キーワード索引

芸術

  • sP1-31
    三浦慎司 (名古屋大学情報学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学情報学研究科)
    本研究では、VRで作成した空間の中で、天井画と壁に飾られる絵画を天井あるいは壁に配置して絵画の鑑賞をさせた際に,どのように作品に対する主観的な評価が変わるのかについて探索的に検討した。その結果,作品ごとの分析をしたところ、一部では空間的配置と絵画の種類が一致する際に好ましさや感情価、美しさ、覚醒度、強さの評価が変化することが示された。考察として,通常とは異なる体位で鑑賞することを想定した,絵画を鑑賞する際の身体の役割について議論を行う。
  • sP1-70
    田中吉史 (金沢工業大学情報フロンティア学部心理科学科)
    美術初心者の美術鑑賞における解説文の効果を、実際の美術展でのフィールド実験によって検討した。作者による解説文を読む条件、作者による解説文に基づきより能動的に鑑賞するように促すよう指示する問いかけ文条件、解説文なしで鑑賞する条件を設け、15ペアの美術初心者がある現代美術展を鑑賞した。問いかけ文条件では解説文なし条件よりも長時間かけて美術展を鑑賞した。鑑賞中の会話内容の分析により、解説文の内容と作品の特徴との相互作用について検討する。
  • sP2-8
    横地早和子 (東京未来大学)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    本研究では,若手と熟達した美術家の創作活動における「ずらし」に着目し,作品コンセプトや表現方法などを新たに生成する際の認知過程について検討することを目的とした.分析結果からは,若手美術家が表現方法を変えずにモチーフを変える対象のずらしを行うなど熟達者と同じずらしを用いる一方,表現のための方法も主題もすべて一気に変えてしまう傾向があるなど,若手が熟達者と異なる方法で作品を変化させていることが分かった.
  • sP2-19
    松本一樹 (東京大学教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    芸術鑑賞における認知過程は包括的なモデル化が試みられている.本研究では,その中でも創作プロセスの認識という近年注目され始めた要素について,それが美的印象やその他の認知要素とどのような関係性にあるか,介入(創作経験)を通じて間接的に,心理尺度と発話データを用いて検討した.その結果,創作経験は作品の種類にかかわらず美的印象を促進する効果を持ち,かつその過程の中で創作プロセスの認識が重要な役割を果たしている可能性が示された.