日程 9月10日(土) 13:00 - 15:00

オーガナイズドセッション14 (OS14)

共創のエージェンシー :つながりのクリエイティビティ
オーガナイザー:
荷方邦夫(金沢美術工芸大学)
青山征彦(成城大学)
田中吉史(金沢工業大学)
長田尚子(立命館大学)
猪股健太郎(熊本学園大学)
  • OS14-1
    宇宙はつらいよ。超小型人工衛星の開発を事例とした越境的創造性の考察
    招待講演
    小池 星多 (東京都市大学)
    本発表は、衛星開発の経験がまったくないデザイン系の研究者が、超小型人工衛星を開発するために様々なコミュニティに越境し、ネットワークの構築を試みるが壁にぶつかり、それを乗り越えるためにさらにネットワークの再編成を繰り返し、部品、技術、情報を寄せ集めて衛星を作る実践を報告する。本報告を通して創造性とは、個人の能力を越えて、たゆまぬ越境によるネットワークの再編成の中で達成されることについて考察する。
  • OS14-2
    誰ひとり置いていかないまちづくりの拠点: 創造性の生まれる場としてのコミュニティスペース
    招待講演
    鈴木 晶子 (認定 NPO 法人フリースペースたまりば)
    コミュニティスペースえんくるは、「食」を通じて、生活困窮や養育困難等暮らしに困難を抱える人も包摂し、共に暮らしやすいまちづくりの小さな拠点として運営している。そこは、新たに見えた暮らしの課題を、場に集う人々で解決・サポートする支え合いが日々生まれる、偶発性と創造性の苗床である。そのために、関係者を結びつけるコーディネート機能、排除を生まず、多様な地域住民が足を運ぶ仕掛けを、対話の中で生み出している。
  • OS14-3
    公募発表
    櫃割 仁平 (京都大学)
    野村 理朗 (京都大学大学院教育学研究科)
    In psychology of aesthetics, compared to appreciation, there are fewer studies on art creation. Therefore, this study aims to examine the influence of art creation on appreciation using haiku poetry with reference to the Mirror Model—a model combining creation and appreciation. Although the model has been used to examine visual arts, we examine its applicability to linguistic arts. The 115 participants were divided into two conditions—creation and control. The former created haiku, while the latter did not create. The results showed no improvement in evaluation through creation. Additionally, recognizing the difficulty of creation leads to beauty, and this relationship is mediated by awe. These results expand the model in terms of the different art genres.
  • OS14-4
    公募発表
    Jingyan Sun (東京大学)
    岡田 猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    本研究は、インタラクションを重視した演技訓練を観察対象とし、その中で言葉のやりとりがどのように展開していくかについて統計分析を行い、参加者の変化を明らかにした。また、役柄の設定に基づく訓練セッションにおける発話を比較することで、専門家と初心者のインタラクション・パターンの違いを説明した。専門家は状況を重視しインタラクションに没入できることに対して、初心者は直観的推論に依拠して相手の状態を推測しやすいことが分かった。
  • OS14-5
    公募発表
    田中 吉史 (金沢工業大学)
    音楽大学の作曲課程の教員2名に対するインタビューから、音楽大学での作曲の指導がどのように行われているのかを検討した。作曲指導は(1)作品創作に対する指導、(2)より多くの音楽作品・芸術作品に体系的に接することを促すこと、(3)作品の実演などより実践的な経験をする機会の設定、の3種に大別された。レッスンの方略について、言語化によるメタ認知の促進、Geneploreモデル、社会的・文化的文脈の変化などの観点から分析を試みた。
  • OS14-6
    公募発表
    荷方 邦夫 (金沢美術工芸大学)
    参加者の協働による共創的活動の中で,メンバー同士の共愉的な関与によって積極的に活動に関与し,相互のリソースを提供しながら目標の達成に向かうと指摘されている. 本研究では共創的な活動を伴うデザイン教育の実践の中で,どのような性質が活動を促進するか検討を行った.結果として(1)コミュニティへの参加を共愉的に促すスキャフォールディング。そして(2)協働による創造を促すスキャフォールディングが観察された.