企画意図:
人工知能や認知科学の基本モデルとされてきた情報処理モデルの限界を指摘し、人の認知は環境や場の状況に応じて生起するという「知能の状況依存性」の概念が登場してから、約30年の時が経つ。しかしながら、状況依存性の観点から認知を探究する研究はまだ数少ない。本シンポジウムでは、そもそも状況依存性とはどういった現象か、それを知能研究はどう探究すべきか(もしくは、できるのか)を、異なる分科会の立場から議論したい。
創造や即興といった行為を事例にして状況依存性を議論するもよし、日常生活に潜む状況依存性を議論するもよし、状況依存性と関係が深い「フレーム」や「記号接地」といった概念を論じるもよし、その探究の方法を論考するもよし、さまざまな形の議論が状況依存的に組み立てられることを期待したい。
日時 :2019年12月22日(日)12:30から18:00まで
会場 :東京大学赤門総合研究棟 2階 A200教室
※12:00-12:30は 同室にて総会
<タイムスケジュール> (以下、敬称略)
司会: 岡部 大介 ・ 佐藤 由紀
12:30-12:35 企画趣旨説明:諏訪 正樹
12:35-13:35 石本 興司(大阪芸術大学)*
招待講演 演劇教育者・演出家・俳優のご専門から,
「戯曲から演技を立ち上げる ― 俳優育成の実践から ―」
13:35-14:15 ヒュース由美(東京大学)
「即興演劇という経験」(仮)
14:15-14:55 諏訪 正樹(慶應義塾大学)**
「想定外を取り込む実践認知学へ ― situated cognition、認識フレーム、FNSモデル」
14:55-15:10 休憩
15:10-16:10 MIZIRAKLI HALIT(ムズラックル・ハリト)(千葉商科大学)*
招待講演 日本文化研究者で落語家でもあるご専門から,
「桂枝雀が演じた「死」の落語:状況依存の話芸」
16:10-16:50 藤井 晴行(東京工業大学)**
「創造行為における状況依存性・事例とモデル」
16:50-17:30 青山 征彦(成城大学)**
「知らないまま動く:日常というステージ」
17:30-18:00 総合討論
* 招待講演の順番は入れ替わる可能性があります.
**一般講演の順番は入れ替わる可能性があります.