研究分野別一覧

視覚・聴覚・音声

  • OS08-4
    公募発表
    中田龍三郎 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    実環境に他者が存在しなくても,他者が実在しているように感じることがある.さらにそれが主観的な判断や神経活動に影響を及ぼすことがわかってきた.本発表はこの現象について「プロジェクション」の視点から考察することを目的としている.そのため,異なる存在に他者が投射される「異投射」に着目する.著者らの最新の研究成果を投射の側面から捉え直し,ヒトは積極的に「心的に他者を感じ」投射先との整合性をさほど気にせず投射する傾向があることについて論じる.
  • OS10-6
    公募発表
    菅谷友亮 (三重大学)
    This study demonstrates that in combining a noun (thing) with an adjective (evaluation), several frame elements, which we refer to as competitor, standard, judge, and background scale, are evoked; each element significantly affects the final value-judgment externalized by an adjective expression. Specifically, some or all frame elements are involved in the meaning-making process of adjective expression formation, and they function in a unique and complex manner. To test this assumption, we conducted two simple experiments: a drawing task and an eye-tracking study. The results of these experiments supported our hypothesis.
  • OS14-6
    公募発表
    鈴木弘也 (宇都宮大学工学部情報工学科)
    鈴木瑛大 (宇都宮大学工学部情報工学科)
    伊藤篤 (宇都宮大学)
    橋本直己 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
    佐藤美恵 (宇都宮大学工学部)
     本研究では,観光地の魅力を発見するために,観光対象としての興味・関心と眼球情報,特に注視特性との関係を検討した.そこで,観光地(日本,海外)の画像を大画面提示で見た際の注視特性と,画像内で観光対象としての興味・関心を持った対象との関係を調べるために,被験者実験を実施した.その結果,注視時間と興味・関心の高さに強いい正の相関があること,隠れた興味・関心を見つけ出すためには注視特性以外の眼球情報が必要であることが示された.
  • O2-1
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    高橋康介 (中京大学)
    我々が何かを認識するとき、それはその何かの鋳型のような“表象”を我々が持っている、という考え方は、デカルト以来の心の哲学や認知科学でも主流の考え方である。しかし、もしその表象の考え方から脱け出すのならば、“直接アクセスできない対象”をアクセスできるデータから、その“正解”のない場面において如何に構築するのかを説明する必要がある。本研究はこれをオブジェクト同定問題と呼び、その最たる一例として曖昧図形の錯視を数理的に説明するモデルを示す。
  • O2-3
    小田切史士 (青山学院大学 社会情報学研究科)
    鈴木宏昭 (青山学院大学 教育人間科学部)
    洞察問題のヒント情報を閾下呈示することで,解決が促進されることが知られている。しかし先行研究では画像を複数のステップに分割して閾下呈示すると、効果が得られなくなることが示されている。本研究では分割したヒント画像に線運動錯視を用いることで動的な情報として呈示した場合、個々の画像を統合活用できるのかを検討した。その結果,解決者数の増加は有意ではなかったものの,その行為には動的な情報によって潜在情報を統合した影響が見られた.
  • P1-4
    郭セツ根 (名古屋大学 大学院 情報学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    Food tastes better and people eat more when eaten with company than alone. A good example demonstrating an influence of social factors in food intake, eating together can make food taste better. Here, we further explored a social facilitation of eating in the absence of other individuals. In this study, we set three videos. Participants tasted popcorn when watching each video. Participants ate more popcorn when they watched the other eating video than watched the other calling or the absence video. The subjective evaluations of popcorn was also better in the eating condition than absence condition, but not differ from the calling condition. These suggest eating behavior of the other people was a crucial factor to induce a social facilitation of eating.
  • P1-13
    ヒュース由美 (東京大学大学院学際情報学府)
    三浦哲都 (早稲田大学人間科学学術院)
    向井香瑛 (東京大学大学院総合文化研究科)
    工藤和俊 (東京大学大学院学際情報学環 )
    本研究では, 演劇経験者2名ペアが 即興的に演じた劇を20回反復した時に起こるセリフと動きの変化を実験的に検討した. 映像からセリフの変化を, 足圧中心の時系列データから二者の身体的な相互作用を検討した結果, ①セリフの重複が反復開始後に減少した. ②即興時の二者間の相互相関が最も高かった. ③反復により即興時の微細な動きは割愛され, 大きくパターンのあるものに変化した. この結果は, 反復性により即興表現が編集されたことを示唆する.
  • P1-19
    森本優洸聖 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    牧岡省吾 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    意識的処理が応答プライミングに与える影響については十分に検討されていない。本研究では矢印の左右判断課題と可視度判断課題を用いて応答プライミングがプライム刺激の可視性により変動するのか、また応答プライミングが正と負のいずれのプライミングであるのかを検証した。可視度がSOAと独立にプライミング量に影響することの示唆は得られたが、SOAが一定の実験では明確な結果が得られなかった。今後も実験統制を改善し検討を進めていく。
  • P1-26
    斉藤功樹 (日本ユニシス株式会社、北陸先端技術大学院大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    ソフトウェア開発の要件定義にて,顧客要求は過不足なく定義されるべきであるが,既存のレビュー指標ではその必要十分性を評価できず,レビューアに依存する.そこで,レビューアのもつ要求の必要十分性判別能力をはかるための課題を作成する実験を実施した.その結果,象徴化された顧客要求に対し,必要十分性を満たす/満たさない要求のセットを得た.さらに,本実験は一般の要件定義工程と同様の性質を持ち,その工程を十分に模した実験であることが示唆された.
  • P1-27
    松井理直 (大阪保健医療大学)
    開拗音の存在は、日本語の音節構造を考える上で興味深い問題を引き起こす。もし開拗音が 1 つの子音なら、日本語の頭子音に子音連鎖はない。一方、開拗音が子音+介音の構造を持つなら、限定的ではあるが、日本語は頭子音の子音連続を許すか, /ia/, /io/ などの上昇二重母音を持つ。本稿は、日本語拗音の構造について生理学的手法による検討を行う。結論として、複数の先行研究と同じく拗音は [CjV] という構造を持つと考えるのが妥当と述べる。
  • P1-32
    崔豪准 (名古屋大学)
    三輪和久 (名古屋大学)
    対話インタラクションにおいて,非言語行動とされる聞き手のあいづちと視線は話し手の発想促進に影響を及ぼすのか検討する.独立変数はあいづちの頻度(多・少)×視線(有・無)で参加者内計画をとる.従属変数は発想数,発話数,関心・同意・賞賛の認知と考える意欲とする.課題や要因の提示順は4×4のグレコ・ラテン方格法によりカウンタバランスがとられる.
  • P1-57
    于成 (大阪府立大学)
    牧岡省吾 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    色字共感覚者は,数字や文字などから色の感覚を喚起される.その対応は個人間で異なるが,個人内では一定している.一方,非共感覚者は数字や文字と色との間に特定の対応関係を持たないとされる.本研究では,非共感覚者において,意識されない数字と色の対応関係が存在するかどうかを複数の課題を用いて検証した.この課題では数字と色の対応関係について明確な証拠は得られなかった.今後はストループ課題を用いて検討を進める予定である.
  • P1-58
    小鷹研理 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    石原由貴 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    Susceptibility to the rubber hand illusion has been found to function as a marker of individual differences such as empathy. Though a self-touch illusion has been regarded as a variation of the rubber hand illusion, we have found the susceptibility to the self-touch illusion does not positively correlate with the ownership susceptibility in the rubber hand illusion and the inter personal reflex index. Based on this result, we discuss prospects of individual differences research focusing on the self-touch illusion.
  • P1-59
    岡田莞助 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    小鷹研理 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    脚への筋肉負荷に対して, 筋運動の方向とは異なる方向へと脚が伸びる映像をHMD環境にて呈示することで, 脚の伸縮感覚が誘発されることを我々は観測してきた. 本研究ではHMD環境を用いた被験者実験を行い, 特定の筋運動に対して, 収縮あるいは伸張という順逆いずれの位相の視覚イメージを適用しても等しく伸縮感覚が誘導されるという結果を得たので, これを報告する.
  • P1-60
    齋藤五大 (東北大学)
    本研究では視覚入力が優位な空間である身体正面とまれな背面の多感覚的な自己身体表象を調べるために,目を閉じたまま左手で偽物の手に触れながら右手を同期して触れられると,偽の手を触れているにもかかわらず自分自身の左手で自身の右手を触れていると感じるセルフタッチ錯覚パラダイムを用いた。その結果,錯覚強度は正面で両手を交差した条件よりも背面で交差した条件で高かった。これは正面と背面における手の触覚と自己受容感覚の信頼性が異なる可能性を示す。
  • P1-61
    三浦慎司 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    日本刀の美や力強さの評価は「日本刀を振る」身体感覚に左右されるのだろうか。本研究では、VRで日本刀を振ってブロックを斬る/壊す課題を行った後に日本刀の評価をさせたところ、ブロックを砕いた刀よりも真っ二つに斬った刀の方が好みの評価が高くなった。このエフェクトの差は日本刀を振る映像を身体を動かさずに見たときには現れなかった。このことから、日本刀の好みの評価は刀を振った時の身体感覚と視覚の統合的な働きに左右されることが示唆された。
  • P2-1
    牧岡省吾 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    空間的配列共感覚を持つ人は,数や曜日が特定の配列で並ぶ視覚的イメージをもつ.配列の形状は多様であり円環やジグザグなど様々な形状がみられる. 本研究では,非共感覚者における曜日の空間的配列について検討した.曜日の前後判断課題の反応時間に対する8方向の空間配置の効果を個人ごとに分析したところ,非共感覚者においても曜日の空間配置は個人間で多様であり,不規則な形状もみられることが分かった.
  • P2-7
    佐藤優太郎 (情報科学芸術大学院大学)
    前林明次 (情報科学芸術大学院大学)
    小鷹研理 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    本研究で提案する「芋虫の錯覚」は, 指が掌の内側にくるように左右の指を交差する姿勢によって自らの掌と指とが分離されたような感覚が得られる錯覚である. また, 「芋虫の錯覚」の姿勢を二人組でそれぞれの片手を用いて構成し, もう一方の空いている手で, 組まれた自身の指と相手の指に同時に触れることで, 指が麻痺したかのような感覚が得られた. ひとつの錯覚から質の異なる2種類の錯覚体験が得られたため報告する.
  • P2-8
    石原由貴 (名古屋市立大学大学院芸術工学研究科)
    小鷹研理 (名古屋市立大学芸術工学研究科)
    本研究ではMirror Visual Feedback下で見られる鏡面裏側の手の仮想的な移動感覚(KMI)の誘起に対し, 左右の持ち手のグリップ感の一致/不一致, 及び鏡像の提示/不提示の条件の効果がどの程度あるかについて比較した. 結果, KMI及び身体所有感の誘起には手を提示することによる影響が大きいものの, 鏡面裏側と同じ持ち手を鏡像に提示することでも, ある程度のKMIが誘発されることが分かった.
  • P2-11
    林美都子 (北海道教育大学函館校教育学部)
    ウィリアムズ信介 (北海道教育大学函館校教育学部)
    本研究では、ほど良い複雑さが音楽の好ましさをもたらすとするBerlyne(1971)の逆U字仮説を踏まえて、音程が作り出す複雑性が音楽の好ましさに与える影響を、3年以上の楽器演奏経験者である音楽経験者とそれ未満の音楽素人とを対象として検証した。大学生141名の協力を得て、144種類の短いメロディについてその複雑性や好意度等を評定してもらったところ、予想通り、両群ともに逆U字曲線を示した。
  • P2-16
    大槻正伸 (福島工業高等専門学校)
    小泉康一 (福島工業高等専門学校)
    大塩智規 (東洋システム株式会社)
    異なる2つの異なる長方形対を両眼立体視すると,傾いた平面が錯視像として得られる。 本研究では,(1)異なる長方形対群を画面表示するプログラム,(2)(1)で得た画面を両眼立体視したときの錯視像を計算するシミュレーションプログラム,(3)曲面を与え,それを錯視像として得るための刺激平面を作成するプログラム の作成を行った。(3)は一部のみ錯視像として得られるが不完全なところもあり,完全にすることが今後の課題として残されている。
  • P2-17
    牧野遼作 (早稲田大学 人間科学学術院)
    友野貴之 (早稲田大学 人間科学学術院/大学院人間科学研究科)
    三嶋博之 (早稲田大学人間科学学術院)
    古山宣洋 (早稲田大学 人間科学学術院)
    本研究の目的は,「自分以外の他者たちがインタラクションに従事していること」に対する人々の観察可能性を検討することである.オブジェクト間の点滅が異なる条件の間隙通過実験とアンケートを実施した.実験・アンケート結果に対して分析を行った.結果より,点滅条件に対してオブジェクト間がコミュニケーションしているか見なすか否かに協力者によって異なること,そしてその違いによって,間隙通過判断に対して点滅条件が与える影響に違いが生じる可能性が示唆された.
  • P2-37
    川﨑貴子 (法政大学)
    田中邦佳 (法政大学)
    竹内雅樹 (東京大学大学院)
    マシューズジョン (中央大学)
    本論文では, L2音声習得が進むことで, 無声摩擦音の音声知覚マップがどのように変化するのか, そして既にあるL1音間の距離はどのように変化するのかを, ノイズ下での音声混同実験により調査した。混同傾向のMDSによる分析,および選択肢の選択率の比較により, 習得が進むことにより, [i] が後続する環境で, s, shが区別される, t,sの距離が近くなるなど, 知覚マップに変化が見られた。
  • P2-38
    髙木幸子 (常磐大学人間科学部コミュニケーション学科)
    坂本暁彦 (東京電機大学理工学部共通教育群)
    対格WH語を伴う修辞疑問文では発話時に聞き手を非難する解釈が生じうる.非難の解釈には,指示的解釈と非指示的解釈の2種類があるとされ,それぞれに対して異なる統語・韻律構造が想定できる.当該構造から,指示的解釈ではWH語に,非指示的解釈では動詞に強調アクセントが置かれるとの予測が成り立ち,その妥当性が検証されてきた.本研究ではさらに,上記のように予測される音声情報と視線情報を同時に呈示した場合の聞き手による指示性解釈の変化を検証した.
  • P2-40
    大久保光 (東京電機大学情報環境学部)
    日根恭子 (豊橋技術科学大学情報・知能工学系)
    インターネットショッピング(ネットショップ)が急速に普及している。ネットショップでは背景色が容易に変えられるが、背景色が購買にどのような影響を与えるか不明な点が多い。実験では、同一商品で5種類の背景色について一対比較法により、どちらを買いたいかを問う課題を行った。その結果、赤・青・緑より白・黒の方が商品の選択順位が高かった。ネットショップには、白や黒を背景色に用いると,購買を促進する可能性がある。
  • P2-51
    三宅英典 (松山東雲女子大学)
    関根和生 (慶應義塾大学)
     発話と身振りの処理過程を明らかにするために視覚的注意に焦点を当て,子どもが話者のどこを見ているかを検討した.6歳児21名,女子大学生21名を対象に,日常的な動作を発話と身振りで伝達するビデオをみせ,その後,4枚の写真からメッセージと最も一致するものを選択させた.課題に取り組む参加者の視線を計測した結果,6歳児は顔や身振りに対する視線に成人と差がみられなかったものの,発話と身振りの統合能力では両者に差があることが明らかになった.
  • P2-52
    安念保昌 (愛知みずほ大学人間科学部)
    29名の実験参加者にアイトラッカーを装着して、18対の肯定・否定刺激への視線行動を記録した。実験終了後、ベックの尺度を用いて抑うつ傾向を探るとともに、平均睡眠時間も聞いた。これら2つの測度とその交互作用が、18対のスライド刺激の肯定・否定刺激への視線行動にどのような影響があるかを探った。視線分析では、初視・注目・注視・瞬目の4つの観点から分析し、刺激によって、これらの分布クラスタに3つのタイプがあることが示された。

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