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記憶

  • O1-3
    佐久間嶺央 (会社員)
    横山ゆりか (東京大学大学院 総合文化研究科 教授)
    福田玄明 (東京大学大学院 総合文化研究科 助教)
    植田一博 (東京大学大学院 総合文化研究科 教授)
    ジェットコースターのような興奮や恐怖を伴いながら複雑な空間情報を探索できるような環境での,覚醒状態と景観の記憶の関係を調べるために,ヴァーチャルリアリティ映像を刺激として用いて記憶の再認課題を行った.その結果,ジェットコースターから見た景観の記憶は,単純に速度の高さ成分の絶対値や覚醒水準に対応するものではなく,相対的に低い覚醒度の場面の中でも特に頂上での景色,つまり落下恐怖を伴う高覚醒の直前で見た景色を記憶しやすいということが分かった.
  • O3-2
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    平山高嗣 (名古屋大学情報科学研究科)
    間瀬健二 (名古屋大学情報科学研究科)
    山田和範 (パナソニック株式会社)
    本発表では,モデルベース回想法のコンセプト,メンタルタイムトラベルに関わる認知モデルのプロトタイプ,およびモデルベース写真スライドショーの提示実験のケースを報告する.シミュレーションの結果,構築されたモデルのモデルベース回想法への適用可能性が示され,ケース報告によって構築されたスライドショーシステムの特徴が明らかになった.
  • OS10-3
    増田孝男 (中央大学 経済学部)
    佐藤文博 (中央大学)
    平松裕子 (中央大学 経済学部)
    伊藤篤 (宇都宮大学)
    佐々木陽 ((株)GClue)
    2014年より,中央大学は宇都宮大学とともに,「日光」の観光活性化の手段としてスマートフォンの高度利用による「観光客の満足度向上のための情報提供技術の研究開発」を進めてきた. 本論文では特に修学旅行生などに対する学習効果の向上を目的に, Zeigarnik effectを利用した心理学的アプローチを考慮した調査実証に言及する.被験者のアプリ利用からみられる風景への着眼点の創出,記憶定着,アプリ評価など実施結果について述べる.
  • OS14-4
    北雄介 (京都大学学際融合教育研究推進センターデザイン学ユニット)
    筆者はこれまで、ものごとの全体的な在り方である「様相」について都市歩行を題材に研究してきた。被験者に指定した街路を歩いて、感じ取った様相を言葉を用いて記録してもらう「経路歩行実験」を用いている。本稿ではこの研究を起点に「ありのままの認知」の研究方法について考察する。「都市歩行という行為」「経路歩行実験という状況」「言語を用いた記録」というそれぞれの側面について筆者の研究について検討し、最後に都市歩行以外の対象への方法の適用可能性を探る。
  • P1-2
    西崎友規子 (京都工芸繊維大学大学戦略推進機構)
    永井聖剛 (立命館大学総合心理学部)
    本研究は安全なマルチタスク遂行支援を目指し,マルチタスク遂行能力の個人差の解明を目指した基盤的な検討を行った.二重課題実験の結果,ワーキングメモリ課題(LST)で測定する理論上のマルチタスク遂行能力の低い群は二次課題の負荷が小さければマルチタスクの影響を受けないが,遂行能力の高い群は小さな負荷でも負の影響を受けた.ワーキングメモリ課題で測定する個人差のみでは,マルチタスク遂行能力を必ずしも正確に推定することができないことを示唆している.
  • P1-8
    方思源 (早稲田大学人間科学研究科)
    松居辰則 (早稲田大学人間科学学術院)
    本研究の心理学実験では、日本語の基本色名における色の中心度とその色に対する短期記憶パフォーマンスとの間に相関関係は認められなかった。一方、色の中心度と弁別度との間に正の相関関係を認めることができた。先行研究の知見を考慮すれば、この結果は「言語別基本色名の中心度効果」が言語により強さが異なる可能性を示唆している。また、「普遍的基本色名の中心度効果」の普遍性ないしは存在に疑問を投げ、この中心度効果は弁別度効果である可能性も示唆している。
  • P1-9
    佐山公一 (小樽商科大学商学部)
     服飾ブランドのイメージの長期的な変容を実験的に調べた。誤帰属実験の結果,ブランドイメージに対する有名性は,年を追うごとに小さくなるが,記憶の誤帰属は生じることが分かった。服飾ブランドのブランドイメージは「高級感」「個性」「新しさ」因子からなることが分かった。実在ブランドと学習した/していない架空ブランドとの違いは,「新しさ」因子の大きさの違いで,「新しさ」因子が有名性に影響している。
  • P1-16
    野田浩平 (株式会社ココロラボ)
    松岡良彦 (Starting Point English Academy)
    本研究では第二言語習得法としてのRLE(Real Life Experience)法を提案する.本手法は既存の英語学習法の実生活と乖離して,必要場面等の目的意識が薄れている問題点を解決するために提案される.また,提案された手法に対し,その効果を測るために英語能力試験の得点推移及び被験者に対するインタビューを通じての事例分析を行う.そして結論として手法の意義は見出されるが効果を数値的に測ることは難しい点,及び今後の改良点が議論される
  • P1-19
    水野りか (中部大学人文学部心理学科)
    松井孝雄 (中部大学人文学部心理学科)
    視覚呈示された同音異義語の語彙アクセス過程では音韻から形態へのフィードバックが生じるとされる。本研究では同音異義語が聴覚呈示されても同様のフィードバックが生じるか否かを検討した。聴覚呈示で音韻から形態へのフィードバックが生じないなら同音異義語効果は認められないが,生じるなら同音異義語効果が認められると予想された。結果は後者で,聴覚呈示でも音韻から形態へのフィードバックが生じる支持的証拠が得られた。