日程 9月13日(土) 9:00 - 10:20

口頭発表2 (O2)

会場:国際会議場1F井深大記念ホール
座長:中野優子(東京大学)
  • O2-1
    服部 エリーン 彩矢 (慶應義塾大学)
    二宮 由樹 (名古屋大学)
    松本 一樹 (獨協大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    本研究は,同一の製品を異なる観点で捉えることで製品の創造性評価が変化するプロセスを実証した.操作可能な3Dオブジェクトを評価刺激とし,参加者に観点の記述と新奇性・有用性の評価を2回,最後に各規準の総合的な評価を求めた.その結果,観点が異なるほど評価は変化し,2回目の評価が1回目の評価よりも総合評価に影響することを示した.このことは,観点の発見に伴い,製品の創造性評価が更新される可能性を示唆している.
  • O2-2
    中野 珠実 (大阪大学大学院情報科学研究科)
    粟田 里恵 (大阪大学大学院情報科学研究科)
    大泉 匡史 (東京大学大学院総合文化研究科)
    桑野 大輔 (公益財団法人 神経研究所)
    佐治 伸郎 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    丹治 和世 (公益財団法人 神経研究所)
    加藤 進昌 (公益財団法人 神経研究所)
    本研究は、日本語オノマトペの意味理解と、実際の触感体験をオノマトペでどう表現するかを成人の自閉スペクトラム症(ASD)群と定型発達(TD)群で比較した。心理評価に基づくオノマトペの意味理解に両群で違いはなかった。一方、TD群と比べてASD群は布の感触に適合するオノマトペの選択がより限定的かつ独自的であった。これは、ASDにおいてオノマトペの語彙知識に問題はないが、感覚経験の言語表現に特異性があることを示唆する。
  • O2-3
    櫃割 仁平 (ヘルムートシュミット大学)
    Selina Weiler (ヘルムートシュミット大学)
    Maria Manolika (ヘルムートシュミット大学)
    Thomas Jacobsen (ヘルムートシュミット大学)
    本研究は,日本の伝統宮廷舞踊である舞楽の美的鑑賞における文化差を検証した初の実証研究である。質的・量的手法を用いて日本人とドイツ人参加者を比較した結果,日本人は選好,超越的体験,優美さ,調和と構造において一貫して高い評価を示した。この文化差は,日本の美的概念「間」と,東アジアの全体的認知処理対西洋の分析的認知処理の違いで説明される。文化特有の認知スキーマが複雑な美的刺激の受容を形成することが明らかになった。
  • O2-4
    新堀 耕平 (静岡大学)
    白砂 大 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    本研究では,単純な数列再生課題における人間の行動データと認知アーキテクチャによるモデルの出力を対応づけることにより,認知モデルにおける個人のパラメータを推定した.推定されたパラメータと個人の課題成績および感情評定値の関連性を検討した結果,課題成績を最大化するパラメータの存在,および不安・ネガティブ傾向とパラメータの最適値が対応づけられる可能性が示唆された.本研究の知見は,不安特性の高い個人の認知プロセスのモデル化に貢献する可能性がある.