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: 3. 結    果 : 空間認知の発達における感覚運動的知能と 概念的知能の関係 : 1. 問題と目的


2. 方    法

2.1 被験者

保育園3歳児クラス15名 (2歳6か月〜3歳7か月,平均年齢3歳2か月),4歳児ク ラス24名 (3歳8か月〜4歳7か月,平均年齢4歳2か月) の計39名であった.

2.2 装    置

中心を軸にして手で回すことができる15cm×30cmの白い厚紙製のテーブルと, それと同じ大きさ,色のカバーが用いられた.テーブル,カバーとも, 表面に5cm四方の格子が黒のインクで描かれていた. 隠す対象は,直径3cm,厚さ1mmのアニメキャラクターの顔であった.

2.3 課    題

子どもの正面にテーブルを長い辺が横になるように提示する.そして対象をテ ーブルの左側の中心か右側の中心にある格子の中に置き,カバーで覆う.Full課 題では,その直後と,テーブルを一度に180度回した直後に,対象があると思う 位置をカバーの上から指さすように子どもに求めた.Step課題では,対象がカバ ーで覆われた直後に加え,テーブルが180度回転するまで,45度移動するごとに, 対象があると思う位置をカバーの上から指さすように求めた (図1参照).

図:

2.4 手続き

まず,実験者の右側に子どもを座らせ装置と課題の説明を行い,その後, Full課題,Step課題の順に4試行ずつ実施した.練習試行はなく,各試行では対象を 取り出すところを子どもに見せないようにし,正誤のフィードバックを与えなかっ た.左右どちらの側に対象を隠すかとテーブルの回転方向はカウンターバランス された.Full課題の回転時間は約3秒で, Step課題の45度の回転時間は約1秒で あった.子どもの反応はビデオテープレコーダーにより録画された.



日本認知科学会論文誌『認知科学』