スケジュール順

[OS12] OS12 複雑性を伴う認知過程をどう捉えるか

9月14日(木) 15:40 - 18:10 会場:201講義室
  • OS12-1
    清水大地 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科・情報学環)
    ダンスなどの舞台表現では,共演者や観客といった様々な要素間での相互作用が営まれる.我々は,共演者との相互作用について,ブレイクダンスのバトル場面を対象とし,距離を用いた検討を行っている.本研究では,特に各熟達者が有する独創的な相互作用の方略の抽出を目指し,清水・岡田(2017)のデータについて再分析を行った.結果として,熟達者によって異なる一定の距離をとること,距離を変化させるタイミングが異なること,などの多様な側面の差異が示唆された.
  • OS12-2
    中野優子 (東京大学大学院学際情報学府)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科,情報学環)
    本研究では自分のこれまでに築いてきた価値観では捉えられないような「異質な」芸術作品と,身体を積極的に利用して表現を創るという方法で関わる(鑑賞する)という教育プログラムを現役の芸術家と著者らが協働でデザイン・実施し,それによりもたらされた教育効果を触発という観点から参加者の心理的変化に着目して検討した.結果として,身体を積極的に利用して表現を創るという教育プログラムは参加者の触発を引き起こし,より深い鑑賞体験をもたらした.
  • OS12-3
    山田雅敏 (常葉大学)
    里大輔 (SATO SPEED Inc.)
    坂本勝信 (常葉大学)
    砂子岳彦 (常葉大学)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では,コーチングにおける集団語が,ラグビー高校日本代表選手の身体意識へシンボルグラウンディングしていく認知的過程を解明することを目的とする.その結果,起き上がりの動作と走る準備の意識に関する集団語の分類は,指導された内容に影響を受けていることが示された.また,起き上がりと集まる動作に関する集団語に強い関係が明らかとなり,さらに,集団語の内容がチームレベルの場合、意識と動作では認知的過程に差異がある可能性が示唆された。
  • OS12-4I
    依頼講演
    藤井慶輔 (理化学研究所 革新知能統合研究センター)
    本発表では主体が対象を解釈し、意思決定などを行う認知過程について、文脈(ルール)が明確で複雑な社会的相互作用を行う集団スポーツを例に挙げながら話を進める。この認知過程について、現象の主体からの視点と、主体から離れた観測者からの視点に分類する。本発表ではまず単純な二者の攻防における問題を紹介し、二集団の攻防について、選手の認知過程と、非線形力学系として観測者が認知する過程について説明する。最後に両者の融合的な観点から議論する。