スケジュール順

[P2] ポスターセッション2

9月14日(木) 10:30 - 12:30 会場:202,203講義室
  • P2-1
    水野りか (中部大学人文学部)
    松井孝雄 (中部大学人文学部)
    同音異義語が聴覚呈示されても音韻から形態へのフィードバックが生じる証拠を得るために,その呈示直後にその出現頻度1位の仲間の第1文字と,漢字が同じ,漢字は異なるが音韻は同じ,漢字も音韻も異なる第1文字のターゲット語を視覚呈示して語彙判断時間と誤答率を測定した。その結果,語彙判断時間は漢字が同じ条件と音韻だけ同じ条件が両方異なる条件よりも長く,誤答率は漢字が同じ条件が他の2条件よりも高く,上のフィードバックが生じた支持的証拠が得られた。
  • P2-2
    粟津俊二 (実践女子大学)
    日本語行為文理解時に発生する運動シミュレーションに関する4実験を、メタ分析した。過去の実験で用いた127の手行為文を対象に、その文が意味する行為の方向、力、速度、大きさ、及び文の文字数、モーラ数、親密度、心象性が、有意性判断課題の反応時間に与える影響をい因子分析と重回帰分析により検討した。その結果、動作の大きさと速さが、反応時間に影響していた。運動シミュレーションには、動作の大きさや速さを制御する神経回路も含まれることが示唆される。
  • P2-3
    林美都子 (北海道教育大学函館校)
    浅野稔也 (北海道教育大学)
    長田・長坂(2001)のシェマティックな顔図形を用いて、大学生を対象に実験を行った。目もとと口もとの表情が異なる(例えば、喜びの目もとと真顔の口もと)場合における部分表情の認知では、「目は口ほどに物を言う」という諺通りになるか検討したところ、諺とは異なり、いずれの条件でも目もとよりも口もとの表情の影響が強いことが明らかになった。今後、他の表情を用いる、目もとの面積を調整するなどの実験を行い、さらなる検討が必要である。
  • P2-4
    張寓杰 (東邦大学理学部情報科学科)
    寺井あすか (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
    上西秀和 (獨協医科大学基本医学情報教育部門)
    菊地賢一 (東邦大学理学部情報科学科)
    中川正宣 (大妻女子大学人間生活文化研究所)
    本研究では,張ほか(2013)の研究で構築した日本語の計算モデルにおける,日本語の名詞と動詞の関係に名詞と形容詞の関係を加え,計算モデルを拡張し,心理学実験によりモデルの妥当性を検証した.また,今までの研究成果の発展的応用として,帰納的推論の検索システムをプログラミング言語PHPにより構成した.この検索システムは現在ローカル環境に限定されているが,今後WEB上での一般的利用を予定している.
  • P2-5
    桃川智行 (明治大学大学院理工学研究科)
    上野佳奈子 (明治大学理工学部)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    本研究では,不随意な運動により引き起こされる聴覚フィードバックに遅延を挿入した際の脳活動を測定し,遅延検出の知覚特性を検討した.随意運動で同様の実験を行った先行研究では,遅延検出に関する事象関連電位(EP2)が100,200 ㎳遅延条件で生起したのに対し,不随意運動の場合は200,300 ㎳遅延条件で生起した.この結果は、不随意運動時には遠心性コピーを利用できないためにフィードバック予測の内部生成が遅れることを示唆している.
  • P2-6
    近藤健次 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
    永井由佳里 (北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科)
    mini-cの育成は日常行動を変容させることであると考えられ,本稿ではトランスセオレティカルモデルに着目し,変容ステージ(SoC)と意思決定バランス(DB)の関係を調査するため,尺度を作成し質問票調査を行った.分析の結果,DBには「恩恵」「実施障壁」「悪影響」の3因子が見出され,また,SoCとこれらの因子の関係が明らかになった.結果を踏まえ,mini-cに関するDBの特徴及びmini-c育成の留意点について考察する.
  • P2-7
    神原一帆 (京都大学)
    井上拓也 (京都大学)
    生態学的な視点においては,ある語彙の使用は,それが使用される言語コミュニティー内において適応的な価値を反映していると言える.本研究は,Gries (2010)による挙動分析 (behavioral profile) をベースに,上下関係 (hyponymy) にあるとされる語彙の分析,考察を行うことで,言語研究に生態学的な視点を導入することの意義,すなわち現象の説明妥当性を示す.
  • P2-8
    小野創 (津田塾大学)
    柳野祥子 (株式会社ジャストシステム)
    小川萌子 (津田塾大学 ※研究実施時)
    大塚亜未 (津田塾大学)
    語彙頻度や親密度は、語彙判断に要する時間を変動させる代表的な要因である。本研究では、親密度ベースの個人の属性推定が、語彙判断に要する反応時間という指標からどの程度可能であるのかを検討することを目的とする。特定の大学に属する学生が日常頻繁に接する単語を選定し、それらを親密度の操作として用いた語彙判断実験を実施した。そして、そのような親密度指標が属性推定に一定程度有効であることを明らかにした。
  • P2-10
    青山征彦 (成城大学社会イノベーション学部)
    学びや実践がどのような基盤に支えられているかについて、レジンアクセサリーの制作を趣味としている女性のインタヴューを、野火的活動という観点から分析した。その結果、宇宙塗りという技法がテンプレートとなって、実践に参入しやすくなっていること、ハンドメイドについての予備的な知識を持っていることが参入を助けていること、制作には100円ショップが、実践に意味を与えるにはイベントが重要な意味を持っていることが明らかになった。
  • P2-11
    Enhances Critical Thinking Through Case Studies and Concept Maps in College Students
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    Nani Barorah Nasution (金沢大学人間社会環境研究科)
    谷内通 (金沢大学人間社会環境研究科)
    This study evaluated effectiveness of case study and concept map on improving CT skills and CT disposition in Indonesian college students. It was shown that case study was effective if it was combined with concept map.
  • P2-12
    中野良樹 (秋田大学教育文化学部)
    大槻正伸 (福島工業高等専門学校電気工学科)
    た.解決への自信度は時間経過とともに低下し,完成直前でも上昇しなかった。つまり,作業者は目の前の状態が完成に近づいているかを正しく推定することはできなかった.一方で、課題そのものの難易度は正しく評定できていた。視線移動に関しては、解決力の高い作業者はピース配置という問題空間を全体的に走査して捉える傾向があった。
  • P2-13
    市川淳 (名古屋大学大学院情報科学研究科/京都工芸繊維大学)
    三輪和久 (名古屋大学大学院情報学研究科)
    寺井仁 (近畿大学産業理工学部)
    個人間の協調が求められるオーケストラ等では,お互いの行為を表象し,スキルを共有することが重要であると考えられる.人は,抽象化したレベルでスキルを習得する (Mazur, 2006; Schmidt, 1975).ゆえに,個人間の協調が要求される課題において,人は抽象化したレベルのスキルを他者と共有すると考えられる.本研究では,ボールジャグリングの2人カスケードの達成過程において,抽象化したレベルのスキルを他者と共有するかを検討する.
  • P2-14
    田中千晶 (金沢大学)
    谷内通 (金沢大学)
    本研究は,8方向放射状迷路を使用して,ラットにおける指示忘却を検討した。複数の項目の同一の試行内での提示により,後の記憶テストの不在を信号された忘却項目から,後にテストされる記銘項目へと記憶資源の再配分を促す,ヒトにおいて用いられるような手続きを実現した。通常テストと比較して,プローブテストの成績が低下したことは,記憶資源再配分型の手続きがラットにおける指示忘却の検討に有効であったことを示す。
  • P2-15
    杉澤千里 (富士市立富士南小学校)
    本研究の目的は,音楽の授業の際に「知識構成型ジグソー法」を用いて,「曲想の特徴」「歌唱技能」「音の強弱と高さの関係」「歌詞の内容」の4つの要素を軸に,旋律の特徴に合った歌唱表現を追求することにある。この授業の後には,授業前と比べ,旋律の特徴について記述した4つの要素に関する内容が増加した。また,授業中の発話についても,4つの要素を統合した内容が見られた。この結果,児童の歌唱表現が,旋律の特徴を付けるものへと変化したといえる。
  • P2-16
    身体でスケール化された高さの障害物の跨ぎ越え:行為安定性の変化に関する予備的検討
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    児玉謙太郎 (神奈川大学)
    安田和弘 (早稲田大学)
    園田耕平 (立命館大学)
    本研究では,障害物の高さによる跨ぎ越え動作の変化を検討した.跨ぎ越える際の爪先と障害物との距離のばらつき(変動係数)を先行脚と後続脚について求め,高さを要因とした1要因分散分析を行った結果,それぞれ主効果が有意に認められた.しかし,下位検定の結果,先行脚と後続脚で異なる傾向がみられ,それらの結果は予測と異なるものであった.今後,データの再解釈,及び他の分析指標の導入などによって,生態学的/力学的な観点から障害物回避行動を検証したい.
  • P2-17
    西川未来汰 (金沢大学)
    谷内通 (金沢大学)
    本研究では,ラットにおける予期的対比効果を検討した。 実験群には,サッカリン溶液の後により好ましいのスクロース溶液を与えた。予期的対比効果は第1段階では示されず,溶液間間隔が5分に短縮された第2段階で確認された。この効果は,溶液間間隔を再度30分に延長しても維持された(第3段階)。これらの結果は,ラットの展望可能時間,より近い将来の経験を通して拡張されることを示唆している。
  • P2-18
    田崎帆貴 (東京電機大学 情報環境学部 情報環境学科)
    林拓弥 (東京電機大学 情報環境学部 情報環境学科)
    日根恭子 (東京電機大学 情報環境学部 情報環境学科)
    本研究の目的はHMDのヘッドトラッキング技術に着目し,映像が観察者の視点の位置によって変わる視覚の能動性によってVR体験がどのような影響を受けるか検討することであった.これまで,受動的に視覚するより,能動的に視覚した方が認識能力は高くなることが報告されている.実験の結果,視覚の能動性が観察者の感覚や記憶成績に影響を与えることが明らかとなった.VRがどの程度人の学習や記憶などの認知処理に影響を及ぼすか議論する.
  • P2-19
    木下雄斗 (信州大学)
    島田英昭 (信州大学)
    本研究は絵画初心者の抽象画鑑賞に対する、既有知識、鑑賞方略、両者の相互作用の効果を検討した。前半、参加者は単に抽象画鑑賞を行った後、質問項目(心地よさ、不快さ、フラストレーション、不可解さ)に回答した。後半、参加者の一部は鑑賞前に作品解説を読み、既有知識を得た。別の参加者は鑑賞前に、作品の意味を鑑賞中、創造的に考えること(拡散的鑑賞方略)を教示された。実験の結果、既有知識と拡散的鑑賞方略の両方が与えられた群のみ、全項目で変化が現れた。
  • P2-20
    新井田統 (KDDI総合研究所)
    原田悦子 (筑波大学)
    ICT利用時の待ち時間の問題は主に工学分野で議論されてきた.リッカート尺度による主観的な満足度評価の結果は通信システムの設計や制御に利用されてきたが,指標の意味を十分に議論してきたとは言えない.本稿では,待ち時間に対する満足度評価の心的プロセスが,時間評価の丁度可知差異の検出に基づくとする理論モデルを提案した.評価実験結果を用いて分析したところ,異なる二つの条件で取得したデータが,提案モデルに基づき同じ傾向を示すことが明らかとなった.
  • P2-21
    大槻正伸 (福島工業高等専門学校)
    大塩智則 (福島工業高等専門学校)
    小泉康一 (福島工業高等専門学校)
    車田研一 (福島工業高等専門学校)
    一定周期で、その都度ランダムに配置されたドット群を提示すると、観察者はドットを流れ(落下、上昇等)と認知する。本論文では、提示画面の左20%の領域を実際に落下(上昇)するように制御し、観察者が、この領域の落下(上昇)速度を上げて行き、ランダムドット提示領域と区別がつかなくすることで、ランダムドット群の流れ認知速度を計測した。認知速度は、個人によって異なるが、ランダムドットの最近点移動平均速度と認知速度には強い相関があることがわかった。
  • P2-23
    森下美和 (神戸学院大学)
    原田康也 (早稲田大学)
    心理言語学的研究では,統語的プライミング(言語処理プロセスにおいて,直前に処理した文と同じ統語構造パターンを用いる傾向)が,学習者の言語産出における統語構造の学習や統語処理能力の向上に利用できる可能性が示されている。第一著者は,日本人英語学習者を対象とし,統語的プライミングを利用した一連の実験を行い,語彙・統語情報とその処理プロセスについての知見を得ている。本稿では,接触回数を操作して新たな実験を行った結果について報告する。
  • P2-24
    茂木航介 (東京電機大学情報環境学部情報環境学科)
    日根恭子 (東京電機大学情報環境学部情報環境学科)
    視野周辺部で提示された情報が中心部に提示される情報の処理に影響を与えるとされているが,影響の要因について不明な点は多い.本研究では,周辺部の情報に対して生じる違和感に着目し,周辺部の情報が中心部の情報の処理へ与える影響を検討した.実験は風景画像,風景画像にモザイク加工した画像,黒塗り加工した画像を用いた画像観察を行った後,記憶再生課題と再認課題を実施した.再生課題の結果から,黒塗り加工による違和感が記憶成績に影響を与えたことが示された.
  • P2-25
    ITSとメディア論の融合可能性を研究手法のモデル化によって検討する
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    森田均 (長崎県立大学国際社会学部)
    本研究は,地域社会への参画によって情報社会論を拡張する可能性を探る試みを発展させたものである.具体的には,検討に用いていた情報社会論という研究分野からメディア論へと変更する.発表では検討対象をメディア論とすることによって,よりアクチュアルな分析が可能となることを示す.
  • P2-26
    福丸歩実 (千葉工業大学大学院)
    山崎治 (千葉工業大学)
    本研究では、文章理解を促進する方法について調査することを目的とし、文章に図を添え実験を行った。実験では、3種類の未完成図(用語ぬき・関係ぬき・例ぬき)を利用した。実験参加者は、文章に付与する図の種類により5条件に分けられた。未完成図条件の実験参加者には、未完成図を完成させることを要求した。その後、理解課題を行ったところ、用語ぬき条件より例ぬき条件の平均点のほうが高く、また用語ぬき条件より図なし条件の平均点が高いという結果が得られた。
  • P2-27
    永井香 (東京 桜美林中学校・高等学校)
    数学で新しい内容や公式を学ぶとき,教師によって説明された例題と少しでも形式が異なる問題には対処できない生徒は多い.本研究では,生徒が新しい内容を学習するとき,教師が説明をするより前に生徒たちが試行錯誤しながら協調的に学習する形式の授業(知識構成型ジグソー法)を試みた.協調的に学習することで,初めて学ぶ内容であっても,教師の説明がなくても様々な形式の問題にも公式が適用できるようになり,学習内容の定着度も上がることが示唆された.
  • P2-28
    田村昌彦 (立命館大学)
    本研究では,不確かな状況下での意思決定における選択変更率の性質について検討した。このような状況における選択変更率に上限が存在することは指摘されている。しかし,これらがどのような条件で変動するかなどについては検討されていない。そこで,本研究では非線形回帰分析を用いて検討した。
  • P2-29
    中村太戯留 (慶應義塾大学)
    隠喩的表現の面白さには,価値の低下(優越理論),何かが放出される感じ(エネルギー理論),そして何かが間違っている感じや新たな関係性の発見(不調和解消理論)という感覚の関与が予想された. 19名の大学生を対象に,これらの感覚を調査した.結果,何かが放出される感じと,新たな関係性の発見の主効果が認められた.従って,面白さの判断には,これらの感覚が関与する可能性が示唆された.
  • P2-30
    清河幸子 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
    本研究では,評価の対象となる課題への取り組み(試行)が「自分のもの」なのか「他者のもの」なのかといった動作主に関する認識がモニタリングの適切さに及ぼす影響を,洞察課題であるTパズルを用いて検討した.実験参加者に対して1分ごとに「どのくらい解に近づいているか」に関する評価(warmth評定)を求め,自分で課題に取り組みながら評価を行った自己試行評価条件と他者の試行に対する評価を行った他者試行評価条件の間で比較を行った.
  • P2-31
    福永征夫 (アブダクション研究会)
    地球規模の難題群に対処するためには,人間の営みのパラダイムを自然の循環の論理と適合するものに転換し,環境の淘汰圧に対する自由度の高い,環境の変化に中立的な,高深度で広域的な高次の認知,思考と行動,評価・感情を自己完結的に実現しなければならない.その条件は, 部分/全体, 深さ/拡がり, 斥け合う/引き合う, 競争/協調,などの一見矛盾し二項対立する相補的なベクトルの間に,融合という臨界性を実現して行くことであろう.
  • P2-32
    谷貝祐介 (人間科学研究科)
    古山宣洋 (早稲田大学人間科学学術院)
    三嶋博之 (早稲田大学人間科学学術院)
    本研究では、ドラム熟達者・初心者の身体運動(肘、膝、頭部等)・スティックの運動を、3次元動作解析装置を用いて計測し、検討する。具体的には、身体とスティックの位相構造を分析単位とすることで(例えば肘とスティック)、ドラム熟達者が、身体とスティックを巧みに協調させながら正確な演奏を実現していることを明らかにする。なお本研究は、現在データ収録段階の研究であるため(2017/07/10)、ポスター発表では、最新データを公表する。
  • P2-33
    小島隆次 (滋賀医科大学医学部)
    井手菜月 (滋賀医科大学医学部)
     本研究では、劇作品における、セリフを介した登場人物の印象評価に及ぼす演者の性別の効果を、宝塚歌劇作品「エリザベート」を用いて検討した。実験結果から、セリフを介した劇中キャラクタの印象評価について、演者の性別の効果が生じるケースの存在が示された。特に、評価対象が男性キャラクタの場合において、女性が演じたと想定した条件では、男性性が高く評価されたり、女性性が低く評価されるケースが示された。
  • P2-34
    佐山公一 (小樽商科大学)
     目がストーリーの信ぴょう性に与える影響を調べた.信ぴょう性評定の後,話し手の性格の第一印象を評定した.分散分析の結果,目の形の主効果が認められた.性格印象の因子分析の結果,4因子が見出された.4因子に信ぴょう性を加え共分散構造分析を行った結果,知性因子が信ぴょう性に影響していた.多母集団の同時分析の結果,たれ目の人は,アーモンド形,半月の人よりも信ぴょう性を高めることが分かった.
  • P2-35
    代理報酬が他者への共感に与える影響:皮膚電気反応による検討
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    Aziem Athira Abdullah (明治大学理工学研究科)
    中島瑞貴 (明治大学理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    代理報酬とは、他者が報酬を得るのを観察したときに自分自身が報酬を得たかのように感じることである。本研究では、応援によって得られた代理報酬が他者の痛みに対する共感を促進することを皮膚電気反応を用いて調べた。その結果、応援した相手、さらには報酬をより多く受けた相手に対してより大きな共感反応が見られた。これらの結果から、他者を応援しているときに受けた代理報酬によってその他者とのが一体感が高まり、共感反応が促進される可能性が示唆された。
  • P2-36
    橋爪一治 (島根大学大学院教育学研究科教育実践開発専攻)
    森脇春奈 (前島根大学教育学部)
    本研究は,文字や記号に関する大域傾向はいつごろからみられるのかなど,子どもの成長による注意能力の特徴を明らかにすることを目的とした。被験者は小学校児童36名,大人10名,計46名であった。PC画面上に小さな記号や文字(局所文字記号)で形づくられた別の大きな記号や文字(大域文字記号)が表示された。被験者は,大域文字及び局所文字記号を回答し,その時間を計測した。その結果年齢の増加による発達の特徴が確認された。
  • P2-37
    平子祐亮 (明治大学大学院理工学研究科電気工学専攻)
    伊藤貴昭 (明治大学文学部)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    近年、動画視聴時の脳活動解析の手法として被験者間相関(ISC)解析が注目されている。本研究では、ISC解析を用いて動画授業の内容理解に関わる脳機能を調査した。同じ動画を視聴した時に被験者間で脳活動が相関する脳領域を特定し、ISC値の時系列変化について解析した結果、特定の解説場面において右半球の背外側前頭前野の活動が有意に高かった。このことから動画授業視聴時には背外側前頭前野のワーキングメモリが被験者間で同様に働くことが示唆された。
  • P2-38
    原田康也 (早稲田大学)
    森下美和 (神戸学院大学)
    鈴木正紀 (ピアソン)
    大学生の英語学習到達度には大きな幅が見られる。中学・高校における英語学習経験は学校により複雑で、学校外の学修経験も英語運用能力に大きな影響を与えている。英語の学力が高い学生については、語彙・文法・連語などの英語に関する知識とリスニング・スピーキング・ライティングなどリアルタイム性を要求される課題での運用能力に大きな乖離があることが多い。同じく産出といっても、スピーキングとライティングでは一定の差が見られることが一般的である。
  • P2-39
    後藤靖宏 (北星学園大学文学部心理・応用コミュニケーション学科)
    電子書籍に感じる満足感の欠如や深く読み取れないといった“違和感”の実態を,文章の深層的な理解度を調べることによって明らかにした.短編小説の感想を書かせる問題と,文章には直接的に表現されていない事柄についての記述問題を作成し,電子書籍と通常書籍の読了後の点数を比較したところ,両者に差はなかった.この結果は,電子書籍に対する“違和感”は文章の理解度とは直接的な関係はなく,必ずしも合理的とはいえない先入観から発していると考えられる.
  • P2-40
    森下浩平 (大阪経済法科大学)
    西田健志 (神戸大学)
    本研究では,視線計測機器を利用して,第一著者の視線情報から得た注視個所を「見どころ箇所」として記録し,その視線情報を視線マーカーとして重畳表示することで,動画コンテンツの見逃しを防止し,視覚的にも分かりやすい動画視聴支援システムを提案した.検証実験では,実験参加者の視線位置はマーカーが非表示の場合に比べて,サンプルの視線との距離が縮まっていることが分かったため,注目箇所に誘導する手段としては有効であることがうかがえた.
  • P2-41
    松井理直 (大阪保健医療大学)
    本研究は、「知覚的母音挿入 (perceptual vowel epenthesis, Dupoux et al. 1999, 2011)」の妥当性を、エレクトロパラトグラフィを用いた生理実験および知覚実験によって検討した。結論として、日本語には摩擦母音というべき母音変異音があり、これが一見子音連続に見える音響情報から母音を知覚する原因になっていることを導く。
  • P2-42
    山本敦 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    阿部廣二 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
     “Return Trip Effect”(RTE)とは,往路よりも復路を短く感じる現象である(van de Ven, et al., 2011).筆者らは山本・阿部(2015)において先行研究が前提とする時間経験モデルでは「もうここまで来たのか」という日常経験としてのRTEを捉えられないことを示し,新たな時間経験モデルを提案した。本発表では,最新の研究を含む先行研究の再整理と,新たな時間経験モデルに基づいた実証研究の提案を行う.
  • P2-43
    戸梶亜紀彦 (東洋大学)
    愛媛県西予市でのオフィス改革において,従来とは異なった意識を持つようになり仕事への取り組み方を変えていく者とオフィス環境が変化してもなかなか働き方を変えようとしない者がいると考えられた.このような違いは性格傾向を反映した作業嗜好性によるのか,業務特性によるのか,仕事に対する価値観によるのかなどさまざまな要因が考えられる.そこで本研究では,オフィス改革の前後を比較して市職員の中で何がどう変化するのか,しないのかについて検討を行った。
  • P2-44
    乳児におけるGaze-Leaderへの選好:自己・他者・環境の三項関係の理解
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    石川光彦 (京都大学文学研究科)
    板倉昭二 (京都大学文学研究科)
    他者の視線が物体に向いていることで、乳児はその物体への選好を示すことが報告されている。本研究では、他者と同じ対象に注意を向ける共同注意の場面では、視線が向いている対象への選好だけではなく、同じ対象に視線を向ける人物への選好も生じるかを、視線が向く対象に物体と人物顔を用いて検討した。その結果、共同注意をする対象が物体か人物顔かによって乳児は異なる選好注視をしたことから、三項関係の構成によって共同注意の効果が異なることが示唆された。
  • P2-45
    嚥下音による嚥下運動の促進効果
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    松田剛 (京都府立医科大学)
    山脇正永 (京都府立医科大学)
    我々の先行研究では他者の嚥下音を聞くことで嚥下の開始が早くなることが確認されたが、その効果が嚥下音に特有の効果なのか、音刺激全般による効果なのかは不明であった。そこで本研究では18名(平均25.4歳)を対象に音刺激として嚥下音とノイズ音を用いた嚥下反応課題を実施し、嚥下運動の開始を早める効果はいずれの音刺激にもあるものの、その効果は嚥下音の方が強く、また嚥下時の筋活動は嚥下音提示時の方が小さくなることを明らかにした。
  • P2-46
    石川悟 (北星学園大学文学部)
    向社会的行動をとるとき,行動によって自身が得るであろう利益と,同時に生じるコストや不利益とについて考慮する,ある種の葛藤事態に置かれると考えられる.そこで「貸与行動」をとるか否か,そしてその時考慮する内容について質問紙実験で尋ねた結果,「貸与行動」は親密度が高い相手ほど生起しやすいものの,その時には「ケチだと思われたくない」や「罪悪感を感じたくない」といった利己的な理由も考慮されることが示された.
  • P2-47
    乳幼児の住む家における家具の配置の変遷と行為発達
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    青山慶 (松蔭大学コミュニケーション文化学部)
    本研究では,2名の養育者と1名の乳幼児が暮らす住居の日常場面の様子を縦断的にビデオ撮影し,家具の配置換えの変遷を抽出した。Sの移動と合わせて縦断的な分析を行った結果,養育者による家具の配置換えは,横方向への移動の広がりと,縦方向への乳幼児の移動の広がりを,水平面と垂直面の配置によって制御することとして特徴づけられることが示唆された。
  • P2-48
    伊藤拓哉 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部ソフトウェア情報学科)
    小方孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    筆者らが開発中の統合物語生成システムの入力として俳句を利用することを目指し,今回は俳句を自動で生成する手法の考案のために「おくのほそ道」の俳句の品詞の遷移を分析した.また獲得した品詞の遷移パターンなどを利用し生成した俳句に関して,面白さと理解度の試験的な評価を行い,この評価の結果から生成される俳句の向上を目指す.
  • P2-49
    修飾構造における重複について ―日本語と中国語の対照から―
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    程莉 ((中国)武漢大学)
    この発表では現代日本語共通語と現代中国語共通語の修飾構造における重複について,その自然さ~不自然さを文法的な観点から検討する.重複が必ずしも不自然なものではなく,名詞修飾型の重複の場合は「関係節の制限的用法か非制限的用法か」と「“这些”と「これら」の共起制限の違い」といった要因,また,動詞修飾型の重複の場合は「合成的表現の不透明性」と「スキャニング認知結果の利用の制限」といった要因によって自然さを変えることを具体的に示す.
  • P2-50
    平知宏 (大阪市立大学)
    本研究では文理解の過程における空間的な表象の生起過程に注目し,主体と目的語の関係性を上下前後の空間軸をもとに描画させる課題と,文意から想起される感情的評価を測定する評定課題から,感情的評価(快/不快)が実際の空間的な描画とどのように関連するかを検討すること目的とした.その結果,特に抽象的な動作を表す文において,快/不快評価が,描画課題での上/下と近/遠に表現されることが示された.
  • P2-51
    荒井達也 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
    小方孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
    統合物語生成システムの動詞概念辞書において,格納される動詞概念は様々な制約を持つ.統合物語生成システムは動詞概念の持つ格構造における名詞概念の制約に基づき事象を生成する.本稿では,青空文庫中の小説に基づく事象の制約の獲得とその分類を行う.今回は,「N1がN2を食べる」という意味を持つ動詞概念「食べる2」のN2格から,動詞概念「食べる2」の制約の獲得を行う.また,従来の制約と獲得した制約の比較を行い,動詞概念の制約の改善案を提案する.
  • P2-53
    高橋康介 (中京大学)
    日高昇平 (JAIST)
    小川奈美 (東京大学)
    西尾慶之 (東北大学)
    パレイドリア、アニマシー知覚、身体所有感・行為主体感など、人の認知には「過剰に意味を創り出す」という性質が備わっているようである。本稿では知覚から思考、推論に至るまでこれまではバラバラに捉えられてきたさまざまな現象を、「過剰に意味を創り出す」という一貫した枠組みの中で理解すること、そしてこの人間観を「ホモ・クオリタス」と呼び、認知の基本的な原理として位置づけることを提案したい。