研究分野

デザイン

  • OS2-2-3
    公募発表
    青山 慶 (岩手大学)
    佐々木 正人 (多摩美術大学)
    西尾 千尋 (甲南大学)
    山本 尚樹 (弘前学院大学)
    山﨑 寛恵 (東京学芸大学)
    藤井康介 (PLAY DESIGN LAB (by JAKUETS))
    本荘栄司 (PLAY DESIGN LAB (by JAKUETS))
    加藤將則 (PLAY DESIGN LAB (by JAKUETS))
    本研究の目的は,新たにデザインされた遊具において,そこで生起する行為の多様性から遊びの可能性を捉え直すことである.本研究では,Gibson(1979)の生態幾何学的観点を参照し,子どもたちの実際の身体の動きや相互行為のプロセスから,遊具がいかなる「あそび」を可能にしているのかを考察した.その結果,踊り場のない螺旋構造がもたらす移動を基本とした滞在によって,経路の交差や共有によるコミュニケーションの機会をもたらされることが示唆された.
  • OS3-1-2
    公募発表
    田中 吉史 (金沢工業大学)
    高柳 蘭 (金沢工業大学)
    同人作家による二次創作への動機づけと創作プロセスについて、7人の同人作家へのインタビューにより検討した。二次創作ではキャラクターに対する愛着を基盤とし、原作に書かれていない情報や、原作とは異なる仮定を置くことで創作を始めていた。二次創作では原作のキャラクターから大きく逸脱しないことが制約条件となっていた。また自作に対するファン共同体の読者からのフィードバックが、二次創作活動を継続する動機となっていることが示唆された。
  • OS3-1-3
    公募発表
    猪股 健太郎 (熊本学園大学)
    本研究では,測定尺度の作成をとおして,決定的瞬間とはどのように定義されるのか明確にするための検討を行った。予備調査では,300名の参加者から自由記述を収集し,その内容にもとづいて29項目の決定的瞬間を写した写真の特徴を抽出した。本調査では,これらの項目を用いて,参加者に写真の評価を求めた結果,決定的瞬間は “予測不可能性”,“刹那性”,“表象性”,“無意図性”の4因子で構成される概念であり,18項目で測定される可能性が示唆された。
  • P1-8
    廣田 章光 (流通科学大学、近畿大学デザイン・クリエイティブ研究所)
    ハイブリッドインテリジェンスにおけるAI生成情報の開発者に対して、遠隔探索促進効果があることを明らかにした。その確認のためAI生成情報の開発者の選択背景を把握する8区分の基準を設計した。そして、AI生成情報が開発者にとって「意外な関係」の気づきを得るきっかけとなり、普段活用できていない「すぐに思いつかない知識」との関連づけを促すことを確認した。
  • P1-15
    崎山 加奈子 (株式会社 明治 研究本部 物性・感性研究ユニット 感性工学G)
    橋本 佳穂里 (株式会社 明治 研究本部 物性・感性研究ユニット 感性工学G)
    外山 義雄 (株式会社 明治 研究本部 物性・感性研究ユニット)
    松原 正樹 (筑波大学)
    インタビュアーと対象者の関係性は,デプスインタビューの成功に影響を与える.本研究は社員を対象とした社員によるデプスインタビュー手法を,企業内での関係性の継続を考慮した制約の下,構成的に開発した.発話を分類する項目の定義付け,発話整理シートの作成,手法の改善,分類項目の見直しによって,インタビュアーのメタ認知の促進や負担軽減,認識の更新に寄与し,対象者の感情の表出を促し,質の高い情報取得に貢献した.
  • P1-53
    平野 智紀 (公立はこだて未来大学)
    前田 ことみ (公立はこだて未来大学)
    島影 圭佑 (公立はこだて未来大学)
    芸術経験は認知や感情を変容させるものであり,芸術を鑑賞することは作品と鑑賞者の日常経験をつなぐイマジネーションのやりとりとして捉えられる.対話型鑑賞は,鑑賞者間の協働的理解を促す手法として注目されているが,現代アート展での実践例は多くない.本研究では,現代アート展「FAYM2024」での対話型鑑賞場面のプロトコル分析を通じて,芸術と日常認知の架橋を探った.作家自身も他の鑑賞者と同じ立場で関わり,作品を中心とする対話が成立していた.
  • P1-67
    古田 久美子 (マルハニチロ株式会社)
    東 瑞穂 (マルハニチロ株式会社)
    本多 倫子 (マルハニチロ株式会社)
    安久 絵里子 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学/イデアラボ)
    山本智子 (マルハニチロ株式会社)
    本研究では,高齢化社会における冷凍食品パッケージの調理法表示のユーザビリティを検討した.実験1では高齢者と大学生を対象に認知的ユーザビリティテストを実施し,マニュアルの理解困難点や調理エラーの発生を確認した.これに基づき表示デザインを改善し,実験2で再評価したところ,エラーの減少など一定の効果が認められた.また,既存ユーザーと新規ユーザーの反応差も明らかになり,特に高齢者既存ユーザーには変更点を肯定的に伝える必要性が示唆された.
  • P2-28
    堀井 麻央 (株式会社乃村工藝社 未来創造研究所「歓びと感動学」チーム)
    井関 彩乃 (株式会社乃村工藝社 未来創造研究所「歓びと感動学」チーム)
    田中 麻沙子 (株式会社乃村工藝社 未来創造研究所「歓びと感動学」チーム)
    山口 茜 (株式会社乃村工藝社 未来創造研究所「歓びと感動学」チーム)
    青野 恵太 (株式会社乃村工藝社 未来創造研究所「歓びと感動学」チーム)
    戸梶亜紀彦 (東洋大学)
    空間での体験デザインにおいて,心を動かすことを指して多用される「感動」を改めて捉えなおし,体験によって引き起こされる多様な心の動きについて探索的分類を試みた.「心が動いた体験」のインタビューを実施した結果,それら体験による心の動きには少なくとも9の種類があることが見出された.中には,「感動」という言葉では表しにくい心理状態も含まれており,その多様性を把握することの重要性が示唆された.
  • P2-40
    林 大輔 (日本たばこ産業株式会社)
    武田 千愛 (日本たばこ産業株式会社)
    三澤 萌寧 (アッシュコンセプト株式会社)
    八幡 純二 (アッシュコンセプト株式会社)
    砂口 あや (アッシュコンセプト株式会社)
    名児耶 秀美 (アッシュコンセプト株式会社)
    本稿では,日常における心の豊かさと関連しうる「道草」について,人文学的に考察を行って見出した要素を踏まえて,人々にちいさな「ハテナ」を提供できるプロダクトを生み出しているデザインの取り組みを紹介する.プロダクトを購入して所有している方々へのインタビュー調査を通じて「ハテナ」の体験に関する理解を深めつつ,そのような体験と認知科学における概念との関連について考察することで,「デザインによる認知科学研究」の可能性を探索する.
  • P2-45
    藤堂 健世 (関東学院大学 理工学部)
    吉川 厚 (関東学院大学 理工学部)
    山村 雅幸 (東京科学大学 情報理工学院)
    本研究では,対話エージェント設計で従来軽視されてきた構造的要素がユーザー評価に与える影響を検証した.キャラクターの向き・吹き出しサイズ・背景PC配置の3要因を操作し,1000名の参加者の信頼性評価を測定した.その結果,女性参加者においてキャラクター向きによりPC配置の最適位置が反転する現象を発見した.この知見は対話エージェント設計における構造的要素への配慮の必要性を示している.
  • P2-57
    奈良 泉美 (公立はこだて未来大学大学院)
    南部 美砂子 (公立はこだて未来大学)
    本研究では,「概念」推し活におけるぬいぐるみの服を製作する現場を対象に,1)コミュニケーションの特徴,2)「概念(推しを連想させる要素)」を具現化する過程について,探索的に検討した.結果,1)では相互支援的なコミュニケーション,2)では推しのイラストとの比較からより近似する素材を選択することがみられた.以上から,「概念」推し活における創作の場が学び合いの機能を有し,創作は自分なりの推しらしさを表現する創造的実践である可能性が示唆された.
  • P2-63
    渡辺 謙仁 (静岡大学)
    坂本 孝丈 (静岡大学)
    須藤 智 (静岡大学)
    老人ホーム遠隔就労を想定し、65〜81歳の高齢者26名がテレプレゼンスロボットTemiの操作を3週間学習した。単独群12名と交流群14名を比較した。コース走行課題は両群とも週を追うごとに迅速化したが,交流群は単独群よりも所要時間が長かった。御用聞き課題は交流群3週目で遅延増大した。交流に伴う目標水準上昇や評価懸念が慎重操作を招いた可能性がある。所要時間のみでは学習成果判定が困難で質的指標が必要である。
  • P3-29
    南部 美砂子 (公立はこだて未来大学)
    原田 泰 (公立はこだて未来大学)
    大量のモノに囲まれて暮らしている現代社会の私たちにとって,「モノのかたづけ」は,生活の質(QOL)やウェルビーイングにも直結するきわめて重要,かつ認知的な負荷の高い行為である.本研究では,老老介護の家庭を対象としたフィールド調査にもとづき,モノ・他者・活動などがどのように組織されているのか,ケアのための空間と生活がどのようにデザインされているのかを,認知科学の人工物研究と情報デザインの観点から分析した.
  • P3-34
    嶋田 祐観 (北陸先端科学技術大学院大学)
    松崎 由幸 (北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 先端科学技術専攻)
    宮本 遥奈 (北陸先端科学技術大学院大学)
    鳴海 康平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    Haoran Sun (北陸先端科学技術大学院大学)
    YaoWenbo (北陸先端科学技術大学院大学)
    中分遥 (北陸先端科学技術大学院大学)
    文化は認知バイアスに沿って変化する場合がある.本研究では,文化変化の要因として「可愛さ」の認知バイアスであるベイビースキーマに基づき,目の大きさに着目し分析した.分析にはYOLOを用いて6誌から1,406枚の顔画像を抽出した結果,低年齢層向けほど目が大きい傾向が確認された.また,登場人物の性別の影響も見られた.今後の展望として,可愛さの表現が性別や年齢でどのように異なるかを理解することで,より多様なデザインへの展開も期待される.
  • P3-35
    清水 大地 (神戸大学)
    岡田 猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    佐藤 悠 (フリーランス)
    本研究は、芸術鑑賞における探索・想像・触発の過程に着目し、上野公園を舞台にアート作品複数を探索的に鑑賞するWSを行った。そして、参加者の認知・行動・情動の変化や他者との共有をGPS・対話・自己報告等により検討した。結果、探索的な活動を通じて没頭感や自律感が高まること、グループ内外で覚醒度や快感情等の情動が同期する傾向が見られること、が示された。今後は認知・行為面も含めた協調解析を進める予定である。
  • P3-66
    福田 大年 (札幌市立大学)
    深見 嘉明 (東京理科大学)
    寺本 直城 (東京経済大学)
    中村 暁子 (北海学園大学)
    西 大輔 (拓殖大学)
    丸山 洋平 (札幌市立大学)
    本研究の目的は,小規模ワイン事業者(作り手)と消費者(受け手)が,ワインの味の感覚的な印象の違いを相互学習できるビジュアル・コミュニケーション手法を構築することである.ワインの味の感覚的な印象を環世界と捉え,描画と対話を繰り返して味覚の環世界を相互学習するテイスティング・スケッチを考案・試行した.本稿ではその特徴,内容,試行例,限界,発展性を示した.本試行によって,味覚の環世界を学び合う場づくりのヒントを得た.