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深層学習時代に認知科学の歴史と価値を見つめ直す - 主観を扱う科学としての認知モデリングの未来 - (Sym)

9月6日(金) 10:30 - 12:15
会場:共21
講演者:
池上高志(東京大学),大平英樹(名古屋大学),鈴木宏昭(青山学院大学),山川宏(全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)
企画:
飯塚博幸(北海道大学),小野哲雄(北海道大学),高橋英之(大阪大学),森田純哉(静岡大学)
深層学習時代に認知科学の歴史と価値を見つめなおす - 主観を扱う科学としての認知モデリングの未来 -
シンポジウム
山川宏 (理化学研究所 生命機能科学研究センター・NPO法人 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)
池上高志 (東京大学)
大平英樹 (名古屋大学大学院情報学研究科)
鈴木宏昭 (青山学院大学 教育人間科学部)
学際領域としての認知科学は,記号処理装置としてのコンピュータの発明,心理学における行動主義への反発などを背景として生まれたとされる.現代の認知科学には様々な立場が含まれるが,認知科学の出発点において,上記の背景より導かれた「認知の情報処理アプローチ=人間内部の主観的プロセスのモデル化」が大きな役割を果たしたことは,概ね同意されるだろう.
近年,盛んに開発される深層学習についても,認知科学の歴史との深い関わりを指摘できる.例えば,Cognitive Science SocietyにおけるRumelhart prizeの受賞者リストを見れば,現代の深層学習に繋がる多くの研究が,認知科学の歴史に多大な貢献を果たしてきたことがわかる.ただし,認知モデルとしての深層学習は,伝統的な認知科学のアプローチと異なり,システム内部の表象を明示的に記述しない.むしろ,このアプローチは,認知科学の伝統的な問い(主観の科学)に対して,データからのボトムアップな表象の発生(表現学習)からアプローチする.
さらに,現在の深層学習は,学術的な場を離れ,一般社会において急速に普及しつつある.深層学習が世間に注目される一因として,処理のブラックボックス化を考えることができる.膨大なデータと高速な計算機さえあれば,それに関する知識を開発者が有さずとも,現象の背後にある複雑な関数・機能を,機械に獲得・模倣させることができる.このような深層学習の工学応用において,人間の認知プロセスとの類似が考慮されることは稀である.逆説的ではあるが,人間の知的機能の自動化が進むほど,人間の有する表象への注目が薄れていく状況と見ることができるのかもしれない.
本シンポジウムは,深層学習が様々なタスクにおいて人間を凌駕するパフォーマンスをたたき出す現代において,あらためて認知科学ができることは何か,今後,どのような方向を目指すべきか,を議論する.深層学習・ニューラルネットを用いつつ人間性の本質に迫ろうとする立場,神経科学や認知科学の伝統を受けつぎつつ主観の科学を追求する立場などが,それぞれの考えを交流させつつ,新たな知の総合科学の姿と課題を描き出す.

賛助団体御芳名(先着順)

(公財)浜松・浜名湖ツーリズムビューロー
(公財)はましん地域振興財団
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株式会社 デジタルメディック
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株式会社 有斐閣
株式会社 ミユキ技研
トビー・テクノロジー株式会社
日本電気株式会社
M Style
株式会社 近代科学社

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後援(五十音順)

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中日新聞東海本社
浜松市
浜松市教育委員会

共催

静岡大学情報学部