キーワード索引

相互行為分析

  • P1-14
    牧野 遼作 (早稲田大学)
    山本 敦 (早稲田大学)
    門田 圭祐 (早稲田大学)
    八木 崇行 (静清リハビリテーション病院)
    高田 勇 (加賀市医療センター)
    安田和弘 (東京保健医療専門職大学 )
    児玉 謙太郎 (東京都立大学)
    本稿は、PTによる「揺すり運動」の指導を通じて、身体の帰属が相互行為の中でどのように構成されるかを分析する。PTは発話・動作・接触を用いて動作を段階的に提示・調整し、状況に応じて主導と補助を使い分けることで、患者の自律的な動作生成を支援していた。身体の動きの帰属先は固定的でなく、相互行為的に動的に構成されていた。リハビリにおける身体の操作と学習を相互行為的達成として捉える視点を提案する。
  • P1-16
    大髙 愛 (札幌学院大学心理学部臨床心理学科)
    森 直久 (札幌学院大学)
    大髙(2024)はティッシュ配りの観察研究により、受け手が誰かが不確定で受け手に複数の行為選択が可能な状況での受け渡しの達成が➀視線交絡による受け手特定と不確定性の縮減②適切な位置やタイミングによる差出・受取行為の連鎖を経て実現されるとした。本研究は仮説中の「視線交絡の前提となる視線送り」と「差出のタイミング」が受け渡しの実現に寄与する変数かを実験的に検証した。受け渡しが最も成功しやすい差出のタイミングが受取の2秒弱前であると推定した。
  • P1-32
    坂井田 瑠衣 (公立はこだて未来大学)
    岡野 真衣 (公立はこだて未来大学)
    本研究では,共在状態においてそれまでの相互行為とは無関係に産出される発話が,どのように発話者自身によって独り言として構成され,共在している他者によって独り言として扱われるかを,相互行為分析を用いて明らかにする.分析の結果,発話者は,自身の発話が独り言であることを,発話の連鎖上の位置や身体の志向性によって示していた.共在している他者は,その発話が独り言であることを理解し,反応を示さないか,反応を示すとしても最小限に留めていた.
  • P2-25
    齋藤 巴菜 (公立はこだて未来大学大学院)
    坂井田 瑠衣 (公立はこだて未来大学)
    本研究は,会話がなされていない共在状態において笑いがどのように産出されるのかを分析する.参与者らが笑いうる出来事を理解する際に参照する資源として,互いのあいだで共有された知識や築かれている関係性に着目した.相互行為分析を通じて,笑いは共在経験や個人の習慣に関する知識,日常的前提からの逸脱性を通じて見出され,参与者間の関係性や相互志向性とともに組織されていることが明らかとなった.