研究分野
ロボティクス
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O1-4トロッコ問題を題材とした道徳的なジレンマを引き起こす行為の評価において,人-ロボット間の対話がどのように影響するのかを実験により調べた.参加者は,最初に人型ロボットとトロッコ問題について数分間の対話を行なった後で,そのロボットが五人の命を救うために一人の命を犠牲にする行為を選択したことが告げられ,その行為の問題性を評価した.結果人間は,一人の人間を犠牲にしたロボットの行為を,問題ないと評価する功利主義的立場に傾くことが確認された.
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P2-19認知モデルを搭載したロボットとのインタラクションを通じて,特別支援教育における子どもの認知的特徴を推定する手法の構築を目指し,注意傾向と受容性に関するアノテーション指針を検討した.展示実験の一部を対象とした予備的分析では,視線・発話・教員支援との関連が観察され,行動パターンの抽出可能性が示唆された.今後は行動定義の精緻化や信頼性の確保を図り,全体データに展開して分析を進める.
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P2-26テレプレゼンスロボットは新たな遠隔コミュニケーション手段として注目されている。本研究ではその操作訓練体験が身体化感覚に与える影響をfNIRSとアンケートにより検討した。その結果、右腕を挙げる動作映像視聴時の背側運動前野の活動増加および主観評価との正の相関が確認された。テレプレゼンスロボットの操作訓練体験は、操作者にとってロボットを「もうひとつの身体」として捉える感覚の形成に寄与する可能性がある。