研究分野
自然言語処理
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P1-23高齢者の否定文の理解については一貫した結果が得られておらず,未だ明らかになっていない.本研究では若者を対象としたKinjo & Saito (2025)を参考に,否定の命題を含む単純な2種類の真偽判断課題を用いて,高齢者に同じ課題を10回実施してもらい,否定条件の成績を肯定条件に対して同程度まで向上させることができるのかについて検討した.得られた結果と先行研究を比較し,高齢者は若者よりも否定命題の理解が難しいのかについて議論する.
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P1-70京都独自の言語文化である京ことばは、京都に馴染みのない観光客などにはその真意が伝わりにくいと考えられる。本稿では、京ことばを分かりやすい表現にし、京ことばの持つ意味を補足することで京ことばの理解及び円滑なコミュニケーションを支援し、更に補足情報も付加することで京ことばへの理解を深めることを目的としたアプリケーションの開発について述べる。
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P2-18拡散的思考(DT)の自動スコアリング手法として注目される意味的距離を用い、日本版拡散連想課題(DAT-J)を開発し、その妥当性を検証した。日本語コーパス由来の単語ベクトルでスコアを算出し、3回の調査により信頼性・妥当性を確認した。回答検証機能付きWebアプリも開発し、回答形式の違いがスコアに影響しないことを示した。さらに、大規模言語モデルの埋め込み層を用いたスコアリングも試みたが、精度の大幅な向上には至らなかった。
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P2-59ウェブ検索を用いて情報を集める際,検索意図の異なる複数のクエリを用いることがある。特に,単純な事実への参照を目的とした情報探索の中で生じる試行錯誤の解明に向けて,検索意図の再構成を要求する検索課題の条件や,クエリの変化から検索意図の変化を推定する方法の検討が求められる。本研究では,そのような検討に対し, Field et al. (2010) で収集された情報探索行動データが有用であるかを調べた。
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P3-48本研究の目的は(L-)LDA が抽出するトピックは「意味」に対応している必要がないという再解釈の妥当性を確かめる事である.幾つかの言語の語形を(L-)LDAでクラスタリングし,その結果を自己教師型分類課題として評価した.LDAではそれなりの精度の分類が,L-LDA では高精度の分類が実現された.トピックが「意味」に対応しているなら,この結果は説明できない.背理法により,トピックは意味に対応している必要がないと結論できる.
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P3-52本研究は,Objectives and Key ResultsにおけるObjective(O)とKey Results(KR)の整合性を定量評価する手法を検討する.KR全ての達成がOの達成になるという前提を,ベクトル化した埋め込み表現を用いて「KRの総和はOと類似する」ことを検証する.23件のOKRデータを用いて対応しないOとKRの総和より対応するKRの総和の方が類似することが検定により確認できた.
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P3-63今世紀に入ってからのインターネット上での学習資源のあり方や学生の動向と社会の要請などを前提として、本研究では、生成人工知能と大規模言語モデルの活用が日常的になった現在の日本の社会状況の中で、大学での英語学習の目的・あり方・進め方について検討することを目指している。