研究分野別一覧

その他

  • OS09-3
    公募発表
    清水 大地 (東京大学大学院)
    蓬田 息吹 (東京大学教育学研究科博士後期課程)
    王 詩雋 (東京大学)
    岡田 猛 (東京大学教育学研究科)
    本研究では,創造性育成のためのアートプログラムの枠組みを提案し,1年間に渡り実施したその概要と、1つのワークショップの概要・効果を報告する。特に長期に渡る創造性育成の枠組みとしてCreativity Dynamicsを提案し、その4つの要素を反映した多様なワークショップを実施した。創造性不安や拡散的思考など創造性の関連指標により、効果を線形混合モデルにより検討した。結果、プログラムは、長期的な創造性支援の上で有効である可能性が示された。
  • OS15-4
    公募発表
    林 勇吾 (立命館大学)
    本論文は,学習支援システム研究で研究が行われてきたCAIからその後に発展した適応的な支援を目指すITSの研究,AIドリルなどで利用されるコンピュータ適応型テストについての解説を行い,CAIとITSに関する文献レビューを通じてこれまでの研究の動向について紹介する.
  • O4-1
    粟津 俊二 (実践女子大学教育学部)
    金谷 春佳 (実践女子大学)
    加藤 奈々 (実践女子大学)
    オンライン上での二次創作物への嗜好と、本人の恋愛観や恋愛経験の関係を調べた。二次創作物の嗜好は、自身の恋愛観や恋愛経験を反映していた。特に、非オタク、実在しない人物を好むオタク、実在人物を好むオタクで、恋愛の捉え方が大きく異なった。オンライン上での非現実的で馴染みのないコンテンツも、現実と同じ認知システムで処理されている。二次創作物の理解の身体性について、考察を試みた。
  • O4-3
    七田 麻美子 (埼玉大学 )
    菊地 浩平 (筑波技術大学)
    須永 将史 (小樽商科大学)
    本論は,新型コロナウィルス禍によって現地視察を含む企業研修のオンライン化を余儀なくされた研修開発現場を対象に,DXがどのように行われたかを検証する。研修開発担当者たちの会話を相互行為分析の手法で考察した結果,ヴァーチャル化した研修コンテンツが一定の水準のものになっても,むしろそれゆえに,ヴァーチャルでは体験できないことを「物足りなさ」として「現地」が志向されるという現象が確認された.
  • P1-06F
    服部 エリーン 彩矢 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    山川 真由 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    近年の研究で,創造的生成物が拒否される傾向にあることが示されている.その原因として,創造性の評価観点の1 つである実用性が過小評価されることが指摘されている.本研究では,新奇性が高いものを志向するパーソナリティとして新奇性追求傾向を扱い,実用性過小評価の個人差について検討した.その結果,新奇性追求傾向高群は低群に比べて,新奇性が高いアイデアの実用性を過小評価しないことが示された.
  • P1-08
    田中 徹 (慶應義塾大学)
    高橋 萌 (元慶應義塾大学)
    佐野 岳史 (元慶應義塾大学)
    鈴木 敬和 (元慶應義塾大学)
    角 晴美子 (元慶応義塾大学)
    水口 高翔 (元慶應義塾大学)
    慶應義塾大学リーディングプログラムは文系理系13研究科から学生が集まり,超成熟社会の持続的発展をリードする文理融合型博士人材育成を目指している.その中で我々は,対話を重視するリビングラボ活動を岩手県遠野市で進め,多様な話題で来場者の滞留時間を上げ,小人数で対話を深める『遠野サイエンスカフェ』を開催し,成果を上げてきた.今回は文理融合教育実践活動の視点から,成果/課題/可能性について報告する.
  • P1-12
    正田 悠 (立命館大学スポーツ健康科学部)
    山下 瑛司 (神戸大学国際人間科学部)
    本研究では,演劇作品に対する評価を定量的に評価するための尺度を構築した。Twitterによる語彙収集,インターネット調査による尺度構築,および演劇の動画視聴による尺度の妥当性と内的一貫性の検証を行った。その結果,5因子26項目からなる演劇評価尺度を構築した。今後,実際の舞台作品を鑑賞直後に演劇評価尺度を評価してもらうことで,本尺度の舞台鑑賞への適用可能性を探る必要がある。
  • P1-18F
    ヒュース 由美 (東京大学大学院学際情報学府)
    向井 香瑛 (早稲田大学理工学術院, 日本学術振興会)
    渡邊 克巳 (早稲田大学理工学術院)
    工藤 和俊 (東京大学大学院学際情報学府)
    本研究では,第三者による即興劇と台本劇の弁別特性を検討するために,3条件(「視聴覚」「視覚のみ」「聴覚のみ」)の映像刺激により弁別テストを行い,理由と自信度を尋ねた.その結果,3条件ともチャンスレベルよりも高い正答率を示し,条件間に有意な差は認められず,自信度は「視聴覚条件」が有意に高かった.今回の課題における即興劇の弁別は,刺激モダリティの数に関わらず可能であること,回答に対する自信は刺激モダリティの影響を受けることが示された.
  • P1-27
    松室 美紀 (立命館大学)
    本研究では,身体のメンタルモデルの変更を促進する手がかりを検討した.MRにて,腕の位置を変更した映像を提示しつつ単純動作を繰り返し行わせた.この試行を通し,何も見えない状態で,指を同じ高さに合わせる課題の時に,両腕を同時に動かす・同じ高さに動かす,の2種類の有無を操作した.結果,両手がかりのない試行を含む,全試行を通して身体の動きが変化した.つまり,これら2つの手がかりが,身体のメンタルモデルの変更を促進するものでないことが示唆された.
  • P1-35
    江 維豪 (神戸大学)
    正田 悠 (立命館大学スポーツ健康科学部)
    本研究では,主観的Well-being(SWB)と心理的Well-being(PWB)を対象に,それぞれの下位尺度の間における関連を探索した.オンライン調査で321人の大学生のデータを分析した.パス解析を行った結果,PWBを構成する因子の一部がSWBに影響を及ぼすことが示された.また,PWBのうち,環境制御力と自律性の影響がみられなかったという結果から,日本人大学生において特有のWell-beingの存在が示唆された.
  • P1-61F
    三浦 慎司 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    川合 伸幸 (名古屋大学大学院 情報学研究科 心理・認知科学専攻)
    絵画において、教会や宮殿、あるいは洞窟における天井は、神々や動物などの姿かたちを描く場の一つであった。本稿では、天井に絵を描く、天井の絵を見る、という行為の意味について考察するために、天井画の歴史的変遷を辿る調査を行った。その結果、キリスト教絵画では、キリスト教公認以前から既に、地下墓所の天井に絵が描かれていたことや、スウェラシ島に存在する現存する人類最古の具象画が天井に描かれていたことがわかった。
  • P2-08
    佐山 公一 (小樽商科大学)
    ゼミにおける主体的活動を測定する質問紙を作成した.ゼミ組織を会社組織のようなものと仮定し,会社組織における主体的活動に関する文献を参考にし,質問を考えた.質問調査をWeb上で行った.探索的及び確認的因子分析を行い,質問の妥当性を検証した.対面,遠隔,対面・遠隔の両方のいずれでゼミ活動を行ったかにより参加者をグループ分けし,回答の違いを分析した.遠隔中心のゼミであると,ゼミの現状把握,目標設定が不明瞭になることが示唆された.
  • P2-12
    小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    本稿は,ストーリーの構造にストーリー生成の仕組みが内包されたモデルを提案する.そのモデルを生成システムとしてのストーリーと呼ぶ.提案モデルでは二つの生成が実行される.一つは,提案モデルが持つストーリーを外部から編集する生成であり,もう一つは閾値に基づき駆動される,ストーリーの内側からストーリーを編集する手続きである.ここでは色付けと呼ぶ技法を使って,提案モデルにおけるストーリー生成の例を検討する.
  • P2-19
    千田 真緒 (東京都市大学大学院)
    市野 順子 (東京都市大学)
    岡部 大介 (東京都市大学)
    大学生がどのようにメディア(特にスマートフォン)とともに日常会話空間をつくりあげているのかを考察した.その結果,大学生の日常会話空間のひとつである「空きコマ」における2者間の会話が,小刻みなスマートフォン(以下,スマホ)の利用を通して「調整」されていることが見いだされた.そこには,大学生たちも知らず知らずのうちに身につけてきた,いわば「小さなリテラシー」とでも呼ぶべきものが働いていることが観察された.
  • P2-22F
    成 太俊 (北陸先端科学技術大学院大学 橋本研究室)
    橋本 敬 (JAIST)
    本研究は,個人が課題に沿って直感的に作品を作るというプレイが個人間のインタラクションにおいてアイデアに言及する発話行為に影響するか,どのように影響するかを明らかにすることを目的とする.実験の結果,プレイが「アイデアの抽象的なレベルに言及する発話行為」と「相手の発言の肯定・何気ない問いかけの発話行為」の間にポジティブフィードバックを持つことがわかった.また,考察によれば,前述の二つの発話行為がアイデア生成を促進すること示唆する.
  • P2-26F
    亀井 暁孝 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術専攻 知識科学研究科)
    人は様々なパターンから規則性を見出す傾向がある.パターンの良さやパターン対の類似度に対する人の判断を説明する理論に変換群構造説がある.この理論は,パターンが持つ変換群構造によってパターンの良さや類似度を予測する仮説である.本研究では,先行研究で報告されていないパターンに対しても仮説が成立するか追試実験により検証を行った.加えて,元の仮説を修正した新たな二つの仮説を検証し,より好意的な結果が得られた.
  • P2-28
    小島 隆次 (滋賀医科大学)
    本研究は、授業動画にバーチャルアバターを用いた場合の学習者への効果に関して、バーチャルアバターの有無及びバーチャルアバターの動きの有無のもたらす影響を検討した。その結果、バーチャルアバターの有無は授業動画の視聴しやすさ評価に効果があることが示された。 また、学習者が、授業内容(授業で伝達すべき情報)を重視するのか、映像コンテンツとしての魅力(興味・関心・印象)を重視するのかによって、アバターの有無に対する評価が異なることも示唆された。
  • P2-31
    牧野 遼作 (広島工業大学/早稲田大学 人間総合研究センター)
    栗原 勇人 (早稲田大学 大学院 人間科学研究科)
    谷貝 祐介 (早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)
    門田 圭祐 (早稲田大学 大学院 人間科学研究科)
    臼田 泰如 (国立国語研究所)
    トランスクリプトは,人々のコミュニケーションを収録・録音し,定性的に分析するために欠かせない研究資源である.トランスクリプトの作成には発表媒体などにあわせて調整するなど,研究にとって本質的ではない作業も多く含まれる.本発表で報告するtracrinは,発話の重なりのインデント位置の自動調整を行うシステムである.本システムは,単に便利なツールなだけではなく,定性的研究資源を利用した新たなデータベース研究の第一歩となりうるものである.
  • P2-32
    渡邉 樹生 (株式会社リペア)
    小倉 加奈代 (岩手県立大学)
    本研究では,教示言語化行為が,身体知獲得の促進に繋がっており,技能習得に取り組む人間が意識する課題や身体部位の違いにより成長度合いに変化が生じることを仮説とし,一人称視点での傘回しに関する身体知獲得における教示言語化行為の影響を検討した.その結果,言語化行為によって意識化に該当する記述が行われた直後は,前回の成果よりも低下し無意識化の崩壊が行われること,同じ練習段階でも練習中の意識対象が異なることで成果に幅が生じることが確認できた.
  • P2-34
    田村 昌彦 (立命館大学)
    稲津 康弘 (農研機構)
    江渡 浩一郎 (産業技術総合研究所)
    松原 和也 (立命館大学)
    天野 祥吾 (立命館大学)
    野中 朋美 (立命館大学)
    松村 耕平 (立命館大学)
    永井 聖剛 (立命館大学)
    サトウタツヤ (立命館大学)
    堀口 逸子 (東京理科大学)
    和田 有史 (立命館大学)
    食に関する知識尺度を用い,中高生に対して調査を実施することで,食に関する知識獲得に対する探索的な検討を行った.調査の結果,中高生の添加物・安全性に関する知識は,他の知識よりも尺度の基準集団である大人に近いことが示された.このことは,一般消費者が高等学校卒業後,添加物・安全性に関する知識をあまり獲得していないことを示唆するものである.
  • P2-46
    新川 拓哉 (神戸大学)
    宮原 克典 (北海道大学)
    濱田 太陽 (Araya)
    西田 知史 (国立研究開発法人情報通信研究機構)
    本研究の目的は、「意識の機能」という概念の明確化を行い、意識の機能の理論を整理し方向づけるための枠組みの構築を行うことである。「意識の機能」という概念の明確化のため、「生物意識/状態意識」と「類的な意識/特定の種類の意識」と「基盤的機能/機能的貢献」という三種類の区別を導入する。また、意識の機能の理論の射程を分析するため、「必要条件/十分条件」の区別を与える。そして、これらの区別から構成される四次元的フレームワークを提案する。
  • P2-52
    鈴木 栄幸 (茨城大学)
    舟生 日出男 (創価大学)
    久保田 善彦 (玉川大学)
    加藤 浩 (放送大学)
    プレゼンテーションのトーク構成において,情報伝達と媒介の視点を両立させ,両者を行き来できるようになるための訓練手法として漫才型スクリプト構成法を提案した.大学の授業においてこの手法を実施し,評価した.その結果,この手法により,トークの聴き手意識,内容の整理,新しいアイデアの創出が支援されることが示唆された.
  • P2-56F
    河合 珠空 (放送大学教養学部)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    歌舞伎舞踊『京鹿子娘道成寺』は道成寺伝説の後日譚であるが、道成寺伝説のストーリーを直接表現しているわけではない。しかし、隠れた対応関係が多く見られることに筆者らは気付いた。そこで、「心」・「振り」・「歌詞」の三つをキーとして二つの物語の対応関係の分析を行い、その結果に基づき、独自に開発した『京鹿子娘道成寺』の2Dアニメーションシステムを利用して『京鹿子娘道成寺』と道成寺伝説とを結合する新しいシステムの方法を提案する。