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開催にあたって:愉しい認知科学

日本認知科学会第40回大会 大会委員長 片桐 恭弘

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子どもは発達のある段階で「なぜ」を頻発し、さまざまな事柄について説明を求めるようになります。発達心理学者のAlison Gopnikによると、人間は進化の過程で、現象に説明を与える理論構築のメカニズムを獲得するのと並行して、説明を求める動機づけや、説明が得られた時の満足感も手にいれてきました。これは、子孫を残すという進化的に有用な機能のためにsexの動機づけや満足感を獲得したのと同じである、という仮説をGopnikは提示しています。また、どうなっているのか説明が欲しいと感じる感情や、説明が得られてなるほどうれしいと感じる感情は、認知的感情(cognitive emotion)と呼ばれています。説明を求める理論構築のメカニズムとそれにまつわる認知的感情は、大人になっても機能しています。「子供は小さい科学者である」ではなく「科学者は大きな子供である」というわけです。

「愉しい認知科学」には、Gopnikの認知的感情だけでない、また別の愉しさもあるように思います。認知科学は総合の科学です。物理科学に代表されるような、伝統的科学の現象に対する還元論的説明の探究だけでなく、多様な人間の認知機能を実現する複雑なメカニズムに対する構成的説明も探究します。そこには、自由度が大きく多様な創意を発揮するスペースがあります。そのスペースを探索逍遥するところにも、認知科学の愉しさが認められるでしょう。そのなかで、人びとが集い、愉しさを他者に伝え、他者の愉しさに触発され、愉しさを共有する仲間と出会う。そのようなインタラクションの愉しさも、大きな位置を占めます。

第40回大会は、公立はこだて未来大学で開催します。未来大学はOpen Space, Open Mindを標榜し、学生・教員の自発性と協調性を尊重した「愉しい大学(FUN)」を実践してきました。この大会を「愉しい認知科学」の実践の場とすべく準備を進めています。みなさまの参加を心よりお待ちしています。

会期

2023年9月7日(木)~9月9日(土)

日本認知科学会第40回大会開催のお知らせ(第1号通信)

日本認知科学会第40回大会は、2023年9月7日から9日の会期で、公立はこだて未来大学で開催されます。 現時点ではオンサイトの開催を目指しております。一方で、感染状況によってはここ数年と同様のオンライン開催になる可能性もあります。 皆様のご発表と参加をこころよりお待ちしております。

重要日程

発表申し込み

すべての発表の申し込みは、基本的にアブストラクト(和文の場合2,000字程度/英文の場合750 words程度) の提出によって行っていただきます。ご提出いただいたアブストラクトは少なくとも2名の査読者による査読を経て、プログラム委員会でその採否を決定します。アブストラクトに換えてカメラレディ原稿と同じ形式のフルペーパー(推奨2-6ページ、10ページ以内 4ページ以内)での申し込みも可能です。
(2023年からカメラレディ原稿のページ数の上限が変更されました)

発表資格

発表申込時に、論文執筆者のうち少なくとも1人の日本認知科学会の会員番号を入力する必要があります。発表申し込み期限に間に合うよう、2023年3月末までに日本認知科学会へ入会手続きを済ませておくことが必要です。また発表者は2023年度の年会費を納入済みであることが求められます。

発表形態

一般セッション

希望する発表形態として「口頭」か「ポスター」のいずれかを選んで発表申し込みをしてください。ただし、口頭発表でのご発表を希望された場合であっても、査読の結果、ポスター発表でご発表していただくことがあります。発表形式はプログラム委員会で審議の上、決定いたします。また、提出されたアブストラクト(あるいはフルペーパー)の内容を踏まえ、一般セッションではなくオーガナイズドセッションで発表していただくことをご提案する場合があります。

オーガナイズドセッション(OS)

OSでの発表を希望する場合は、発表を希望するOSタイトルを指定して 発表申し込みをしてください。採択されたOSの詳細は大会Webページ、および第2号通信にてお知らせします。

申し込み方法

発表申し込みはすべてWebを通したオンラインで行ってください。

発表論文原稿

査読

発表申し込み時にご提出いただいたアブストラクトは、少なくとも2名の査読者をつけ、内容についてのコメントを付して採否の決定を申し込み者に連絡します。

原稿の提出

査読の結果、申し込まれた発表が採択された場合は、(1) 10ページ 4ページ以内の発表論文集用カメラレディ原稿と、(2) 大会で配布する大会パンフレットに掲載する発表要旨(200 字)を期日(2023年7月14日) までにオンラインでご提出いただきます。ご提出いただいた原稿は、大会実施と同時に会員に公表され、さらに大会後半年を目安に J-STAGE などの電子的な手段により一般に公開される予定ですので、ご承知おきください。発表論文集は紙媒体ではなく電子媒体での発行を予定します。ページ数の上限は10 ページ 4ページです。なお、推奨ページ数は2〜6ページです。読者の利益を念頭に、図表等を有効に活用しながら明瞭かつ簡潔な原稿執筆を心がけてください。
(2023年からカメラレディ原稿のページ数の上限が変更されました)

著作権について

本大会では、大会発表論文集の一般公開を予定しています。そのため、大会発表論文の著作権は学会誌『認知科学』の規定に準ずるものとします。大会発表論文原稿の登録をもって著作権譲渡に同意したものと見なしますのでご了承ください。ご不明な点は学会事務局までお問い合わせください。

大会発表賞

すぐれた若手発表者個人に対して大会発表賞(対象:OS・ 口頭発表・ポスター発表)を授与します。大会発表賞の申請者は、申請時に条件1のいずれかであり、条件2、条件3を満たしている必要があります。

これらの条件を照合するために、大会発表賞の選考対象になることを希望される方は、発表申込時に生年月日の登録をお願いします。
(2023年から大会発表賞申請者の条件が変更されました)

今後のご案内

今後の情報は大会Webページ、メールによってお伝えいたします。

更新情報

大会webサイトを開設しました。
オーガナイズド・セッション提案申し込み受付を開始しました。
採択されたオーガナイズドセッションの情報をプログラムに掲載しました。