日程 9月8日(木) 10:45 - 12:05

口頭発表2 (O2)

座長:遠山 紗矢香(静岡大学)
  • O2-001A
    李 璐 (東京大学学際情報学府学際情報学専攻)
    河村 典枝 (理化学研究所脳神経科学研究センター)
    熊崎 博一 (長崎大学生命医科学域未来メンタルヘルス学分野)
    植田 一博 (東京大学)
    自閉スペクトラム症(以下ASD)者に不気味の谷現象が見られるかどうかを,定型発達(以下TD)者と比較することで,カテゴリー知覚の観点から実験的に検討した。その結果,カテゴリー知覚課題ではASD者とTD者に違いはなかったのに対して,カテゴリーが曖昧な画像刺激に対して不気味さを感じるのはTD者のみであった。これは,不気味の谷現象が,どのカテゴリーに属するのかという判断が曖昧な対象に対して感じられる,TD者に固有の現象であることを示唆する。
  • O2-002A
    森 真美 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    木村 真実 (早稲田大学人間科学部)
    野村 亮太 (早稲田大学人間科学学術院)
    対面とオンラインではどちらの舞台が魅力的か.本研究では同じ作品を鑑賞する「他者」に対する認知(“共視者認知”)に影響を受けるとされる自発性瞬目を指標として,視聴環境と観客サイズの間の交互作用を検討した.物語広告の視聴中の瞬目率を比較したところ,対面では観客サイズが大きいほど増加したのに対して,オンラインではむしろ大人数グループにおいて減少した.この結果は,対面状況とオンライン状況で,他者の認知の仕方に違いがあることを示唆している.
  • O2-003
    古見 文一 (静岡大学学術院教育学領域)
    森田 磨里絵 (立命館大学BKC社系研究機構)
    西尾 祐美子 (畿央大学教育学部)
    板倉 昭二 (同志社大学赤ちゃん学研究センター)
    本研究では,2種類のロボットの静止画や動画を,59名の参加者に呈示し,それぞれに対する擬人化に関して質問紙への回答を求めた。その結果,ロボットへの心的状態の帰属には,外見と動作の相互作用も見られ,見た目が簡素なロボットは機械的な動作でもポジティブに評定されるが,見た目がヒトに近い人間的なロボットは,人間的な動作を見せることで,ようやく心的状態の帰属にポジティブな影響を及ぼすことが示唆された。
  • O2-004A
    五味 渡海 (東京電機大学大学院理工学研究科)
    安田 哲也 (東京電機大学)
    小林 春美 (東京電機大学)
    本研究では、指さしの指示対象となる事物を聞き手に見せずに話し手が教示行為を行った場合、意図共有にどのような影響があるかを、映像刺激を利用し調べた。結果、話し手が小さく旋回しながら指さした場合と、矢印で指し示した場合で、聞き手は指示対象を事物の部分だと解釈した。聞き手は指示対象物を見なくても、話し手の教示行為によって推測を行うことができること、この解釈は指と矢印では異なる点があることが示唆された。