キーワード索引

会話分析

  • P1-16
    大髙 愛 (札幌学院大学心理学部臨床心理学科)
    森 直久 (札幌学院大学)
    大髙(2024)はティッシュ配りの観察研究により、受け手が誰かが不確定で受け手に複数の行為選択が可能な状況での受け渡しの達成が➀視線交絡による受け手特定と不確定性の縮減②適切な位置やタイミングによる差出・受取行為の連鎖を経て実現されるとした。本研究は仮説中の「視線交絡の前提となる視線送り」と「差出のタイミング」が受け渡しの実現に寄与する変数かを実験的に検証した。受け渡しが最も成功しやすい差出のタイミングが受取の2秒弱前であると推定した。
  • P2-25
    齋藤 巴菜 (公立はこだて未来大学大学院)
    坂井田 瑠衣 (公立はこだて未来大学)
    本研究は,会話がなされていない共在状態において笑いがどのように産出されるのかを分析する.参与者らが笑いうる出来事を理解する際に参照する資源として,互いのあいだで共有された知識や築かれている関係性に着目した.相互行為分析を通じて,笑いは共在経験や個人の習慣に関する知識,日常的前提からの逸脱性を通じて見出され,参与者間の関係性や相互志向性とともに組織されていることが明らかとなった.
  • P2-31
    張 銘一多 (千葉大学大学院 情報・データサイエンス学府)
    伝 康晴 (千葉大学)
    対話型AIをゲームに導入することは、単に新たな遊び方を提供するだけでなく、人間と人工知能との新たな交流様式を提案する試みである。特定の環境設定や機能設計によって、ゲーム内での対話型AIとの会話において、ユーザが入力時に「訂正」という修復行動を行う場面が観察される。この修復行動は、自然会話における聞き手の注意喚起を目的とするものではなく、むしろゲームAIの理解能力の限界を考慮し、誤解を最小化することを意図しているものである。
  • P3-40
    梅村 弥生 (千葉大学融合理工学府博士課程院生)
    伝 康晴 (千葉大学)
    本研究が注目している現象は,対象を知覚的にアクセスできない状況のもとで,それでも「共同注意」が達成され,活動が展開する事例である.こうした状況下での指示詞の使用は,指示詞が何を指しているかといった従来の距離に依存した指示詞理解では十分捉えきれない.本研究の目的は,指示詞を利用した発話に加えて,ジェスチャー,視線をも取り込みながら,指示詞による参照の理解が参与者の間の相互行為として,どのように成立するかを示すことである.