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文化人類学

  • O2-1
    石本啓一郎 (立教大学大学院文学研究科)
    文字獲得過程において,文字が道具として使用されない段階から,道具として使用される段階への移行が見られる。本研究は,この移行における課題遂行の仕方の変化に着目し,課題遂行を制御するプライベートスピーチ(PS)の機能の発達を描くことを目的とした。記憶の道具としてメモをかく課題で,文字を書いた子ども31人(年長・小1)を分析対象とし,書字中のPSの機能を微視的に分析した。その結果,文字が道具になるにつれてPSの機能が変化することが示された。
  • OS03-1
    鈴木宏昭 (青山学院大学 教育人間科学部教育学科 教授 博士)
    本論文では表象を外の世界に投射するプロセスとメカニズムを探求するプロジェクションサイエンスが必要である理由について論じる.次に,投射を3つに分類(投射,誤投射,虚投射)し,これらに関連する現象をリストアップするとともに,そこでのメカニズム,発生について暫定的な仮説を提出する.そしてこの探求のためには心理学,情報科学,脳科学,社会諸科学の共同が必要であることを主張する.
  • OS09-9
    高梨克也 (京都大学)
    他者の認知の利用と呼ばれる現象の生態学的価値について考察する.他者の認知の利用は2つの仮言命題の結合として定式化でき,この推論を生態学的に動機づけている要因は関連性の認知原理の観点から説明できる.特に他者の認知を推測することには,有用な環境情報がそのことによってはじめて得られるようになることがあるという利点がある.他者の認知の利用の最適化にはメタ学習が必要である.