現段階で決まっているプログラム内容についてお知らせいたします。

会長講演

統合的認知
講演者:横澤一彦(東京大学)
司会:橋田浩一(産業技術総合研究所)
概要:脳情報処理過程によって、我々の周囲環境もしくは外的世界についての 豊富で詳細な情報を得ることができる。このような過程で、様々な特徴や 多感覚を 結び付ける統合的認知の役割を解明することが益々重要になっている。要素還元的な 理解ではなく、人間の行動全体を理解するために、いくつ かの研究課題に分けて 取り組んでいるので、その中から注意、感覚融合認知、美感、共感覚などの具体的 テーマの研究の進展を紹介したい。

日本認知科学会フェロー授与式

授与者:安西祐一郎,佐伯胖,長尾真,三宅なほみ
司会:横澤一彦(東京大学)
概要:日本認知科学会では2011年7月,日本の認知科学の発展に多大なる功績の あった者を顕彰するため,「日本認知科学会フェロー」制度を制定 しました。 フェロー称号の授与により,これまでの貢献に対して尊敬と感謝の意を示すことを 目的といたします。2012年度大会では,創設初年度に 本称号を授与される4名の フェローに対する授与式を行います。(授与式後に,フェローの皆さんに参加頂く 企画を計画しております。詳細は追ってご 案内いたします。)

特別講演 (一般公開)

実践的防災学から認知科学に期待するもの
講演者:邑本俊亮 (東北大学 災害科学国際研究所/大学院情報科学研究科)
司会:行場次朗(東北大学文学研究科)
概要:平成24年4月、東北大学は災害科学国際研究所を設立した。当研究所では、 災害というものを、事前の対策から、災害の発生、被害の波及、緊 急 対応、 復旧・復興、将来への備えに至るまで、一連のサイクルとしてとらえ、それに 対応できる社会システムを構築することをめざした「実践的防災学」の体系化と 創成をミッションに掲げている。これを達成するためには、防災の主体である 人間の‘認知’に関する視点が必要不可欠である。 本講演では、災害サイクル のそれぞれプロセスにおいて、認知科学がどのような貢献をしうるのか、実践的 防災学が認知科学に期待するものとはどのようなもの であるのかについて論じたい。

シンポジウム1

「主語・目的語語順選好」は普遍的か:主語末尾型言語からの検証
企画者:小泉政利(東北大学)
講演者:玉岡賀津夫(名古屋大学),酒井弘(広島大学),杉崎鉱司(三重大学)
指定討論者:小泉政利 (東北大学)
概要:言語の理解、産出、獲得、のいずれの領域においても、(動詞の位置に かかわらず)主語が目的語に先行する語順(=SO語順)が、その逆の目的語が 主語に先行する語順(=OS語順)よりも好まれる傾向(=SO語順選好)がある ことが知られている。しかし、従来の文処理研究は全て日本語 や英語のように SO語順を基本語順にもつSO型言語を対象にしているため、SO語順選好が個別言語 の基本語順を反映したものなのか、あるいは人間 のより普遍的な認知特性を反映 したものなのかが分からない。そこで、本シンポジウムでは、OS語順を基本語順 にもつOS言語を対象に言語の理解、 産出、獲得の研究に取り組んでいる研究者を 招き、OS型言語における語順選好に関する最新の研究成果を披露して頂き、SO語 順選好の普遍性について検討する。

シンポジウム2

知覚アプローチの現実場面への適用
企画者:永井聖剛(産総研)
講演者:渡邊克巳(東北大学),本吉勇(NTTコミュニケーション科学基礎研究所),熊田孝恒(理研BSI)
指定討論者:齋木潤(京都大学)
概要:伝統的な知覚研究では統制された実験刺激・環境のもと,低次の人間情報 処理システムを断片的(運動視,立体視 等)かつ詳細に理解してきたといえる。 しかしながら,近年,知覚アプローチが適用される研究領域が拡がり,無味乾燥な 実験室環境ばかりではなく,我々の日 常生活に関わりのある高次情報処理へも 適用されるようになりつつある。本シンポジウムでは,基礎的な知覚研究を国際 レベルで牽引し,かつその日 常・産業場面への適用に積極的に取り組んでいる 研究者を招き,好み,アート,産業等のトピックに関する最新の研究成果をご紹介 いただき,今後の展望・課題も含め議論する。

トップページへ戻る