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: 参考文献 : 外観表現とイメージ操作による三次元物体認知 : 4. 総合的考察

5. まとめ

本研究では, 三次元物体の認識において, 刺激の複雑さに依存しない画像ベースの変換と, 複雑さの影響が大きい構造ベースの変換という, 二種類の処理が行われている可能性を提案した. 前者は視点依存表現をテンプレートマッチング的に 比較する処理であり, 後者は三次元構造情報を用いた逐次的視点変換を伴う処理である. それらの特性は表[*]に示したように異なっている. 特に汎化の学習のカテゴリ依存性は, 個々の物体の表現だけでなく, 様々な形状の物体が脳内にどのような表現で記憶されているのか,という 問題に対する一つの手がかりとして重要であると考える. この問題に関しては, さらに様々な形状を用いた実験等によって, より明らかにしていくことが必要だろう.



日本認知科学会論文誌『認知科学』