日程 9月9日(金) 9:20 - 11:20

ポスター発表2 (P2)

  • P2-001A
    田中 優希菜 (立命館大学大学院 人間科学研究科)
    永井 聖剛 (立命館大学 総合心理学部)
    服部 雅史 (立命館大学)
    文章読解時に情景が浮かぶ現象を,情景を視覚的イメージの想起と定義し調査を行った.物体イメージ尺度得点の高低が物語の印象評価に影響し,色や形の想起で文章の印象が変化すると言える.一方,空間イメージ尺度得点の高低は物語の印象評価に影響しなかった.文章の呈示方法にも差があり,黙読条件では物語の明るさが,音読条件では物語の好ましさが高く評価された.今後は,刺激とする物語の特性を踏まえた研究が必要である.
  • P2-002
    福永 征夫 (アブダクション研究会)
    中間の世界の論理とは,時間の情報が主成分の演繹による貫く推論(XorY)と,空間の情報が主成分の帰納による連ねる推論(XandY)が,互いに相補的に接合し合って,時空間の情報をアブダクションという高次の推論で統合し,世界の今ここにおいて存在し生起する事物や事象の情報を,高深度・広域・高次のストーリー線として自己完結的に自己組織化していく,自然や社会のシステムの循環と融合の論理のことである.
  • P2-003
    得丸 久文 (独立研究者)
    言語処理や複雑概念の認知モデリングについては,脳内における細胞・分子レベルの説明がない.本稿は脳脊髄液中を浮遊するBリンパ球,脳脊髄液接触ニューロン,マイクログリアによる脳室内免疫細胞ネットワークによる認知モデリングを提案する.これは哺乳類の条件反射の認知モデルであり,免疫細胞の内部論理が1対1の反射から1対全の群や全対全のネットワークに進化することで概念や複雑概念もモデル化できる.
  • P2-004A
    牧 恒平 (早稲田大学人間科学研究科)
    関根 和生 (早稲田大学人間科学学術院)
    本研究では,自己接触行動が聞き手への視線行動に及ぼす影響について検討した.調査参加者(N = 20)は,腕組み条件,頬触り条件,統制条件の3つの条件下で,聞き手に対する説明課題を行った.課題の間,聞き手の目,顔,体に向けられた視線を測定した.また,対人不安傾向を調べるために質問紙によりシャイネス得点を測定した.結果として,シャイネス得点の高い男性において,頬触り条件が腕組み条件や統制条件と比較して顔への注視量が増加したことがわかった.
  • P2-005
    山田 雅敏 (常葉大学)
    本研究は,認知科学の視座から技に対する一人称の思考と言語の影響を再考し,さらには,思考を超えた無人称的身体へ新たに焦点を当てることを目的とした.本稿はその足掛かりとして,達人や賢人たちが残した文脈を紐解きながら,文献レビューを行うことを主眼とした.その結果,技の熟達における認知過程には,人間が獲得した言語の使用による相対的認知と,主客を超えた無我の状態による他者との調和が関連していることが示唆された.
  • P2-006
    犬童 健良 (関東学園大学経済学部)
    本研究では属性への確率的な注目と代替案の反復的消去を用いて意思決定者の認知プロセスをモデル化し,実際にコンピュータプログラムによるシミュレーション実験を行った.この結果,文脈効果やギャンブル比較のアノマリー例題の多くを基本的に一つのモデルで実験的に再現できる可能性があることが示された.
  • P2-007
    廣田 章光 (近畿大学)
    人々が過去に直面したある体験をここでは「原体験(formative experience)」と呼ぶ。リフレクティブ・カンバセーション(Schon 1983)は表現と対話し認知を行い、新たな表現につなげると理解されている。そこで、本研究はデザイン行動(Owen 1997,Norman 2013)における原体験がもたらす効果を「対話」の観点から考察する。そして原体験が対話の対象として存在し、リフレクティブ・カンバセーションとの関係を示す。
  • P2-008A
    竹田 琢 (青山学院大学社会情報学研究科科目等履修生)
    振り返り活動場面において雑談に注目した分析を行った結果, 1)雑談が志向性を共有する余白を生み出し, 全員で新たなトピックに参加することを可能にしていること, 2)雑談を一緒に抜け出すことで志向性を共有して新たなトピックに参加することを可能にしていること, 3)雑談を通じて教員の教示・依頼を無視することで主体的な開始を可能にしていることが明らかになった. 雑談への介入が参加者の主体性を発揮する機会を剥奪する可能性について考察を行った.
  • P2-009A
    野原 康平 (早稲田大学)
    本論文は,機械翻訳が作成する文章において,人間のみが感じる違和感の要因について調査したものである。この研究では,2択の文章選択課題の回答傾向と,「なぜそう答えたか」という回答を分析して要因を検討した。理由の分析では,テキストマイニングを使用し,共 起語ネットワークの評価と対応分析を行なった。これらの結果,文章を読む際に感じる違和感には6つの要因が存在することが示唆された。また,自信度と正答率の間に相関関係はないことが明らかになった。
  • P2-010
    PENGQUN ZHAO (神戸大学国際文化学研究科)
    巽 智子 (神戸大学)
    本稿では,接触回数の増加による会話中の沈黙と話題選択への影響を検討した.日中接触場面と日本語母語場面の初対面の大学生ぺアを対象に,週に1回の自由会話を4週間実施した結果,接触回数の増加によって話題転換時に沈黙が行われる確率に差があるとは言えなかったが,日中接触場面では話題転換時に沈黙が行われる確率が有意に高いという結果が得られた.また,両場面における会話参加者の話題内容にも違いが観察された.
  • P2-011
    仁藤 晴暉 (明治大学大学院理工学研究科)
    成田 真輝 (明治大学大学院理工学研究科)
    肥後 克己 (明治大学 研究・知財戦略機構)
    嶋田 総太郎 (明治大学)
    本研究では、2人で操作する4本腕アバターを用いて仮想現実(VR)上でボタン押し課題を行ったときの、拡張腕に対する自己身体認識について検討を行った。その結果、拡張腕が被験者の目標を満たすように動いたときの方がそうでないときよりも拡張腕に対する自己身体感が高くなる傾向が見られた。このことから身体拡張アバター操作時には拡張された身体部位が操作者と意図を共有するように動作することが重要であることが示唆された。
  • P2-012
    徐 貺哲 (弘前大学)
    松香 敏彦 (千葉大学)
    本研究では煩雑なデータ処理をおこなうことなく単純な眼球運動の指標を用いても、先行研究と同様に観察者の性格特性と眼球運動に関係性を示せるか否かを検討した。その結果、眼球運動の平均移動距離や(停留時を含む)平均移動角度のような単純な指標によっても顔の観察時の眼球運動から観察者の性格特性が推定できることが示された。
  • P2-013
    新川 涼子 (沖縄女子短期大学)
    本研究では,園務支援システムにおけるシェアの高いCoDMONの幼稚園への導入と活用についてフィールドでの質的調査を行い,問題点を検討した.その結果,幼稚園での業務に即していない部分がある,使いにくい機能があるなど,CoDMONの機能的な問題点が示された.システム導入にあたっての抵抗感では,ドキュメントを読む際に認知的負荷がかかること,画面上での読みが業務中の読みに適していない可能性が示された.
  • P2-014A
    二宮 由樹 (名古屋大学)
    下條 朝也 (コニカミノルタ株式会社)
    寺井 仁 (近畿大学)
    松林 翔太 (名古屋大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    自律エージェントの行動を理解するには,何が入力情報かと,対応する出力が何かを理解する必要がある.本稿は,入力情報の顕著性が,エージェントの行動ルールの推定に与える影響を検討した.結果,顕著性の高い情報と低い情報を入力情報とするエージェントの行動を言語的に推定すると,低い情報が使われにくかった.このことは,入力情報の顕著性によってルール推定の際の利用のされ方が異なることを示すとともに,行動ルールの推定における言語隠蔽効果を示す証拠である.
  • P2-015
    山田 雅之 (九州工業大学)
    大海 悠太 (東京工芸大学)
    遠山 紗矢香 (静岡大学)
    本研究は選手が自身の熟達過程で得られたデータについて可視化したい情報を試行錯誤的に選択可能な自己調整型のシステムの開発を目指し,アイスホッケーシュートスキルのトレーニング場面を対象として,協調的な対話がどのように機能したかを検討した.実験は,大学体育会のアイスホッケー部員2名を対象に5回実施した.結果から,被験者の「膝」に関する発話をきっかけに,膝が深く曲がり,腰が下がるという変化につながった可能性が考えられた.
  • P2-016A
    大貫 祐大郎 (一橋大学)
    植田 一博 (東京大学)
    手洗いの推奨時間について「20秒以上」と提示するのか (下限群),「20秒以上60秒以下」と提示するのか (範囲群) の違いが, 手洗い時間の長さに及ぼす影響を検討した. 実験の結果, 下限群よりも, 範囲群の方が, 手洗い時間が有意に長かった. この結果は, 制限の意味で使用される上限 (60秒以下) を示すことによって, 手洗い時間が長くなることを示している. また, 本手法は, 人をより良い行動に導くナッジに活かせる可能性がある.
  • P2-017
    佐藤 有理 (東京大学)
    福田 玄明 (一橋大学)
    植田 一博 (東京大学)
    意思決定者自身ではなく他者のために行われる代理意思決定は,投資信託など実世界でよく見られるインタラクションである.本研究は,その際に委託エージェント(投資者)がどこまで深くクライアント(出資者)を考えて合わせるのが自然か明らかにする.実験の結果,投資者は,出資者の指示を理解してリスク選択をするものの,その意図を推定して行動調整するまではしなかった.しかし,出資者の満足度は低くなかった. HCIの知見と合わせて結果の要因と示唆を議論する.
  • P2-018
    児玉 謙太郎 (東京都立大学)
    安田 和弘 (東京保健医療専門職大学)
    牧野 遼作 (早稲田大学)
    本研究ではリハビリ場面における患者―セラピスト間の身体協調が運動支援に及ぼす影響を明らかにするため,上級・初級セラピストで歩行介助時の個々人の歩行安定性と,二者間の歩行時の身体協調性の違いを比較した.その結果,上級者ペアの方が歩行安定性も身体協調性も高かった.これらの結果は,セラピストのスキルとして身体協調スキルがあり,これによって対象者の安定した動作を引き出している可能性が示唆された.
  • P2-019
    小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    本研究は,物語を生成するためのオントロジーとして,語の意味分類を体系的にまとめた概念辞書の開発を行う.名詞概念及び動詞概念の開発を行ってきたが,ここでは修飾概念を対象とし,特に形容詞概念に関する開発を行う.現在,修飾概念のつい形容詞概念および形容動詞概念の辞書は,粒度が粗い階層構造である.そのため,青空文庫の作品を利用し,その階層構造における分類の検討を試みる.その結果,形容詞の分類及び,形容詞の新たな利用方法に関する可能性が得られた.
  • P2-020
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    ポストナラトロジーの構想は、その一目標として物語生成システムを使った物語乃至小説の制作を置く。この物語乃至小説は、共同幻想・対幻想・個人幻想にわたる広範な事象や人物を扱うが、本研究では、現在日本の言論空間において一定の影響力を持つと思われる橋下徹という実在人物の、ウクライナにおける戦争をテーマとするTwitter記事を分析し、その内容の特徴を考察する。その大きな目的は、上記物語乃至小説における登場人物の一タイプとしての造形である。
  • P2-021
    工藤 舜太 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
    小野 淳平 (青森大学ソフトウェア情報学部)
    小方 孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    本研究は道成寺物再現システムと説明/蘊蓄機構を統合するシステムを実装する.道成寺物再現システムは,『京鹿子娘道成寺』の舞台構造および道成寺伝説のストーリーをアニメーションで表現する.舞台構造とストーリーは,意味的関係により結びつく.説明/蘊蓄機構は,『京鹿子娘道成寺』および道成寺伝説の分析に基づく知識を,説明文として提供する.本稿では,ロボットをユーザインターフェースとして,上記二つを統合した対話可能なアニメーションシステムを実装した.
  • P2-022A
    岡野 裕仁 (京都大学教育学研究科)
    野村 理朗 (京都大学大学院教育学研究科)
    自他を優劣の観点から比較するような社会的比較志向性の高さが、社交不安の一因である可能性が指摘されている。また、マインドフルネス特性が高い者は、そのような社会的比較を行うことが少ないという仮説が提唱されている。これらの動向を背景に、本研究は質問紙調査を行い、優劣評価を伴うような社会的比較志向性はマインドフルネス特性と負に相関することで、マインドフルネス特性と社交不安の負の関係を媒介することを新たに示した。
  • P2-023
    池ヶ谷 啓伍 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    金野 武司 (金沢工業大学)
    清水 悠生 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    長原 瑛吾 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    人と機械のインタラクションで実現できないことの1つに自然なターンテイキングがある.先行研究で行なわれた単純な視覚的インタラクション実験では,予め用意された確率分布で主従関係を切り替える計算モデルを用いると,それは相手に応じて主従関係を切り替えるようになっていなくとも,参加者は相手が人であるか計算機であるかを区別できなかった.対して我々は,動作的な主従関係を意識できるような手掛かりを示すことで,それが区別できるようになることを報告する.
  • P2-024
    伊藤 崇 (北海道大学大学院教育学研究院)
    子どもが家庭での日常生活においてどのように電子デバイスを使用しているのか。4歳から10歳の子どもたちの視点から見たときの使用実態を明らかにするために,11の家族にビデオカメラを渡して2日間の日常生活の様子を撮影してもらい,その映像を分析した。その結果,保護者の死角において電子デバイスを視聴していたことや,従来の使用とは異なる形で電子デバイスの機能の発揮に子どもが貢献していたことが示された。
  • P2-025
    小波津 豪 (バスク大学)
    赤嶺 奨 (Max Planck Institute for Psycholinguistics)
    里 麻奈美 (沖縄国際大学)
    新国 佳祐 (新潟青陵大学)
    人は言語理解において、文や文章の内容を心内に思い描く(メンタルシミュレーション)。先行研究では、文の主語が明示されていないと、文脈から省略された主語が明らかであっても、行為者・観察者どちらの視点も取得されずに文内容のメンタルシミュレーションが行われることが明らかになっている。これに対して本研究では、共感性が高い話者は、文脈が示す(省略された)主語の視点を取得しつつ主語省略文のメンタルシミュレーションを行うことを実験的に明らかにした。
  • P2-026
    本多 明子 (神戸女子大学)
    本発表では、使役の意味を表す英語の結果構文の獲得について、構文文法論的観点から考察する。先行研究によると、汎用性の高い動詞が特定の項構造に頻出することで、子どもは構文の形式と意味の対応関係を認識していくと論じられており、結果構文は使役の意味を表す動詞makeと関係している。この点について、結果構文と使役動詞makeを伴う、いわゆるmake使役構文の成立条件を比較検討し、新たな提案を示す。
  • P2-027
    大槻 正伸 (福島工業高等専門学校)
    小泉 康一 (福島工業高等専門学校)
    視覚復号型秘密分散暗号は,元情報の画像を数枚の画像に分けて暗号化し,そのうち何枚かを集めて物理的に重ね合わせると元の情報が復元できる.元情報の認識は人間の視覚的な認知能力によりなされる.  今回,正統的なシートの重ね合わせ復号法の他に,立体視能力による脳内の重ね合わせにより復号が可能であることが分かった. この復号法について脳内計算を推定し,実験により,観察者-画像間距離と復号像の明確さについて測定した.
  • P2-028
    髙橋 凌 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科)
    寺井 あすか (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
    未知の事柄に対する理解を促すには,既に知っている概念と結び付ける類推による説明が有効である.本研究では,特に関連性のある2つの概念を説明対象として,それらを説明するための適切な類推表現を得ることを目指し,類推に用いる既知の概念の抽出を目的とする.類推のための概念抽出には格フレームを用いる.説明対象と共通する格フレームを持つ語を候補群として,使用される頻度を考慮し順位付けを行う.また,提案手法に対して評価実験を行い,その妥当性を検証した.
  • P2-029
    宮田 義郎 (中京大学)
    鈴木 真帆 (中京大学工学部)
    日常的な創造活動による持続可能社会の方向性を探る実践として「不用品を使ったものづくり」を行なった.参加者は、創造の楽しさ、不用品の可能性、社会貢献の可能性を発見した.もの作りで創造的行為の視野が広がり、自己と社会の関係を構築する可能性を表現した拡張CBAAモデルを提案した.効率重視と大量生産品により創造性が抑制されている現代社会で、持続可能社会への一つの方向性としてさらにその可能性を高め、広げていく価値があるだろう.
  • P2-030A
    千田 真緒 (東京都市大学大学院)
    岡部 大介 (東京都市大学)
    市野 順子 (東京都市大学)
    大学生は,どのようにスマートフォン(以下,スマホ)とともに日常会話空間をつくりあげているのかを考察した.その結果,大学生の日常会話空間のひとつである「空きコマ」における2者間の会話は,小刻みなスマホ利用によって「調整」されていることが見いだされた.「スマホいじり」とともになされる雑談は,観察された大学生の相互注視によって,スムーズに行われていた.
  • P2-031
    奥村 亮太 (立命館大学)
    萩原 良信 (立命館大学)
    谷口 彰 (立命館大学)
    谷口 忠大 (立命館大学)
    エージェントが形成したカテゴリに紐付けられたサインを名付けゲームによって共有する状況を考える.受容確率がメトロポリス・ヘイスティングス(MH)法により決まるなら,二者間の記号創発がベイズ推論と等価になる. 実際の人間に名付けゲームを行わせ,MH法に基づく受容確率と比較することで,人間の記号論が前述の理論によって説明可能かどうか検証した.結果,人間はある程度MH法に基づく受容確率に依存してサインの受容を行っていることが示唆された.
  • P2-032
    稲葉 みどり (愛知教育大学)
    本研究では、日本語を母語とする10、11歳児の物語談話の構成能力の発達を考察した。発話データはKH Coder 3を用いてテキストマイニングにより解析した。その結果、後から判明した新たな事実を基に、二つの出来事の因果関係を結びつけ直す談話再構成能力の発達、及び、情報を加えて描写を豊かにする事例や話を面白くする工夫等が見られ、子どもの創造性の発達と物語を独自のものにしたいという希求が示唆された。
  • P2-033
    香川 璃奈 (筑波大学)
    白砂 大 (追手門学院大学)
    池田 篤史 (筑波大学附属病院)
    讃岐 勝 (筑波大学医学医療系)
    本田 秀仁 (追手門学院大学)
    野里博和 (産業技術総合研究所)
    昨今の社会情勢の変化により、分業の成果物の質を向上させるための介入の需要は高い。我々は、作業者には適切な思考時間が存在するという仮定に立ち、医療画像に異常所見の有無を付与する際に、画像を提示してからある一定の時間、回答できない状態にする介入(ブースト)の効果を検証した。医師(N=730)を対象とした行動実験により、画像を提示してから1秒間だけ回答できない状態にすると正答の期待値が上昇したことを確認した。
  • P2-034A
    田澤 龍之介 (北陸先端科学技術大学院大学)
    鳥居 拓馬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    多自由度・高次元系の運動制御に強化学習手法が適用されている.強化学習は,報酬を最大化する制御則を学習する枠組みである.報酬をコスト関数とすれば,最適制御の枠組みと近い.制御器が取り得る軌道は無数に存在する.無数の軌道から 1 つを選択する,つまり不良設定問題は最適制御における最大化問題である.本研究は,不良設定問題を解決する身体運動の制御機構を基に,多関節制御器のための新たなカリキュラム学習の枠組みを提案する.
  • P2-035
    光田 基郎 (ノースアジア大学経済学部)
    大学生が絵本で欺きまたは単なる誤解内容を理解する技能をクラスター分析して,欺きの理解では誤信念内容に他者を従わせる意図の理解に必要な文法と正反応抑制技能のクラスターと内容の類推,再認と作業記憶(別の長文理解)のクラスタとの分離(光田,認知科学会‘21)同様に,欺かれた振りでの報復を述べた二次的な誤信念内容の理解条件下で作業記憶負荷を軽減した際に上記の欺きと誤解を理解する技能が類似のクラスタ―構成を示す可能性を示唆した
  • P2-036
    原田 雄大 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    竹内 勇剛 (静岡大学)
    複雑な環境で円滑なインタラクションを行える機械は限られた状況にしか適応できず,多種多様な行為主体が存在する環境に適応できるモデルは少ない.本研究では,円滑にインタラクションを行える汎用的なエージェントモデルを実現するために,人間のように価値観を動的に変化させる振舞いを強化学習により獲得可能か確認した.本研究の成果は,多様な価値観を変化させインタラクションを行う人間の認知過程のモデル化に寄与し得る.
  • P2-037
    尾関 智恵 (愛知工科大学)
    寺田 和憲 (岐阜大学)
    髙木 寿 (岐阜大学大学院)
    上野 将敬 (近畿大学)
    牛乳や乳製品は,健康維持に役立つという知識があっても青年期に摂取率が激減する.この要因を探るアンケート調査が多数実施されているが,先延ばし行動の理由の収集が難しい.そこで牛乳や乳製品を題材に,インタラクティブエージェントによって,言いにくい本音や自覚していない状態の報告内容に変化が起こるか要素ごとに探索的に検討する予定である.
  • P2-038
    荒川 歩 (武蔵野美術大学造形構想学部)
    本研究では,創作物に対する創造性評価眼の高低を,美術・デザインの専門家による創造性評価との一致度と暫定的に定義し,その創造性評価眼の高低と一般的な創造性評価(ATTA),および美大型創造性尺度の得点との関係を検討した.一般人46名に対するオンライン調査の結果,ATTAの創造性得点とイラストの創造性評価眼および粘土造形物の創造性評価眼との相関係数は極めて低いが,写真の創造性評価眼との間には一定の相関関係が認められた(r=.33).
  • P2-039
    鶴島 彰 (セコム株式会社 IS研究所)
    災害避難の分野では研究者毎に様々なモデルが開発されているが,共通に使われるモデルは見当たらず,分析結果も使用したモデルに依存する傾向が見られる.この大きな原因は客観データの不足による、内部モデル作成の困難さにある。そこで新しいアプローチとして,内部構造には立ち入らず,より低次の生物行動モデルと高次の高次認知モデルの二つの代替モデルにより上下から挟み撃ちすることにより,人間行動のモデルに近づけていくという可能性について考えてみた.
  • P2-040A
    宮本 真希 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    音声言語では,音声とその指示内容の結びつきは恣意的であると考えられている。しかし,ブーバ・キキ効果のように,音声と指示内容の関係が完全に恣意的とは限らない例もあり,このような例が体系的に存在するという仮説は音象徴と呼ばれている。オノマトペは自然言語における音象徴的な語彙の一つではないかと考えられており,本研究ではオノマトペが全体として音象徴的な体系を持つことを実験的に検証した。
  • P2-041
    山森 良枝 (同志社大学)
    本研究では、「間違った推論」結果を導くと言われる誤謬推論では、前件と後件の間に論理的関係はなく、後件には前件とは異なる隠れた前提xがあること、このxもSCの前件と同じくCの外側にあり、誤謬推論とSCが同じ環境で生起することを提案する。また、その結果、誤謬推論では、CとCの外側にある世界/文脈C‘が交差することになり、その結果、前件(p)とそれを含むCの否定を推論させる会話の含意が生じることを主張する。
  • P2-042
    清水 大地 (神戸大学人間発達環境学研究科)
    岡田 猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    ダンスや音楽等の上演芸術においては,複数の演者が活発に関わり合い魅力的なパフォーマンスを披露する.その興味深さの一方で,上記の関わり合いの特徴の定量的検討や現象を捉える枠組みの提案は,十分になされていない.本研究は,著者の取り組んできた演者間の関わり合いに関する研究や他の関連研究を,特に同期・協調に着目したものを中心に紹介する.そして,以上の知見を踏まえ,演者間の関わり合いの特徴を捉えるための枠組みを整理し,今後の展望も含め考察する.
  • P2-043
    岸山 健 (東京大学大学院総合文化研究科)
    田 子健 (東京大学大学院総合文化研究科)
    広瀬 友紀 (東京大学大学院総合文化研究科)
    幕内 充 (国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
    認知機能の発達を検証する「描画課題」のデータを例に,コーパスなどのテキストから有用な情報を抽出する「テキストマイニング」を適用する手法を本稿では報告する.行動データをPythonライブラリであるscikit-learnに対応した形式に変換すると,コードを簡潔に保ちつつ効率的に分析できる.サンプルコードを公開し,前処理から結果解釈の方法まで述べる.
  • P2-044
    片桐 恭弘 (公立はこだて未来大学)
    Jokeを形式意味論的に代表される構成的な意味規定と,伝達意図に支持される非自然的意味規定との境界現象と捉え,そのコミュニケーション機構の分析を行った.Jokeの中心となるpunch lineを明示的に発話しない形式のjokeに着目し,明示的・非明示的な並置が間接言及,参照シフト,交換などの技法の基盤となっていることを主張する.
  • P2-045A
    林 涼太 (東京電機大学)
    市野 弘人 (東京電機大学)
    樋口 滉規 (東京電機大学)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    本研究では,因果帰納モデルのメタ分析で行われた実験の問題点を指摘し,問題点の大きいと考えられる実験から優先的に追試を実施し,追試データを部分的に組み込み再度メタ分析を実施した. 結果として,記述的因果帰納モデルであるpARIsが人間の因果的直感に関する内部モデルとして合理的であることを示すことができた. また,心理学研究の再現性や線形モデルを用いた個人差分析の観点から実験データやプログラム公開の重要性を説いた.
  • P2-046
    七田 麻美子 (埼玉大学)
    菊地 浩平 (筑波技術大学)
    山本 祐子 (名古屋商科大学)
    須永 将史 (小樽商科大学)
    本研究は、オンライン研修で受講者の満足感が何によって規定されるかを考察するものである。対象としたのは、新電力へのスイッチング促進の研修で、2020年以降オンラインで開催されていたものである。アンケート調査の分析の結果、質疑応答がある研修の方が高い満足度を示すことがわかった。質疑の分析から参加者が穏やかな・楽しいやりとり,また自分の質問に正確に応対する回答に満足しているわけではなく質疑があること自体に満足感を覚えている可能性が示唆された.
  • P2-047A
    瀬田 稀介 (静岡大学 情報学部)
    大本 義正 (静岡大学 情報学部)
    自閉スペクトラム症スクリーニングの診断補助を図るべく、機械による協調運動能力の分析を実現するため、判断基準の客観化・定量化を目指した実験を行った。方法として実験参加者にバランスゲームを行ってもらい、スコアと協調運動の因果性パターンを分析した。結果として、高スコアと低スコアの運動協調パターンに大きな差が見られ、自閉スペクトラム症スクリーニングを行う際、今回の手法を利用した新たな評価枠組みを構築できる可能性が確認された。
  • P2-048
    松室 美紀 (立命館大学)
    本研究では,ACT-RとUnityを接続することにより,3次元空間における課題のシミュレーションを容易に実行できる3D-AGIの開発を目指す.特に,様々な方向を向いて課題を遂行することを想定し,Unityから視野内の情報の送信,ACT-Rからのモデルの状態やコマンドの送信を,短い周期で定期的にやり取りできる環境を構築した.この環境を用い,頭を動かさないとターゲットを見つけることのできない探索課題をACT-Rモデルに遂行させた.
  • P2-049
    美馬 義亮 (公立はこだて未来大学)
    数学学習のような抽象的な概念を学ぶとき,学習者は,教科書の記述を追い,演繹的な思考を繰り返して,思考モデルの運用能力を獲得することができる.このような方法で,学習者は個人の努力では難しい抽象的な思考様式を身につけることができる反面,概念獲得が不成功に終わる事例も多い.抽象的な概念の獲得を確実に行うことは,学習意欲にもかかわる.本報告では,抽象的な概念の学習で何が起こるのかについて,圏論で用いられる可換図式を用いながら考察をおこなう.
  • P2-050
    桑原 涼香 (静岡大学情報学部行動情報学科)
    長島 一真 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    川越 敦 (筑波大学)
    大澤 博隆 (慶應義塾大学)
    本研究では,協調行動の分析に適したカードゲーム「Hanabi」を題材としたシミュレーションを行った.ゲーム中にコミュニケーションが成功した際,自他の行為を事例として蓄積し,それを利用することで他者の行為の意図を推定する認知モデルを構築した.2体のモデルが対戦するシミュレーションの結果,試行の進行に伴う事例の蓄積・利用,およびゲーム得点の上昇が確認された.
  • P2-051
    及川 博渡 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
    千代原 維龍 (岩手県立大学ソフトウェア情報学科)
    小倉 加奈代 (岩手県立大学)
    身体知を形成するサイクルは,新しい着眼点を発見し,新旧着眼点相互の関係性を模索することで新たな身体知モデルを構築するプロセスの繰り返しであると言われている.本研究では,傘回しの「乱回し」という技の習得を目指し,その習得過程において前述のサイクルを確認できるどうかを練習時に記録する言語記録を中心に分析し,検証した. 分析の結果,2名ともにスランプ時に前述の身体知形成サイクルに対応する言語記録が確認された.
  • P2-052
    佐野 奈緒子 (東京電機大学)
    秋田 剛 (東京電機大学)
     オンラインによるコミュニケーションでは, 共在感覚が重要であると考えられる. 会話によるコミュニケーションが一般的であるが, 本研究ではモニタ上で互いに擬似的に接触する行為を伴う会話についての共在感覚について検討した. その結果, 接触なしの会話と同等の共在感覚が認められた. 一方, 行動のしにくさはじゃんけんと同等に低く, 接触や運動を伴うコミュニケーションの場合, 現行のシステムでは認知・行動上の不自然さが感じられている.
  • P2-053
    渋谷 賢 (杏林大学医学部統合生理学教室)
    大曽根 裕樹 (千葉みなとリハビリテーション病院)
    大木 紫 (杏林大学医学部統合生理学教室)
    ラバーハンド錯覚(RHI)は,手の所有感と知覚位置に変容を引き起こす.本研究は錯覚誘発時(RHI)と非誘発時(non-RHI)の触覚時間順序判断(TOJ)を調べた.non-RHI条件のTOJの時間分解能(TR)はRHI条件よりも低く,手の知覚位置の変化と相関した.RHI条件の主観的同時点(PSS)は手の所有感の変容と相関した.本結果は,PSSとTRが手の自己帰属と自己位置に関連する可能性を示唆する.
  • P2-054
    加藤 樹里 (金沢工業大学)
    長滝 祥司 (中京大学)
    大平 英樹 (名古屋大学)
    柏端 達也 (慶應義塾大学)
    金野 武司 (金沢工業大学)
    柴田 正良 (金沢大学)
    橋本 敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    三浦 俊彦 (東京大学)
    本研究では,ロボットが道徳的行為者となり得る3条件をシナリオの文章で操作し,そこで説明されたロボットが行った道徳的判断に対する評価や反応を検討した.3条件とは,認知行動する存在,特定の一人称的存在,共同的存在である.実験で参加者は,これら3つの条件の有無を変えたロボットについての4種類のシナリオを読んだ.結果,各シナリオは3つの条件の有無を操作できていたと解釈されたが,道徳的判断への評価について,シナリオ間での差はみられなかった.
  • P2-055A
    阿久津 規介 (東京電機大学理工学研究科情報学専攻)
    池田 駿介 (東京電機大学)
    布山 美慕 (立命館大学文学部)
    西郷 甲矢人 (長浜バイオ大学バイオサイエンス学部)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    この論文では, 動的な比喩理解モデルである不定自然変換理論(TINT)で使用するデータとして単語の分散表現を利用できるか検証した。その結果、人と同様の連想イメージを用いた場合と喩辞・被喩辞の連想イメージ間の連想確率を考慮した場合では比喩的な対応づけが生成された.また喩辞・被喩辞間の連想確率がある程度なければモデルが上手く動作しないことがわかった.
  • P2-056
    西原 三貴 (神戸大学)
    巽 智子 (神戸大学)
    本研究では、6~8歳の日本語単一母語話者の子どもを対象に、言語習得過程に見られる過剰一般化について人工言語を用いた実験を行った。 分析の結果、新規の冠詞学習についての正答率に関して、年齢による有意傾向が見られることが確認された。また、過剰一般化の傾向について、練習頻度が高い方の冠詞に過剰一般化することが確認された。
  • P2-057
    寺井 仁 (近畿大学)
    創造性研究において,プロダクトの創造性がいかに評価されるかは,重要な課題の一つである.本研究では,創造性評価において,評価対象であるプロダクトのカテゴリに対する認知が与える影響を検討した.実験では,プロダクトとカテゴリ名が同時提示される場合を統制条件とし,プロダクトに遅れてカテゴリ名が提示される遅延条件との比較を行った.その結果,カテゴリの遅延提示は,創造性評価を有意に低下させることが示された.
  • P2-058A
    今井 健人 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    佐藤 優太郎 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    小鷹 研理 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    身体の錯覚研究では, 身体変形感を生起する錯覚が多数報告される. 我々は, 皮膚の変形感を生起する「Slime Hand (SH)」を発見した. SHは, 従来錯覚の空間的同期の制約を逸脱する操作を行なってもなお, 強力で即席に作用する興味深い錯覚である. 本研究では, SHにおける皮膚変形と固有感覚ドリフトを分離する被験者実験を行い, 皮膚変形距離が, 固有感覚ドリフトの理論的限界を超過していることを示唆する結果を得たので報告する.
  • P2-059A
    下條 志厳 (立命館大学人間科学研究科)
    林 勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    本研究では,ワーキングメモリと共感性がそれぞれ協同学習におけるテキストの知識利用と関連するのか検討する.方法としては,実験室実験とコンピュータシミュレーションを用いる.実験室実験の結果,ワーキングメモリとは関連があることが分かったが,共感性とは関連がないことが分かった.シミュレーションでは,同様の結果であったが,共感性に関しては極端な値をとると知識利用がうまくいかないことが分かった.
  • P2-060
    山田 敏幸 (群馬大学共同教育学部英語教育講座)
    本研究は第一言語獲得が肯定証拠のみに依ることを踏まえて、第二言語学習者の文法的誤りは否定証拠がなくても減少するのかを検証する。71人の日本人英語学習者が、訂正フィードバック無しの自由英作文を行なった。結果は、1年度の期間において、文法的誤り率が後期の方が前期よりも低かった。この傾向は冠詞や数一致には見られ、前置詞や時制には見られなかった。明示的な指導がなくても暗示的な学習が起き得ることを考察する。
  • P2-061
    佐藤 萌日 (大阪大学大学院 基礎工学部)
    高橋 英之 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
    昨今のオタク文化では,オタク同士の交流が盛んになった.オタクたちは興味の対象に対する解釈を共有・意見交換することで,様々なミームを生み出してきた.本研究ではオタク集団によるミーム生成プロセスについての数理モデル化を目指す.具体的には,個人とオタク集団,そして推し、そして推しに生まれる人格性について分類をする.その上で,これらの関係性を人工的に創生したエージェントの挙動により推しロボットの人格性をミームとして創発可能かどうかを検討する.
  • P2-062
    大橋 秀也 (千葉大学)
    岩淵 汐音 (千葉大学)
    松香 敏彦 (千葉大学)
    これまでのカテゴリー学習に関する研究では、実験者が実験参加者に特定の特徴セットを提供したり、カテゴリーのラベルかつ部分的な特徴次元の情報を提供したりするなど、学習の対象は実験者が選別し、学習者においては受動的な学習が行われていた。本研究では、学習者がどのような情報を得たいか自由に選択できる課題を用い、能動的なカテゴリー学習時に学習者がどのような情報希求行動を行うかを検討した。
  • P2-063
    近藤 秀樹 (神田外語大学)
    遠山 紗矢香 (静岡大学)
    大﨑 理乃 (武蔵野大学)
    山田 雅之 (九州工業大学)
    本研究では,インフォーマルな学習の共同体が外的要因によってその継続が困難となった際に,他の共同体と合流することによって活動を継続するよう学習環境をデザインした事例を対象に,活動の特徴を抽出した.二つの共同体の重なりに焦点をあてた学習環境をデザインすることで,活動が持続可能であることが示唆された.活動が継続することによって,離脱したメンバーが復帰を希望する場面も見られたことから,求める学習環境を再構成することができた可能性が示された.