プログラム順

[O2] 口頭発表2

9月17日(土) 15:20 - 16:20 会場:レクチャーホール(フロンティア応用科学研究棟2階)
  • O2-1
    石本啓一郎 (立教大学大学院文学研究科)
    文字獲得過程において,文字が道具として使用されない段階から,道具として使用される段階への移行が見られる。本研究は,この移行における課題遂行の仕方の変化に着目し,課題遂行を制御するプライベートスピーチ(PS)の機能の発達を描くことを目的とした。記憶の道具としてメモをかく課題で,文字を書いた子ども31人(年長・小1)を分析対象とし,書字中のPSの機能を微視的に分析した。その結果,文字が道具になるにつれてPSの機能が変化することが示された。
  • O2-2
    安田哲也 (十文字学園女子大学)
    伊藤恵子 (十文字学園女子大学)
    高田栄子 (埼玉医科大学)
    小林春美 (東京電機大学)
    本研究は、賞賛と皮肉の発話意図の理解がどのように異なるかを、2つの文脈と発話意図の要因を映像刺激によりASD児とTD児を対象に調べた。ASD児とTD児共に文脈と発話が肯定的に一致した場合は賞賛を選択し、肯定的な文脈で否定的な発話の発話意図が一致しない場合は皮肉を選択することが示唆された。数人のASD児は、肯定的な文脈で否定的な発話がなされた場合に賞賛と判断していたことから、先行研究と同様に字義的に発話意図を解釈していたと考えられる。
  • O2-3
    佐治伸郎 (鎌倉女子大学)
    王沖 (大連理工大学)
    洪春子 (お茶の水女子大学大学院)
    大庭真人 (慶應義塾大学)
    本研究は情報共有志向性に基づくコミュニケーション上の要請が,子どもの語意体系の習得にどのように影響を与えるか調査した.実験では,4, 6歳児が28の「切る/壊す」事態を表す動画を見て,1)共有条件では子どもが共に動画を見る他者に,2)非共有条件では動画が見えない他者にその内容を伝えてもらった.両条件における語の使い分けを調査すると,4歳児では非共有条件において他の年齢/条件とは異なる語運用を行う傾向が見られた.