研究分野別一覧

コミュニケーションとネットワーク

  • O1-3
    清水 大地 (東京大学)
    岡田 猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    演者間の関わり合いは上演芸術の魅力の一つとされる。近年、同期による検証が行われているが、複数の表現チャンネルの協調の検討は十分に行われていない。本研究では、複数チャンネルにおける動的な関わり合いを捉える枠組みを提案し、ダンサーのバトル場面を対象にリズム運動と空間内の移動とに着目し、有用性を検討した。位相解析の結果、各チャンネルにおいて協調が生じること、協調間に高次の対応が見られること、協調・対応関係が文脈に基づき変化することが示された。
  • O2-2
    近藤 秀樹 (九州工業大学 学習教育センター)
    遠山 紗矢香 (静岡大学)
    大﨑 理乃 (東京都立産業技術大学院大学)
    山田 雅之 (九州工業大学)
    本研究の目的は,知識構築コミュニティの構成員が,自らの集団的認知責任を意図的に発揮させることを支援する方法を提案することである.この目的のため,電子掲示板を用いて活動する知識構築コミュニティにおいて,各構成員の集団的認知責任の指標をリアルタイムに可視化するためのシステムを社会ネットワーク分析を利用して開発し,学習環境デザインを支援するコミュニティにて実践した.その結果,コミュニティ構成員の相互貢献に資する活動が活発になる傾向が示された.
  • P-4
    川端 良子 (国立国語研究所)
    松香 敏彦 (千葉大学)
    会話において特定の対象を参照する際,発話の途中にポーズを入れ,会話相手の対象への知識について反応を伺う方略が使われることがある。Clarkら(1986)は,こうした方略によって,会話における共同のエフォートを最小化すると述べている。しかし,実際の会話データを用いた検証は行なわれていない。そこで,本研究では,日本語地図課題対話コーパスを用いて,分割提示の実際について数量的な調査を行いその効果について検討を行った。
  • P-13
    原田 悦子 (筑波大学)
    鷹阪 龍太 (東洋大学・筑波大学)
    田中 伸之輔 (筑波大学)
    水浪 田鶴 (筑波大学)
    須藤 智 (静岡大学)
    Suzuki(2018)は,投資ゲーム(顔写真に示された人物を信頼して投資を行うかどうかを判断する課題)を繰り返し行う中で,高齢者は若年成人と異なり,信頼性判断の成績が向上しないことを示した.こうした高齢者の判断特性が真であるならば,それをいかに支援するかを検討する必要があり,本研究では若年成人との相互作用,例えば子や各種窓口担当者との相談が高齢者の意思決定過程に対して影響を与えうるか否かを検討するために,実験的検討を行った.
  • P-22
    Yuying CAI (立命館大学総合心理学部)
    下條 志厳 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林 勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    適応的なフィードバックを行う場合に,学習者の状態を検知する必要があるため,協同プロセスを推定できる表情モデルを作ることが重要である.本研究の目的は,学習プロセスごとに関連する表情を検討することである.分析方法として,学習プロセスごとにおける各表情の出現頻度を算出した.結果として,学習プロセスごとに異なる特徴的な表情が生じることが明らかになった.今後の課題として,より詳細に分析し,学習者の表情からICAPを定量的に捉える検討を行う
  • P-41
    森下 浩平 (大阪経済法科大学)
    新型コロナウイルスの影響で,各教育機関は遠隔授業の実施を求められるようになった.遠隔授業は一般に,LMSによる講義資料・課題の配布・回収や講義の動画配信にもとづく「オンデマンド授業」と,Zoomなどを使用した「リアルタイム授業」に分けられるが,授業の規模や内容によって向き不向きもあると考えられる.そこで,各授業形態のメリット・デメリットを検討するため,2020年前期の授業で,遠隔授業についてのアンケート調査を実施することとした.
  • P-85
    崔 豪准 (名古屋大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    本研究は対話場面における聞き手の非言語行動が話し手のアイデア生成に及ぼす影響を検討した。具体的に聞き手の行動としてあいづちの頻度、そして注視の有無を操作した。その結果あいづちの頻度が少ないほどアイデア数が増加するが発話数は減少することが明らかになった。一方で注視の有無の効果は確認されなかった。これは聞き手の少ないあいづちが負のフィードバックとなり、話し手の知識探索の制約が緩和されたためであると考えられる。
  • P-106
    徳永 弘子 (東京電機大学)
    花井 俊孝 (東京電機大学)
    木村 敦 (日本大学)
    武川 直樹 (東京電機大学)
    本研究は多人数による食事場面を対象に,食事形式が人と人のコミュニケーション行動に及ぼす影響について明らかにする. 65才以上の男女6人1組,計4組に料理を銘々膳,共同膳形式で提供し,特に共同膳からの取り分け行為とトピックの関係を事例的に検討した.その結果,共同膳が料理を中心とした話題提供の役割を担っており,参与者の共有物としての存在がコミュニケーションの促進に寄与する可能性が示唆された.
  • P-123
    板倉 菜々香 (静岡大学情報学部)
    森田 純哉 (静岡大学)
    大本 義正 (静岡大学情報学部)
    本研究では,協力ゲームhanabiを題材として,飽きと学習の関係性を身体動作や内発的動機の観点から探る.加えて,ゲームスコアやゲーム時間などの時系列データも扱う.それらの分析過程において,身体動作から動きの周期性を抽出し,それを新たな指標として提案する.この指標を用いて,動機づけがうまくいく集団とは動作間隔の周期性が類似している集団であると結論付けた.
  • P-128
    白水 始 (国立教育政策研究所)
    中山 隆弘 (東京大学)
    齊藤 萌木 (東京大学)
    飯窪 真也 (東京大学)
    対話型授業のグループ活動における個々人の話量と理解度は相関するのかを明らかにするために,「知識構成型ジグソー法」7授業61グループ172名の発話量と学習成果の相関関係を調べた.授業によって学習成果の到達度は多様だったが,どの授業でも多く話す生徒が理解を深めるという単純な正の相関があるとは言えなかった.相関の低さは,主に話量は少なくとも理解を深めている生徒の存在ゆえだと考えられた.
  • P-148
    高橋 英之 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
    伴 碧 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
    石黒 浩 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
    ソーシャルワークの構造にもとづき決定されるマルチエージェントの振る舞いに,観察者がどのような物語を感じるのか,クラウドソーシングにより調査を行った.独立変数として,エージェントの属する社会的ネットワークのサイズを操作した.その結果,エージェントが属するソーシャルネットワークの規模に応じて,エージェントの動きに物語を感じる度合いや内容が変化することが示された.
  • P-152
    下條 志厳 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林 勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    本研究の目的は,学習者の状態に基づかないプロンプトの提示によってInteractive,Constructive,Activeが促進されるのか実験的に検討することである.そこで,それぞれの会話活動に関するコーディング基準に基づいてプロンプトを作成し,ランダムにプロンプトを提示した.その結果,プロンプトを提示された学習者は提示されなかった学習者よりもInteractive,Constructiveに関する発話をより多く行うことが分かった.