P1-29
    岡 隆之介 (追手門学院大学 心理学部)
    神長 伸幸 (ミイダス株式会社 HRサイエンス研究所)
    本研究は,特定の職業場面における比喩選好の個人差を測定するための比喩選好課題 (職業比喩課題)を作成し,その内的整合性とパーソナリティ尺度との関連の予備的検討を目的とした.参加者 (N = 224)は,今回開発した職業比喩課題,曖昧さ耐性尺度 (今川, 1981),そしてTIPI-J (小塩他, 2012)に回答した.結果,職業比喩課題は高い内的整合性を持ち,外向性と負の相関関係, 協調性と正の相関関係にあることが示唆された.
  • P1-39
    関根 和生 (早稲田大学)
    大隈 玲志 (早稲田大学)
    番 浩志 (情報通信研究機構)
    ジェスチャーが発話産出を促進させる神経基盤についてはよくわかっていない.本研究では日本語母語話者を対象に,ジェスチャー産出と抑制の条件下で30秒間のアニメーションを説明させ,MEG(脳磁図)で計測を行った.ジェスチャー使用条件よりも,ジェスチャー抑制条件において,発話開始直前に脳活動(RMS値)が上昇し,両側前側頭葉の強い活動がみられた.この結果からは,ジェスチャーが発話処理の負荷を軽減させていることが示唆された.
  • P1-52
    粟津 俊二 (実践女子大学)
    黙読時に主観的に経験される内なる声(IRV)について,413名へのアンケート調査をもとに,個人差を測定する尺度を試作した.会話文と説明文各3文ずつへのIRV経験を5段階で回答させることで,個人差と刺激差を測定することができた.また,数式という他刺激でのIRV経験と正の相関が確認された.この個人差と認知スタイルとの関係を探索したが,明確な関係は見られなかった.採用した刺激文に偏りがあるため再検討は必要であるが,尺度の作成は可能と考える.
  • P1-55
    犬童 健良 (関東学園大学経済学部)
    本研究は,表意作用を記号間のマニピュラビリティとして形式化し,Prologを用いて意味の流れの場を可視化する.表意作用はある対象の集まりの順序の対(プロフィール)の集合をドメイン(定義域)から対象の離散的な勾配,すなわち各順序に対応するエージェント最適反応が恒等写像でない場合である.Gibbar-Satterthwaite定理は独裁的ドメインでの意味の発生を保証する.つまり非独裁かつ全射的であればマニピュラブルなプロフィールが存在する.
  • P1-68
    川端 良子 (国立国語研究所)
    大村 舞 (大阪松蔭女子大学)
    加藤 祥 (北海道大学)
    浅原 正幸 (国立国語研究所)
    竹内 誉羽 (ホンダ・リサーチ・インスティチュート)
    本研究は、特定の場所に対して人々が連想する語を大規模に収集・分析し、連想表現からの場所推定に資するデータを構築することを目的とする。関東地方の7都県を対象に、「おすすめの場所」に関する連想表現を収集した。また、得られた語から場所を推定する実験を実施し、どのような語が推定に有効かを検証した。さらに、人手によるラベル付けを通して語の分類と傾向を分析した。これにより、場所に関する語の認知的特徴と、場所同定に寄与する語の性質を明らかにした。
  • P1-69
    安田 哲也 (東京大学)
    野田 純輝 (東京電機大学)
    小林 春美 (東京電機大学)
    発話に内包された意味を解釈することは、円滑なコミュニケーションにおいて重要な役割を果たす。参加者は、消火器の点検に関するシナリオを提示され、情報アクセスの程度および点検時期(1週間前/1年前)を操作した条件下で場面を観察した。その後、良好な状態であった消火器の本数を推測する課題に回答した。その結果、情報アクセスが制限されている場合や、点検がより最近に実施された場合に、「すべてではない」と解釈する傾向が高まることが示された。
  • P1-70
    藤井 奏 (国立米子工業高等専門学校)
    林 侑輝 (国立米子工業高等専門学校)
    京都独自の言語文化である京ことばは、京都に馴染みのない観光客などにはその真意が伝わりにくいと考えられる。本稿では、京ことばを分かりやすい表現にし、京ことばの持つ意味を補足することで京ことばの理解及び円滑なコミュニケーションを支援し、更に補足情報も付加することで京ことばへの理解を深めることを目的としたアプリケーションの開発について述べる。
  • P1-71
    林 侑輝 (国立米子工業高等専門学校)
    本稿では、身体性に着目したナレーション技術の向上支援について提案する。本稿執筆時点では構想の域を出ないが、従来余り注目されたなかった身体性や認知的な側面からナレーション技術を捉えてみたい。研究手法としては、主にフィールドワークと行動実験を併用する事を計画している。最終的に、ナレーション技術を定量的・定性的に記述する事と、プロの技術を参照しながらアマチュアの技術を向上させる事が目標である。
  • P2-3
    宮本 真希 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院)
    本研究では,図形から感じられる硬度の印象が,マンガの描き文字の特性によってどのように変化するのかを調査した.実験では,白い正方形が落下して地面と衝突する際に,衝突音を表す描き文字が正方形付近に表示されるアニメーションを参加者に提示し,衝突時の正方形の硬度印象を参加者に評価させた.実験の結果,図形に対する硬度印象の変化には,テキスト内容,文字輪郭の直線性,線の波打ち度合い(周波数)の影響が示唆された.
  • P2-4
    成見 翠 (香川大学創発科学研究科)
    西中 美和 (香川大学創発科学研究科・香川大学地域マネジメント研究科)
    コメディカルが業務で感じる感情的不協和は,従来の患者に対するものから,連携や協働から来るものへと変化があるが,この点に関する研究は少なく,本稿はその背景や要因を調査する.また,医療現場では組織内での何気ない会話が減少傾向にある.不協和経験の言語表出のニーズ,実際の対処をコメディカルに調査し,心理的抑制や機会制限などの阻害要因も踏まえた表出の不協和軽減効果について,明らかにする.
  • P2-5
    小林 春美 (東京電機大学)
    村田 輝斗 (東京電機大学)
    安田 哲也 (東京大学)
    指示詞は対面状況で広く研究されてきたが、仮想環境における使用実態は不明である。本研究では、PCゲーム課題を用いて、指示対象の可視性が指示詞使用に与える影響を調べた。結果、対象が自分にのみ見える場合「これ」、自分には見えない場合「あれ」を多く使用した。仮想空間でも可視性が指示詞選択に影響することが示唆された。
  • P2-6
    川﨑 貴子 (法政大学)
    田中 邦佳 (法政大学)
    John Matthews (中央大学)
    Ngoc Tram Nghiem (法政大学大学院)
    本研究は、日本語話者とベトナム語話者が英語の摩擦音 /s/-/ʃ/ をどう区別するかを検討した。日本語話者はF2に依存し、L1の /s/-/ɕ/ 対立からの転移が見られた。ベトナム語話者はL1でCoGとF2を用いていたが、L2ではF2の利用を減らし、CoGへの依存を強めた。これはSLM-rが提唱する、L2入力に応じた知覚手がかりの調整を支持する。
  • P2-9
    本多 明子 (神戸女子大学)
    本研究では,認知言語学で提唱されている構文ネットワークに存在する英語の結果構文と使役移動構文の関係について,言語獲得の側面から考察する.前者は状態変化を,後者は位置変化を言語化する.発話データベースCHILDESから両構文を抽出し,データ分析の結果を提示する.その結果を基に,子どもが状態変化をどのように捉え言語化しているのか,また,両構文の関係はどのようになっているのかについて構文文法論の継承リンクという考えをもとに提示する.
  • P2-16
    安永 大地 (金沢大学)
    高井 瑞季 (金沢大学)
    本研究では日本語語彙の音声認知におけるアクセント逸脱と分節音逸脱の脳内処理の違いをN400を指標に検討した.アクセントによって意味が区別されるオノマトペを用い、4条件(統制,分節音逸脱,アクセント逸脱,二重逸脱)を呈示して脳波を計測した結果、分節音逸脱では520ms以降、アクセント逸脱では680–840msにN400効果が観察され、処理のタイミングが異なることが示された。また、分節音情報の方が意味認知への影響が大きい可能性が示唆された。
  • P2-22
    定延 利之 (京都大学)
    本発表は,母語話者式の非流暢性を身につけることが学習者に役立つことを日本語について示そうとするものである.学習者20名に,発表者(日本語母語話者)の流暢な言い方と,概ね同内容の非流暢な言い方を真似させ,それを録音して日本語教育関係者111名に自然さを評価させたところ,非流暢な言い方の方が高い評価を得る場合が多かった.この結果は,母語話者式の非流暢性が,学習者にとって有益である可能性を示唆している.
  • P2-31
    張 銘一多 (千葉大学大学院 情報・データサイエンス学府)
    伝 康晴 (千葉大学)
    対話型AIをゲームに導入することは、単に新たな遊び方を提供するだけでなく、人間と人工知能との新たな交流様式を提案する試みである。特定の環境設定や機能設計によって、ゲーム内での対話型AIとの会話において、ユーザが入力時に「訂正」という修復行動を行う場面が観察される。この修復行動は、自然会話における聞き手の注意喚起を目的とするものではなく、むしろゲームAIの理解能力の限界を考慮し、誤解を最小化することを意図しているものである。
  • P2-41
    笠野 純基 (北陸先端科学技術大学院大学 共創インテリジェンス研究領域 橋本研究室)
    橋本 敬 (北陸先端大学)
    多様な思考は,柔軟な発想だけでなく,人工的な構造物の組み替えによる心的操作にも支えられている可能性がある.本研究では,3語句の修飾関係を組み替えることで異なる意味を生成する階層操作課題と,他者の心的内容に関する推測を生成する推測課題を用いて両者の関係を検討した.結果,階層操作課題を先に行った場合にのみ,推測の多様性との相関が確認された.これは,構造的な認知的操作が後続の多様な意味の生成を促す可能性が示唆された.
  • P2-50
    氏家 悠太 (立教大学現代心理学部)
    高橋 康介 (立命館大学総合心理学部)
    本研究では,McGurk効果における話者の顔と声の属性(成人・子供)の影響を,CIMSモデルを用いて検討した。主な結果として,子供の声が提示された条件では因果推定確率と錯覚率が低下し,視聴覚情報を同一の原因と判断する傾向が弱まることが示された。一方で,知覚精度には差が見られず,視聴覚統合の判断は話者属性などのより高次な因果的意味づけの影響を受ける可能性が示された。
  • P2-54
    平野 達也 (東海大学)
    中谷 裕教 (東海大学)
    本研究では、合成音声における日本語の聞き取りやすさ向上を目的に、抑揚の大きさが聞き取りやすさおよび自然性に与える影響を被験者10人で検討した。聴取実験とアンケート調査を通じて、抑揚の変化による聞き取りやすさの違いを確認した。また、抑揚が大きい条件では音声の好ましさが聞き取りやすさに強く関与する傾向が見られた。話し方から受ける印象を評価した好悪という因子は、自然性に対しても有意な影響を与えていた。
  • P3-9
    山川 真由 (慶應義塾大学)
    清河 幸子 (東京大学)
    本発表では山川・清河 (2017) の追加分析を報告する.アイデア生成前に関連性の低い2対象の共通点を探索する条件(共通点探索条件)と連想語を列挙する条件の間で,生成されたアイデアのカテゴリ数,事前課題との関連を比較した.その結果,条件間でカテゴリ数に差はみられなかったが,共通点探索条件では,より多くの共通点を挙げる人ほどアイデアのカテゴリ数が多い傾向がみられた.共通点探索が多様な観点でのアイデア生成に寄与する可能性が示唆された.
  • P3-20
    本名 貴喜 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院)
    発達性書字障害の書字特徴を明らかにすることを目的として,漢字書き取り課題を実施し,誤答の分析を行ってきた.従来は音韻・意味・形態の大分類に基づく方法を用いていたが,多様な誤答の構成的特徴を捉えるには限界があった.今後は,各誤答を複数の評価軸に基づいて記述する分析枠組みを導入し,より精緻な把握を目指す.
  • P3-23
    川原 名見 (東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程))
    髙橋 麻衣子 (早稲田大学)
    犬塚 美輪 (東京学芸大学)
    本研究では,手書き文字の評価の観点を探索的に検討することを目的とし,中学生の手書き文字(n=174)への書写指導者(エキスパート)1名と一般成人(ノービス)1名の評価を分析した。両者の総括的評価には中程度の相関があった。エキスパートの分析的評価8観点のうち,字形と配字観点が総括的評価を有意に予測した。一方,「今後伸びる生徒」の判断と総括的・分析的評価には関連が見られなかった。結果を元にエキスパートとノービスの観点の異同について議論した。
  • P3-25
    千田 一朗 (近畿大学)
    大井 京 (近畿大学)
    本研究は,判断におけるフレーミング効果と共感性との関連性を検証する。実験では,フレーミング課題と5種類の共感性尺度(被影響性,他者指向的反応,想像性,視点取得,自己指向的反応)を用いた.その結果,被影響性・視点取得・自己指向的反応とフレーミング効果による選好の変化の回数に有意な正の相関が確認された.これらの結果から,フレーミング効果の生起要因として共感性が関係していることが示唆された.
  • P3-40
    梅村 弥生 (千葉大学融合理工学府博士課程院生)
    伝 康晴 (千葉大学)
    本研究が注目している現象は,対象を知覚的にアクセスできない状況のもとで,それでも「共同注意」が達成され,活動が展開する事例である.こうした状況下での指示詞の使用は,指示詞が何を指しているかといった従来の距離に依存した指示詞理解では十分捉えきれない.本研究の目的は,指示詞を利用した発話に加えて,ジェスチャー,視線をも取り込みながら,指示詞による参照の理解が参与者の間の相互行為として,どのように成立するかを示すことである.
  • P3-48
    黒田 航 (杏林大学(医学部))
    本研究の目的は(L-)LDA が抽出するトピックは「意味」に対応している必要がないという再解釈の妥当性を確かめる事である.幾つかの言語の語形を(L-)LDAでクラスタリングし,その結果を自己教師型分類課題として評価した.LDAではそれなりの精度の分類が,L-LDA では高精度の分類が実現された.トピックが「意味」に対応しているなら,この結果は説明できない.背理法により,トピックは意味に対応している必要がないと結論できる.
  • P3-50
    山森 良枝 (同志社大学)
    言語行為モデルに文脈の首尾一貫性を求めるRoberts(2012)がある。しかし、日本語会話では質問への否定的回答に発話命題の真理条件ではなく帰属文脈の修正を求めるメタ言語否定のみが可能な場合があり、文脈が発話に即して変化しうることが示唆される。 本研究では、言語行為の目的は首尾一貫した談話文脈の更新ではなく対話者の局所的な談話文脈のupdateにあることをメンタル・ファイル理論を使って提示する。
  • P3-55
    中村 太戯留 (武蔵野大学)
    ユーモア理解の地域差について,ユーモア理解の「見いだし」理論による説明の可能性を検討した.具体的には,保護フレームないし関連性がユーモアの面白さに与える影響について,ひねり,ユーモア態度,居住地域による変調の可能性を実証的に検討した.その結果,居住地域により関連性を感知するひねりやユーモア態度に違いがあり,保護フレームの作用と合わせて,ユーモアの面白さに影響する可能性が示唆された.
  • P3-56
    澤田 知恭 (筑波大学大学院心理学学位プログラム)
    原田 悦子 (筑波大学/イデアラボ)
    会話中では発話する直前に,相手発話の聴取理解と自らの発話計画による二重課題が発生する。高齢者にとって,この会話中に発生する二重課題は困難であり,実際に,聴取理解との二重課題状況下で計画された発話はエラーが多い(澤田・原田,2024)。本研究では,相手の発話に対する高次の予測が可能な場合には,高齢者の発話前後の処理負荷が低減されていることが明らかになり,高齢者が二重課題という困難に対する補償して,高次の予測を行っていることが示唆された。
  • P3-58
    佐々木 健矢 (静岡大学)
    長島 一真 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    ソーシャルメディアのなかで局所的に発生するエコーチェンバーの要因を模倣の観点から検討する.模倣は言語獲得に重要な役割を果たし,閉じた集団内でのコミュニケーション体系の形成と関連する.ここから,大規模ネットワーク内のミクロな模倣関係が,ローカルなエコーチェンバーを形成するという仮説を考えることができる.本稿はこの仮説を検討するモデルとして,単純な事例ベース学習の変形によって,2者間のコミュニケーションを類似させる模倣の仕組みを示す.
  • P3-63
    原田 康也 (早稲田大学)
    森下 美和 (神戸学院大学)
    今世紀に入ってからのインターネット上での学習資源のあり方や学生の動向と社会の要請などを前提として、本研究では、生成人工知能と大規模言語モデルの活用が日常的になった現在の日本の社会状況の中で、大学での英語学習の目的・あり方・進め方について検討することを目指している。