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オーガナイズドセッション (OS10)

言語コミュニケーションにおける階層性と意図共有の統合:人間性の進化的理解へ向けて
9月7日(土) 12:45 - 15:15
会場:共31
オーガナイザー:橋本 敬(北陸先端科学技術大学院大学),小林春美(東京電機大学),岡ノ谷一夫(東京大学)
  • OS10-1
    その他
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    小林春美 (東京電機大学大学院理工学研究科)
    岡ノ谷一夫 (東京大学)
    階層的に構造化された記号列により複合的概念を構築し他者と意図を共有する言語コミュニケーションは人間の本性のひとつである.階層性と意図共有の出現と統合を言語の起源・進化の重要問題と捉える共創言語進化学では,この統合により累積的な概念構築が可能になったと考える.本OSでは,階層性と意図共有の統合に至る生物進化,およびその統合による言語とコミュニケーションの構造・形態の文化進化という進化的観点から,人間性の本質に迫る議論を行う.
  • OS10-2
    招待講演
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    言語コミュニケーションの特質である階層性と意図共有の統合を理解することは,言語の起源を追求する上で重要であろう.意図共有をアブダクティブな推論と考えると,そこに階層性と意図共有を統合する可能性がある.すなわち,他者の意図に関する多様な仮説の形成に,階層性を生み出す再帰的結合が持つ生成物の多様化という機能が活かされる.そして,その仮説の中からEmbodied Simulation可能な仮説が選択されることで,他者の意図を理解・納得できる.
  • OS10-3
    招待講演
    広瀬友紀 (東京大学)
    Pitch accent in Japanese serves multiple duties, allowing different linguistic interpretations of the same prosodic signal. For example, a pitch rise on N-Gen in [modifier + N-Gen + N], which allows two branching structures can be understood as part of a cue to (i) non-default right-branching (RB) syntax or (ii) contrastive focus on N-Gen (e.g., blue cats, as opposed to something else that’s blue). The results from two VWP experiments demonstrated that contrastive focus is computed immediately if such an interpretation is pragmatically felicitous. The same prosodic cue is then re-interpreted as a signal to syntax after the branching ambiguity is resolved by subsequent input.
  • OS10-4
    公募発表
    齊藤優弥 (金沢工業大学大学院 工学研究科 電気電子工学専攻)
    金野武司 (金沢工業大学 工学部 電気電子工学科)
     本論では,二者間でやり取りされる記号表現に構造依存性が発生する過程を定量的に観察できる実験課題について検討し,2対2のゲーム課題を開発した.その結果,協力する二者が共創した意味の数と,扱う記号表現のバリエーションの増加を確認した.しかし,構造依存性を持つ表現の発生は確認されなかった.その原因として,協力・競合関係から生じる失敗回避の動機によって,二者間でやり取りされる意味の増加が抑制されたのではないかと考えられる.
  • OS10-5
    招待講演
    関義正 (愛知大学)
    手乗りとして育てたオカメインコ3羽がヒトの音楽を自発的に模倣して発声するようになった.さらに,それらのトリはその音楽を再生すると,途中からそれに加わり,いわば“斉唱”するようになった.これはそれらのトリが,メロディの全体像をイメージし,進行中の音がそのメロディのどの時点に表れるべきものであるかを判断 しつつ,タイミングのみならず,音高や音圧を同調させながら発声運動を行う能力を持つことを示す.
  • OS10-6
    公募発表
    菅谷友亮 (三重大学)
    This study demonstrates that in combining a noun (thing) with an adjective (evaluation), several frame elements, which we refer to as competitor, standard, judge, and background scale, are evoked; each element significantly affects the final value-judgment externalized by an adjective expression. Specifically, some or all frame elements are involved in the meaning-making process of adjective expression formation, and they function in a unique and complex manner. To test this assumption, we conducted two simple experiments: a drawing task and an eye-tracking study. The results of these experiments supported our hypothesis.
  • OS10-7
    公募発表
    本多明子 (至学館大学)
    本研究では形容詞を伴う英語の結果構文(RC)の獲得について探究する.発達心理学の研究に基づけば,子どもは原因と結果の事象関係を発達の初期段階で認識する.RCは因果関係の事象を表すにもかかわらず、発達初期段階でのRCの獲得は確認し難い.一方で、同じ使役構文に属するMake使役構文(MCC)は初期発話段階で確認できる.RCの獲得についてMCCとの構文特性の違いに着目し,構文文法論における構文間の繋がりを示す継承という考えに基づき説明する。
  • OS10-8
    招待講演
    藤田耕司 (京都大学)
    The combination of hierarchy and intention sharing sets human language and linguistic communication apart from other animal communication systems. It remains to be seen, however, if these two properties are evolutionarily linked and if so, how. Here I provide a possible scenario for their coevolution based on the evolution of multiple, parallel distributed attention system, which may be an instance of domestication syndrome.

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