研究分野別一覧

記憶

  • OS11-4
    公募発表
    本田 秀仁 (追手門学院大学)
    藤崎 樹 (東京大学)
    松香 敏彦 (千葉大学)
    植田 一博 (東京大学)
    本研究では,記憶の制約がヒューリスティックに基づく判断に与える影響について分析を行った.具体的には,人間の記憶が持つ制約とヒューリスティックの合理性の関係について,計算機シミュレーションに基づく分析を行った.結果として,記憶の制約はヒューリスティックの合理性を妨げるものではなく,合理的活用を促進するということが明らかになった.
  • P-55
    古藤 陽 (東京大学大学院学際情報学府)
    清水 大地 (東京大学)
    岡田 猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    今日の博物館教育においては,博物館内での体験から得られた学びが来館者の日常へと活かされることは重要な目的の一つである.本研究では,特に美術館教育を念頭に置き,日常的に身の回りにある対象への知覚や理解の変化を促す美術鑑賞のワークショップ実践と,その効果検証を行う.特に効果については,事前・事後調査により測定することに加え,ワークショップ中のプロセスに関しても多様な側面から検討を行う.
  • P-65
    中澤 剛 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
    野中 哲士 (神戸大学)
    人が目的地までの経路をナビゲートする時, 近道を 発見し目的地に短距離で到着する人と,近道を発見せ ず回り道で到達してしまう人に分かれる. 今回の研究 では, 其々のパターンに見られる視線を計測した。こ の計測データから, 近道を発見する人がナビゲーショ ン中に見せる視線の動きと, 遠回りをする人がナビゲ ーション中に見せる視線の動きの違いを分析する.
  • P-79
    黒田 都雲 (立命館大学)
    西田 勇樹 (立命館大学)
    服部 雅史 (立命館大学)
    読みにくい文字は記憶成績を高めるが,その効果(非流暢性効果)は頑健ではない。その要因として,非流暢性の程度やワーキングメモリ容量(WMC)が考えられる。そこで本研究は,文字の流暢性のレベル(4段階)とWMCが単語記憶に与える影響を調べた。実験の結果,非流暢性効果は確認できなかった。この結果は,一つの刺激リストの中に特徴的(非流暢)/非特徴的な文字を混ぜて呈示した場合に非流暢性効果が発生しやすいこと(対比効果仮説)を示唆する。
  • P-102
    西井 亮太朗 (三重大学教育学研究科)
    南 学 (三重大学)
    本研究では、成功経験と失敗経験に対する活発な自伝的推論に着目し、自己受容的な態度との関連や生きがい感に及ぼす影響を検討した。大学生135名を対象に質問紙調査を実施した。その結果、成功経験と失敗経験のどちらにおいても、それらの経験に対する重要であったり転機であったりするという意味づけを行うことが同等程度の生きがい感への正の影響を示した。しかし、この結果に対する自己受容的な態度の関連は認められなかった。
  • P-114
    牧岡 省吾 (大阪府立大学 人間社会システム科学研究科)
    神浦 駿吾 (NECソリューションイノベータ株式会社)
    DRMパラダイムを用いて背景文脈が虚再認率に与える影響について検討した.実験1では静止画を背景として用い,記銘時とテスト時で背景画像が同じ場合と異なる場合の虚再認率を比較した.背景画像の同異は虚再認率に有意な効果を与えなかった.実験2では,単語リストと無関係な日常風景の動画を背景文脈として用いたところ,背景動画の同異は虚再認率に有意な影響を与えた.これらの結果は,背景の知覚情報が虚記憶の生成に影響を与えることを示唆する.
  • P-146
    益岡 都萌 (岡山大学大学院教育学研究科)
    西山 めぐみ (人間環境大学)
    寺澤 孝文 (岡山大学大学院教育学研究科)
    本研究は偶発学習における刺激の繰り返し呈示の効果が再認判断に及ぼす影響について,及び再認判断を要求された刺激と類似性の高い刺激の記憶痕跡の増加が再認判断時のYes反応を抑制させる可能性を検討した。実験は偶発学習課題と間接再認課題で構成された。結果,偶発学習の効果及びYes反応の抑制効果は確認されなかった。類似した経験の増加が再認判断時の弁別を困難にする可能性が示唆された。
  • P-155
    星野 英一 (慶應義塾大学文学部)
    皆川 泰代 (慶應義塾大学文学部)
    視覚情景の類似度判断において要素自体と要素の並びのどちらが手がかりになりやすいかを1-gram類似度と3-gram類似度を調整した階段法で調べた.刺要素と要素の並びの頻度に注目するために作成した無意味刺激を用いた.本研究は一度しか見ていない情景の記憶は,情景同士がよく似ているとき,時間的に近接している情景の要素の並びが近接していないときと比べて類似度判断の手がかりとなりやすいことを示した.