研究分野別一覧

思考・知識

  • OS02-4
    公募発表
    藤崎樹 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    私たちは日々,好みに関する意見を求められる.こうした際,どうすれば有益な意見を与えられるだろうか.最近,一人に複数人分の意見を擬似的に算出させることで,有益な意見を生み出すという手法が提案されている.しかしこの研究では,参加者をまとめて分析していた.そこで本研究では,個人差が手法の有効性に与える影響を検討した.結果,平均から離れた好みを持つ人ほど,手法の有効性が高まることが明らかとなった.
  • OS02-6
    公募発表
    中村國則 (成城大学社会イノベーション学部)
    This study aimed to explore this correlational relationship between probability and utility by requiring participants to estimate both probabilities from payoffs and payoffs from probabilities under gain or loss situation. Results indicated that when estimating values of payoffs from probabilities, participants’ judgments showed clear negative correlations between probability and utility both in gain and loss situation. However, when estimating probabilities from payoffs, this negative correlation between utility and probability was found only in gain situation.
  • OS09-2
    公募発表
    井上直紀 (静岡大学)
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    本研究では,ジレンマ環境での新規なコミュニケーションシステムの成立と変化について,ゲームを用いて実験的に検討した.ゲームでは,利益を独占する行動と二者間でやり取りされるメッセージの曖昧さに相互関係があると想定された.ゲームを用いた予備的な実験の結果から,曖昧な意味付けを含むコミュニケーションの生起の可能性が示された.その上で集団実験を行い,生起したコミュニケーションに多様性があることが確認された.
  • O2-3
    小田切史士 (青山学院大学 社会情報学研究科)
    鈴木宏昭 (青山学院大学 教育人間科学部)
    洞察問題のヒント情報を閾下呈示することで,解決が促進されることが知られている。しかし先行研究では画像を複数のステップに分割して閾下呈示すると、効果が得られなくなることが示されている。本研究では分割したヒント画像に線運動錯視を用いることで動的な情報として呈示した場合、個々の画像を統合活用できるのかを検討した。その結果,解決者数の増加は有意ではなかったものの,その行為には動的な情報によって潜在情報を統合した影響が見られた.
  • O3-3
    加藤龍彦 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    対象間の関係の関係性を用いる推論を類推という.近年提案された単語埋め込みモデルは類推課題に高精度で回答可能であり,類推をモデル化する上で新たな可能性を示している.しかしこうしたモデルを評価するのに用いられてきた課題は,関係の関係性を用いなくても正答できる可能性がある.本稿では関係の関係性を用いなければ正答できない課題を提案し,単語埋め込みモデルがこうした課題をほとんど解けないことを示すことで,モデルが類推を行っていない可能性を示した.
  • P1-11
    山川真由 (名古屋大学・日本学術振興会)
    清河幸子 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    本研究では,物事に対する固定的な見方を解消する方法として「関連性の低い2つの対象間の共通点探索」に着目した。関連性の低い2つの対象間に共通点を発見するためには,対象がもつ顕在的でない特徴への着目が重要であると想定し,このプロセスを共有すると考えられるカテゴリ列挙との関連を検討した。その結果,共通点探索課題とカテゴリ列挙課題の成績には正の相関関係が認められ,「対象の顕在的でない特徴への着目」という共通するプロセスを有することが示唆された。
  • P1-12
    田岡祐樹 (東京工業大学 環境・社会理工学院)
    布施瑛水 (東京工業大学 工学院)
    齊藤滋規 (東京工業大学 環境・社会理工学院)
    近年,企業は新しく革新的な製品やサービスを開発するために,グループで長期的なデザインプロジェクトを実行している.グループメンバーの専門の多様性とグループ内の対立は、革新的なアイデアを発展させる要因とされているが,成果物への影響は,特に長期の設計プロジェクトでは十分に検証されていない.本研究は,1.5ヶ月の学生によるデザインプロジェクトにおける多様性の高いグループと低いグループのグループ内対立と成果物の創造性を調査した.
  • P1-22
    新垣紀子 (成城大学 社会イノベーション学部)
    大間知ありさ (成城大学)
    本研究では、個人で事前に生成したアイデアが、協働で行うアイデア生成の成果物にどのように影響するのかを検討した。5組のペアで検討した結果、協働することにより個人のアイデアに加えて多くのアイデアを生成したペアと新しいアイデアがほとんど生成できないペアが観察された。新しいアイデアが多く生成されたペアでは、一方の生成したアイデアに触発されて、他方の参加者が別の新しいアイデアを思いつく事例が多く観察された。協働における議論の重要性が示唆された。
  • P1-29
    廣田章光 (近畿大学 経営学部)
    イノベーションにおける対話の重要性は指摘されている。しかしプロセスの視点でその実態を捉えた研究は少ない。さらに対話を構造的に捉えた研究も充分では無い。本研究ではインサイトに至る、認知と表現の相互作用を、開発におけるピボット(Pivot(変曲点))に注目し比較事例分析を行った。そこから閉鎖型と開放型の2つのタイプのピボットの存在を明らかにした。さらに2つのピボットの関係と閉鎖型から開放型へのピボットの変化について説明した。
  • P1-34
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    中嶋直哉 (筑波大学 人間学群 心理学類)
    言語性能力は加齢による影響を受けにくいとされる一方,加齢により低下するとされる抑制機能が文章理解に関係するとも言われる.本研究は,複数文の中の1文がテキスト全体の記憶表象に合致しない不要文である材料テキスト20セットを作成し,記憶課題成績や読み過程の分析から,若年成人は不要文を組込まない記憶表象を構築するのに対し,高齢者は不要文を抑制せず両者が混在する記憶表象を作ることが示され,テキスト読解過程と抑制機能の関係について考察を行った.
  • P1-35
    光田基郎 (ノースアジア大学・経済学部)
    概要:成人に「対象の予期しない移動による誤信念」の理解を求めた実験(例:Birchなど’07)に注目し,実験参加者が対象の移動を知り得た結果が登場人物の誤信念内容の理解と誤信念一般に与える効果を検討した。内容は画面で読み聞かせた絵本の内容理解,下位技能と成人の誤信念理解検査成績(従来の2肢/Birthの4肢選択)とを関連付けた探索実験である。
  • P1-36
    布山美慕 (早稲田大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    物語の大局的理解と局所的理解の相互依存的関係は解釈学的循環と呼ばれ,文章理解の基盤の一つとされる.本研究は解釈学的循環の認知過程解明を目指し,大局的理解を反映する元童話推定課題と局所的理解を反映する意味的段落分け課題を提案し,両課題回答の関係性を分析した.その結果,両課題回答間の一貫した関係性や,意味的段落分け回答において物語終盤とそれ以外の部分に対し異なる構造が示唆された.これらの構造は解釈学的循環の認知過程の一端を示唆する.
  • P1-37
    服部郁子 (立命館大学総合心理学部)
    服部雅史 (立命館大学総合心理学部)
    認知資源は認知機能の遂行にとって重要であり,認知資源と推論との間の重要な関連性は古くから認識されてきた.認知資源によって課される制約は,しばしばあいまいなで膨大な情報を扱うための重要なメカニズムである.本研究では,近年の様々な領域の研究を概観し,二種類の思考の制御に関してワーキングメモリーが二つの役割を担っていることを論じる.
  • P1-38
    白砂大 (東京大学)
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部)
    松香敏彦 (千葉大学)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本研究では、日常場面(商品選択)に着目して、なじみ深さの類似性に基づくヒューリスティック「familiarity-matching (FM)」の利用を検証した。「商品Xを買うなら? A社製 B社製」という課題に対し、FMによる予測が、実験参加者の選択パターンとどの程度一致するかを算出した。結果として、予測の一致率がチャンスレベルを上回ったことから、人が日常場面においても、FMのような選択方略を行っていることが示唆された。
  • P1-48
    小島隆次 (滋賀医科大学)
    田中廣明 (京都工芸繊維大学)
    西口美穂 (京都大学大学院教育学研究科)
    対象の空間位置が指示される場面では、指示者側の視点に基づく制約に関する認識が、被指示者の一人称視点からの見えによって影響を受けることが考えられる。また、指示間違いの可能性に関する被指示者の認知の影響を考えることも重要である。本研究は、これら二点について検討した。その結果、空間指示場面において、被指示者視点からの見えと指示間違いの可能性の認知が、被指示者の空間指示理解に影響を及ぼすことが示唆された。
  • P1-49
    石川悟 (北星学園大学文学部)
    一人の実践者が,好みの「卵焼き」/「出汁巻き卵」を作成できるようになるまでの過程を,言語化により記録した.言語化した記録のうち,実行した動作に関する記述および動作や状態への気付きに関する記述に注目し,それらの変遷について分析・検討した.その結果,気付きの詳細化に伴った調理品の完成度の上達が認められた.また,習得された動作が実行できなくなったときには,新たな気付きを生みながらより再現性の高い動作が獲得し直される過程が観察された.
  • P1-50
    上田樹美 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    下中尚忠 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    下田宏 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    石井裕剛 (京都大学大学院エネルギー科学研究科)
    大林史明 (パナソニック株式会社エコソリューションズ社)
    著者らは,知的作業に対する集中に着目して執務者の状態を客観定量的に評価する指標である集中指標の開発を行ってきた.これまでに,作業中に集中していた時間の割合を表す集中時間比率CTRと,集中していた時間の中でもより深い集中状態にあった時間の比率を示す集中深さ指標CDIを提案しており,本研究ではこれらの詳細を実際の例を交えつつ紹介する.また,今後の展望として時系列解析の試みにも言及する.
  • P1-52
    樋田浩一 (東北大学加齢医学研究所)
    越智光 (株式会社デンソー)
    田中君明 (株式会社デンソー)
    杉浦元亮 (東北大学加齢医学研究所)
    自動運転車の室内デザインについて,我々がどのような評価構造を有しているのか明らかにするため,因子分析を実施した.その結果,「高級感」「すっきり・未来感」「活動性」「かわいらしさ」「安心感」の5つの因子が抽出された.これらは,従来の自動車に対してみられていた評価因子と一部共通する一方で,「すっきり・未来感」は,自動運転車に着目したことで抽出された特徴的な因子であった.
  • P1-67
    古藤陽 (東京大学大学院学際情報学府)
    清水大地 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科・情報学環)
    美術創作や鑑賞といった活動においては,しばしば日常とは異なる特殊なものの見方が生じており,その一つの要因として「美的態度」と呼ばれる認知的な構えが存在することが先行研究により示唆されている.本研究は,美的態度をもって非美術の対象を解釈する活動の中で生じる解釈の変化の過程を探索的に検討することを目指す.これにより,美術活動全般に関わる「対象を美的に見る」という力を養うための美術教育手法の開発に寄与することができると考えている.
  • P2-4
    福本理恵 (東京大学先端科学技術研究センター)
    高橋麻衣子 (東京大学先端科学技術研究センター)
    中邑賢龍 (東京大学先端科学技術研究センター)
    急速な変化に対応しながらイノベーションを生み出していくには,学習者たちが能動的に学び,知識を活用していくサイクルに誘うような学びの環境が不可欠である。そのためには教科の知識をリアルの場に繋げ、活動を通して知識の活用を学ぶ方法が有効である。本研究ではそのような学び方をActivity Based Subject Learningと名付け,日常生活に紐づく活動から教科横断的に学ぶことで知識の習得から活用へと展開する学び方を新たに提案したい。
  • P2-22
    井岡裕也 (認知脳科学研究室、明治大学、理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    視覚情報と運動情報の統合によって仮想の手に対して運動主体感および身体保持感を感じるロボットハンド錯覚がある. 本研究では, ロボットハンドの指先と手の平の向きを変化させ, さらに動作に遅延を加えた場合, どのように錯覚が生起するかを調べた. その結果, 実際の手とロボットハンドが, 時間的または空間的に不整合のとき身体保持感は生起しないこと, 一方で、時間的整合性さえ成り立てば運動主体感は生起することが確かめられた.
  • P2-27
    加坂渉 (東京電機大学情報環境学部)
    日根恭子 (豊橋技術科学大学情報・知能工学系)
    向社会的行動は意識的に行うだけではなく, 無意識のうちに環境の影響を受ける可能性がある. 本研究の目的は特定の態度に意味的に関係のない課題によって, 態度の1つである向社会的行動に影響が生じるかを明らかにすることである. その結果, 向社会的行動に関する顕在的態度は, 課題で提示された刺激と関連のある態度をとりやすくなる一方,潜在的態度は提示された刺激と関連のある態度と逆の態度をとりやすくなることが示された.
  • P2-33
    山田陽平 (愛知学泉大学)
    相田優希 (岐阜県立岐阜各務野高等学校)
    本研究では,けん玉の技の習得過程を一人称の視点から観察して分析した.学習者は「ふり剣」練習中の身体感覚や問題意識を発話し,その言葉の内容を分析した.43日間の練習によって成功率は50%から100%まで上昇した.練習を開始時は玉に剣を刺すことばかりに注目していたが,次第に膝や手の動きへ,足と床の接触,指と剣の接触など身体の詳細な部位への意識が増加した.さらに膝と玉の連携,頭部と玉の連携,身体全体へと意識が向くようになった.
  • P2-53
    村越真 (静岡大学教育学部)
    南極地域観測隊を対象に、氷河のリスクに対するイメージについて、南極滞在の前後で活動時の写真を使った聞き取りを行った。また、氷河上で活動する研究者からの聞き取りをおこなった。その結果、滞在前後でリスク評価が低減する傾向に見られたが、その背後にはリスク要因に関する体験的知識や科学的知識の獲得が推測された。リスクに対する認知バイアスの問題について、知識や推論の点からアプローチする重要性が指摘された。
  • P2-54
    山口琢 (フリー)
    大場みち子 (公立はこだて未来大学)
    「考え方」の研究において、Webアプリケーションとして実装した文章やプログラム・コードのジグソー・パズルを題材に、見て並べ替えるUIと聞いて並べ替えるUIとでプレイヤーの考え方が異なるかどうかを比較するとき、2つのUIが備えるべき要件を論ずる。考え方・解き方の違いを比較するためには、測定できるデータから比較したい事象を検出できるようにUIを設計・実装する必要がある。
  • P2-55
    佐藤有理 (京都大学文学研究科)
    唐沢かおり (東京大学人文社会系研究科)
    橋本剛明 (東京大学人文社会系研究科)
    出口康夫 (京都大学文学研究科)
    認識概念の特性を解明するため、認識態度動詞を含む様々な推論課題を用いた実験を実施した。knowを含む人々の推論は、S4-D体系(叙実性のため公理Dを様相論理体系S4から除外)に合致していた。believeとseeとunderstandの人々の推論パターンは、knowといくつかの推論タイプで異なっていた。一方で、be-informedとbe-awareとrememberは、knowとの違いが本実験では検出されなかった。
  • P2-56
    福永征夫 (アブダクション研究会)
    デカルトは難問を,できるだけ多くの小部分に分割することを説いて,要素還元主義という領域学の方法論を確立したが,分割した部分を全体としてまとめる広域学の方法を見出すには至らなかった. 近現代を通じて乗り越えることのできなかったアポリアに挑む道は, 自然や生命・社会の系が相補的なベクトルを持つことに立脚して, 領域学による知識・行動と広域学による知識・行動を,より普遍的な知識・行動に融合する知の統合基盤を確立することである.
  • P2-57
    中村太戯留 (武蔵野大学)
    ユーモアには何らかの不調和が関与することが知られている.しかし,ユーモアを生じない不調和もあり,ユーモアを生じる条件は不明である.本研究では,韻律を有する皮肉的表現を用いて,文脈情報,発話内容,そして発話韻律の組み合わせで,不調和とユーモアの関係を実証的に検討した.結果,ネガティブな文脈とポジティブな内容と韻律の組み合わせの面白さが一番高く,ユーモアは文脈との不調和数と関係する可能性が示唆された.
  • P2-58
    金野武司 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
    村上萌美 (NECソリューションイノベータ)
    人間言語には非常に多くの語彙があり,かつその語彙の意味は集団で共有されている.人間は局所的なコミュニケーションを繰り返して共通の語彙を持った言語を創り出すことができる.本研究では,記号のやり取りを通じて協調的な調整課題に取り組むゲーム枠組みを用いてその計算モデルを構築した.結果,記号の意味推定に応じた行動修正の仕組みや他者の記号の使い方と行動の仕方を模倣する仕組みがあれば,集団で同一化した記号システムが形成されることを確認した.
  • P2-59
    長島一真 (静岡大学)
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    近年,人間とインタラクションをするエージェントが身近になってきている.これらのエージェントに対し,多くのユーザは当初楽しみを感じるが,動作を予測できてしまうと次第に飽きを感じ,利用をやめてしまう.本研究では,認知モデルを用いたインタラクションを継続するエージェントの構築を目指す.第一段階として,内発的動機を導入した認知モデルを用い、「楽しみ」と「飽き」を表現し,エージェント間のインタラクションの持続条件を明らかにすることを試みる.
  • P2-61
    阿部慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    触覚プライミング研究では直前に触れた物の手触りによって、その後の協力ゲーム課題での行動に変化が生じることが報告されている。本研究ではこの効果が拡張された身体への擬似的な触覚刺激であっても生じるのかを明らかにする。具体的には,PC上のマウスポインタを通して擬似的な触覚体験を提示し、その後の協力ゲーム課題での行動を比較した。その結果、提示した刺激の種類によって協力行動の表れやすさが異なることが明らかになった。
  • P2-62
    松本一樹 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    近年,鑑賞者がいかに作品の背景にある作者情報の認識の鑑賞における重要性が示されてきている.本研究はこれに沿い,作者の方に意識を向けながら作品を見ることと,作品自体の表象する意味世界(作品世界)の形成(特に想像の広がりの程度)やその他の美的印象等との関係性を検討した.写真作品を素材とした実験を行った結果,作者に意識を向けることで作品世界の想像が促進され,その想像の促進度と好みや感嘆といった美的印象等が相関することが示された.
  • P2-63
    和田周 (公立はこだて未来大学)
    楠見孝 (京都大学大学院教育学研究科)
    地村弘二 (慶應義塾大学)
    寺井あすか (公立はこだて未来大学)
    本研究は創造的特徴が生成される連想過程について、心理実験・言語データ解析に基づき検討した。2つの単語対が表す特徴を自由に回答する特徴生成課題を用いた心理実験結果に対し、回答された特徴間の”意味的距離”を言語データに基づき推定し、その距離を重みとして持つ連想ネットワークを作成する事で、創造的特徴を含む連想の特性を検討した。その結果、創造的特徴は多数の特徴からなる広範な連想過程において一定程度の連想が進んだ段階で生成されることが示された。
  • P2-65
    田中吉史 (金沢工業大学)
    中野裕太 (金沢工業大学)
    後藤優佳 (金沢工業大学)
    本研究では創造的思考課題の一種であるUnusual Use Test(UUT)に対して、実験参加者のMW傾向と、UUTと同時に実行する副課題が与える影響について検討した。実験の結果、流暢性と独自性に対して、MW傾向、副課題とも影響が見られなかった。柔軟性に関してはMW傾向の高い参加者の方が高い傾向が見られたが、副課題の効果は見られなかった。
  • P2-66
    下條朝也 (名古屋大学)
    三輪和久 (名古屋大学)
    寺井仁 (近畿大学)
    我々はどのような説明を良いと感じるのか.近年,心理学では,科学哲学における「人間は,説明の起こりやすさの推定に,その説明の美しさを用いる」という主張に基づき,様々な実証研究がなされている.特に,説明の美しさの要素であると考えられる「説明の単純さ」や「未観測の事象の数」が説明の選好や事後確率推定に与える効果を独立に検討したものが主である.本研究では,上記2要因を同時に操作することで,効果の程度の比較と,それらの交互作用の有無を検討する.
  • P2-67
    中野良樹 (秋田大学教育文化学部)
    タングラムとはパズルゲームの一種で,解決には定型的な思考を脱し発想を転換する洞察問題である.複数のタングラム課題をくり返し,課題間での難易度の違いや,くり返しに伴う主観的自信度の変化と視線移動などの特徴を検討した.50名が実験に参加し,3つの課題に取り組んだ.自信度,眼球運動,ピース操作のデータから,問題解決に優れた作業者は広範囲に問題空間を検索し,主観的な自信度は低下しても,着実に解へと向かっていることが明らかになった.

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(公財)浜松・浜名湖ツーリズムビューロー
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スズキ株式会社
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株式会社 フィジオテック
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株式会社 デジタルメディック
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株式会社 有斐閣
株式会社 ミユキ技研
トビー・テクノロジー株式会社
日本電気株式会社
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浜松市
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