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運動

  • O2-1
    田中観自 (東京大学先端科学技術研究センター)
    渡邊克巳 (東京大学先端科学技術研究センター)
    試行錯誤を伴いながら連続的な動作を学習していく場合,エラー後の学習をどのようにするのかが重要である.本研究では,系列の学習中にエラーが生じたとき,系列の最初からやり直す場合とエラーが生じた場所からやり直す場合の学習効果を比較した.結果として,最初から系列操作をやり直す方が,その場でやり直す場合に比べて,少ないエラー回数かつ速い平均速度で操作できることが明らかとなり,効率的な学習方法であることが示された.
  • OS02-1
    日高昇平 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科)
    我々の得る多くの情報は、特定の身体動作と連動しており、逆に、身体動作から動作主に関する多様な情報を得ることができる。本稿では身体動作の潜在的な情報の解読について、計算論的な立場から論じる。具体的に、相互作用のある大自由度である身体運動を,複数のサブシステムの混合とみなし,各サブシステムに固有の力学的な不変量の分析を行った。この分析から、我々が「動作」と自然にみなせる運動系列の分節化が、フラクタル次元の推定により可能であることが示された。
  • OS05-2
    樋田浩一 (明治大学大学院/JST CREST)
    上野佳奈子 (明治大学/JST CREST)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    自己を認識する上で、身体運動とそれに伴う感覚フィードバック間の時間的整合性が重要である.本研究では,身体運動に伴う聴覚フィードバックに複数の遅延を挿入し,遅延検出に伴う事象関連電位(N300)と自己主体感(agency)の関係について検討した.実験の結果,遅延が大きくなるに従い主体感が低下し,N300成分の振幅が大きくなる相関関係がみられることが示された.このことからN300成分は,自己主体感の生理指標として有効である可能性が示された.
  • OS05-3
    辻田匡葵 (千葉大学融合科学研究科)
    一川誠 (千葉大学文学部)
    能動的な身体運動に対して視覚的フィードバックが遅れて提示される状態が持続すると,身体運動-視覚間の時間順序知覚が順応的に変化する。本研究では,身体運動-視覚間時間再較正が視覚的フィードバックの遅延に気付いていなくても生じるのか検討した。実験の結果,遅延に気付いた実験参加者においてのみ時間再較正が生じた。この結果は,身体運動-視覚間時間再較正の成立には高次の認知過程が重要な役割を果たしていることを示唆している。
  • OS05-5
    渕上健 (畿央大学大学院 健康科学研究科 神経リハビリテーション学研究室)
    森岡周 (畿央大学大学院 健康科学研究科 神経リハビリテーション学研究室)
    自己と他者の歩行観察における脳活動の違いとイメージの鮮明度について調査することを目的とした.自己条件では右背側運動前野と右上頭頂小葉が活動し,他者条件では左腹側運動前野と左下頭頂小葉が活動した.また,観察中のイメージは自己条件が他者条件に比べ鮮明だった.自己条件では自己の身体表象にかかわる脳領域が活動し,より鮮明なイメージが導かれることが明らかとなった.
  • OS07-5
    武藤真理 (電気通信大学大学院情報システム学研究科)
    藤本幹 (国際医療福祉大学小田原保健医療学部)
    阪口豊 (電気通信大学大学院情報システム学研究科)
    被介助者が感じる良い介助の要素を明らかにする目的で,日常的に介助を受けている障害当事者4名にインタビューをした.被介助者は,良い介助の実現には,介助者の知識,技能や心構えに加え,介助動作における介助者と被介助者の協調的作業や相互理解・意思疎通が重要であると述べていた.従って,介助動作の指導においては,従来の介助者個人の技能だけでなく,介助者と被介助者が互いの意図や状態を推測しつつ介助動作に反映させることの意義を教授することが重要である.
  • OS12-8
    山田雅之 (日本教育大学院大学)
    本研究はアイスホッケー初心者の子供を対象にスケートを滑れるようになるまでの過程における補助者のコーチング方法と認知の過程をフィールドで採取した研究である.本論文では初めてスケートを履いた4歳10か月児1名を対象に,約40分間の映像と音声について学習者の姿勢および,補助者が与える課題について検討した.結果から,補助者が学習者の状態に対して適宜課題を変えている可能性が示唆された.
  • OS13-7
    小森政嗣 (大阪電気通信大学情報通信工学部)
    小窪久美子 (大阪電気通信大学大学院工学研究科)
    Lira Yu (京都大学霊長類研究所)
    堂崎正博 (名古屋港水族館)
    友永雅己 (京都大学霊長類研究所)
    本研究ではリズミカルな協調動作がどのような相互作用過程を経て生じるのかを検討するための手法を構築し,2個体のイルカのペアが頭部を振る動作のシンクロニーの生起・継続過程の詳細な検討を行った.オスのハンドウイルカのペアが飼育員のハンドシグナルによって15秒間左右に頭部を振る動作を行った8事例を解析対象とした.頭部動作を位相角に変換しこれらの角度の関係を角度相関および角度偏相関により評価し,シンクロニーのおよび相互影響の変化を分析した.
  • P1-3
    園田耕平 (滋賀大学)
    谷伊織 (総合研究大学)
    佐藤亘 (神戸大学)
    郡司幸夫 (早稲田大学)
    我々は、日常生活において”間合い”を日々感じている。本研究は、その間合いとはなにかという疑問を出発点としている。間合いは通常、自然状況に現れる自発的な現象ではあると留意しつつも、本研究では実験的な検証を試みた。実験では、動画から切り出した静止画を使い、被験者がその静止画をめくる時間間隔を間合いであると定義した。その間隔を解析することで、間合いがもつ幾つかの性質の一端を明らかにしていつもりである。
  • P1-5
    市川淳 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    寺井仁 (近畿大学産業理工学部)
    本研究では,3ボールカスケードの習得において,基本動作に従っていないような個人特有の身体動作が観察されるのか,加えて,個人特有の身体動作が観察された際,それは意識的な工夫である着眼点に基づいているのかについて実験的検討を行った.その結果,連続キャッチ数100回以上を達成したジャグラー5名のうち2名で,個人特有の身体動作が観察され,着眼点に基づいていることが確認された.これは,意識的制御が身体動作に作用することを示す.
  • P1-24
    鈴木陽介 (東京電機大学大学院 理工学研究科 情報学専攻)
    明地洋典 (日本学術振興会 海外特別研究員 (タンペレ大学))
    安田哲也 (十文字学園女子大学 人間生活学部 人間発達心理学科)
    小林春美 (東京電機大学理工学部 情報システムデザイン学系)
    適切かつ効率的で社会的なコミュニケーションの実現には、進行中の指示対象をお互いに確認することが必要であり、指示詞はそれにおいて重要な役割を果たしている。指示詞は全ての言語に存在し、物理的距離はその理解及び使用に関して顕著な特徴を示す。しかし、指示詞の実際的な使用を決定するのは物理的距離ではなく、到達可能性である可能性が考えられる。そこで、我々は対象物から指先までの物理的距離を正確に統制し、到達可能性の指示詞使用への影響を調査した。
  • P1-31
    中野優子 (東京大学大学院学際情報学府)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    熟達した振付家・ダンサーの森山開次氏に注目し,コンテンポラリーダンスにおける振付創作過程を,認知プロセスと身体プロセスの関わり合いという観点から検討した.結果,振付創作における認知プロセスは「着想の観点」「具現化の観点」「目的」の観点から捉えられ,これらの内容は,異なる特徴を持つ3つのフェイズを経て移り変わることが明らかになった。更に認知プロセスは,実際の身体運動である身体プロセスと輻輳的に相互作用しながら展開することも明らかになった。
  • P1-32
    清水大地 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    本研究では,熟達者の有する即興的な表現方略について,ブレイクダンスを対象とした長期的なフィールドワークを行った.その際,既に獲得している5つの技術を複数回に渡る実践でどのように使用しているか,その使用方法はどのように変化するのかに着目した.結果として,熟達者は,各技術について3つのレベルから変更を加えつつ状況に適応した表現を行うこと,ある程度基本的なパターンを構築しつつ,状況に応じてそれらを変更して利用することが示唆された.
  • P1-34
    栗延孟 (東京都健康長寿医療センター,筑波大学)
    富田瑛智 (筑波大学システム情報系)
    須藤智 (静岡大学 大学教育センター)
    原田悦子 (筑波大学人間系心理学域)
    本研究では,加齢によりペットボトルキャップが開けにくくなる要因を明らかにするため,アンケート調査と,日常からキャップを開けることが困難な高齢者と容易な高齢者を対象に開栓実験を行った.その結果,両群の間に握力やピンチ力の差はなく,困難な高齢者はキャップの握り方,力のかけ方が多様であった.このことから,経験による「開けにくい」というメタ認知の結果,「より開けにくい」環境を作っている可能性が考えられた.
  • P2-5
    児玉謙太郎 (神奈川大学経済学部)
    安田和弘 (早稲田大学理工学術院総合研究所理工学研究所)
    園田耕平 (滋賀大学)
    青山慶 (東京大学大学院教育学研究科)
    樋口貴広 (首都大学東京人間健康科学研究科)
    本研究は、跨ぎ越え動作における知覚と行為の乖離を調べた。その際、行為能力を低下させるため非利き脚に加重による負荷を与え、実験的に知覚と行為の乖離を構成し、加重部位による乖離の現れの違いを調べた。実験の結果、足首条件では、行為能力を過小評価する傾向が見られたのに対し、太もも条件では、過大評価する傾向がみられた。これらの結果について、加重部位と身体特性変化後の探索行為、実験課題として求められる行為の間の複雑な関係から議論する。
  • P3-3
    柴玲子 (東京電機大学、理研BSI)
    古川聖 (東京芸術大学)
    根本幾 (東京電機大学)
    音楽は、ヒトとヒトとが言葉を介さずにお互いに情動情報をやりとりできる、重要なコミュニケーションツールのひとつである。私たちが提唱している音楽情動コミュニケーションモデルを基に考えると、人間が音楽を介して情動情報をやり取りする際、音楽に関連した動作が音楽情動情報の伝達に影響を与える可能性がある。本研究では、終止構造認識時の脳活動が現れる脳の部位と運動に関連する脳の部位との関連を調べるため、fMRIによる計測と解析を行った。
  • P3-13
    齋藤五大 (東北大学大学院文学研究科)
    Victor Palacios (スタンレー電気株式会社)
    大井京 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    林辰暉 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    山田涼馬 (日本大学大学院文学研究科)
    厳島行雄 (日本大学大学院文学研究科)
    行場次朗 (東北大学大学院文学研究科)
    齋藤洋典 (名古屋大学大学院情報科学研究科)
    いかにして抽象的な心像から具体的なハンドジェスチャーが産出されるのかを検討するために,表音文字である仮名で表記された短文の読了後に,その理解内容を手の動作として遂行する過程の解明を本研究の目的とした。その結果,短文の内容を手の動作として遂行するためには,その短文に対する理解度と心像価が前提であり,実施頻度,観察頻度,犯罪性がそれぞれの動作の産出を規定することを示している。
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