日程 9月12日(金) 12:30 - 14:30
オーガナイズドセッション (OS1-1)
会場:14号館4F(401)
価値中立性への志向を捨て実践の葛藤に飛び込む
オーガナイザー:
青山征彦(成城大学)
新原将義(武蔵大学)
城間祥子(沖縄県立芸術大学)
伊藤崇(北海道大学)
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OS1-1-1公募発表本研究では沖縄の米軍基地反対運動におけるフィールドワークをもとに,研究者が純粋な参加者ではないという“第1の外部性”と,問題の“歴史的当事者”ではないという“第2の外部性”について議論した。前者については,研究者が啓蒙的な役割を引き受けることで,知的権威を帯び,発達的な関係から疎外されるという危険性を指摘した.また後者の外部性が様々な立場からどのように構成されるのかを検討し,これへの直面化が政治的発達の契機となる可能性を指摘した.
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OS1-1-2公募発表グループ・ダイナミックスに基づくフィールド研究において,研究者は価値とどのように向き合い,価値をどのように扱っているのか.この価値という視点からみたとき,グループ・ダイナミックスと認知科学はどのような接点を持ちうるのか.本発表では,筆者が取り組んできた,医療的ケア児のインクルーシブ保育と,幼稚園でのエピソード研修に関するフィールド研究をもとに,上記の問いについて考える.
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OS1-1-3公募発表本発表ではIngold(2011=2021)の「クモ(SPIDER)」という比喩を手掛かりにしながら,対立や葛藤をはらむフィールドにおける記述・分析のありかたを考察する,具体的には,石田・半沢(2004)で示した事例を,新たに記述し直す試みを行った結果を報告する.当日は,この事例を通じて,葛藤が渦巻くフィールドにおいて見出される知を記述する方法について,参加者とともに議論したい.
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OS1-1-4公募発表本稿では,『認知科学』への投稿論文執筆を含む,LGBT活動に連帯しない当事者を対象とした研究を行っているなかでおきた,著者自身の価値観や立場の変化を自己再帰的に記述し考察する.対象者の実践に対して中立的な見方をしていた研究者が,いかにして脱中立的な見方をし,その実践のなかにある対立構造に巻き込まれていったのかについて,対象者とのかかわりの変化や査読者,担当編集委員とのやりとりをふまえながら論じる.