キーワード索引
空間認知
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O3-1あらゆる経験は「経路」の概念で理解でき,我々の生は多数の経路の織りなすメッシュワークとして捉えられる.経験の全体性を経路として読み解くためのケーススタディとして,筆者の長男を対象とした二人称研究を構想する.研究方法は,長男の日常的な成長や変化を簡単に記録する「Kuya Diary」と,街歩きにおける発話や行動を多面的に記録する「Kuya Stroll」から成る.本稿では2025年6月末時点での研究の進捗を報じ,その方法について検証する.
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P2-55暗闇での直進歩行は困難であり,これは視覚以外の感覚,特に前庭感覚から進行方向を正確に推定できていないことを示唆している.進行方向の推定に用いられる前庭感覚は,歩行中の頭部回転と逆側に眼を動かす前庭動眼反射(VOR)の誘発にも関与している.本研究では歩行中の前庭感覚から推定される進行方向の結果がVORに現れることを示した.具体的には左右のVOR精度(ゲイン)に非対称性が見られ,ゲインが低い頭部回転側へ軌道が逸れることが明らかとなった.