キーワード索引
創造性
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OS3-1-2公募発表同人作家による二次創作への動機づけと創作プロセスについて、7人の同人作家へのインタビューにより検討した。二次創作ではキャラクターに対する愛着を基盤とし、原作に書かれていない情報や、原作とは異なる仮定を置くことで創作を始めていた。二次創作では原作のキャラクターから大きく逸脱しないことが制約条件となっていた。また自作に対するファン共同体の読者からのフィードバックが、二次創作活動を継続する動機となっていることが示唆された。
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O2-1本研究は,同一の製品を異なる観点で捉えることで製品の創造性評価が変化するプロセスを実証した.操作可能な3Dオブジェクトを評価刺激とし,参加者に観点の記述と新奇性・有用性の評価を2回,最後に各規準の総合的な評価を求めた.その結果,観点が異なるほど評価は変化し,2回目の評価が1回目の評価よりも総合評価に影響することを示した.このことは,観点の発見に伴い,製品の創造性評価が更新される可能性を示唆している.
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O3-3本研究では,ダンスを専門としない大学生が,自然とダンス表現を創作してしまうような教育プログラムのデザイン原則を明らかにするために,熟達者の近藤良平氏の授業実践を対象に,近藤氏の授業展開を分析した.その結果明らかになったデザイン原則は,講師も参加者も童心で向き合い,人と人が接触により動く活動を中心に,身体が持つ物質的側面と社会的側面を使い分けながら他者とやりとりする中で,探索中心の活動から徐々に発信を見据えるようにすることであった.
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P1-12本研究ではアイデア発想を必要とする職業の人々の創造性向上を目的にひらめきタイミングと「寝かせ時間」を検証。自己観察実験(25名)からひらめきの多い場面と時間帯を抽出、次に介入実験(60名)で、アイデア発想を要する課題を出し、即時着手・1週間寝かせ・初日着手後寝かせの3条件で追跡調査を実施。結果「1週間寝かせ」チームがアイデアの質と量共に最も良い結果であった。これは、課題を計画的に「寝かせる」ことが創造性向上の鍵になることを示唆している。
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P2-18拡散的思考(DT)の自動スコアリング手法として注目される意味的距離を用い、日本版拡散連想課題(DAT-J)を開発し、その妥当性を検証した。日本語コーパス由来の単語ベクトルでスコアを算出し、3回の調査により信頼性・妥当性を確認した。回答検証機能付きWebアプリも開発し、回答形式の違いがスコアに影響しないことを示した。さらに、大規模言語モデルの埋め込み層を用いたスコアリングも試みたが、精度の大幅な向上には至らなかった。
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P2-64本研究では、マインドワンダリング(MW)が、収束的思考課題の代表例である遠隔連想課題(RAT)にどのような影響を与えるかを検討した。実験参加者を、認知的負荷の高い課題を行う群(MW抑制群)と、目を閉じて休息する群(MW促進群)の2群に分け、それぞれの課題の前後でRATを実施し、スコアを比較した。 実験の結果、休息によってMWは促進されたものの、RATスコアに群間差はみられず、MWがRATの成績向上に寄与することは確認されなかった。
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P3-9本発表では山川・清河 (2017) の追加分析を報告する.アイデア生成前に関連性の低い2対象の共通点を探索する条件(共通点探索条件)と連想語を列挙する条件の間で,生成されたアイデアのカテゴリ数,事前課題との関連を比較した.その結果,条件間でカテゴリ数に差はみられなかったが,共通点探索条件では,より多くの共通点を挙げる人ほどアイデアのカテゴリ数が多い傾向がみられた.共通点探索が多様な観点でのアイデア生成に寄与する可能性が示唆された.
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P3-27本研究では,外部刺激の呈示による創造性の変化を捉えるため,連想語の意味的距離を用いて創造性を測定するforword flow (FF)を使用し,連想の起点となる単語(シード語)の呈示順がFFスコアの変化に与える影響を検討した.また,外部刺激として意味的距離の異なる単語対を呈示した.その結果,単語対の呈示がFFスコアに与える変化はシード語の呈示順によって異なることが示された.
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P3-35本研究は、芸術鑑賞における探索・想像・触発の過程に着目し、上野公園を舞台にアート作品複数を探索的に鑑賞するWSを行った。そして、参加者の認知・行動・情動の変化や他者との共有をGPS・対話・自己報告等により検討した。結果、探索的な活動を通じて没頭感や自律感が高まること、グループ内外で覚醒度や快感情等の情動が同期する傾向が見られること、が示された。今後は認知・行為面も含めた協調解析を進める予定である。