研究分野

デザイン

  • OS14-6
    公募発表
    荷方 邦夫 (金沢美術工芸大学)
    参加者の協働による共創的活動の中で,メンバー同士の共愉的な関与によって積極的に活動に関与し,相互のリソースを提供しながら目標の達成に向かうと指摘されている. 本研究では共創的な活動を伴うデザイン教育の実践の中で,どのような性質が活動を促進するか検討を行った.結果として(1)コミュニティへの参加を共愉的に促すスキャフォールディング。そして(2)協働による創造を促すスキャフォールディングが観察された.
  • P1-013A
    岩根 榛花 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学)
    生活の情報化が加速する今日も,ネットスーパーの利用率は限定的な上昇に留まっている.本研究では,ネットスーパーにおいて,高齢者と若年者を対象にユーザビリティテストを行った.本研究ではそこで生じた介入を必要とした事例の質的分析を報告する.その結果,情報の視認性が影響した操作上での使いやすさの問題が高齢者に出現すること,目的商品の探索過程ではシステムとのカテゴリ不一致による探しにくさが年齢群を問わず障壁となっていることが明らかとなった.
  • P1-023
    横溝 賢 (札幌市立大学)
    鈴木 葵 (札幌市立大学)
    宮田 義郎 (中京大学)
    原田 泰 (株式会社デザインコンパス)
    過疎化の進む地域では、充実した医療・介護を求めて経済圏に転出する高齢者が増えている。高齢者の転出が進むと、その土地の記憶が消え、いずれは忘れ去られる場所になってしまう。そう考えた筆者らは、北海道浜頓別町に住む共著者・鈴木の祖父の生活世界を描き、往復書簡で祖父を含む道内外の知人に伝達・交流することを試みた。その結果、関係者らは相手の生活世界を受け容れることから、次第に自己を開示する生成的なコミュニケーションをおこなうようになった。
  • P1-043
    須藤 智 (静岡大学 大学教育センター)
    前東 晃礼 (静岡大学 全学入試センター)
    祝原  豊 (静岡大学 地域創造学環)
    竹下  正敏 (ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社 PP開発部)
    金沢  敦 (ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社 PP開発部)
    田内 武史 (ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社 PP開発部)
    エンジン付きの小型除雪機を用いて身体スキルの学習が要求される人工物のメンタルモデルの構築に対する加齢の影響を検討した。大学生と高齢者を対象としたユーザビリティテストを実施した結果,旋回方法のメンタルモデル構築において,大学生は操作によって生じる身体への不快なフィードバックをメンタルモデル構築に利用し精緻化できるが,高齢者は十分に利用できない可能性が示唆され,メンタルモデルの構築に加齢の影響が認められる可能性が示唆された。
  • P1-050
    南部 美砂子 (公立はこだて未来大学)
    吉兼 刃矢 (公立はこだて未来大学)
    Googleストリートビューを用いたナビゲーション実験にもとづき,リアル空間での主観的な方向感覚に応じてバーチャル空間におけるふるまいにどのような差異が生じるのかを定性的に検討した.方向感覚の上位者は,その空間を個々の目印からではなく全体的な意味のまとまりとして把握しようとしていたのに対し,下位者は,目の前の風景のみを手がかりとして位置を把握しており,個々の目印については意味的な処理をしない傾向があることなどが明らかになった.
  • P1-053A
    今宿 未悠 (慶應義塾大学政策・メディア研究科)
    諏訪 正樹 (慶應義塾大学)
    詩作の際「詩の自律性」を感じることは重要である。詩の自律性とは、詩から書くべき言葉を次々と示されると感じる現象である。本研究の目的は、詩の自律性を感じるときの書き手の認知を探究である。筆者は詩作の実践を自ら行い、実践で生じたものごとを一人称視点から考察した。その結果、詩の世界に身体を没入させ、情景と体感の往還を繰り返すことで新たな「もの」の創起が次々と生じるとき、詩の自律性を感じるのだとわかった。
  • P2-007
    廣田 章光 (近畿大学)
    人々が過去に直面したある体験をここでは「原体験(formative experience)」と呼ぶ。リフレクティブ・カンバセーション(Schon 1983)は表現と対話し認知を行い、新たな表現につなげると理解されている。そこで、本研究はデザイン行動(Owen 1997,Norman 2013)における原体験がもたらす効果を「対話」の観点から考察する。そして原体験が対話の対象として存在し、リフレクティブ・カンバセーションとの関係を示す。
  • P2-029
    宮田 義郎 (中京大学)
    鈴木 真帆 (中京大学工学部)
    日常的な創造活動による持続可能社会の方向性を探る実践として「不用品を使ったものづくり」を行なった.参加者は、創造の楽しさ、不用品の可能性、社会貢献の可能性を発見した.もの作りで創造的行為の視野が広がり、自己と社会の関係を構築する可能性を表現した拡張CBAAモデルを提案した.効率重視と大量生産品により創造性が抑制されている現代社会で、持続可能社会への一つの方向性としてさらにその可能性を高め、広げていく価値があるだろう.
  • P2-036
    原田 雄大 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    竹内 勇剛 (静岡大学)
    複雑な環境で円滑なインタラクションを行える機械は限られた状況にしか適応できず,多種多様な行為主体が存在する環境に適応できるモデルは少ない.本研究では,円滑にインタラクションを行える汎用的なエージェントモデルを実現するために,人間のように価値観を動的に変化させる振舞いを強化学習により獲得可能か確認した.本研究の成果は,多様な価値観を変化させインタラクションを行う人間の認知過程のモデル化に寄与し得る.
  • P2-038
    荒川 歩 (武蔵野美術大学造形構想学部)
    本研究では,創作物に対する創造性評価眼の高低を,美術・デザインの専門家による創造性評価との一致度と暫定的に定義し,その創造性評価眼の高低と一般的な創造性評価(ATTA),および美大型創造性尺度の得点との関係を検討した.一般人46名に対するオンライン調査の結果,ATTAの創造性得点とイラストの創造性評価眼および粘土造形物の創造性評価眼との相関係数は極めて低いが,写真の創造性評価眼との間には一定の相関関係が認められた(r=.33).
  • P2-061
    佐藤 萌日 (大阪大学大学院 基礎工学部)
    高橋 英之 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
    昨今のオタク文化では,オタク同士の交流が盛んになった.オタクたちは興味の対象に対する解釈を共有・意見交換することで,様々なミームを生み出してきた.本研究ではオタク集団によるミーム生成プロセスについての数理モデル化を目指す.具体的には,個人とオタク集団,そして推し、そして推しに生まれる人格性について分類をする.その上で,これらの関係性を人工的に創生したエージェントの挙動により推しロボットの人格性をミームとして創発可能かどうかを検討する.