キーワード索引
因果推論
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P1-51本研究は,複数の原因候補が存在する状況で,人がどのように主要な原因を判断するのかを説明する反実仮想的因果モデルの妥当性を検討する.日本語話者を対象とした追試実験の結果,必ずしも生起確率が極端な要因だけでなく,反実仮想シミュレーション内で結果との相関が強い要因が重視されることを確認した.熟慮性の個人差が判断の明瞭さに影響することも示唆された.また, 結果事象の感情価によって,因果モデルの適切なパラメータ設計が必要になることが示唆された.
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P1-62本研究では、無向グラフの枠組みに対して「因果の対称性」と「事象の稀少性」を組み込むことで、人間の因果帰納推論を記述するモデルを導出した。メタ分析の結果は、提案モデルが高い記述性能を有することを示し、新たに実施した認知実験の結果は、参加者の回答が無向モデル型と有向モデル型に二分されることを示した。これらの結果は、人間の因果推論の認知モデリングにおいて「規範モデル」と「記述モデル」が相互排他的な仮説ではない可能性を示唆している。
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P2-17本研究では,観察から因果関係の強さを推定する認知課題において,情報の提示形式(オンライン/サマリー)と否定の対称性(非対称/対称)が推論の形式に与える影響を検証した.実験参加者の平均回答値をクラスタリングし,それぞれ因果の方向性を考慮するモデル CS と考慮しないモデル UCS との適合を分析した結果,情報の提示形式や否定の対称性を操作することで因果の方向性を考慮した推論が促進されることが示唆された.