研究分野

コミュニケーションとネットワーク

  • O2-002A
    森 真美 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    木村 真実 (早稲田大学人間科学部)
    野村 亮太 (早稲田大学人間科学学術院)
    対面とオンラインではどちらの舞台が魅力的か.本研究では同じ作品を鑑賞する「他者」に対する認知(“共視者認知”)に影響を受けるとされる自発性瞬目を指標として,視聴環境と観客サイズの間の交互作用を検討した.物語広告の視聴中の瞬目率を比較したところ,対面では観客サイズが大きいほど増加したのに対して,オンラインではむしろ大人数グループにおいて減少した.この結果は,対面状況とオンライン状況で,他者の認知の仕方に違いがあることを示唆している.
  • P1-007A
    安久 絵里子 (筑波大学)
    鷹阪 龍太 (筑波大学)
    目黒 文乃 (筑波大学)
    葛岡 英明 (東京大学)
    原田 悦子 (筑波大学)
    本研究は,アバターと音声変換技術を組み込んだ仮想的2者対話形式のシステムを用いた講話練習で,腹話術形式の講話能力の学習に効果が得られるか否かを,記録された講話ビデオの第三者評価により検討した.その結果,アバターと音声変換の同時利用により,即時的な講話能力の向上(練習段階)と般化した講話能力の向上(事後段階)の両者でパフォーマンス評価の向上が見られた.この結果と講話者の主観評価にはズレがあり,さらなる検討の必要性が示された.
  • P2-010
    PENGQUN ZHAO (神戸大学国際文化学研究科)
    巽 智子 (神戸大学)
    本稿では,接触回数の増加による会話中の沈黙と話題選択への影響を検討した.日中接触場面と日本語母語場面の初対面の大学生ぺアを対象に,週に1回の自由会話を4週間実施した結果,接触回数の増加によって話題転換時に沈黙が行われる確率に差があるとは言えなかったが,日中接触場面では話題転換時に沈黙が行われる確率が有意に高いという結果が得られた.また,両場面における会話参加者の話題内容にも違いが観察された.
  • P2-018
    児玉 謙太郎 (東京都立大学)
    安田 和弘 (東京保健医療専門職大学)
    牧野 遼作 (早稲田大学)
    本研究ではリハビリ場面における患者―セラピスト間の身体協調が運動支援に及ぼす影響を明らかにするため,上級・初級セラピストで歩行介助時の個々人の歩行安定性と,二者間の歩行時の身体協調性の違いを比較した.その結果,上級者ペアの方が歩行安定性も身体協調性も高かった.これらの結果は,セラピストのスキルとして身体協調スキルがあり,これによって対象者の安定した動作を引き出している可能性が示唆された.
  • P2-029
    宮田 義郎 (中京大学)
    鈴木 真帆 (中京大学工学部)
    日常的な創造活動による持続可能社会の方向性を探る実践として「不用品を使ったものづくり」を行なった.参加者は、創造の楽しさ、不用品の可能性、社会貢献の可能性を発見した.もの作りで創造的行為の視野が広がり、自己と社会の関係を構築する可能性を表現した拡張CBAAモデルを提案した.効率重視と大量生産品により創造性が抑制されている現代社会で、持続可能社会への一つの方向性としてさらにその可能性を高め、広げていく価値があるだろう.
  • P2-052
    佐野 奈緒子 (東京電機大学)
    秋田 剛 (東京電機大学)
     オンラインによるコミュニケーションでは, 共在感覚が重要であると考えられる. 会話によるコミュニケーションが一般的であるが, 本研究ではモニタ上で互いに擬似的に接触する行為を伴う会話についての共在感覚について検討した. その結果, 接触なしの会話と同等の共在感覚が認められた. 一方, 行動のしにくさはじゃんけんと同等に低く, 接触や運動を伴うコミュニケーションの場合, 現行のシステムでは認知・行動上の不自然さが感じられている.
  • P2-059A
    下條 志厳 (立命館大学人間科学研究科)
    林 勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    本研究では,ワーキングメモリと共感性がそれぞれ協同学習におけるテキストの知識利用と関連するのか検討する.方法としては,実験室実験とコンピュータシミュレーションを用いる.実験室実験の結果,ワーキングメモリとは関連があることが分かったが,共感性とは関連がないことが分かった.シミュレーションでは,同様の結果であったが,共感性に関しては極端な値をとると知識利用がうまくいかないことが分かった.
  • P2-061
    佐藤 萌日 (大阪大学大学院 基礎工学部)
    高橋 英之 (大阪大学大学院 基礎工学研究科)
    昨今のオタク文化では,オタク同士の交流が盛んになった.オタクたちは興味の対象に対する解釈を共有・意見交換することで,様々なミームを生み出してきた.本研究ではオタク集団によるミーム生成プロセスについての数理モデル化を目指す.具体的には,個人とオタク集団,そして推し、そして推しに生まれる人格性について分類をする.その上で,これらの関係性を人工的に創生したエージェントの挙動により推しロボットの人格性をミームとして創発可能かどうかを検討する.
  • P2-063
    近藤 秀樹 (神田外語大学)
    遠山 紗矢香 (静岡大学)
    大﨑 理乃 (武蔵野大学)
    山田 雅之 (九州工業大学)
    本研究では,インフォーマルな学習の共同体が外的要因によってその継続が困難となった際に,他の共同体と合流することによって活動を継続するよう学習環境をデザインした事例を対象に,活動の特徴を抽出した.二つの共同体の重なりに焦点をあてた学習環境をデザインすることで,活動が持続可能であることが示唆された.活動が継続することによって,離脱したメンバーが復帰を希望する場面も見られたことから,求める学習環境を再構成することができた可能性が示された.