日程

口頭発表3:記憶・言語・動物 (sO3)

9月1日(土) 10:20 - 11:50
会場:A棟2F AC230
座長:森田純哉(静岡大学)
  • sO3-1
    西川純平 (静岡大学情報学部)
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    言語能力に関わる脳機能障害への注目を背景に,言語の習得支援に関する研究の需要が高まっている. 本研究では,認知アーキテクチャを用いてことば遊びを行う認知モデルを構築し,シミュレーションにより言語習得に必要な音韻意識のモデル化を試みた. さらに,認知アーキテクチャのパラメータを調整することによって,しりとりを活用した音韻意識の訓練が実現可能であるか検討した.
  • sO3-2
    赤間啓之 (東京工業大学リベラルアーツ研究教育院)
    人間の言語活動をめぐり、脳機能イメージングの領域に機械学習を適用し、言葉の意味処理の神経基盤を求める研究は、脳の中に辞書を地図として描く段階にまで進んでいる。しかし、こうした研究は現在、個人差の捉え方と意味処理中枢の位置をめぐり、大きな限界に直面している。本研究では、Mitchell et alのScience論文に始まる計算神経言語学的アプローチを新たな視点で再分析することで、この限界を扱いうる具体的なメタ分析の例を提示する。
  • sO3-3
    神浦駿吾 (大阪府立大学人間社会システム科学研究科)
    佐藤裕 (徳島大学社会産業理工学研究部)
     我々の記憶において実際に起こっていないことを誤って想起することを虚記憶と呼ぶ.本研究では,虚記憶の生起を検証するDRMパラダイム下において視覚イメージ刺激に対して虚記憶が生じるのかどうかを検討した.実験の結果,画像刺激に対する虚再認はほとんど生起せず,文字刺激との比較において生起率がより低いことが確認され,虚再認においても画像優位性が確認されることが示唆された.
  • sO3-4
    田浦秀幸 (立命館大学)
    言語間距離の遠い日本語と英語を対象言語とする通訳になったばかりの新米通訳者を6年間(22〜28歳)追跡し、英語力・ナラティブ力と脳賦活度合いの関連性を調査した。その結果、大学卒業時に既に高い英語力を持つ新米通訳者も6年間の内に語彙密度や流暢さは向上し、脳賦活もより堪能な母語賦活を抑えることで第2言語にリソースを多く割り当てる経済的な賦活様態に変化してきていることが判明した。
  • sO3-5
    ニホンザルの闘争遊びにおける行動協調メカニズムの検討
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    壹岐朔巳 (総合研究大学院大学先導科学研究科)
    長谷川寿一 (東京大学総合文化研究科)
    「噛みつき」などの攻撃動作が使用される闘争遊びは、喧嘩にエスカレートしてしまうことがある。闘争遊びを行う動物は、互いに行動を協調させることによって喧嘩の発生を防いでいると考えられる。ニホンザルの闘争遊びを対象とした本研究の分析結果から、(A)相互的な参与枠組みの確立、(B)対称的な行動、(C)インタラクションへの継続的な従事といったメカニズムに基づいて、「攻撃時間の調整-攻撃の受け入れ」という相補的協調が行われている可能性が示唆された。