日程

口頭発表4:推論・問題解決 (O4)

9月19日(土) 10:40 - 12:00
会場:大会メイン会議室(ZOOM)
座長:中村國則(成城大学)
  • O4-1
    大貫 祐大郎 (東京大学)
    本田 秀仁 (追手門学院大学)
    植田 一博 (東京大学)
    アンカリング効果とは, 事前提示された数値が後続の数量判断に影響を与える現象である. これまでの研究では, アンカリング効果が数値と意味のどちらのプライミングによって発生するのかを議論してきたが, 数値, あるいは意味プライミングのみでアンカリング効果が実際に生じるのかどうかを検討していない. 本研究の結果は, アンカリング効果の発生には数値と意味プライミングを誘発する刺激の2種類を同時に提示する必要があることを明らかにした.
  • O4-2
    岡﨑 優実 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    鳥居 拓馬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    本研究では洞察問題が,「問題が何か特定せよ」という二次問題と,それに答えて完成する一次問題の指示に従うことで解答を導く二重問題構造であると仮説を立て,検証のため二値化曖昧画像に写る動物を見つけて回答する二値画像課題を用いて実験した.その結果,解答者の視線の代理指標としたマウスの軌道がひらめきの有無によって異なる結果を示すことが示唆され,二値画像課題が二重構造をとることが示唆された.
  • O4-3
    鳥居 拓馬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    人間の幼児はよく似た動作の背後にある他者の意図や目的の違いを識別できる.先行研究では身体を力学系とみなすとき,動作のフラクタル次元が意図や目的の違いを識別するのに有用な特徴であることを示した.本発表では意図や目的の違いの識別に加えて,意図や目的の同定(同一性判断)にも有効かを数値シミュレーションで検討した.本研究の結果は,意図や目的レベルでの同一性認識への有効性を示唆する.
  • O4-4
    齊藤 萌木 (東京大学)
    飯窪 真也 (東京大学)
    白水 始 (国立教育政策研究所)
    本稿では,「知識構成型ジグソー法」による理科の授業で同じ班に属した3名のプレポストテストと発話記録を「機能機構階層図」を用いて分析し,問題解決のヒントとなる知識を事前に渡すことが,生徒の理解に及ぼす影響について検討した.分析の結果,ヒント知識の提によって生徒の理解は授業の目標に向けて一定程度「収斂」するものの,各自の理解の固有性が失われるわけではなく、授業の過程では「建設的相互作用」が同時進行していることを確認した。