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デザイン

  • OS01-5
    北雄介 (京都大学 学際融合教育研究推進センターデザイン学ユニット)
    山田雅敏 (常葉大学 健康プロデュース学部)
    本研究では街の独特の雰囲気や佇まいを「街の質感」と呼び,それを可視化・分析する.そのために都市様相論を理論的根拠とし,オノマトペを記録・表現ツールとして用いる.静岡県焼津市で,被験者が見聞きしたことや感じたことをオノマトペにより発信してもらう実験を行ない,データを集めた.これを地図上に配置することで,街の質感を表わすオノマトペマップを得た.また様々な視点から分類・分析することで,我々の街の質感に対する認知メカニズムについて探求した.
  • OS04-5
    藤井晴行 (東京工業大学 環境・社会理工学院)
    篠原健一 (日本大学 生産工学部)
    写真日記という媒体を用いて環境との関係の理解を方向づける空間図式を探究している.この探究方法は固定した様式をもつものではなく,実践を通して構成され続ける探究方法である.ものごとの探究を通してものごとの探究方法の実践と探究を同時に行なっている.人工物の創生や使用における人と環境の関わり方を探究する認知科学の方法のひとつとして,写真日記の作成と構造化によって空間図式を探究する方法の意義と実践における気づきを議論する.
  • OS04-6
    南部美砂子 (公立はこだて未来大学)
    福島由佳 (NECネッツエスアイ)
    ジャニヲタと呼ばれるアイドルファンを対象とした質問紙調査とインデプスインタビューにより,彼女たちのソーシャルメディアユーザとしての実態や,心理・社会的特性について検討した.とくに友だちづくりのための独自の情報環境デザインと,それにともなう社会文化的な学習のプロセスに注目して分析を行った結果,彼女たちはソーシャルメディアを活用して主体的にファン活動や他者との関係性を最適化していることが明らかになった.
  • OS04-7
    篠崎健一 (日本大学生産工学部)
    藤井晴行 (東京工業大学・環境社会理工学院)
    沖縄本島北方の離島伊是名島の伊是名集落に暮らす生活者の語りから,伊是名集落の民家にそなわる空間の特徴を抽出しその空間図式を明らかにする.語りの採集は,民家において民家の実測調査と同時におこない,生活の場全体に目を向け,多様で生活に密着した語りを記録する.語りはすべて単文に分け,必要情報を補ったテキストを基礎資料とした.これを用いて,伝統的な民家における生活と空間の関係を考察する.
  • OS06-2
    松浦李恵 (慶應義塾大学)
    趣味としての「コスプレ」にみられる自宅での衣装製作場面を対象とし,その活動を行う中で交わされる家族との会話の特徴や,さまざまな人工物とのインタラクションについて,ビデオカメラとリフレクションインタビューを用いて調査し,分析を行った.その結果,趣味の活動を家の中で円滑に行うということは,個人の動機や欲求の問題だけに還元できるものではなく,環境を構成する人工物や他者とのインタラクションのもとで実現していることがわかった.
  • OS06-3
    佐藤由紀 (玉川大学リベラルアーツ学部)
    青山慶 (松蔭大学コミュニケーション文化学部)
    高木優希 (玉川大学リベラルアーツ学部)
    私たちが絵画を観る時,そこに描かれた“面としての配置のもつ不変項”と同時に“画像の面そのものとしての不変項”を観る(Gibson, 1979).時間芸術である演劇において,観客は俳優の身体に二つの面を知覚しているのではないか。俳優の技術とは“自身の身体”と“演じている役柄としての身体”の二重性を引き受け,その二重性を自覚的に操れることなのではないか。本発表では,具体的な創作の現場を対象に上記の理論的背景および仮説の検証を試みる。
  • OS10-1I
    依頼講演
    小俣貴宣 (ソニー株式会社R&Dプラットフォーム)
    黒嶋智美 (玉川大学ELFセンター)
    萱場豊 (東京大学大学院経済学研究科)
    制約は創造的認知に関する先行研究において、制約は重要な役割を果たすと考えられている。製品開発における創造活動においても制約は重要な要因であり、企業にとってより望ましい産出物を創出するためには、適切な制約条件を見出し選択することが肝要である。更に言えば、そのような適切な制約条件を抽出するためには、多様な制約の本質的な理解が大事である。本発表では、創造行為における制約の理解という観点から分析を行った2つの事例を紹介する。
  • OS10-3
    布施瑛水 (東京工業大学工学院機械系エンジニアリングデザインコース齊藤滋規研究室)
    齊藤滋規 (東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 エンジニアリングデザインコース 准教授)
    本研究では,集団のメンバーの専門多様性が創造的なアイディア生成に与える影響を検証した.専門多様性のある集団とない集団で生成されたアイディアの創造性を創造性の定義に基づいて評価した.その結果,創造的アイディア生成率には有意な影響はなかったが,アイディア生成の観察から専門多様性の影響が観察された.また、メンバーが互いの専門の違いを理解して受け入れることや、専門性が活かされるアイディア生成のプロセスを設計することの必要性が示唆された。
  • OS13-3
    田中伸之輔 (筑波大学大学院人間総合科学研究科)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    新奇な人工物の利用をためらう行動である“怖がり”が,加齢に伴い増大し,高齢者の人工物利用困難を招くことが指摘されてきた(田中・原田2015;2017).本研究では,怖がりの発生が人工物の特性によって異なるか否かを検討するため,新たに調理機器2種で怖がりを分析,比較を試みた.その結果,身体的リスクならびに自動性は怖がり発生に寄与せず,先行研究で示されたブラックボックス性,利用目的の複数性こそが怖がり発生に関わっていると示唆された。
  • OS13-4
    水津功 (愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸科デザイン専攻)
    斎藤洋典 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    適切なデザインの達成に不可欠なユーザーの要求の確定プロセスは様々な要因によって困難に陥る。余白のデザインではユーザーが不確定のまま行われるデザインの問題に取り組んだ。本研究では改修を予定している高齢者施設の調査をもとにユーザーが確定しても要求が確定しない諸要因について考察するとともに、医療分野におけるSDMを参照しデザイナーとユーザーが意思決定を共有するための支援者の必要性を指摘した。
  • OS15-1I
    依頼講演
    有賀三夏 (東北芸術工科大学 創造性開発研究センター)
    本研究の目的は芸術・デザイン系学生を対象に、社会的参加を目指すための教育方法を開発することである。学生が可及的速やかに社会的参加に興味を持ち、「地域社会へ貢献できる人間の生き方」を意識するきっかけとなるアクティブ・ラーニング型キャリア形成カリキュラムの作成を考察する。地域環境改善に関わるアート活動に学生たちを従事させることで、主体的な問題解決能力の育成に寄与する活動モデルを提案する。
  • OS15-3
    谿雄祐 (関西学院大学)
    飛谷謙介 (関西学院大学)
    山﨑陽一 (関西学院大学)
    井村誠孝 (関西学院大学)
    長田典子 (関西学院大学)
    物の質感を自在に決定できることはモノづくりにおいて有用であると考えられる。我々は将来訪れるであろう、3Dプリンタなどによる個人の自由なモノづくりにおいて所望の質感を実現する支援システムの構築を目指した研究を行っている。対象物の質感を評価する心理実験と物理特性の計測を行い、両者の結果を定式化することでモノと質感の関係を明らかにし、さらには所望の質感を実現する物理特性を推定し、モノを合成するアルゴリズムを開発するための研究を紹介する。
  • OS15-4
    猪股健太郎 (関西学院大学)
    荷方邦夫 (金沢美術工芸大学)
    佐藤暢 (関西学院大学)
    河崎圭吾 (金沢美術工芸大学)
    長田典子 (関西学院大学)
    本研究では,デザインの初心者を支援を目的として,以下の検討を行った。まず,予備調査によってデザインの良さを構成する下位項目の印象を選定した。本調査では,それらを実現するためのデザイン行為をプロのデザイナーから収集して体系化を行い,デザイン行為のインデックスを作成した。その結果,デザイン行為は先行研究と同様の5つのカテゴリに分類可能であったことから,デザイナーの形式知のカテゴリ構造の頑健性が示唆された。
  • OS15-5
    寺朱美 (北陸先端科学技術大学院大学)
    安藤裕 (北陸先端科学技術大学院大学)
    藤波努 (北陸先端科学技術大学院大学)
    永井由佳里 (北陸先端科学技術大学院大学)
    視線追跡装置を利用して,好きな絵画を見る時の眼球運動を観察する実験を行った.実験はデザイン関係者と一般人を対象とし,静物画,風景画,人物画,抽象画,合計32点の画像を 7秒間ディスプレイに表示し,1000Hz/secで眼球運動を計測した.その結果,左右両目のX軸とY軸の差分(輻輳)で,デザイン関係者はY軸方向の差分の値が有意に高いことがわかった.また,左右両目のX軸方向とY軸方向の差分と画像の縦横比で相関が低いことがわかった.
  • OS15-6
    田中吉史 (金沢工業大学情報フロンティア学部心理情報学科)
    美術初心者は、絵画鑑賞時に描かれた対象物の特定に固執する傾向(写実性制約)があることが知られている。本研究では、抽象絵画の鑑賞において、写実性制約がどのように作用しているかを検討した。美術初心者である一般大学生が2人一組で、2点の抽象画を5分ずつ観賞しながら行った自由会話を分析した。その結果、抽象絵画においても具体的な対象物を同定しようとする傾向が強く見られ、また絵画のスタイルや題名によって反応が変化した。
  • OS18-5I
    依頼講演
    川村洋次 (近畿大学経営学部)
    テレビコマーシャル(CM)の広告表現については,CM総合研究所が1997年から統一した15種類の好感要因指標(出演者・キャラクター,ストーリー展開が良い,ユーモラスなところなど)に基づき好感要因調査を月1回行なっている.本研究では,それらの指標と広告映像技法(ストーリー技法,演出技法,編集技法,音響技法など)との関係を整理し,調査データを基に,CM表現と広告映像技法の特徴と変遷についてまとめる.
  • OS18-6I
    依頼講演
    廣田章光 (近畿大学)
    問題解決に注目した研究に対して、近年、問題が明確でない状況におけるイノベーションの発生が示されている(石井1993,2009,2014, Lester and Piore 2004,Von Hippel and Von Krogh 2016)。本研究は問題が明確でない状況におけるイノベーションを取り扱う。 スーパートップアスリート向けの製品開発事例を通じて、 開発焦点の収束と拡散の要因を考察し、価値創造との関連を考察した。 さらに、ユーザー、開発者、ユーザーと開発者の3つの対話の存在を指摘した。同時に、それらの対話における開発焦点の同期が収束に、非同期が拡散につながることを提示した。
  • OS18-7I
    依頼講演
    金井明人 (法政大学社会学部)
    本発表は,映像の受け手の認知的方略の部分的な転換に向けた映像修辞を,転換技法として特に論じ,物語生成につなげることを目的とする.転換技法は,ストーリーに関する処理を切断せずに,受け手の物語処理に不均一性を意図的に生じさせ,一つのストーリーに対し,認知の多重性・多様性を生じさせるための技法である.
  • P1-2F
    下嶋篤 (同志社大学文化情報学部)
    Dave Barker-Plummer (Center for the Study of Language and Information)
    図的表現の重要な特徴の一つは、複数の図要素が集まって特定の知覚的パターンを形成し、それによって大局的な情報を伝えることができることである。本発表では、論理学的アプローチにより、そもそもなぜそうした知覚的パターンが特定の意味をもつのかを明らかにする。また、こうした論理的知見が、図の知覚的パターンの読解に必要な心理的条件や、関連するいくつかの重要な心理的現象の機序にどのような光を当てるのかについても考察する。
  • P1-29F
    福田将人 (慶応義塾大学)
    諏訪正樹 (慶応義塾大学)
    人間にとって「食」は非常に豊かな「体験」であり、「食体験」は様々なものごと(変数)で彩られている。本研究は第一著者の生活上での体験をもとに、「豊かな食体験」とは如何なるものごとかを一人称研究[4]として探究することである。生活領域の「食における身体性」を探るため、食体験はどのような変数で彩られており、それに留意できた時どのような体感、そして解釈/意味付けが得られるのかを詳細に探究する。
  • P1-30F
    今村新 (JAIST 北陸先端技術大学院大学)
    永井由佳里 (JAIST)
    谷口俊平 (JAIST)
    市場経済を前提する先進国の多くでUberやAirBnBに代表されるシェアリングエコノミーが進展し、市場経済における既存の商習慣へ徐々に影響を与えている。従来の商習慣を介さずにユーザー自身の再発明が他者へ伝播する消費プロセスはエコノミー環境に変容を迫る。本研究では、ユーザーイノベーション研究に関する研究を整理しながら、最終消費者によるイノベーションに注目した研究の可能性と課題を論じる
  • P1-41
    永井由佳里 (北陸先端科学技術大学院大学)
    宮田一乘 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日高昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    松村和明 (北陸先端科学技術大学院大学)
    長尾祐樹 (北陸先端科学技術大学院大学)
    本研究は、コンピュータサイエンスおよび、マテリアルサイエンスの融合研究を遂行するこ とで、新しい材料による質感創出を目指すとともに、プロダクトデザインへの応用により ユーザ経験をより豊かにすることを目的としている。この目的に対し、新材料開発プロジェ クトの基盤として、質感認知に焦点を絞り、認知科学の議論を踏まえた新しい質感創出への展開を目標とする
  • P1-44
    加藤由香利 (成城大学)
    新垣紀子 (成城大学)
    「なぜドアが開けられないのか」に注目し、開けやすいドアに必要な要素を明らかにすることを目的とした。人がドアに対してとる行動について、取っ手の種類による違いと、サイン(押、引)の有無による違いについて観察調査を行った。その結果、取っ手の種類によらず押して開ける人が多く、これは押す行動が体の移動方向に逆らわないからだと考えられる。また、サインがある場合、その通りに開ける人が多く、サインによって「ドアが開けられない」ことを防げるといえる。
  • P2-19
    木下雄斗 (信州大学)
    島田英昭 (信州大学)
    本研究は絵画初心者の抽象画鑑賞に対する、既有知識、鑑賞方略、両者の相互作用の効果を検討した。前半、参加者は単に抽象画鑑賞を行った後、質問項目(心地よさ、不快さ、フラストレーション、不可解さ)に回答した。後半、参加者の一部は鑑賞前に作品解説を読み、既有知識を得た。別の参加者は鑑賞前に、作品の意味を鑑賞中、創造的に考えること(拡散的鑑賞方略)を教示された。実験の結果、既有知識と拡散的鑑賞方略の両方が与えられた群のみ、全項目で変化が現れた。
  • P2-47
    青山慶 (松蔭大学コミュニケーション文化学部)
    本研究では,2名の養育者と1名の乳幼児が暮らす住居の日常場面の様子を縦断的にビデオ撮影し,家具の配置換えの変遷を抽出した。Sの移動と合わせて縦断的な分析を行った結果,養育者による家具の配置換えは,横方向への移動の広がりと,縦方向への乳幼児の移動の広がりを,水平面と垂直面の配置によって制御することとして特徴づけられることが示唆された。